Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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深夜の大騒動パートはナレーションベースになります。
まだまだ長いですからね。


18.王の名はLonia 王は幼児Lonia

此度の寓話に於いては、8時ではなく3時着火の5分前と言えば良いか。

自家中毒の為に拾い集めた艱難辛苦は贅肉の如し。

桐藤ナギサ、末路「王よ」と囁きたまえ。

 

****

 

本日は朝からあいにく様の荒れ模様。

雷鳴轟く雨であります。

さらには気づいた時には時すでに遅し、各人の洗濯物が外に掛けられたまま。

 

それがどうなれば水着パーティーとなるのかは分からない。ステルス某には分からない。

 

「あ、あうぅ…」

「どうしてこんなことに…」

“色々とすごい状況だ…”

 

 

 

時を遡る。

残念ながら洗濯物は全て雨に濡れていた。物によっては泥も付く惨状。

物を取り込む際に着ていた体操着もあっという間に全身濡れてしまっている。

 

「あ……」

「コハルちゃん、どうしました?」

「…もう、着るものが無い」

「そういえば私もそうだ。制服も体操着もびしょ濡れで、予備の服も洗濯に出していた」

「そ、そういえば私も…」

 

また何やら小学生的突撃精神溢れるハナコを発端としたなんやかんやはありつつ、洗濯が終わるまで先生の部屋にいることとしたようだ。

しかし災難はまだ来たる。

落雷による停電により別館内は暗転した。

そして停電ともなれば、洗濯機も機能停止。

 

 

 

“まあ、仕方ないような気もする…”

 

やはりそれで水着パーティーは無茶がある気がしないでもない。まあ楽しいならそれはそれでいいのかもしれない。

ともかく補習授業部一同は会話に花咲かせ、時間は過ぎゆく。

ゴールドマグロなるものがどうとか、とうの昔に潰れたアミューズメントパークで夜にどうとか、水着で覆面姿の犯罪集団がどうとか。

その中で、アズサを案じる話も出てきた。

 

「アズサちゃん、夜はきちんと眠った方が良いと思いますよ?」

「…うん。今朝は寝坊で迷惑をかけてしまった。慣れない場所で寝坊なんて、これまでほとんど無かったのに……もうここは、『慣れない場所』じゃないからかもしれないな」

「…とにかく、もっとしっかり寝た方が良いです。深夜の見張りは減らしていただいて」

「…見張りって?」

「その、毎晩夜中にちょっと見張りを…」

“ハナコは、アズサのこと前からすごく心配していたよ”

「そうなのか…ごめん。…実のところ、見張りは言い訳…ブービートラップを設置したりしていた」

 

どうしてまた、というところだが。

 

「でも心配しないで。昨日の件を反省して、ここに悪意を持って侵入しようとするルートだけに絞っておいたから。普通の生活をする上では、安全面に問題は無い」

(さ、さすがにやり過ぎだって思ったんですね…)

「なるほど…ですが、それならそれで教えてくれると嬉しいです。どうしても、心配しちゃいますから」

「うん、これからは気を付ける。私のせいで、先生とみんなが被害を受けるのは望むところじゃないから」

“アズサは優しいね”

 

それでいいのか先生よ。

 

「優しい…なのかな。でも私は、そんなのじゃない。私はまだ半分雨の中で、塵の中で、無知の中だ。だから、もしかしたら…私はいつか裏切ってしまうかもしれない…みんなのことを、その信頼を、その心を」

「……?」

「アズサちゃん……?」

「……半分雨の中…塵の中…無知の中…」

 

ハナコは半分雨、塵、無知の中という全く聞き慣れぬ言葉について考察する。

しかしそれは、彼女の頭脳でさえ現段階では迷宮入りとなってしまったようだ。

そうしていると、電力は復旧し、雨も上がっていた。

退避した洗濯物の再洗浄を行い、残りの時間を休息に当てることとした模様。

そのようにしてこの日は過ぎていき…。

 

 

 

 

 

「いいえ、まだです!これで1日が終わりだなんて、そんな勿体ないことはさせません!」

 

勇ましくハナコが深夜の散歩を提案してくる。

コハルからいかがなものかと物言いが入るが、先生は自分が付くからと二つ返事で容認。いいのか。

 

****

 

補習授業部と先生は夜のトリニティの街へ繰り出す。

道すがらコハルがハスミに対しての畏敬と畏怖についての話で、スイーツがどうとかご飯がどうとか言っていたらスイーツ店に立ち寄ることに。

そうしたら深夜に隠れてその店の限定品を3つ食べる卑しい足り過ぎたハスミ。オマエねえ。

コハルがハスミに期待されていることにつおての話があったりしていたところに…アクアリウム襲撃の一報が入る。

ゲヘナの美食研究会が、前段で話に上がったゴールドマグロを奪っていったという。

ともかくこの一件に補習授業部とシャーレの先生も協力してほしい旨の申し出が。

 

****

 

割愛するが、ともかく状況は終了した。沙汰はゲヘナの風紀委員会に託すという。

引き渡しでやって来た空崎ヒナと先生の間で、件の話について意見を交わしたようだ。

そうして、怒涛の深夜は過ぎ去っていく。

 

****

 

突然だが、翌日行われた第3次模擬試験の結果を発表する。

 

ハナコ:69点

アズサ:87点

コハル:61点

ヒフミ:75点

 

模試時点だが、全員が現在の条件を満たした。

 

「すごいです!アズサちゃん、80点越えで90点も目指せそうな勢いですよ!本当にすごいです!頑張りましたね…!」

「うん…!」

 

そして例のご褒美として渡されたペロロとやらをアズサはカバと見紛ったりなんやかんやあり…。

1週間という短い時間は、まもなく終わりを迎えて試験前日となった。

 

狂気の常人は眠らぬが。

桐藤ナギサと先生の会談が行われたようだが…。

かの中に悪意が『ある』ということしか見えていないうちは、最早先生が如何様に言葉を使おうと無駄である。

あの中に悪意は『ない』と宣言しないことには、彼女の望む結末などないというのに。

…ああ、また詐欺に加担する選択肢をとったようだ。

 

****

 

補習授業部の『第2次特別学力試験』に関する変更事項のお知らせ

 

1:試験範囲を現在の範囲から約3倍に拡大する

2:合格ラインを60点から90点とする

3:試験会場を『ゲヘナ自治区第15エリア77番街 廃墟の1階とする

4:試験時間は午前3時とする

 

………。

実に腐った詐欺師だ。

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