Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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42+2.ARIUSパラネシアン

if絆ストーリー 錠前サオリ 「城主の休息」

 

先生

D.U.のライブハウスで行われるライブに出演することになった

良かったら観に来てくれ

 

先生に届いたモモトーク。

当然こう返す。

 

うん、絶対に行くよ

 

ありがたいことにトリを務めることになっている

では、待っている

 

 

 

そうしてやって来たライブハウス。

丁度サオリの出番であった。

 

“(…おお)”

 

何台ものキーボードが乱立した異様な機材。

そこへ時報をサンプリングした出囃子と共に、サオリが登場する。

歌唱し、演奏。

いや。それは「機材を用いて舞っている」ようでもあり。

その様相は、砦の主のようであった。

 

 

 

「かっこよかった…」

 

ファンになった生徒たちがふわふわの足取りで帰っていく中、サオリと先生が合流する。

 

“サオリ”

「…ああ、先生」

“すごくかっこよかったよ!”

「そうか、それは良かった」

“ところで機材の丸い球体は?”

「…?魂のモチーフだが…」

“な、なるほど?”

 

ところで他の出演者たちは何処へ。

そう聞くと、サオリは打ち上げに行ったと語る。

 

「私も誘われたが、見てもらった通りトリだった上に機材が多いからな。…それに賑やかな場所は、あまり得意じゃない」

“そっか。…そうだ、これ”

「飲み物か、ありがとう。……少し座ろうか。先生もこっちに」

 

─時折こうしてライブに出演させてもらうが

─終演後のフロアは、儚くも美しいものだと思えてな

 

─華やかなステージが跡形もなく、夢のように消え去る儚さと

─後に残る熱狂の残響の美しさが、不思議と心地良いんだ

 

─それに、今日は特に良い気分だ

─…先生が隣にいるから、かもしれないな

 

「さて、そろそろ片付けないとな」

“良かったら、片付け手伝おうか?”

「良いのか?助かる」

 

****

 

if絆ストーリー 戒野ミサキ 「半分雨の中」

 

モモトークからの引用から始めよう。

 

先生、今大丈夫?

 

ミサキ?どうしたの?

 

ちょっとした相談事というか

誰かに話して

考えをまとめたいというか

 

大丈夫だよ、聞かせてほしいな

 

じゃあ

シャーレに行くから

よろしく

 

 

 

「…まあ本当に、大したことじゃないんだけど」

 

ある雨の日に、ミサキはシャーレを訪れていた。

 

“ちょっとしたことでも、聞かせてほしいから”

「うん。まあ、そう言うと思った」

 

話したいというのは、不意にかつての思想が顔を出す時があることについて。

「それも結局は外部からの刺激なのだから」と割り切る手段を掴みかけているが、正しいやり方なのか少し不安なのだという。

 

“それなら、あとは自分を信じてあげるだけだと思うよ”

「あとは自分次第、か…まあ、そうだよね」

 

ゆっくりと確かに、自分の考えを受け入れていく。

 

─……師匠に色々考え方を教わって

─少し変わったところもあるんだろうけど

 

─結局はこの雨に洗い流されたとしても

─綺麗にはなりきらない

 

─案外そんなこともないのかもって

─思わなくもないんだけどさ

 

「私は、何に対しても特に興味を持たずに…持てずに生きてきた。死のうが生きようが、どっちでも良いとさえ思っていた。でも、先生や師匠を見てると……なんか、むず痒くなる。それで、今でもたまによく分からなくなる」

“…そっか”

「まあ、アズサみたいにすぐ変われるのが珍しいんだろうし。まだ半分雨の中だってこと、飲み込めたから」

“話してる中でそう思えたなら、良かったよ”

 

 

 

その後のモモトークを見てみよう。

 

今日お世話になった分は、お返しさせて

 

そこまで気にしなくてもいいよ?

 

それはそれ

したいものはしたいから

 

じゃあ、今度会った時は

 

うん

じゃ、またこんど

 

****

 

if絆ストーリー 槌永ヒヨリ 「少女はそれでも踊り狂う」

 

マラカスを買いました!

以前のものを割ってしまいまして…

 

あれって割れるものなの…?

 

以前ライブに出演した時があって、その時に使ったんですが

キーボードにぶつけてしまったんです!!

思った以上に盛り上がっちゃったみたいで…

 

 

 

そんなヒヨリのいるアリウスユニオンにやって来た先生。

早速ヒヨリと出会うこととなった。

 

─先生!アリウスユニオンにいらしてたんですね?

─これが言っていたマラカスです!

 

─えへへ…2本セットなんです

─あ、今度はテンション上げ過ぎないようにしますよ?

 

─また壊しちゃったら、それは辛いですし苦しいことです…

─ですが!今度は気を付けて踊ります!

 

“踊ってたの…?見たかったなぁ”

「えぇ!?そ、そんな、なんというか…恥ずかしいです…ライブに出ると、自分でも分からないほど、テンションが上がって暴れているそうなので…」

 

普段の様子から考えれば想像も付かない様子だろう。

だが、このTimelineではそうなってしまうのだ。

 

“でも見てみたい…”

「うぅ…じゃあ、少しだけ…」

 

片手でマラカス2本とも持ち、頭も振り乱して信じられない姿だ。

 

「はっ…!また我を忘れるところでした…」

 

意外な一面を知った先生であった。

 

****

 

if絆ストーリー 秤アツコ 「テクノのお姫様」

 

先生

見て欲しいものがあるんだ

良かったらシャーレで見せてもいいかな

 

うん、いいよ

 

そんなモモトークがあって、アツコがシャーレへやってきた。

…何やら物々しいハードケースをふたつ持って。

 

「来たよ、先生」

“え、何を持って来たの…!?”

「準備がいるから、ちょっと待ってて」

 

先生の困惑をよそに、そのケースを開け始める。

……。

しばらくして。

 

「…ふう。これでよし」

“これは…”

 

2体の筐体からレーザーが発生する。

それをアツコが指で瞬刻遮ると、メロディが流れる。

 

“すごい…!”

「レーザーハープっていうんだよ。今度ライブに出る時に使うんだ」

“アツコもライブに出たりするんだ”

「今回が初めて。楽しみだからたくさん練習してるの」

 

─まるで、止まっていた時の動くように

─音が紡がれていく

 

─私たちみたいだなって思うの

─止まっていた時が、師匠の助けで動き始めて

 

─そして先生のおかげで、さらにその時が進んでいってる

─…自分たちで進めてる?……うん、そう捉えてもいいね

 

“ところで、いつライブに?”

「来週だよ。観にくる?」

“アツコが良ければ”

「じゃあ、チケットあげるね。はい」

 

 

 

再びモモトークから。

 

絶対見に来てね

 

うん、絶対

 

またこんど!

 

****

 

if絆ストーリー 白洲アズサ 「もう見えるし、もう聞こえるし」

 

halycon

 

……え?

 

最近見ないんだ

4本足のタコみたいな子

 

よく分からないけど…一緒に探しに行く?

 

いいの?

じゃあ、お願いしたい

 

 

 

そのモモトークの後、2人は合流した。

 

「ありがとう、先生。探すのに付き合ってくれて」

“ううん、いいんだよ”

「じゃあ、捜索を始めよう」

 

 

 

街中を捜索する。

 

「いない…」

“halyconだったっけ?”

“どういうところにいるの?”

「あの子たちは神出鬼没だ。だけど、見つけ出そうと思えば見つけられる時もあった」

 

山の辺りを捜索する。

 

「ここも…」

 

そして、夕方の海辺。

 

「…いない……」

“うーん…”

 

…不意に、黒い影が見えた。

 

─あ…!やっと見つけた…!

─halyconたちが、空へ…

 

─そうか…そういうことなんだな…

─もう、私は見えているから…

 

─師匠と先生のおかげで、そして自分の力で

─聞こえるようになったから

 

“あれがhalycon…”

「うん。そしてもうさよならをしないといけない。あの子たちにも、随分助けられたから」

“じゃあ、バイバイhalycon!”

「うん…バイバイhalycon」

 

 

 

再びモモトークより。

 

今日はありがとう

いい別れができた

 

いい一日になったみたいでよかったよ

 

うん、ありがとう

…それから

 

?

 

先生

これからも、よろしく

 

****

 

if絆ストーリー 立木マイア 「道はまだ」

 

先生

助けてください

 

マイア!?すぐに行くよ!

 

場所も送ります

すみません

お願いします

 

 

 

そういったモモトークが送られて来て、即座に先生は動いた。

 

“マイア!”

「あ……先生…その、話すと長くなって、しまうんですが…うぅ…」

 

ふらついて身体を先生が支える。

熱がある様子だ。

 

 

 

「……何から何まで…すみません」

“いいんだよ”

 

意外とシャーレに近かったこともあり、保護されることになったマイア。

 

「……いいことがなくて…悪いことばかりで、こうなってしまいました…」

“大変だったんだね…”

“今は休もう”

 

ベッドに入った少女は、独白する。

 

─先生……

─私、たまに、消えたくなってしまいたくなる時があるんです

 

─時には、優しい人もいるけど…

─意外と…世の中は、悪意が溢れてて

 

─それに、飲まれてしまいました

 

─…先生

 

優しい手が、マイアの頭を撫でる。

 

「あ…」

“今は大丈夫だから”

“ゆっくり休んでね”

「はい…ありがとう…ござい…ます…」

 

微かに寝息を立て、眠るマイア。

少女は出来る限りに生きている。

それが、ヒトのあるべき姿に繋がることを願って。

 

 

 

モモトークの様子をもう一度見てみよう。

 

本当に、ありがとうございました

 

また、頼ってくれていいからね

 

本当ですか?

じゃあ

また、何かあったら

その時は、お願いします

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