ハリー・ポッターの呪われた双子   作:フォンテ

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10話 初めての魔法薬学①

 

 次は、魔法薬学の初授業となる。

 

 地下に降りる階段を進むにつれ、空気は確実に重くなっていった。湿り気を含んだ冷気が足首にまとわりつき、石壁から染み出すような薬草の匂いが鼻の奥に残る。

 

 扉をくぐった瞬間、アイラは無意識に背筋を伸ばしてしまう。

 

 すでに教壇の前に立っている男は、他の教師とは明らかに違っていた。黒一色のローブは身体の線を隠し、長い髪は肩のあたりでわずかにうねりながら垂れている。顔色は青白く、蝋燭の光を受けても温度を感じさせない。鷲のような鼻と、感情を読み取らせない黒い目だ。

 

 上級生が言っていた人物だろう。

 魔法薬学の教師で、スリザリンの寮監、スネイプ先生だ。『厳しいが無駄を嫌う。守ってはくれるが、甘やかしはしない。』、まさしくそんな雰囲気があった。

 

 その視線が教室をなぞるだけで、空気が張り詰めているのがわかった。

 

 すでに席についているスリザリン生も、グリフィンドール生も、等しく緊張している。マルフォイのように実家で多少は慣れていそうな者すらビビっている。

 

 教室移動において自然と最後尾になっていたアイラは、ルークたちと恐る恐る席につく。授業開始の時間には遅れていないはずだが、スリザリン生として何かしら注意を受けるかもしれない。最悪の場合は減点だろうか。

 

 しかしスネイプ先生は、こちらに視線を向けることもしてこなかった。

 アイラはホッとした様子を見せる。

 

 教室後方の席から埋まっていて、最前列にある席まで歩くことになるのは、そこそこ緊張することになる。マルフォイのような立場を主張する生徒たちだったり、先ほどの変身術で優秀な実力を見せたハーマイオニーだったり、そういう生徒が座るような位置である。

 隣のルークも、アイラも、セオドールもためらいはない。

 

 アイラは、スネイプ先生の顔を見上げることとなる。

 彼は教室の後方をじっと見ているようだった。

 

 こうして4人が席につく音が止み、教室が静まり返ったところで、低く抑えた声が響いた。

 

「教科書を閉じ、しまえ」

 

 言葉は短く、命令だった。

 それが授業の合図のようで、慌てて生徒たちは命令を遂行して、そのまま動きを止めて、教師の顔を真剣に見る。

 

「魔法薬学とは」

 

 スネイプはゆっくりと歩き出す。

 生徒たち1人1人の顔を、じっくり観察していくかのようだ。

 

「呪文を叫ぶ教科でも、杖を振り回す教科でもない。まだ1年の段階だ。杖を出している者もしまえ」

 

 生徒たちは命令を遂行する。

 黒いローブが床をなぞる音だけが続く。

 

「精密さと忍耐、観察と記憶、だがそれ以上に理解だ。作業工程の一つ一つが、なぜそうあるのかを考えられぬ者に、進歩はない」

 

 教室の中でも後方の席にいたハリーやロンのところで立ち止まった。

 

「噂のハリー・ポッター、我らが英雄殿には、期待しているとも」

 

 白々しい態度と言うべきか、あえて挑発したと言うべきか。

 スネイプが早足で戻ってくるため、アイラもまた名指しされるかと不安になるが、特にそういったことはなかった。

 

 そしてスネイプは杖を振り、黒板に今日の課題名だけが書きつける。

 本日の課題は、『おできを治す薬』とする。

 

「この教室では、魔法を力として扱わない。芸術として学びたまえ」

 

 彼は、特にグリフィンドール生がいる側にその言葉をつきつける。

 純血家系のスリザリン生の多くは、すでに実家で多少なりとも魔法薬学の重要性を学んできているからである。

 

「完成した薬は、誰が作ったかなど語らん。語るのは結果だけである」

 

 彼は再び教室を歩き始めて、わざわざハリーのところまでいく。

 その黒い目は誰かを映しているかのようだ。

 

「ポッター」

 

 ハリーがびくりと肩を跳ねさせた。

 

「教科書の第十三章だ。アスフォデルの球根に、ニカヨモギを煎じたものを加えると何の薬になる?」

 

 教室が静まり返る。

 ハーマイオニーが勢いよく手を挙げているが、スネイプは一切見なかった。

 

「……わかりません」

 

 ハリーの声は小さかった。

 

「この授業において、有名だけではどうにもならんな?」

 

 スネイプは冷ややかに言い放った。

 

「授業の前に、1ページでも教科書は読んでいるのかね?」

「その……少し……」

 

 ただし軽く開いて確認しただけで、おできを治す薬のページなど記憶はない。1ヶ月の間、杖を振って魔法を扱うような本で予習をしてきていた。隣のロンも顔面蒼白で、きっと教科書は新品のままだろう。

 

 そこでハリーは、教室の前方でこちらに向かって、ひたすら挙手して主張している女子に助け船を求めることとした。変身術でも優秀であり、先ほどの質問もわかっているだろう。

 

「あー、僕よりハーマイオニーが分かっているみたいです。彼女に質問してみたらどうですか?」

 

「はて、何のことかな? 教師に無礼な態度を取ったとして、グリフィンドールから3点減点だ」

 

 スネイプは気づいていないフリをして、しかも減点までして、教卓に戻っていった。

 先ほどの変身術授業でハーマイオニーが稼いだポイントの一部分を無駄にしてしまい、ハリーは肩身が狭い思いをする。

 

「この授業は、せめて教科書を予習していなければ、永遠に理解は不可能である。まさか先ほどの変身術の授業のように、甘い考えで受けるつもりではあるまいな?」

 

 それを聞いてグリフィンドールのほとんどが、目に見えて冷や汗をかいていた。

 スリザリン生の何人かも、アイラも、肩を震わせる。

 

 でもダフネは頼もしく頷いてくれて、セオドールは冷静で、ルークは面白そうにしている。

 おできを治す薬なら、教科書のそこそこ序盤に書かれていたはずだ。あえて1番最初の内容ではないのが、スネイプらしい。

 アイラは記憶にあるページを、がんばって思い出そうとしていた。

 

「やれやれ、今年の1年の大半も、不作なようだな。特にグリフィンドール生」

 

 そう言ってスネイプは杖を振るって、無言呪文によって、黒板に文字を一瞬で書きこんだ。それらは本日用いる材料の名前であり、簡略的な作業工程の順序だけである。

 

 最低限この順序を守っていけば、決して面倒な事故は起こらない。

 初歩中の、さらに初歩の段階である。

 

「……なぜノートを出して書こうと思わない? まさかまだ変身術の授業の気分か?」

 

 スネイプは淡々と続けた。

 生徒たちは慌ててノートを出して、羽ペンで前にある文章を書きこんでいく。

 

 そしてアイラも思ったが、教科書の内容には、時間や回数などもっと情報があったはずだ。完璧とは自信はないが、なんとか思い出しながら補足事項を書きこんだ。

 

「1班につき2名とする。こちらで指定してやろう。完成させるまでは昼食の時間はないものと思え」

 

 まだ生徒たちが書きこんでいる最中のことだった。

 スネイプは淡々と杖を振るって、同じ色の紙きれが前の前に置かれる。あくまで同じ寮で近くにいる者から分けているようであったが。

 

 彼はノートに書きこむ生徒の様子などを瞬時に把握し、スリザリン生はバランスよく配置するが、グリフィンドール生は実力が偏るように配置した。多くのスリザリン生ならば助け合うだろうが、多くのグリフィンドール生は完全に仲間を頼ってしまう。

 

 当然ハリーは隣にいるロンと組まされていた。ハーマイオニーは、まさかの1人グループである。しかしマルフォイとクラップとゴイルは3人組のようで、特例かの扱いだった。

 

 ハリーはロンと焦りながら、きょろきょろと周りに助けを求めようとする。落ち着きがないため1点ずつ減点される。横暴だと思いつつ、文句は黙り込むしかない。

 

 それを見たマルフォイだが、先ほどの授業のように挑発する余裕はない。クラップとゴイルをフォローしながら、なんとか自分がこの班を合格ラインまで引き上げなければならない。

 

 アイラも、予習したといっても、本当に文章を読んできただけだ。運よく班が同じになったダフネに助けてもらうしかない。

 

「えと…足を引っ張らないようには……」

「いいのよ。できるところからね」

 

 とても安心しながらアイラとダフネで、同じ作業台についた。

 ルークとセオドールはその隣の場所にいて、何かあればフォローし合えるだろう。

 

 魔法薬学という初回授業は、圧倒的に純血家系が有利とされている。なぜなら杖を振るうよりも先に、こういう素朴な鍋を見て、魔法薬学の初歩について家庭で学ぶからだ。

 マグルにあるドラッグストアのようなものもほとんどない。生活に使うような魔法薬程度ならば、自分たちで調合するのが純血家系の教育である。

 

「まずは、材料の確認…ですよね?」

「そうね」

 

 アイラが自分のノートと、ダフネのノートを見比べながら、真剣に方針を立てる。とても丁寧であり、自分が覚えていた内容よりも更に書きこまれていた。

 

 頷いたダフネは、近くで立ち止まっていたスネイプに気づいたことで、内心焦る。

 

「申し訳ありません。この授業でも私語は厳禁でしたか?」

「ぁ……ごめんなさい」

 

 ダフネは淑女らしく軽くお辞儀して、アイラは丁寧にお辞儀する。

 

「同じ班であるか、最も近くの班であるか、必要な範囲であれば構わん。グリーングラス班も、作業を続けたまえ」

 

 特に問題はなかったようである。

 それに、アイラは名指しされてないため、ハリーほど目をつけられていないようだった。

 

 スネイプは再び別の生徒のところに向かっていった。今の段階はスリザリン生を中心に回っているようで、あちこちでノートの補足事項を杖で指して、間違いだけを正していっている。

 明らかなスリザリン生への援護に、グリフィンドール生はいい表情をしない。とはいえ、彼らの多くは黒板の丸写ししかしていないのだが。

 

「セオドール、どれくらい取ればいい? いっぱい取れば、いっぱい作れるぞ?」

「鍋に入る分量だけ。無駄づかいは先生に怒られる」

 

 他の生徒たちはまだ慎重に確認する段階だったが、ルークはすでにセオドールを連れて教卓の前に行っているようだ。ダフネやアイラもその流れに乗って、材料を取りにいく。

 

 いまだ生きている角つきナメクジ、乾燥させた蛇の牙、ヤマアラシの針などだ。

 グリフィンドールでマグル育ちの生徒たちの多くは、まず材料に触ることすら容易ではないだろう。

 

「初めて見ます」

「古く、あまりいい材料ではないようね」

 

 2人で協力して、作業台まで慎重に必要量だけを持ってきた。

 ここからはそれぞれの材料を刻む工程に入っていく。

 

「そうね、匂いは残さない方針でいきましょうか」

「わかりました。小さくですよね」

 

 ナイフなどの道具を手に取って、2人で材料を細かくしていく。教科書にあった注意点と、あとはダフネの家庭教育の賜物だ。

 ナメクジは小さめで均等に刻み、蛇の牙などは粉になりすぎるほどに。

 

 変身術の授業のように杖は使わず、手作業だ。

 

「とても上手よ」

「はい、ありがとうございます」

 

 2人とも丁寧でいて、しかし手際がいい。

 

 スネイプはその間にもあちこちで注意している。今度は、ナメクジが苦手なグリフィンドール生が騒がしいからと、また1点減点しているほどだ。

 

 スリザリン生はどこも順調なようで、あまり様子を見にきていないが。

 

「ぇと……なにか間違っていますか?」

「続けたまえ」

 

 何度かアイラやダフネの作業風景を、スネイプが見に来ていた。なんだか満足そうに頷いていたのは、気のせいだっただろうか。

 

 材料を鍋に入れる前に、2人は一度手を止めて、行程の確認作業に戻る。

 

「セオドールの記憶力を信じるとしよう。さあ、火をつけるぞ」

「待て、まだ心の準備、が!」

 

 隣でも、順調に作業が続いている。たぶん順調だ。

 

 その奥に見えるハーマイオニーは1人のため、さすがに材料を刻む作業がまだ終わっていないようだ。とはいえ焦った様子は見せない。確実に手早くこなしていっている。

 

 ここからは作業台で火を使うこととなり、加熱時間や火力が、とても重要になってくる。当然タイマーなんてものはない。

 

 ダフネとアイラでしっかり確認する。

 

「これで合ってるはず……理由、書いてあった?」

「いいえ、結果だけです」

 

 アイラは首を振る。

 しかも火力のことなんて、あくまでニュアンス的表現であり、数値で表されていたようなものでもない。どこか引っかかることがある。

 

「なぁ、火力が強すぎないか? あと混ぜすぎでは?」

「いや、教科書通りなら…だが……」

 

 隣だとセオドールに基本的に任せつつも、ルークが感覚的なことも言っている。彼が言うからには何か理由がありそうだが、アイラもダフネもまだ教科書以上のことを挑戦する度胸はなかった。

 

 備品の鍋は、厚みがあり、内側に細かな傷が残っている。前の学年の痕跡だろう。アイラとダフネはそれを確かめながらも、材料を鍋に落とす。

 

 そして火をつける。

 一気にではなく、芯に触れさせる程度。

 

 薬液が静かに温まり始めた。

 

「強くしすぎない…ですかね……?」

 

 アイラが言う。

 

「わかってる…けれど……」

 

 ダフネは火力を多少抑えたまま、薬液の変化を見つめながら調整する。

 しかし教科書には、『充分に火を通そう』といった書き方がされていた。しかも火力などは感覚的な内容すぎて、ダフネは今までの経験でやるしかない。

 

 確かに、これは難しい授業だと感じた。

 模範解答は教科書にあって、観察すればヒントは散りばめられているのに、最善の答えは簡単に見つからない。

 

 スネイプが言っていた、『作業工程の一つ一つが、なぜそうあるのかを考えられぬ者に、進歩はない』、その言葉の通りだった。

 

 木べらで、液体を円を描くように動かす。

 勢いをつけず、底をなぞるように。

 渦が立ちすぎないか、泡が出ないか。

 

「マルフォイ殿」

 

 スネイプの声が教室に響く。

 少し離れた場所では、マルフォイたちの班ですら注意を受けるようになっていた。

 

「なぜその火力にしているのかね?」

「それは……家だと……」

 

 それ以上は答えられない沈黙だった。

 

「理解していない証拠ですな」

 

 マルフォイは歯噛みしつつも、わずかに火力を調節していく。同じ班のクラップとゴイルができるのは、彼の額の汗を拭くことくらいだった。

 

 ダフネも真剣に、集中しながら混ぜている。

 でもアイラも何もしていないわけではなく、その回数を一緒に確認する。視線は鍋の薬液に固定して、色のわずかな濁りを見逃さないよう集中した。そして、一緒に目的を達成する仲間として、適宜相談するようになっていく。

 

 ゆっくりと、丁寧に、加熱時間を完璧に、この工程を終えたこととする。

 

「「そして、火を止める」」

 

 同時にそう判断して、あとは薬液がそこそこ冷めるのを待つ。

 だが火を止めて、『充分に待とう』といったことしか、教科書には書かれていなかったはずだ。

 

 鍋の中の液体は、完全な透明にはならず、ちょっと濁っている。

 

 木べらで確認すれば、そこそこ粘り気はあるが、水っぽさあもる。

 それに、できるだけ小さく刻み、丁寧に粉状にしたため、薬らしいイヤな匂いが残らなかったことは幸いだろうか。

 教室のあちこちから、そんな匂いが立ち込めていっているように思えた。

 

「……濁り、それと水っぽさね」

 

 ダフネが小声で言った。

 

「……火力、混ぜ方、ですかね?」

 

 アイラは肯定しながらも、焦りは感じていなかった。

 

 教科書通りだった。安全で、安定していた。きっと失敗はしないための方法なのだろう。そのはずなのに、完璧とは遠いように思えた。

 

 そして最後に、慎重に、ヤマアラシの針の粉末を入れれば、余熱で溶けていっているかのようだ。

 これでアイラとダフネの班の、おできを治す薬の完成だとは思う。

 

 とはいえ2人では実際に、できばえの判断はできない。

 ふと視線を上げると、またスネイプがこちらに向かってきていた。

 

「どう…でしょうか……?」

 

 正確には、鍋を見ていた。

 何も言わずに液面を覗き込んでいる。それだけで、胸の奥がきゅっと締まった。

 

「……キミは、教科書を読んできたのかね? 魔法薬学の?」

 

 兄のように、ポッターとは呼ばれなかった。

 まるで自分を通して、スネイプ先生が誰かを見ているかのように感じた。

 

「いいえ。私だけでは足りないところもあって…ダフネさんの…グリーングラスさんのおかげで……」

 

 アイラにとって、『初等魔法薬学』と表紙に書かれた教科書は、難しかったけど。実用的な薬が多くて、見たことのない材料がたくさんあって、この1ヶ月間ではよく読んでいた。

 でもアイラは知識量の足りなさが不安になる。

 

「ポッターさんもよく覚えてきておりまして、それで私も自信を持てまして……」

 

 ダフネは実家で魔法薬学の経験があった。

 しかし完璧とは遠い結果に、言い淀むしかない。もし怒られたならば彼女が責任を負おうとしていた。でも隣のアイラは見上げてきて、『一緒に怒られましょう』って伝えられているかのようだった。

 

 やがて、スネイプは背中を向けた。 

 思わず2人で俯いてしまう。

 

「まだ改善の余地はある。だが及第点とはしておこう」

 

 ぱっとアイラとダフネで顔を上げた。

 褒められたわけではないが、特に注意点もなく、合格ラインには達していたようだった。しかも教室の中で最速であったため、全体から注目が集まる。

 

「片付けをし、残り時間は、次回授業までの課題内容を進めておきたまえ」

 

 スネイプが杖を振るえば、その内容が黒板に表示された。

 

『使った材料すべての詳細』:調べる手段は問わない。ただし他人のレポートの丸写しは許可しない。

『調合レポート』:作った魔法薬の工程を全て書く。完成品の観察、失敗点とその原因、改善点などの反省を理論的に行う。

『授業の予習』:次回も教科書1章の範囲の中から魔法薬を調合する。隅から隅まで完璧に覚えてきたまえ。

『注意点』:提出期限は厳守で、遅れればどの寮だろうと減点。誰かと相談はいいが、内容が幼稚すぎたり、丸写しだと判断したり、それによっても減点。吾輩は嘘を見破る。

 

「精進いたしますわ」

「同じく、精進します」

 

 アイラとダフネは、すべて読みきった。

 復習と予習がこの授業で大事なことだと伝わった。

 

「……何をしている。他の者も作業を続けたまえ。もし失敗したなら、放課後に補習授業があるものと思え」

 

 スネイプにそう言われ、生徒たちは慌てて作業に戻る。

 課題量だけで絶望的なのに、スネイプとの補習は勘弁だった。

 

「とりあえず」

「片付けましょうか」

 

 2人で達成できて、静かに嬉しがる。

 アイラとダフネは誰よりも先に緊張が解けた。

 

 厳しくて怖い先生だけど、魔法薬学を教えてもらうのなら、とても良い先生だと思い始めていた。

 

 

 

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