Asyu-on Archive 作:非キヴォトス人のアコード
いいだろインタラクティブライブもたまにえらい展開あるし…
まだ半分雨の中。まだ半分塵の中。まだ半分無知の中。
これは覚醒の途上を最も歩み詰めた白洲アズサであってもそうだ。
与えられるだけの、あるいは無用に拾った苦難の先に救済など無い。
苦難の先に答えがあるなどという幻想無き世界で、悠然とオマエを生きるための苦難の方がまだマシだ。
私だけが本当のことをオマエタチに言おう。
陽の変化ならある。塵は美の分子なり。知の歓喜は来たれり。
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「ヒヨリー」
「……姫ちゃん!?!?!?!?」
これが出オチというやつですか。
装備を義務付けられた仮面を外し、手話という枷も捨て去った姿を槌永ヒヨリへ誇示するように見せる秤アツコ。
「あ、大丈夫だよ。マダムの前では着けるから」
「そういう問題ですかねぇ…!?」
「そういう問題だよー」
「えーと…じゃあそういうことですねぇ…」
しかし、この良き変化は何を発端として起きたのか。
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これは、前話の白洲アズサがhalyconを抱えてサオリ、スバル、マイア3名の元へ来る前のことだ。
彼女は秤アツコへも、発見したhalyconを見せていた。
「(その子なに?)」
「halyconだ!」
この時点でhalyconを知っているということは、本当にいつhalyconを見つけたのでしょうか。
この辺りはもう、アリウスで最初にタービンを回したヒトだからということにしておきましょう。タービンはそんな万能じゃないけどそうしておきましょう。
「………」
「触ってみる?いいぞ?」
怯え上がったような負の感情による興味ではなく、能動的に触れ合おうという正の感情による好奇心。
この感情とhalyconの共鳴が、halyconとしては非常に稀なことが起きた。
「……かわいい…」
「アツコ?」
秤アツコは『保護者』による戒律により、家族同然の連帯でもって繋がるアリウススクワッドの面々でさえも、発声による対話を封じられていた。
小さな声量でも、発声をした自分に驚く様子を見せるのも無理はない。
そこから「そうはならんやろ」というやつが訪れる。
「halyconって言った?他にも居ないのかな?」
「え、ど、どうなんだろう…?」
このTIMELINEの白洲アズサでさえも困惑する事態と言えば分かっていただけるだろう。
仮面は外していないが、さも当然のように会話をし始めたのだ。
「い、いや!アツコ!マダムにバレるとさすがに…!」
「うん、自分の意思でお話ししてるよ?」
「えぇ…!?」
halyconとしては非常に稀なこととは『即効性のある効能』だ。
halyconの基礎効能は、邪悪な幻影…過剰な恐怖心、持続的不安、不要な自罰、肥大化した憎悪への抗体を、時間をかけて生み出していくこと。そう、これにはどうしても即効性がない。
即効性が認められる効能は、前話で挙げた『自己肯定の再促成』という部分だ。halyconを取り入れたヒトへ、オマエがなんたるかを思い出させる絶大な効能である。
また『自己肯定の再促成』が即効性をもって発生するのは、その中でも特に稀である。
随分と都合のいい話だろう?私もそう思う。
「え…喋るのダメなんじゃないの、姫」
「あっ、ミサキ!」
諦観の隷属の少女が静かに驚愕している。
「……はぁ…後で知らないよ。ていうか、アズサのそれは何…」
「halycon!!」
「さも当然のように言われても困るんだけど。…アズサ、ちょっと姫と2人で話していい?」
「分かった!!」
言われて駆け出す白洲アズサ…そうして前話に繋がるわけだ。
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「で、どういうつもり?」
「そんなに怒らなくても」
「怒ってるんじゃなくて」
2人での対話の中で詰問を開始した戒野ミサキ。アリウスクワッドの中で、未だその自我は気絶のままにある。
「例の天の声に絆されでもした?私達の運命は、もうどうしようもないことくらい分かってるよね」
「どうしようもないことが『無い』といえば、それはなくなるでしょ?」
「あのさ、駄々こねじゃないんだから」
「駄々をこねるのは周りを巻き込む時に起きること。私のした『それは無いと言うこと』は、私の中だけで完結してる」
「…なんなの、ホントに…」
私達の運命はどうにもならない。
それともどうだ。
それとも。
それとも?
僅かなそれともが、戒野ミサキにこの対話をもって発生する。
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『実に良い兆候が多く見出されている。アリウススクワッド、キミ達は本来の自分を取り戻しつつある』
「あ、いつかの天の声さん」
日数にしておよそ6日と、此度の件はジェネシスのように手早く進んでいる。集結している5名と、再び姿不可視に対話となる。
「そういえば、一旦天の声と呼べばいいか?アリウスに来ていたようだが…」
『梯スバルもまた、幻影脱却の先導者になり得る存在と認識した故に。その為発端を与える為に一度アリウスへ訪れていた』
「そうか…スバルも良くやってくれているからな…」
『して、今の所どのような心中で』
「む、そうだな……この状況は本当にどうにもできないのかという思いがもう一度、僅かながら出てきているだろうか…」
halyconとの触れ合いから、僅かに錠前サオリも好転反応が見られる。
「私も私に出来るなりに色々考えてみました!のですけどぉ…」
『あなたは出力が特異であるだけで、オマエを生きる力がなかったわけではないと推察する。しかしまだ修正は必要』
「なるほどですねぇ…」
「私はタービンを回せているか?」
『概ね良しです』
「ᓀ‸ᓂフンス」
槌永ヒヨリもまだまだだが、幻影の脱却に進展が見られる。
そして白洲アズサは、やはりアリウスの少女達の中では抜きん出た自己同一性を持っている。勿論これを見倣えなどとは言わない。
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1、2、3、4……
「あ。音が、4つになった」
「例の、音がどうとかって話…だっけ……」
あと2人に尋ねるところで、デュンクの音が揃った。