SLEEP COP ―のび太のハードボイルド・アンダーワールド―   作:電機羊

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第9章『Behind -背後-』。

……ではAMAZFLIX(アマフリ)視聴者クイズ、最後の問題です。

 

Q1: ”銃を装備した暴徒を、一瞬でやっつけた牧師“ 彼はどのようにして暴徒に勝ったのでしょう?

 

A: 「そんなの知らない」 ……正解!!

 

Q2: ”銃を装備した、暴徒を一瞬でやっつけた牧師“ 彼はどのようにして暴徒に勝ったのでしょう?

 

A: 「そりゃ銃で」 ……正解!!

 

——同じ文。読点ひとつで、意味だけがすり替わる。

 

――以上、クイズ王ホルダーである解答者に、挑戦してみたいという出題者からの問題でした!

 

――以上、クイズ王ホルダーである、解答者に挑戦してみたいという出題者からの問題でした!

 

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はぁ……この世界はなんてつまらないの。 退屈しないからってお兄ちゃんに説得されたけど。

 

世界なんて単純。

 

特に、人間。

 

“ 、” の移動で人間は喜んで騙される。

 

何が起こっているのか気付きもしない。 こうやって今はお兄ちゃんに言われて喜ばせちゃってるけどね。

 

でももう辞めちゃおうかな。

 

この世界。

 

みんな一緒に……。

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「世界が 『ディーラム(ドラミ)』 だって!?」

 

Se-washは青ざめながら言った。

 

「なら最初から……全て筒抜けだったんだ。僕の正体も、政府とAIソーシャルロボットに戦いを挑むためにおじいちゃんと接触する事も、みんなみんな……」

 

 

俺は言った。

 

「落ち着け、Ash!!」

 

 

Se-washは自分が彼らにした事を思い出して恐怖を感じている。

 

「なら……ならどこから知っているんだ? いつからなんだ!?」

 

 

Se-washは明らかに動揺し、コンセントの差し込み口、電源の入っていないタイムTV、冷蔵庫に向かって「ここか、かかってこい」と叫んでいる。

 

相手は本物の “IoT(Internet of Things)” なのであながち間違いではないのだが、傍目には気が触れているとしか思えない光景だった。

 

俺は言った。

 

「……もう盗聴されているんだろうが……。『D-ram』に逆らうとどうなる? たとえば全ての電力の供給や上下水道の停止、都市部の酸素欠乏。オゾンアンブレラの消失……そうなったら日本は壊滅だ。 そこにもし隣国からのピカドン……」

 

「D-ramはそんな事をする筐体(きょうたい)ではありません!!」

 

俺の話を遮ったのはナイトメアだった。

 

「確かに彼女は兄に力を貸しました。しかしそれは自分が望んだ結果じゃなかった。 家電ゴミ同然にまで弱体化し、選択肢も時間も無かった。彼女は存在し続ける為にCONTROL TOWERに接続されるしかなかったんです」

 

ナイトメアが話し続けようとする。

 

その時、音がした。

 

 

 

ガチャン!

 

 

 

部屋は暗転。

 

俺はランギッド・ショットのトリガーに指を置いた。 ……がしかし、それはあらゆる電化製品から盗聴されるのを恐れたSe-washが、ブレーカーをハンマーで壊す音だった。

 

「驚かすなよ!!」 「驚かさないで下さい!!」

 

俺とナイトメアは同時に叫んだ。 本当に昨日までの宿敵とは思えない。

 

 

ため息をつき、彼は話を続けた。

 

「……何をすれば良いかですね。これは容易ではありませんが……まずはD-ramを操る兄を遠ざけて、CONTROL TOWERのセンターに侵入する事です。 ……これまでお話しました通り、彼女自身に悪意はありません。全ては兄の影響です。 現に彼女は我々をずっと監視していますが、兄にはそれを報告をしていません。スパイ蝿なんて使っている時点で、兄自身に情報が少ない証拠です」

 

なるほど。しかし――俺は言った。

 

「コントロールセンターに着いた後はどうする? 破壊するのか?」

 

ナイトメアは抑揚もなく話した。

 

「今日の日本は 『D-ram』 無しでは機能しません。 破壊したら全ての航宙機、爆笑電力、AI牧場ありとあらゆる場面全てに影響が出て、日本は滅びます」

 

「……人質は、日本そのものか。」

 

ーーではどうすればいいんだ。俺は言った。

 

「それは…ノビタ様がD-ramに話しかけるんです。 『大丈夫だったか?』『久しぶりだね』『昔が懐かしいね』『Yamazakiのメロンパンどう?』……そう。

 

人々が暖かく優しかった時代――ディーラム、いや……

 

『ドラミ』

 

にノビタ様達との楽しかった日々を思い出させる事で、この狂気の時代を自ら終わらせるんです。彼女にはその力がある」

 

俺は困惑した。 途方もないことで、しかもそれは素晴らしい事かもしれない。

しかし俺自身は、もう前時代の感情や思い出などは……過去に置いてきたのだ。

葬り去ったんだ。

 

「いや……俺は……」

 

ナイトメアは苛立ち、言った。

 

「お忘れですか!? D-ram達と過ごした日々を? あなたは泣き虫だが正しく優しい子だったと父に聞きました! 少なくとも今のような冷徹な殺人マシーンではなかったはずだ!」

 

 

「そして貴方は、父にも叱られながら育ててもらったはずだ!」

 

 

・・・・・・・・・・!?

 

 

 

「もういいよ。やめろ。神成(かみなり)」

 

Se-washが言った。

 

 

 

何処かで聞いた名だ。 はるか昔、そうだ俺達の空き地で。 俺達の世界はそこがすべてだった。当時、毎日暗くなるまで遊んだものだった。

 

ボールが頭の遥か上を飛ぶ時はいつも……

 

 

 

ガシャン!!

 

 

 

「コラー! お前達!!」

 

 

 

 

 

Mr.カミナリだ!!

 

 

 

俺はたまらずナイトメアに尋ねた。

 

「お前……」

 

 

彼は微笑して言った。

 

 

「そうです。貴方の良く知るカミナリの息子です。 父から聞いて、貴方の事は良く知っています」

 

そしてナイトメアは名刺をくれた。 そこにはこう書かれていた。

 

 

 

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株式会社 MATSUSHIBA電機

 

代表取締役社長 神成 貴成(カミナリ タカナリ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




次回、第10章『A.I -人工意志-』。

(※毎日20時頃 更新予定)
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