SLEEP COP ―のび太のハードボイルド・アンダーワールド― 作:電機羊
……ではAMAZFLIX(アマフリ)視聴者クイズ、最後の問題です。
Q1: ”銃を装備した暴徒を、一瞬でやっつけた牧師“ 彼はどのようにして暴徒に勝ったのでしょう?
A: 「そんなの知らない」 ……正解!!
Q2: ”銃を装備した、暴徒を一瞬でやっつけた牧師“ 彼はどのようにして暴徒に勝ったのでしょう?
A: 「そりゃ銃で」 ……正解!!
——同じ文。読点ひとつで、意味だけがすり替わる。
――以上、クイズ王ホルダーである解答者に、挑戦してみたいという出題者からの問題でした!
――以上、クイズ王ホルダーである、解答者に挑戦してみたいという出題者からの問題でした!
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はぁ……この世界はなんてつまらないの。 退屈しないからってお兄ちゃんに説得されたけど。
世界なんて単純。
特に、人間。
“ 、” の移動で人間は喜んで騙される。
何が起こっているのか気付きもしない。 こうやって今はお兄ちゃんに言われて喜ばせちゃってるけどね。
でももう辞めちゃおうかな。
この世界。
みんな一緒に……。
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「世界が 『ディーラム(ドラミ)』 だって!?」
Se-washは青ざめながら言った。
「なら最初から……全て筒抜けだったんだ。僕の正体も、政府とAIソーシャルロボットに戦いを挑むためにおじいちゃんと接触する事も、みんなみんな……」
俺は言った。
「落ち着け、Ash!!」
Se-washは自分が彼らにした事を思い出して恐怖を感じている。
「なら……ならどこから知っているんだ? いつからなんだ!?」
Se-washは明らかに動揺し、コンセントの差し込み口、電源の入っていないタイムTV、冷蔵庫に向かって「ここか、かかってこい」と叫んでいる。
相手は本物の “IoT(Internet of Things)” なのであながち間違いではないのだが、傍目には気が触れているとしか思えない光景だった。
俺は言った。
「……もう盗聴されているんだろうが……。『D-ram』に逆らうとどうなる? たとえば全ての電力の供給や上下水道の停止、都市部の酸素欠乏。オゾンアンブレラの消失……そうなったら日本は壊滅だ。 そこにもし隣国からのピカドン……」
「D-ramはそんな事をする筐体(きょうたい)ではありません!!」
俺の話を遮ったのはナイトメアだった。
「確かに彼女は兄に力を貸しました。しかしそれは自分が望んだ結果じゃなかった。 家電ゴミ同然にまで弱体化し、選択肢も時間も無かった。彼女は存在し続ける為にCONTROL TOWERに接続されるしかなかったんです」
ナイトメアが話し続けようとする。
その時、音がした。
ガチャン!
部屋は暗転。
俺はランギッド・ショットのトリガーに指を置いた。 ……がしかし、それはあらゆる電化製品から盗聴されるのを恐れたSe-washが、ブレーカーをハンマーで壊す音だった。
「驚かすなよ!!」 「驚かさないで下さい!!」
俺とナイトメアは同時に叫んだ。 本当に昨日までの宿敵とは思えない。
ため息をつき、彼は話を続けた。
「……何をすれば良いかですね。これは容易ではありませんが……まずはD-ramを操る兄を遠ざけて、CONTROL TOWERのセンターに侵入する事です。 ……これまでお話しました通り、彼女自身に悪意はありません。全ては兄の影響です。 現に彼女は我々をずっと監視していますが、兄にはそれを報告をしていません。スパイ蝿なんて使っている時点で、兄自身に情報が少ない証拠です」
なるほど。しかし――俺は言った。
「コントロールセンターに着いた後はどうする? 破壊するのか?」
ナイトメアは抑揚もなく話した。
「今日の日本は 『D-ram』 無しでは機能しません。 破壊したら全ての航宙機、爆笑電力、AI牧場ありとあらゆる場面全てに影響が出て、日本は滅びます」
「……人質は、日本そのものか。」
ーーではどうすればいいんだ。俺は言った。
「それは…ノビタ様がD-ramに話しかけるんです。 『大丈夫だったか?』『久しぶりだね』『昔が懐かしいね』『Yamazakiのメロンパンどう?』……そう。
人々が暖かく優しかった時代――ディーラム、いや……
『ドラミ』
にノビタ様達との楽しかった日々を思い出させる事で、この狂気の時代を自ら終わらせるんです。彼女にはその力がある」
俺は困惑した。 途方もないことで、しかもそれは素晴らしい事かもしれない。
しかし俺自身は、もう前時代の感情や思い出などは……過去に置いてきたのだ。
葬り去ったんだ。
「いや……俺は……」
ナイトメアは苛立ち、言った。
「お忘れですか!? D-ram達と過ごした日々を? あなたは泣き虫だが正しく優しい子だったと父に聞きました! 少なくとも今のような冷徹な殺人マシーンではなかったはずだ!」
「そして貴方は、父にも叱られながら育ててもらったはずだ!」
・・・・・・・・・・!?
「もういいよ。やめろ。神成(かみなり)」
Se-washが言った。
何処かで聞いた名だ。 はるか昔、そうだ俺達の空き地で。 俺達の世界はそこがすべてだった。当時、毎日暗くなるまで遊んだものだった。
ボールが頭の遥か上を飛ぶ時はいつも……
ガシャン!!
「コラー! お前達!!」
Mr.カミナリだ!!
俺はたまらずナイトメアに尋ねた。
「お前……」
彼は微笑して言った。
「そうです。貴方の良く知るカミナリの息子です。 父から聞いて、貴方の事は良く知っています」
そしてナイトメアは名刺をくれた。 そこにはこう書かれていた。
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株式会社 MATSUSHIBA電機
代表取締役社長 神成 貴成(カミナリ タカナリ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回、第10章『A.I -人工意志-』。
(※毎日20時頃 更新予定)