Asyu-on Archive 作:非キヴォトス人のアコード
42+1.架空のソプラノ
絆ストーリー 佃ソウカ 「subconscious」
近況報告ついでに、お会い出来ませんか?
そんなモモトークが送られた。
佃ソウカからのものであった。
キャタピラの跡の水溜りを避けて。
花びらの露を少し愛で。
「あら、先生」
“やあ、ソウカ。今は何をしていたの?”
「音、聞いとったんです」
その後に音叉の音がして。
「…うちな?この音好きなんよ」
追随する音は、今はひとつとしてない。
「変わりなく、ずっとこの音が鳴って。知らん間に鳴りやんで」
“その音だけがいいの?”
「そうやないですよ。音叉の音、全部が好きなんです」
はっとしたときに、何かが思い出せるようで。
「本当は、ようさん集めたいんやけど。今は難しいですから」
潜在意識が語りかける。「キミよキミたれ」と。
─この音が鳴るように、先生はうちらを救ってくれた。
─ほんなら、後は何をするべきかは分かっとるよ。
─…そんなあほなつもりはないですよ?
─うちはうちなりに考えとるからね。
─この音が示すように、良き道へ。
─それがうちの成すべきことやから。
“元から前向きに考える方だった?”
「……そうかもしれませんねぇ。そりゃあ、時には虚無に浸っとったけど」
再び音叉が鳴り響く。
その音が道を指し示している。
“(次に会う時は、違う音のする音叉を買っておこうかな)”
モモトークからの引用だ。
今度、違う音の音叉を探してみるよ。
あら、うちのためにですか?
それとも先生も、あの音が気に入ったんやろか?
両方かな。
まあ。
なら、その時を楽しみにしときますね。
****
絆ストーリー 西空シアン 「strange fruits」
海におる。
ちょっと来てや。
そうそっけないモモトークが先生に届いた。
送り主は西空シアン。
「……」
砂浜を見渡せる石段で、膝を抱えて座って待っていた。
「…早かったな。まあ、そういうやっちゃもんな…」
“もちろん、キミが生徒だから”
表情は固い。
しかして奥底には何かを抱いているような顔だ。
“そうだ。これ、食べる?”
何かフルーツだろうか。
熟れて良い発色をしている。
「…ありがとさん。もらおか」
少女は物思いに耽る。
全ては奇妙なことだから。
─(…私には何も分からん)
─(何故、ここまでしてくれるんか)
─(結局、どう生きようが…死ねば何も残りゃせん)
─(それでも…何かを残そうとするのは、何でや)
─(……いつか分かるんか?)
─(……分かりたくもないけど。分かっといた方が、ええんやろな…)
「…うまいな」
“よかった”
「……ほんまに、なんというか。ありがとさん」
“どういたしまして”
ただ共にいる時間が、この少女には良い時間であって。
少しずつ、心は良き方へ向かっている。
モモトークからの引用だ。
こないだはどうも。
またああいう時間、作ってもらってもええか?
もちろん。
またいつでも声をかけてね。
…そう。
ありがとさん。
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if絆ストーリー 梯スバル 「2歩と半分」
少し相談がありまして。
よろしいですか?
モモトークが来た。
梯スバルからのもの。
良かったら、シャーレにおいで。
「お時間いただき、ありがとうございます」
“ううん、大丈夫だよ”
そうして、少女はシャーレにやってきた。
「それで、相談というのは…今、ブラックマーケットを拠点としていまして。その…ある程度身銭も得ているんですが…」
つまるところ、どこかでアリウスユニオンへと戻ろうということを決めたということのようだ。
「まあ、すぐにとは言うつもりもないです。まだ世間を知らな過ぎますから…」
“それでも、前進できたんだね”
「…どうなんでしょうか……」
─あの人はどう言うでしょうね?
─多分、「進化の度合い2歩と半分、もっと賢く逃げていただく」…とか?
“すごく言いそう!!”
─知らぬ間にあの人の考えが分かるようになってきていまして…
─あまり良い印象がないというか、悪い言い方ですが胡散臭いというか…
─でも、先生と同じくらい信用はできるのかな、とは
─だから、今のアリウスでも戻りたいと思えていますから
「…話をしている中で、考えをまとめられて良かったです」
“それは良かったよ”
モモトークの引用を見てみよう。
お話を聞いてくださりありがとうございました
こっちも、お話できて良かったよ
…その
また、何かあれば
シャーレに伺ってもいいですか?
もちろん
またいつでも来て
ありがとうございます
またあれば、お願いします