古明地さとりは探偵社の扉を開くか?   作:巫女巫女スパーク

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上海紅茶館 〜Chinese Tea

「紅魔館、白玉楼、永遠亭、是非曲直庁、博麗神社、守矢神社、旧地獄温泉街、命蓮寺、神霊廟、輝針城、清蘭屋、鈴瑚屋、霊長園、虹龍洞、香霖堂、霧雨魔法店、、、何だかかっこいい名前ですね!」

 

探偵社の良心、宮沢賢治がマップに赤丸がついた箇所を一つ一つ読み上げる。さとりが帰った後、武装探偵社はすぐさま会議を開いた。

そのマップはさとりが言うには、こいしが行きそうな場所らしい。手掛かりがあるのはいいのだが、思ったよりも範囲が広い。彼女を探すのは骨が折れそうだ。

さて、探偵社が誇る世界一の探偵、江戸川乱歩はというと、机に足を置き、レジ袋からはみ出したお菓子を食いながら小説を読んでいる。会議に参加する気を微塵も感じないその態度を誰も指摘しないのは彼の実力が伺える。

 

 

「ふーん、人探しねぇ、、、」

 

やる気になったのか、漸く乱歩が言葉を発した(口に入れてる菓子は問わないものとする)。

 

「異能力『超推理』」

 

愛用の眼鏡をかけ、翡翠の目が開かれる。この能力はどんな状況でも絶対に真実を見抜ける至高の能力。評価をつけるとしたら10点中11点の素晴らしい能力である。

 

「うーん、ダメ。わかんない」

 

誰に向けるでもなく言い放たれたその言葉は敦に深く突き刺さった。彼の能力に絶大な信頼をおいていた敦はがっくりと項垂れた。

乱歩は狼狽えている敦を気にも止めずに再び菓子を貪り食う。

 

「嘘でしょ乱歩さぁん、、、、」

 

「乱歩さんの能力は異能力ではないからね。」

 

落胆する敦に、包帯無駄使い装置こと太宰治がひっそりと呟く。

彼が持つ能力は非科学的な『異能力』と呼ばれるものではない。全ては彼の天才的な頭脳によるものだ。分からなくて当然と言える。

 

「まだ何も分かっていないに等しい。人探しには地道に情報を探すのが一番だ。その時には、再び乱歩さんに探して貰おうじゃあないか。なぁに、乱歩さんなら少ない手がかりでも見つけ出して見せれるさ。」

 

「、、、では、紅魔館、白玉楼と泉。是非曲直庁、霧雨魔法店、香霖堂に俺。博麗神社、守矢神社、輝針城に太宰。命蓮寺と神霊廟に賢治、旧地獄温泉街と清蘭屋、鈴瑚屋に敦、虹龍洞と永遠亭、霊長園に与謝野先生。乱歩さんは集めた情報をもとに推理してもらうということで、、、。異論はあるか?」

 

社員達が十人十色の返事をしたところで、古明地こいしを探す旅が始まった。

 

 

 

武装探偵社の新入社員、泉鏡花は迷っていた。

趣味が悪いとしか言いようがない紅い外装、悪魔のような装飾。そして寝息をたてて寝ている門番らしき者。

これだけ大きな館だ。門番くらい居たって不思議ではない。が、何故だか分からないが寝ている。今この瞬間でも給料が発生しているのが甚だ疑問である。

鏡花が、幸せそうに鼻ちょうちんを膨らませている彼女に近づくが、未だ起きる気配は無い。

彼女の頬を人差し指で突ついたりしたのだが、柔らかな頬肉を歪ませるだけでなかなかに起きない。なかなかしぶとい。この任務はたとえ彼女が門番でなかったとしても古明地こいしの事を聞かなければならない。なのでさっさと起きて欲しいところだが、、、。

 

「異能力『夜叉白雪』」

 

「ギャッー!!!!咲夜さん頭はヤメテッ!!、、、あ、侵入者でしたか。幼子を傷つけるのは胸が痛みますが、、、この紅魔館門番、紅美鈴!全力でお相手しましょう!」

 

異能力で呼び出した夜叉の短刀を彼女の喉元にあてる。先程から鏡花は彼女から手練の気配を感じとっていた。夜叉の殺気で目覚めるだろうと思ってのことだった。誤算があるとすれば侵入者と間違えられた。これは痛手である。

暫し考えた末、誤解を解くのは諦めた。ここは素直に聞くこととしよう。

 

「、、、人を探しているのだけれど、古明地こいしって知っている?」

 

似顔絵を見せながら鏡花が問う。

 

太極拳の構えをしながら美鈴が応えた。

 

「あぁ、妹様の友人ですよね?はい!知っていますよ!、、、どうしましょう!私が聴き逃した所為でお客様にご迷惑を、、、」

 

顔を青ざめさせながら、美鈴が門を開く。

広大な庭園には紅い薔薇が咲き誇り、風に誘われ揺れている。あまりにも美しい光景に鏡花は目を奪われた。

 

「ごめんなさい!今からご案内致しますね!我が自慢の、紅魔館へ!」

 

 

凄い。

鏡花は語彙を失くした。この目の前に広がる光景は鏡花の語彙を消失させるには十分な刺激であった。芸術品と言われても違和感がない程の階段。どこからともなくワルツが聞こえてきそうなホール。絢爛豪華という言葉はまるでこの館の為にあるように。自分の着ている着物でさえ、シンデレラの麗しいドレスに見えるように。

 

「我が紅魔館は千年来から築かれていきた紅茶の名門。別名、上海紅茶館。宜しければ、お客様もお召し上がりくださいませ!」

 

美鈴がそう告げた瞬間、アプリコットの匂いが鼻腔を擽った。瞬時に自分の手にティーカップが現れた。鏡花が目を見開いていると、背後から声をかけられた。

 

「アプリコットで良かったかしら。、、、そんな身構えなくてもいいのに」

 

同時に鏡花の目の前にナイフが現れる。空中に。まるで時が止まったかのように。

 

「申し遅れましたわ。私の名前は十六夜咲夜。紅魔館のメイド長ですわ」

 

丁寧なお辞儀をした彼女は妖艶な笑みでそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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