Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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29.近くで舞うキミと再会に気付く 忘れられた雨が履歴を綴り変え

さて、前回アリウススクワッド御一行はトリニティ、ゲヘナ、友軍のアビドス、アリウスユニオンに包囲された。

しかし囚われのプレアデスは適所脱出を奪われた故に、酷く歪な選択を取ってしまう。

 

「むしろ好都合と捉えましょう……ユニオン派だけでなく、この場の全員に教えればいい。この世界の真実を……殺意と憎悪に満ちたこの世界において、あらゆる努力が無駄だということを……足掻こうと何も意味のない、全ては無駄なのだということを!!」

 

終始世に憂慮の果てか。

 

 

 

「アズサちゃん…まずは無事でよかったです。駆け出していってしまったから、すごく心配しましたよ」

「ごめん……」

「いえ、大丈夫です。私は怒ってません。何か予感がして、ここまで来る必要があると思ったんですよね。ですから私は最初から怒っていません」

「ヒフミ……」

「でも、あの人たちには…」

 

 

「あの子たちには私も怒ってるよ。あなたと同じ」

 

 

「アツコ…!!」

「えっ、ええと…そうですね、怒ってるのはその通りです。殺意ですとか、憎しみですとか…それが、世界の真実ですとか」

「低きに流れることを強要して、全ては虚しいとだけ叫び続けているけど」

「「それでも、私たちは…!」」

 

2つの宣言を。言霊を。

 

****

 

そんな暗くて憂鬱なお話、私は嫌なんです。

そんな暗くて憂鬱なお話、私は飽き飽きしてるの。

 

それが真実だって、この世界の本質だって言われても。

それが真実だって、この世界の本質だって教えられたけど。

 

私は好きじゃないんです!

私は下らないって突き返すよ。

 

私には、好きなものがあります!

私には、信じるものがある!

 

平凡で、大した個性もない私ですが……

姫とか呼ばれたり、変な個性ばかりの私だけど……

 

自分の好きなものについては、絶対に譲れません!

自分の信じるものについては、絶対に譲れない!

 

友情で苦難を乗り越え、努力がきちんと報われて。

自分の力で苦難を乗り越え、努力がきちんと報われて。

 

辛いことは慰めて、お友達と慰め合って……!

辛いことでも向き合い、時に友達と立ち向かって……!

 

苦しいことがあっても……誰もが最後は、笑顔になれるような!

苦しいことがあっても……誰もが必ず、前に進める勇気が持てる!

 

そんなハッピーエンドが私は大好きなんです!!

そんなグッドエンドが私は大好きだから!!

 

誰が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせます!

誰が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせる!

 

私たちの描くお話は、私たちが決めるんです!

私たちの描く物語は、私たちが決めるもの!

 

終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!

終わりになんてさせないよ、まだまだ描き始めたばかり!

 

私たちの物語……私たちの…

もうひとつの物語……アリウスユニオンの…

 

私たちの、青春の物語(Blue Archive)を!

私たちの、亞種の物語(Ashu-on Archive)を!

 

****

 

ここに2つの物語は契りを交わした。

それはすなわち、ステルス某と先生による一時的共同戦線の正式な締結も意味する。

 

「あら、雨雲が…」

「気象操作なんて出来るんか……いやちゃう、これは」

「奇跡でも、起こしはったんか?」

「…そんなわけあるか!なんやねんこれ……!……待て、戒律が…?」

 

 

 

“ここに宣言する。私たちが、新しいエデン条約機構(ETO)

 

 

 

「なっ…!?」

 

そして、新たにエデン条約は成る。

いや、実際は分校派が行ったように「捻じ曲げた」。連邦生徒会長の作り上げるはずだった条約、それを超法規的機関「シャーレ」が連邦生徒会長を代行するというように。

 

 

 

「おいスバル、ユスティナの統制がまともに取れんぞ」

「!!」

「混乱してはるね。ETOを助けるという戒律…しかし今はETOが2つになって…」

 

「知ったことじゃない!!!!

 

ハッピーエンド…!?グッドエンド!?ふざけるな!!そんな言葉で世界が変わるものか!!それだけでこの憎しみが、不信の世界が変わるなんて有り得るものか!!何をそんな、くだらない夢物語を…!」

 

 

 

 

 

「二度言うと思うなよ」

 

 

 

 

 

既に彼女には例の5文字を使っている故に。

 

「っ!?」

「ヒトがヒトたることを、その実現を助く存在もまたヒトであるように」

「……!」

“私は生徒たちが願う夢を信じて、それを支える”

「“ 生徒たち/ヒト科自身 が、心から望む在り方を”」

 

 

 

トリニティだろうと、ゲヘナだろうと、果てにはアビドスだろうと。

最早その垣根を超越した戦闘となっている。

楽園を信じる者と、否定する者。

「楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか」。古き原則は未だオマエタチに問うている。

先生と私だけがその答えを言おう。

「“答える 必要はない/意味がない ”」のだと。

 

****

 

「スバル……」

「スバルさん……」

「もうユスティナ聖徒会はただのポンコツや。ETOが2つになった時点で、戒律は意味が無くなったに等しいわ」

「残った聖徒会も、アンブロジウスもやねぇ…」

「もう手札はあらへん。負けとるんよ」

 

アズサもまた、勧告する。

 

「スバル……もう潮時だ」

 

しかし、言っておきながらオマエは足掻く。

残念だが、滑稽と言わせて貰わざるを得ない。

 

「ふざけるなッ!!!どうして、どうしてあなたたちだけ……!私たちは共に苦しんだ、絶望した!この灰色の世界に!全てが虚しいこの世界で、あなたたちだけが意味を持つとでも!?アンタたちだけが、青空の下に残るとでも!!否定してやる…アンタたちが学んだこと、経験したこと、気づきを得たこと!その全てを否定する!!」

 

暖簾に腕押しというやつでしょうか。ステルス某ですら呆れてきましたね。

 

「良い加減にしなさいよアンタ」

「……たとえ虚しくても、私はどこまで行こうと私でしかないからこそ。スバル……私は、もう自分に負ける気はない」

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