Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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こいつ隙あらばhalycon出すな。


13.現象へ現象へ 偽旗と偽旗の

さて、合宿2日目である。

朝からアズサとコハルがなんやかんやあったりはしたが…。

現状の課題を洗い出すため、ヒフミと先生発案で模試を行うこととなった。

 

****

 

Timelineは進み、模試の採点が出る。

 

ハナコ:4点

アズサ:41点

コハル:15点

ヒフミ:68点

 

1回目の模試においては、ヒフミのみ合格ライン(それでもギリギリではある)だ。

 

「これが今の私たちの現実で、このままだと明るい未来はありません…ここからあと1週間、みんなで60点を超えるには、残りの時間を効率的に使っていかなければいけないのです!」

 

そうしてヒフミ達は、2次試験へ向けての準備を加速させていく。

わけだが、ヒフミには考えがあった。

 

「頑張って何もなしというのも寂しいですから、ご褒美も用意しちゃいました!」

 

そう言っておもむろに取り出したるは、もちろんかの者たち。

 

「良い成績を出せた方には、こちらの『モモフレンズ』グッズをプレゼントしちゃいます!」

「……モモ…?」

「何それ…?」

「あ、あれー?」

 

ハナコ、コハル両名からはなんとも言い難い反応のみ。

しかしアズサは違った。

 

「か、かわいい!!!!何だこれは、この白のhalyconみたいに丸くてフワフワした生物…!!!」

「halyconが何かはともかく…!さすがはアズサちゃん、ペロロ様の可愛さに気づいてくれたんですね!」

「ちなみにhalyconはこの子だ!!」

 

何処からともなく現れるhalycon。何故です?

触腕をヒトが手を振るように使っている。

 

「お、おお…!!ふわふわ浮かんで模様もかわいい!!それに挨拶してくれました!?すごいです!!」

「そうなんだ!!halyconはかわいいんだ!!」

 

「え、えーっと…」

「何なの…それにいきなり出てきたアレ、なに…??」

“な、何だろうね…”

 

あの長いイモリともキリンともとれるものは、小さき賢人は…。

ほかのモモフレンズのキャラクター達についても尋ね、試験に向けて更なる意欲を見せるアズサ。

 

「こうなれば全力を出そう…良いモチベーション管理だヒフミ。必ずや成果を出して、あの不思議でふわふわな動物を手にしてみせる!」

「は、はい!ファイトです!………えへへぇ…」

 

そしてモモフレンズの布教に成功し、やや浮き足立つヒフミ。

あとに残るは疑問符の雨に打たれる3名である。

 

****

 

2日目にあたるこの日は、夜遅くまで学習を続けていた。

 

「あ、コハル。この問題聞いていい?」

「え、私!?…確かこれは、参考書で見たような…ちょっと待ってて、持って来てたはず…あった!」

 

しかし悲しい哉、誤ってとんでもないものを持って来てしまっていた。

 

「…?」

「!!」

「!?」

 

「………この参考書で合っているのか?」

「そうよ、この参考…………あれ?」

 

ご丁寧にR-18指定までしっかりと表示されている。

 

「うわあぁぁぁっ!?なんでっ!?」

 

「隠しても無駄ですよ。まあある意味参考書かもしれませんが」

「ち、違う!見間違い!とにかく違うから!!絶対違う!!」

「私の目は誤魔化せませんよ、確実にアレなことをする本で…それも結構ハードな…トリニティでも、いえ、キヴォトスでもなかなかお目にかかれないレベルの内容とお見受けしました。どうしてそのような本を?」

「いや、その、こ………これはほんとに私のじゃなくて、えっと」

 

その後も詰めるような言動をするハナコに耐えかね、コハルは泣き出してしまう。

 

****

 

彼女の名誉のために言っておくが、本当にただの押収品なのだ。

なにがどうあっても、ただの正義実現委員会で取り扱っている押収品なのだ。

その後コハルは先生と共に押収品の猥なる書物を返却する。

事を収めたと思えば、正義実現委員会の副委員長である羽川ハスミと出会った。

事情を話し理解を得られ、それでは戻ろうと言うところだが…コハルに話があるという。

 

「先生、申し訳ないのですが少し席を外していただけると幸いです。正義実現委員会としてお話したいこと、と言いますか…」

“うん、わかった”

「すみません、ありがとうございます」

 

……

 

「………」

「………」

 

隣室で待つ先生に、僅かに漏れ聞こえている。

野暮ではないので先生は出来うる限り聞き流す。が、刹那にハスミの声が一度だけ大きくなる。

正義実現委員会にも、この「ナニカ」に対し思うところがある者がいるというのは当然か。

 

「…おまたせ先生」

 

コハルが戻ってくるが、先生は少しばかりその顔を見やる。

 

「……帰らないの?」

“…コハル、大丈夫?”

「え、う、うん。別に、大丈夫だけど…」

 

そう平静を装うコハルと共に、別館への帰路に付く。

こうして2日目は終わりが近づく。

就寝前には相変わらずハナコがコハルを弄る流れがあった中で…アズサは7つの古則の話を物の例えとして切り出す。

その5つ目、『楽園に辿り着きし者真実を、証明することはできるのか』…つまるところが誰も証明できないものの証明についての禅問答である。

 

「アズサちゃん、どうしてそれを…もしかしてアズサちゃん、セイアちゃんに会ったことが……!?」

「…セイア…?」

「それって、ティーパーティーのセイア様のことですか……?」

「…いや、分からない。どこかで聞いた記憶があるだけで…」

「そうでしたか…そういえばアズサちゃんは、転校生でしたね……タービンはともかくとして、vanitas vanitatum……ということは……」

 

何か行き当たる結論を見出したような様子だが、話を切り上げるハナコであった。

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