東方奇跡録 作:夢原 つきよ
さあ、皆が集まっていくお話です。
それではどうぞ。
それは、いつも通り部活を終え、火神君と別れた帰り道。
「あれ?黒子っちじゃないスか!」
自分を呼ぶ、聞き覚えのある声に僕は振り向いた。
「久しぶり〜ッス!」
声の主はスポーツバッグを揺らしつつ駆け寄ってくる。
彼の名前は黄瀬 涼太。中学時代の部活の仲間の一人である。彼は一度見たプレーをすぐに自分のものにできるという特技を持つ。
「ええっ、そんな露骨に嫌な顔しなくてもいいじゃないスか〜。」
「ああ、すみません。顔に出てしまいましたか。」
僕は自分の顔を少しさする。
「部活帰り?黒子っち。」
「はい。黄瀬君も?」
「うん、この辺で寄りたいお店あったから。にしてもほんと、奇遇ッスねぇ。」
「そうですね。ではまた。」
「ってちょちょ、待って!行かないでー!」
会話を断ち切って早々に帰ろうとする僕を引きとめようとする黄瀬君。今日も相変わらず犬っぽいなぁ……。ま、いじりがいがあるからいいんですが。
「どうせなら一緒に帰ろうッス!駅こっちだったッスよね……って、あれ?」
指を指した先を見て、黄瀬君は首を傾げた。
僕もその方向に視線を向ける。
「……ん?黒子に黄瀬じゃないか。」
「くろち〜ん、きせち〜ん、やっほぉ〜。」
おや、今日はいろんな人に会うな。
「こんばんは。緑間君に、紫原君。」
僕らは2人に歩み寄っていった。彼らは緑間 慎太郎と、紫原 敦。緑間君はコート全体からシュートできるコントロール力を持ち、紫原君は抜群の反射神経で守備力を高めることができる。
「いやぁ〜相変わらず2人ともでかいっスねぇ。すぐわかったッスよ?」
「え〜きせちんだってでかいじゃん。」
「バスケ部員たるもの、当たり前なのだよ。」
「あの、さらっと皆で僕をディスるのやめてくれません?」
黄瀬君はまだしも、緑間&紫原ペアは特に背が高い。ここに僕が並んでしまうとその差は一目瞭然。……いや、僕は至って標準のはずなのだが。
「お2人は何を?」
「なーんか、偶然会っちゃったんだよねぇ。今帰ろっかってなってたとこ。」
「俺らも駅向かうとこなんスよ。」
「ならば一緒に……」
「テ〜〜ツ〜〜く〜〜ん‼︎」
緑間君の言葉は突如ダッシュしてきた桃井さんの叫び声によって遮られ、一呼吸遅れて気づいた僕は次の瞬間、桃井さんに抱きつかれていた。
「久しぶりだねー!会いたかったぁ〜!」
「お、お久しぶりですね桃井さん。」
「さつき、そろそろ離してやれよ。テツ首絞まってんぞ。」
後についていた青峰君が呆れたように言った。ハッと我に返った桃井さんが「ごっ、ごめん。」と手を離してくれる。あぁ、苦しかった……。
桃井 さつきと、青峰 大輝。桃井さんは情報収集を得意とし、チームのサポートに努めている、青峰君は持ち前の野生の勘と運動能力で、いかなるフォームでもシュートを打ててしまう。
あ、僕の"元"『光』でもある。
「青峰っちに桃っちも⁈今日、なんか集まるって行事あったッスかね?」
「俺は何も聞いてないのだよ。」
「おーおー、なんだ皆いんじゃねーかよ。俺も混ぜろや。」
「いやだから、僕らもたまたまなんですよ。青峰君。」
「ももちん達はなんでここいるの〜?」
「ちょっと買い出しにねー。」
まぁ、なんということでしょう。
偶然に偶然が重なり、ここにきて我らがキセキの世代がほとんど集まってしまいました。
とまぁ、某匠番組の如く言ってみたが、この集まりようはなんなのだろうか。久々に会えて嬉しい反面、何か奇妙なものを感じる。
「これで赤司君がいれば本当に揃ってしまいますね……」
「僕がなんだって?テツヤ。」
……………。
和気あいあいとしていたその場の会話が、ピシリと固まった。声のした方に皆の目線が集まる。
そこにはあの、完全無欠の主将、絶対的な力を持つ人ーーーー赤司 征十郎が立っていた。
「「……えええええっ⁈」」
「お前たち、大声を出すな。迷惑になるだろう。」
皆の驚きの表情を気にもせず、平然と注意する赤司君。
……うん、間違いなく本物の赤司君である。
「赤司っち、な、なんで……?」
「こっちにちょっとした用があってね。なんだ、今日はお前たちで集まっていたのかい?」
「ううん、俺らも偶然集まっちゃった感じ。」
この時、僕はまさかこの後あんなことが起こるなんて、考えてもいなかった。
幻想郷入りは、もう一話挟んだらです。
皆のキャラ大丈夫かな……?
うまく作れるか不安です汗