夜の王達がゼンゼロの世界に行って雨を降らせるみたいです   作:ワニさん

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よしできました


未確認災害「夜」

零号ホロウの空は、昼だった。

 

歪んだ構造物に光が差し込み、

遠景のビル群には、いつも通りの白があった。

 

次の瞬間。

 

光が、消えた。

 

太陽が沈んだわけではない。

雲が覆ったわけでもない。

 

昼という概念そのものが、塗り潰された。

 

世界は突如として、夜に似た闇へと沈んだ。

 

だが、それが夜なのかどうか――

六課の誰一人として、判断できなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

闇の中、雨が降り始める。

 

黒い雨。

触れた場所に、青い焔のような光が瞬く。

 

建造物は崩れない。

だが、空間そのものが、静かに軋む。

 

柳は薙刀を構え、即座に指示を飛ばした。

 

柳「全員、散開。

 この現象……ホロウ災害とは性質が違う」

 

星見雅は前へ出る。

 

星見雅「火力は私が引き受ける。

 柳、全体指揮を」

 

蒼角は斧を握りしめ、空を見上げた。

 

蒼角「……ボス……?

 これ、昼間……?」

 

悠真は弓を構えたまま、闇を睨む。

その表情に、いつもの軽さはない。

 

悠真「光源の遮断じゃない。

 空間が……“夜みたいな状態”に書き換えられてる」

 

柳「“夜みたい”……?」

 

悠真「例えだ。

 正体は分からない」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

闇の奥から、足音が響く。

 

現れたのは、巨大な剣を背負い首に腕のような何かを巻き付け右手に大剣左手に短剣を持つ男。

 

だが構えているのは、左手の短剣のみ。

 

ナメレス「……ここまで来たか」

 

柳「う、腕が…2…いや、3本?…あなたが、この現象の原因?」

 

ナメレス「原因の一つではある」

 

蒼角「よ、夜……なの……?」

 

ナメレス「そう呼ぶ者もいる」

 

悠真「……僕たちは知らない。

 この世界に、そんな災害は存在しない」

 

ナメレスは、短く笑った。

 

ナメレス「知らぬのも無理はない。

 “夜”は、まだ名付けられていない」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

六課は攻撃に移る。

 

雅の刀が閃き、

柳の薙刀が空間を裂く。

悠真の矢が闇を貫く。

 

だが――

 

ナメレスは、左手の短剣だけで、すべてを受け流した。右手に持つ大剣は一切使っていない

 

ナメレス「……遊びにもならぬ」

 

首に巻き付けたもう片方の右腕で背中に背負った特大剣が抜かれる。

 

淡い光が宿り、

ホロウの内壁が大きく切り裂かれる。

 

夜が、深くなる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

特大剣が地面に突き刺さる。

 

地面が隆起し、

各地で爆発が起こる。

 

本来ならば、

属性異常と状態異常が連鎖する――

だが、それは起こらない。

 

ナメレス「……これだけで済ませてやろう」

 

六課は、その意味を知らない。

 

柳「……全員、撤退!」

 

星見雅「了解。殿は私が務める」

 

悠真「……これは戦闘じゃない。

 未知の災害だ……!」

 

蒼角「こわい……!」

 

六課は撤退する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

六課が完全に離脱したあと。

 

零号ホロウに、静寂が戻る。

 

ナメレスは、特大剣を地面から引き抜いた。

 

ナメレス「……試すには、まだ早いか」

 

剣を振るう。

 

夜が、剥がれ落ちる。

 

雨が消え、

青い焔も消え、

昼の光が戻る。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻。

 

六大ホロウともうひとつの浮いた大きなホロウ――

それぞれ、別々の場所に異変が起きていた。

 

あるホロウでは、

巨大な剣と三つ首の狼の影が、崩壊した高層構造物の頂に座っている。

――グラディウス。

 

 

別のホロウでは、

水域に、海そのもののような存在が実体化する。

――マリス。

 

 

また別のホロウでは、

顎が大きく肥大化した竜が、瓦礫の影から世界を観察する。

――エデレ。

 

 

別の地点では、

秤を持ち公平と均衡を保つ山羊頭の悪魔のような存在が現れ、静止する。

――リブラ。

 

 

別のホロウでは、

光を纏い落下して降り立ち土煙を立てその煙の影から赤い長髪の人の馬存在が、空間を駆け回る。

――フルゴール。

 

 

知性を思わせる異形が、静かに構造物を観察する。

――グノスター。

 

 

上空に浮かぶとあるホロウ。

 

霞が漂い、

影が空間に滲む。

 

そこに、輪郭の曖昧な実体が現れる。

 

――カリゴ。

 

彼らは、干渉しない。

 

ただ、立っている。

 

この世界が、受け入れる器を持っているかどうかを――確かめるために。

 

 

零号ホロウ。

 

昼の光の中、ナメレスは振り返る。

 

ナメレス

「……まだ、始まりにすぎぬ」

 

その姿は、静かに消えた。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

後に、六課は報告書にこう記す。

 

昼間に発生した、夜のような未確認現象

原因・名称・性質、すべて不明

ホロウ災害とは異なる、新たな脅威の可能性あり

だが原因だろうと予測している人物と交戦 その者はこの現象を夜と呼んでいたがその者があまりにも強大な力を持ち対処をしきれなかったため撤退を余儀なくされた

 

ーーーーーーーーーーーーーー

誰も知らない。

 

その“夜”が、

すでに世界各地に――降り立っていることを




読んでくださりありがとうございます 感想お待ちしています 独断と偏見と想像と妄想でほぼ作ってるものですので皆様の解釈が違う場合は申し訳ありません
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