とある日の昼下がり、このヨコハマの一等地に聳える武装探偵社は閑古鳥を鳴らしに鳴らしていた。この間の多忙が嘘のように皆が暇を持て余している。ある社員は応接用のソファーに寝転んで意気揚々と漫画を堪能している始末だ。あれだけ山積みにあった業務は何処へ。清掃も全てやり尽くし、依頼を迎える準備は万端であるというのに、肝心の依頼が来ない。本当に来ない。
もうこのままふて寝をしようか、この探偵社が誇りし社畜、国木田独歩がそう思った瞬間、確かに探偵社の扉がノックされた。
近くに居た新入社員、中島敦が扉を開ける。
そこに居たのは実に可愛らしい少女、見たところ中学生くらいだろうか。もしかしたら間違えて来てしまったのかもしれない。下には喫茶店を構えているので間違えるのも無理はない。
「依頼をしにきたのですが、、、」
間違えてなかった。済まん。
「あっ、はい!こちらへどうぞ!」
そう言って敦が指差したのは、ある社員、太宰治が寝転んでいたソファーだった。国木田がすぐさま太宰を引きずり、医務室にぶち込んだ。その部屋からは何かが折れる音であったり、何かを吹き出している音であったり、、、。きっと何があったかは聞かない方が身のためであろう。
少女は目の前の出来事など何も無かったかのように真っ直ぐソファーに座る。それを見て戸惑いながらに敦も向かい側のソファーに座った。
「、、、古明地さとりと申します。妹を見つけて欲しいの。」
「妹さん、ですか。妹さんのお名前を伺ってもよろしいですか?」
「ええ。古明地こいしと言いまして。緑色の髪で黒い帽子を被ってて、帽子に黄色のリボン。服はトップスが黄色でスカートは緑です」
さとりはサラサラとポケットから取り出した紙に、人物像を描いていく。敦は少し目を見開いた。聞こうとしていた事をまるで心を読まれたかのように先取られた。偶然かと思い直し、渡された紙を注視する。何故だか分からないが、描かれている少女の隣に睫毛のついた球体が浮かんでいた。
「あのー、これって?」
敦は球体を指さしながら問う。
「私達一族の異能力に起因するものなのでして、、、。第三の目
「私は仕事で忙しくって、あんまり時間が取れないの。だから、ここに依頼したんです。ああ。これ、忘れていたわ。こいしが居そうなところをリストアップしました。宜しければお使いください」
さとりは折りたたまれた紙を取り出す。丁寧な手つきで広げていくと、地図が描かれていた。赤色で地名に丸が着いている。
「わざわざありがとうございます。必ず、妹さんを、こいしさんを見つけ出して見せます!」
そうして、この武装探偵社の長い戦い(人探し)が火蓋を切って落とされたのだった。
初投稿&初作品です。これまで小説を書いたことすらなかったのですが、小説を読んでいる内に書きてェ、、、!!と感動を受けたりしたので、初めて書きました。
感想か評価をくださったらマジで嬉しいです。