Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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今回よりオリジナルキャラを登場させます。
ご了承願います。


25.今も現と見まがう国には火が 悲惨の火が火が

見よ、詐欺師のショーを。

実にくだらなく悪趣味で、つまらないと思わないか?

 

****

 

とかく問題はまだある。

ナギサについては時間の解決する問題だが、ミカは如何様にして手を付けたものかということ。

自分だけが責を負えば良いと、なんと幼稚な意固地を起こしていることか。

まあそこにエデンだろうがリンボだろうが何があろうと、その領域はその人間が何者であるかに従うのだと、ステルス某は講釈を垂れておくが。

 

それからはエデン条約調印式まで、各々が慌ただしく日々を過ごしていく。

 

****

 

エデン条約調印式当日。

補習授業部の4人は、卒業パーティーを兼ねて街に出ていた…学園も休日となっているために。

いわゆるファミレスで、カーマ・スートラがどうたらいつでもペロロぬいぐるみを持ち歩いてるとかどうたら。

 

「大事な物だから、やっぱり持ち歩かないと」

「そ、そこまででしたか…いえ、ありがたいのですが!モモフレンズの世界は広いですし、今度ペロロ様の冒険アニメを見ましょう!」

「アニメ?」

「はい!仲間たちと力を合わせて悪を打ち砕き、共に苦難を乗り越え、最後にはみんな笑顔で終わるというそのエンディングがすごい感動的だそうで…!」

「それ、たいぶネタバレじゃない?」

「え、あっ!?今のは忘れてください!?」

 

まあ、それほど熱心なのはある種本当の意味で良いことだろう。

 

「ヒフミちゃんはそういったハッピーエンドが好きなんですか?」

「は、はい、そうですね。やっぱり普通過ぎますかね…?」

「悪いとは言わないけど、ちょっとありきたりじゃない?」

「私も、ハッピーエンドはよくわからないな。頑張ったところで一旦その場が丸く収まっただけで、次はどんな大変なことが起きるか。そういった意識が出てきてしまう…でも、ヒフミが好きなら悪いものだとは思わない。それもそれで良いのだと思う」

 

「…!!!!アズサちゃーーーんっ!!!」

 

あらあら。

 

 

 

ショーが始まる。どうしようもないほど下劣なショーが。

 

「準備は?」

「終わっとる」

「はい、こちらもつつがなく。最終確認も問題なしです」

「あの人形との接触は?」

「………」

「…では、問題無さそうです。全ては整いました」

「これから、私たちの憎しみの炎が具現化して、みぃんな苦しむんですねぇ……まあ、しゃあないことですね」

「そ。それがこの世界の真実やから」

「……」

 

 

梯スバル、西空シアン、佃ソウカ、立木マイア。

「新生」アリウススクワッド、作戦行動を開始。

 

 

「巡航ミサイルは?」

「とっくに飛ばしとる。5分後にはターゲット地点へ着弾するわ」

「チームⅡとチームⅢは?」

「通路前で待機してはります。時間に合わせて、作戦地域に突入の手筈です」

「古聖堂崩壊と同時に突入。シアンはチームⅡとトリニティを、ソウカはチームⅢとゲヘナの方をお願いします」

「任せとき」

「チームⅡの方は剣崎ツルギ、チームⅢの方は空崎ヒナへの警戒を怠らないように」

「はい、ヒナさんですね。承知しました」

「チームⅠとチームⅤは…」

「………」

「ええ、通路に沿って地下へ。知っての通り、最重要任務です」

「………」

「皇女…分かっています。気分は悪いでしょうが、もう少しの辛抱です」

「……」

「おや、スバルさんは?」

「すぐに済む用事があります。それが終わり次第チームⅤへ合流します」

 

「では、散開」

 

 

 

特別な日は、火によって破壊される。

不要な憤怒と怨嗟を増幅した結果生まれた、不要な火で。

アズサが現場へ走り出す。

 

(……スバル、なぜそこまで…!!)

 

式典は爆撃と共に中止となった。

 

****

 

また別の4人の少女たちがこの惨状を見ていたが、見るだけのつもりはない。

少女たちは揃いの黒いマオカラー調の上着に、ひとりはスラックス、ひとりはスキニー、ひとりはスカート、ひとりはワンピースを合わせている。

 

「これを止められる程…私たちは力を持っていないのが事実、か」

「うぅ、本当にどうにもできなかったんでしょうか……心が辛いですよぉ…苦しいですよぉ…」

「チッ、本当にあいつら…」

「それでも出来ることはあるよ。アリウスユニオンに出来ること」

 

生徒会長秤アツコ。

副会長錠前サオリ、以下役員戒野ミサキ、槌永ヒヨリ。

アリウスユニオン生徒会「Uncoded」もまた、事態収束の助力に向けて作戦を開始する。

 

「予定通り我々4人だけで行く」

「し、師匠は、後程来られるんでしたよね…?」

「そう。ある程度落ち着いてからね」

「じゃあ行こっか、みんな」

 

「これ以上、あの子たちの手を汚させないために」

 

****

 

空崎ヒナが渦中で起き上がる。

悲惨の火が舞う中で、その身の傷を庇いながら。

 

(何が起きた……?攻撃された?状況は?さっきの、何かが高速で飛んでくるような音…それにこの被害状況…巡航ミサイル…?…それも、対空防御システムが迎撃できないほどの速さで?…ラムジェット…?いや、それだけじゃこの規模には…一体、どこからが罠だった?それに、誰が…いや、今考えるべきは…!アコは無事、とすると…)

「っ!先生…!?」

 

姿を現すは、首謀者の尖兵。

 

「この状況でまだ立ってはりますわぁ…それに戦意もすぐ練れはるとは、お見事ですわぁ」

『空崎ヒナだけは逃がさないように』

「承知しました…そういうことですので、堪忍しとくれやす」

(…アリウスの…分校派)

「ほんまに堪忍です、ヒナさんを先に行かせるなとのことやもんで」

 

撃たれた姿でも、強い意志はある。

 

「…どきなさい」

「…そないなっとっても血気出せるんやねぇ、惚れてまいそうやわぁ」

 

そのわざとらしい口は、憎たらしい笑みを浮かべていた。

 

****

 

ゲヘナの要人が乗る飛行船も爆破された。

自身を「審判の代行者」であると誤って認識している者の手によって。

 

「チームⅡ、報告を」

『チームⅡ、古聖堂に侵入しとる。もうすぐ正義実現委員会と当たるとこやね。そっちは?』

「ええ、こちらも用事は終わりました」

『チームⅢはヒナさんと交戦中です。チームⅤも予定通り、地下に侵入してはります』

「了解、すぐ合流します」

 

 

 

「トリニティ、そしてゲヘナ…これまでの長きに渡る私たちの憎悪、その負債を払っていただく時です。我々アリウス分校が楽園の名の下に……あなたたちを審判しましょう」

 

まだ詐欺師に従っているばかりに。




オリジナルキャラクターについて
西空(ニシゾラ)シアンの名前は小⚪︎健司氏の日本の拠点「空心庵」から。
佃(ツクダ)ソウカの名前は福⚪︎創氏の捩りと愛称「課長」から。
シアン、ソウカ共に関西弁(シアンは大阪系、ソウカは京都系)の台詞回しとなっているが、元になった人物が共に大阪出身、かつ福⚪︎氏は晩年京都を拠点とされていたところからの着想。

アリウスユニオン生徒会について
Uncoded(アンコーデッド)は「非コード人」の意訳。平⚪︎進氏の核P-⚪︎ODEL名義でのライブ「非コード人のアコード」から。
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