Asyu-on Archive 作:非キヴォトス人のアコード
無窮はかの者たちにはなく、力はただ空虚な錯覚に過ぎない。
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先生はこの惨状を、何か超常的な力をもって生存していた。
いわゆる、シッテムの箱とやらの力だろうか。まあそれはそもそも触れるまでもないのだが。
それを見つけたのは若葉ヒナタ。調印式の前に、くだらぬボワファイを引き起こされる前の古聖堂を案内した生徒だ。
彼女に救出されその後、剣崎ツルギ、羽川ハスミら正義実現委員会と合流。
トリニティの生徒は惨憺たる様だ。正義実現委員の大半は戦闘不能、ナギサにサクラコなどの多くもまだ発見されていない。
そんな中の泣きっ面に蜂というやつか。
「作戦地域に到ちゃ…なァんやこら、残っとんのは正義実現委員会の真髄どもやないか。羽川も剣崎もおる、兵力をこっちに寄越せ。しばき回すぞ」
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しかし、また何故複製物たちがいるのか。
ロイヤルブラッドとやらが無ければ、出現させられないはずでは。
「ユスティナ聖徒会」…「戒律の守護者」の
ただし、物量は本来のTimelineよりはかなり穏やかだろうか。
「よーやっと追いついた。聖徒会の
聖堂跡に残された地下。
芸術家は何を思いそこにいるのか。
「まさか戒律を守護せし者の血統…ロイヤルブラッドの『戒命』なくして、あの守護者たちの『威厳』を
「……」
「おかげで私の実験は、さらに『崇高』に近づくことができるだろう。……説明は退屈にして由無し事だろうか。では約束通り、この地下にある教義の下まで案内してもらうとしよう」
「……」
先立のゲマトリアの思考はよく分からぬ。
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終わりなき防戦に疲弊していく者たち。
先生の離脱は未だ叶わず。
しかし紫電の光明は来たる。
「…あ?」
「こっち…!」
“ヒナ…!”
「ソウカ、お前空崎仕留め損なったんか?」
『けほ、げほっ…す、すんませんねぇ…聖徒会が顕現する前に、全員しばき返されてまって…』
ともかくここが分水嶺となった。
正義実現委員会が風紀委員会委員長に託し、先生は戦線を離脱する。
「先生、今あの怪物たちをまともに相手取れる方法は無い。今は包囲網を抜けて脱出することが、っ……!」
“ヒナ、傷が…!”
「これくらい大したことない……先生、私から離れないで。退路は、私がこじ開ける」
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一騎当千、そう語るに尽きる。
しかし、
「ああヒナさん、また会えましたなぁ」
「っ!性懲りもなく…!」
劣勢に次ぐ劣勢に、ここでとうとうヒナも戦闘不能となってしまう。
「空崎、やっとこさ倒れたわ」
「本当に。その身体でよう気張られましたなぁ」
「……」
「トリニティとゲヘナの主要人物は全部片付きました。残りはもうあなただけです、シャーレの先生」
“……君たちが、アリウススクワッド…?”
「……ええ、そうです。私たちが『アリウススクワッド』…アズサに随分と世話を焼いていたそうですね。彼女には今から会いに行くつもりです。……我々はトリニティに代わり、この『通功の古聖堂』で条約に調印しました」
“……それは、まさか”
つまりは、自身を誤った認識をしていた者たちが、本当に戒律の守護者…
「これからは『アリウススクワッド』が
悔恨は事実だ。
しかし、その悔恨の使い方が極度に歪んでいる。
「…ですがその前に、あなたを処理しておきましょうか」
“(銃口が……)”
「シャーレの先生…あなたが計画の一番の支障になりそうだと、彼女は言っていましたから」
「やめろ!!」
“っ!”
「なっ…」
この場に自らの意志を持って立つ強い芯のある声と、アサルトライフルの銃声が響く。
弾丸は殆どがスバルに命中し、僅かに中空へ舞った。
錠前サオリだ。
まさしく先生の撃たれる間一髪で突っ込んできた。
“サオリ…!?どうしてここに…”
「空崎ヒナ、先生を連れて逃げろ」
2人を守るように立つ背中から、その忠告は来たる。
「あなた、は」
「…何かが違えば、彼女らの立場になっていたかもしれない者だ。早く行け」
“…行こう、ヒナ”
「……セナ!!」
掛け声と共に、ゲヘナの救急医学部の救急車が滑り込む。
開け放たれた扉より、氷室セナは手を伸ばした。
「先生!」
「っ!?逃すな!!」
一瞬の出来事に、アリウススクワッドは対応しきれなかった。
「…逃してもうた」
「銃弾の一発でも……殺せるところだったのに……!」
“(頭が重い……)”
「…先生、大丈夫ですか?どこかお怪我は?」
“(…まだ、起きてないといけないのに…)”
普段の活動量と、現状況の一時的な収束から来る緊張からの解放という2つの要因が重なったためか。
「先生…!?」
「いえ、大丈夫ですヒナさん。しばらく休息すれば、目を覚まされるはずです」
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「………」
「…あなたまで出てきますか」
「ケッ…ほんまに来よるやつがあるか、逃げりゃええもんを」
「ふふ、久しぶりですなぁ」
「…来ると思っていたぞ」
五者五様とでも言えばいいか。
その視線の先には、彼女がいる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
白洲アズサ。
「……どうですアズサ、サオリ」
「どうして、どうして…」
「そうだ。何故そこまでして地に落ちたがる」
「いいえ、地に満ちている…満ちたんです。私たちの積年の恨みが…」
「またも図体ばかりな幼児に唆され、挙句この始末」
「な…!?なぜ、あなたまで…!!」
エグいくらい驚かせてしまい、これが愉悦というやつですかと嘲る心。
ともかく、夢での対話を除いて明確なセリフをいただいたのは何話以来でしょうか。
「ごきげんよう」