Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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大変お待たせ致しました。
補習授業部パートは駆け足に参ります。


12.手間ヒマかけて作ろう 思い出の品も積んで行こう

阿慈谷ヒフミ。

白洲アズサ。

下江コハル。

浦和ハナコ。

この4名が集った「補習授業部」。

3回行われるうち1回でも、全員が「特別学力試験」を合格─100点中60点以上─すれば万事問題ない。

そして「第1次特別学力試験」が行われた。

 

ヒフミ:72点

アズサ:52点

コハル:11点

ハナコ:2点

 

「紙一重だったか…」

「本当に紙一重ですね…今回は残念でしたが、次回は合格できるかも…!」

 

しかして「第1次特別学力試験」はヒフミのみ合格、他3名は不合格という結果となり…第2次特別学力試験へ向けて合宿が行われることとなった。

 

****

 

そうして行われるトリニティの別館での合宿。1週間寝食を共にする。

か…しばらく使われていなかったようで、ハナコの提案から勉強の前に掃除からスタートすることに。

始まる前から掃除するにあたって着替えようとなり、ハナコが体操着でなく水着を着てくる小ボケをかまして一悶着ありつつも、各々が順に清掃を行っていく。

 

“こんなところかな…?”

 

時間は掛かりつつも、綺麗になった。

 

「良いんじゃない?ずいぶんキレイになった気がする!」

「うん、悪くない」

「そうですね、お疲れ様でした!」

 

さてそろそろ試験に向けて、というところ。

 

「あ、まだ一か所だけ残っていませんか?」

「あれ…そうでしたっけ?」

「はい、屋外プール♡」

 

しかし移動して確認してみれば、それは相当の荒れ様であった。

 

「これは…」

「だいぶ大きいな、どこから取り掛かれば良いのか…いやそもそも、補習授業に水泳の科目はないはずだけど?」

「試験に関係ないなら、このままでいいじゃん」

「いえいえ、よく考えてみてくださいコハルちゃん。キラキラ輝く水で満たされたプール、楽しい合宿、はしゃぎ回る生徒たち………楽しくなってきませんか?」

「え!?何!?何か高度な話してる!?」

 

それはそれとして。

 

「ですがそうですね、この放置されてしまったプールを見ていると…何だか寂しい気持ちです」

「このサイズだし、昔は使われていた時期もあったんだろう。元はにぎやかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない。それでもこんな風に変わってしまう。『vanitas vanitatum』…これは真実のうちの一つ」

 

ここまで読んでいただいているオマエタチには、決して未だあの保護者もどきの薫陶を受けた上で『vanitas vanitatum』を言ったわけではないと分かっていただけるはずだ。

Phase-0に至った少女の、まだ半分無知の中で知の歓喜を求める中での言葉と知りおき頂きたく。

 

「えっと…?」

「古代の言葉ですね、『全ては虚しいものである(vanitas vanitatum)』…確かにそうなのかもしれません。………アズサちゃん、ヒフミちゃん、コハルちゃん!今から遊びましょう!」

「ええっ!?」

「今から掃除して、プールに水を入れて、みんなで飛び込んだり!明日からはお勉強を頑張らないといけませんし、今日が最後のチャンスかもしれません。途中からまた別のことで色々と疲れてしまうかもしれませんし、今のうちに楽しく遊んでおかないと!さあ、早く濡れても良い格好に着替えて、プール掃除を始めましょう!」

「……うん、たとえ全てが虚しいことだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない」

 

さあ、ここで…最大の問題発言がインターセプトする。

 

「何より…タービンはいつでも回っているから大丈夫だ。水着は持ってきてる、待ってて」

 

ᓀ‸ᓂそしてこの顔である。

 

「???????????」

「???????????」

「???????????」

“??????????”

 

揃って皆さん大困惑。

届かぬも、このような発言は私のせいであり申し訳ないとステルス某はお伝えしたい。

ともかくこの後、ハナコが「濡れても良い格好」で制服を着て来たりすったもんだはあるが、プール掃除を楽しげに行うこととなる。

 

結局この日は、別館の清掃で1日が終わることとなったわけだが。

 

****

 

『…そもそも補習授業部は、生徒を退学させるために作ったものですから』

 

そして桐藤ナギサの複数要因が複雑怪奇に絡み合った末の錯乱は、この世界でもどうやら発生している模様。

この夜、シャーレの先生とヒフミが現状持ち得る情報は共有された。

 

その同時刻。

 

「ハナコ、こんなところで何を?」

「あら、アズサちゃん。まだ起きてたんですか?それに、その服は…?」

「慣れない場所でなかなか眠れなくて、夜風にあたるついでに見張りでもと。服は…私服といったところ」

 

いつものトリニティの制服ではなく、上下黒でマオカラーチックな上着とロングスカートを纏っている。

すみません恐らくステルス某の影響です。

原作崩壊甚だしいことお詫びしますんで。

 

「見張り…?それと私服、ですか…あまり見ない服装ですね?」

「そうかも。それとハナコも散歩?ヒフミもどこかへ行ったみたいだし。みんな慣れないところで不安だと思うから、それもあって見張りでもした方が良いのかもと思って。そういうことだから、気にしないで大丈夫」

「……それでも、あまり無理しないでくださいね」

 

合宿初日はこの様にして過ぎていった。

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