Asyu-on Archive   作:非キヴォトス人のアコード

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9.段々と キミの名を思い出す

阿修羅が如く怒りを向けよ。

向けるべきは不要な過去に縛り付けるもの。

怒りをもって破壊する時は今だ。

 

****

 

ステルス某は『保護者』とは2度目の邂逅だ。

だがあえて言おう、最早マダムは流行らない。

かわいそうなベアトリーチェ、今に地下墓地より投げ出される。

 

「再びお会いするのが明確に敵として、というのはある種予定調和でしたか…仕方ありません。その子供らと共に、消え果てていただく他ありません!!」

 

これより臨戦となる。

醜悪な巨大蔓植物のような態様をなす『保護者』。

舞台装置としての役割を果たすべく、わざわざ『本来今はなれないであろう』大層な姿を見せてくれるのは分かりやすくて有り難い。

 

「慈悲の涙と嘯くその毒の流出に惑わされるな。さあ、アリウススクワッド、やるんだ!」

 

****

 

理屈は分からないが、突如緑色のレーザーが6本彼の前に現れる。

居ないはずの管弦楽団の響きと聖歌隊の声まで聴こえてくる。

怒りと破壊のデュンクも重なりだした。

挙句歌われるは私達5人に生まれた激情を増幅させ、爆発させるような歌。

 

 

ASHURA CLOCK 居丈高に

道をせしめて走る BLACK CAR

ASHURA CLOCK 道を隔て

百の天使がバクチで人を買う

 

 

『オマエタチの思うように、仕打ちの如く仕込まれた技法を仕返しのように叩きつけよ』…彼はそう言っているようだった。

アイコンタクトだけで、私達の意思統一がなされる。

 

 

Yay Ye 呼び戻せよ Yay Ye 尋ね歩き

Yey 眠れるASHURA CLOCK

 

 

鋭く蔦が迫る。そこへ相対する物体…ミサキが構えたロケットランチャーから放たれた弾頭が、重々しくも軽やかにすっ飛んでいく。

着弾し爆煙が上がっている間に、私達はこれまでの鍛錬の成果を見せつけるように散開する。

 

 

ASHURA CLOCK 詐欺まがいに

白亜のチャペルを砦に泣く

ASHURA CLOCK 高飛車にも

誰がこの世で一人とゆずらぬか?

 

 

アサルトライフル2丁とサブマシンガン1丁からなる3方向攻撃。

サオリが射撃しながらヘイトを重点的にとってくれている中で、私とアツコも乗じて的確にダメージを与えていく。

ミサキとヒヨリもその間に展開を完了した様子だった。

 

 

Yay Ye 連れ戻せよ Yay Ye 盗み歩き

Yey 眠れるASHURA CLOCK

 

 

アツコが不意を突かれた!横合いから蔓が鞭のように襲いくる…!

が………轟音が遠くから響き渡った。

ヒヨリの狙撃が悠々と間に合った証だ。

狙撃に気をとられる隙を突き…再び弾頭の舞う音がする。

 

 

淡々と 口笛でドアを開け

燦々と 陽を浴びて身を落とし

爛々と 百獣の餌になり

段々と キミの名を思い出す

 

 

直撃、多弾頭の子弾が面での制圧を果たす。

その攻撃により明確な大打撃を与えたらしく、その巨体はぐらつきを見せる。

仕留める時だ。物陰から物陰へ移動しながらの攻撃だったが、その身を晒す時。

サオリに私とアツコが続き、執拗な点の猛攻。抵抗で振るわれる攻撃もヒヨリによって払われる。

そして阿吽の呼吸だ。再び3人が散開すると、ロケットランチャーを構えていたミサキのラストシューティング。

あの子がこれまで積み重ねた諦観を、振り払うようなマントラと共に。

 

「ここから出ていけぇぇぇぇーーーっ!!!!!」

 

****

 

状況は終了した。

アリウスの教義が語る通り、全ては虚しく砕けた。勿論砕けたのはステルス某達の方ではない。

 

「何故…!何故なのです!!貴様らのようなガキと老人などに…!!」

「思った通り。やはりアンタは図体だけの醜悪な童子でありましたか」

 

いつぞやのtw(hz)を引用するなら『ぷ』の1文字が似合う様。

この様はあのダーウィンでさえ失笑ものだろう。

 

「黙りなさい!!生徒は……憎悪を、軽蔑を……呪いを謳わなければならないのです…!!生徒は……お互いを騙し、傷つけ合う地獄の中で、私達に搾取される存在で「やかましい」…!?」

「生徒であろうと老人であろうと、オマエはオマエであるということを忘れはしない。あろうことかアンタはアンタの為だけに必要以上にオマエはオマエであることを侵害し破壊した…それも数えられぬ幾人も。やはりアンタは、死んでも救えないし救われない」

「グ、ギィィーーッ!!貴様ァァァ!!」

 

もう一度、ぷ。これはきっとあのユージさんでも面白い。

さて、アリウススクワッドの面々に改めて言っておくことがある。

代表して錠前サオリに尋ねよう。

 

「皆さん、言っていた通り追放のみを施すこととします。追い討ちは不要、あなた達の手で行われる無用な殺生などもってのほかです」

「ああ、心得ている。それで構わない」

 

他4名も、自分の意思で元よりそのつもり、という視線を向けている。

 

「ということですのでステルスに、そして彼女らに殺されないだけありがたく思いなさいよ。さっ!出口はあちらです。帰れ!」

「よくも………!私はまだ………!!」

 

足り過ぎています、歪んだ執念とプライドが足り過ぎています。

ここまでとなれば仕方ありませんので、ステルス自ら手を下しましょう。

勿論追放の、でございます。

 

「…フーア、スタンツ、スファー………」

「たかが儀式の前段階で妨害された程度で……図に乗らないでください!!たった一度の勝利で…!!」

 

 

「πドゥアァァァァァーーーーーイ!!!!!」

 

 

「…は!?何ですこれは!?何をしたのです!!やめなさい!!ギァアアアアア…………!!!」

 

暗黒経由未開の地行きの片道切符で送り届けました。

これでようやく、アリウスの少女達に安寧が訪れるでしょう。




キヴォトスから「消えちゃいました」したわけじゃないとだけ言っておきましょう
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