Asyu-on Archive 作:非キヴォトス人のアコード
さて、前回アリウススクワッド御一行はトリニティ、ゲヘナ、友軍のアビドス、アリウスユニオンに包囲された。
しかし囚われのプレアデスは適所脱出を奪われた故に、酷く歪な選択を取ってしまう。
「むしろ好都合と捉えましょう……ユニオン派だけでなく、この場の全員に教えればいい。この世界の真実を……殺意と憎悪に満ちたこの世界において、あらゆる努力が無駄だということを……足掻こうと何も意味のない、全ては無駄なのだということを!!」
終始世に憂慮の果てか。
「アズサちゃん…まずは無事でよかったです。駆け出していってしまったから、すごく心配しましたよ」
「ごめん……」
「いえ、大丈夫です。私は怒ってません。何か予感がして、ここまで来る必要があると思ったんですよね。ですから私は最初から怒っていません」
「ヒフミ……」
「でも、あの人たちには…」
「あの子たちには私も怒ってるよ。あなたと同じ」
「アツコ…!!」
「えっ、ええと…そうですね、怒ってるのはその通りです。殺意ですとか、憎しみですとか…それが、世界の真実ですとか」
「低きに流れることを強要して、全ては虚しいとだけ叫び続けているけど」
「「それでも、私たちは…!」」
2つの宣言を。言霊を。
****
そんな暗くて憂鬱なお話、私は嫌なんです。
そんな暗くて憂鬱なお話、私は飽き飽きしてるの。
それが真実だって、この世界の本質だって言われても。
それが真実だって、この世界の本質だって教えられたけど。
私は好きじゃないんです!
私は下らないって突き返すよ。
私には、好きなものがあります!
私には、信じるものがある!
平凡で、大した個性もない私ですが……
姫とか呼ばれたり、変な個性ばかりの私だけど……
自分の好きなものについては、絶対に譲れません!
自分の信じるものについては、絶対に譲れない!
友情で苦難を乗り越え、努力がきちんと報われて。
自分の力で苦難を乗り越え、努力がきちんと報われて。
辛いことは慰めて、お友達と慰め合って……!
辛いことでも向き合い、時に友達と立ち向かって……!
苦しいことがあっても……誰もが最後は、笑顔になれるような!
苦しいことがあっても……誰もが必ず、前に進める勇気が持てる!
そんなハッピーエンドが私は大好きなんです!!
そんなグッドエンドが私は大好きだから!!
誰が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせます!
誰が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせる!
私たちの描くお話は、私たちが決めるんです!
私たちの描く物語は、私たちが決めるもの!
終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!
終わりになんてさせないよ、まだまだ描き始めたばかり!
私たちの物語……私たちの…
もうひとつの物語……アリウスユニオンの…
私たちの、
私たちの、
****
ここに2つの物語は契りを交わした。
それはすなわち、ステルス某と先生による一時的共同戦線の正式な締結も意味する。
「あら、雨雲が…」
「気象操作なんて出来るんか……いやちゃう、これは」
「奇跡でも、起こしはったんか?」
「…そんなわけあるか!なんやねんこれ……!……待て、戒律が…?」
“ここに宣言する。私たちが、新しい
「なっ…!?」
そして、新たにエデン条約は成る。
いや、実際は分校派が行ったように「捻じ曲げた」。連邦生徒会長の作り上げるはずだった条約、それを超法規的機関「シャーレ」が連邦生徒会長を代行するというように。
「おいスバル、ユスティナの統制がまともに取れんぞ」
「!!」
「混乱してはるね。ETOを助けるという戒律…しかし今はETOが2つになって…」
「知ったことじゃない!!!!
ハッピーエンド…!?グッドエンド!?ふざけるな!!そんな言葉で世界が変わるものか!!それだけでこの憎しみが、不信の世界が変わるなんて有り得るものか!!何をそんな、くだらない夢物語を…!」
「二度言うと思うなよ」
既に彼女には例の5文字を使っている故に。
「っ!?」
「ヒトがヒトたることを、その実現を助く存在もまたヒトであるように」
「……!」
“私は生徒たちが願う夢を信じて、それを支える”
「“ 生徒たち/ヒト科自身 が、心から望む在り方を”」
トリニティだろうと、ゲヘナだろうと、果てにはアビドスだろうと。
最早その垣根を超越した戦闘となっている。
楽園を信じる者と、否定する者。
「楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか」。古き原則は未だオマエタチに問うている。
先生と私だけがその答えを言おう。
「“答える 必要はない/意味がない ”」のだと。
****
「スバル……」
「スバルさん……」
「もうユスティナ聖徒会はただのポンコツや。ETOが2つになった時点で、戒律は意味が無くなったに等しいわ」
「残った聖徒会も、アンブロジウスもやねぇ…」
「もう手札はあらへん。負けとるんよ」
アズサもまた、勧告する。
「スバル……もう潮時だ」
しかし、言っておきながらオマエは足掻く。
残念だが、滑稽と言わせて貰わざるを得ない。
「ふざけるなッ!!!どうして、どうしてあなたたちだけ……!私たちは共に苦しんだ、絶望した!この灰色の世界に!全てが虚しいこの世界で、あなたたちだけが意味を持つとでも!?アンタたちだけが、青空の下に残るとでも!!否定してやる…アンタたちが学んだこと、経験したこと、気づきを得たこと!その全てを否定する!!」
暖簾に腕押しというやつでしょうか。ステルス某ですら呆れてきましたね。
「良い加減にしなさいよアンタ」
「……たとえ虚しくても、私はどこまで行こうと私でしかないからこそ。スバル……私は、もう自分に負ける気はない」