Artificial deterrent ~ Effective concept arms ~   作:Mr.凸凹

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最初は影も形もなかったエリザベート・バートリーが執筆している内に登場してしまいました。
こんだけキャラが登場して上手い事オイラに書ききれるでしょうか?
不安だ。

アーチャーのサーヴァントのアイディアはたけじんさん(http://syosetu.org/?mode=user&uid=55999)に頂きました。
改めて感謝致します。


~ prologue ~ 『ロバート・L・C・神条編 02』

 

 

 

 

 

 朝月夜。

 未だ太陽が昇りきらない時間。

 日課になっている鍛錬兼情報収集を行っている。

 

 先ず最初に分割思考を駆使して思考中枢を仮想的に5つに分けて同時に運営させて、世界中に放った召喚した総計3125体の使い魔の五感を共有して得た情報を択一する。

 頭に直接流れ込んでくる情報の奔流に押し流されない様に、情報の渦に浸かるのでなく客観的に見据える。

 この間は自分自身の制御が疎かになり無防備となるため、最大数の使い魔を同時コントロールするのは工房兼鍛錬場以外では避けたい。

 

「うん……今日の世界情勢を把握っと……」

 

 俺は凝り固まった身体を解す為に伸びをする。

 

 特に冬木の街に放っている複数の使い魔からは色々と面白い新情報が得られた。

 今回の聖杯戦争は何やら陰謀が渦巻いている様だ。

 まあ、構わず打ち砕いて見せるけどね。

 

 そして次に地脈にアクセスして大聖杯の状態を把握する。

 

 「『検索(access)』」――――

 

 直接大聖杯にアクセスすると『この世全ての悪(アンリ・マユ)』に汚染される危険があるので注意が必要だ。

 まあ、汚染されたところで屈服する精神構造はしていないだろうが、一応念のためだ。

 

「ふむ……後、残り枠はセイバー、アーチャー、ライダー、三騎か」

 

 うかうかしていると七騎全部揃って聖杯戦争が始まってしまうな。

 聖杯は半月程しか本格的に稼働しないからな。

 

 俺も聖杯戦争に参加する(終わらせる)のにサーヴァント無しじゃ格好がつかないしな。

 よし! 英霊を使役契約を結ぶ為に召喚して戦って屈服させるか。

 言うのは簡単だが、やるのは少しばかり骨が折れるかな。

 令呪なしなので聖杯のバックアップは受けられないが、この身は召喚能力(サモン・アビリティ)に特化した異能を有する魔術師。

 英霊を召喚して維持する事は不可能ではない。

 それに聖杯を介しての召喚ではないのでクラス枠に囚われる事なく召喚出来る。

 まあ、令呪がないので長期に渡り言う事を聞かせられるかは交渉次第だろう。

 契約の鎖(ギアス)で縛ってもいいが、英霊の持ち味を殺してしまっては元も子もないからな。

 

 

 

 

 

 やっぱり気分的に最初から戦力が分かっているとつまらないのでランダムに召喚すると何故かエリザベート・バートリーが現れた。

 だが腐ても英霊、一つ間違えれば死と隣り合わせのため分割思考を駆使して思考を加速させて演算し、常に枝分かれする未来を予測して最適な手段を選び取っていく。

 紙一重ではなく相手の行動の一歩先(未来)を予測して行われる途切れることのない体捌きは、丸で演舞を舞っている様にも見える。

 相手の動きに合わせて反撃(カウンター)を的確に打ち込んでいく。

 こちらは一撃も喰らわずに相手を翻弄していく。

 

「ブタのくせに生意気だわ! アナタ、本当に何者なの?」

 

 召喚したエリザが悔しそうに歯軋りしながらこちらを睨む様に見据えている。

 

「ふむ……一応未だ人間のカテゴリー内だと自負しているんだがね。さてと、俺を認めて力を貸してくれるかい?」

 

 俺はゆっくりと頭を下げてお願いする。

 

「……ふん! (アタシ)使役(マネジメント)したいなら血の浴槽(ブラット・バス)でも用意することね!」

「ふぅ……仕方ない……」

 

 俺は一度眼を瞑ってため息を吐いた。

 

「えっ!!? なに? いいの? 言ってみるものね。じゃあ、湯浴みしたいから女……特に処女の生き血を所望するわ♪」

 

 表情を明るくさせて槍を下ろしてほっと一息吐いているエリザ。

 

「『召喚(access)』……来い!」

 

 俺は無造作に空中に描かれた魔法陣に直接手を潜り込ませる様に突っ込んで一振りの剣を引き出した。

 

「なっ、何よ! それ!!?」

 

 エリザは剣を見て身体を抱き竦める様に震えている。

 彼女に流れる竜の因子()が本能的にこの幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)に恐怖を感じているんだろう。

 

「頑固な娘を屈服させるのはベッドの上と相場が決まっているんだが……」

 

 俺は意味深な視線を込めてチロリと舌舐りしながらエリザの足先から頭までゆっくりと見つめていく。

 凹凸の乏しい躰だが充分に色気のある艶やかで瑞々しい乙女の肌。

 そして異彩を放っている尻尾と角はエリザを貶めるどころかより一層美しさを引き立てている。

 うん。悪い虫が疼きだした。

 愚息にゆっくりと血が集まるのが感じられる。

 

「べっ、ベッド!!? なっ、何言ってるの!!? ……だいたい、そっ、その……ほら、しちゃったら、もう結婚するしかないでしょ……?そんなの……ちゃんとお互いで話し合って、仲良くなってからでないと……」

 

 頬どころか耳から首まで真っ赤に染め上げて慌てているエリザ。

 うん、耳年増乙。

 いいね。経験豊富な娘よりこっちの方が好ましい。

 俺色に染め上げてやろう。

 

「まあ、でもその前に聞き分けのない娘にはたっぷりとお灸を据えないとな」

 

 俺は幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)を正眼に構えて深く深呼吸をした。

 俺がいくら召喚能力(サモン・アビリティ)に特化しているといっても真の所有者ではないため、真名開放は出来なくはないが十全には操れない。

 十二分に使役するためにはこの身を媒体にして担い手たる英霊を具現化させる必要がある。

 

「『夢幻召喚(install)』!!」

 

 呪文(カオス・ワード)を発すると同時に意識を座へと接続させる。

 魔法陣が頭の先から爪先まで一気に通り過ぎた。

 刹那の瞬間、この身を媒介にジークフリードが顕現し、その()()の権限を使用する事が出来るようになった。

 

「くっ!!? 何かやばい雰囲気ね! やられる前にやってあげるわ!! ラストナンバーよ! 盛大に殺してあげる!!」

 

 エリザの真の宝具(切り札)たる鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)が発動する。

 その生涯に渡り君臨した居城を召喚し、己を際立たせる舞台(ステージ)とする宝具。

 城には『監禁城チェイテ』という名前があり、かつてエリザが何百人もの少女を拷問の末殺したとされる魔城そのものである。

 城をそのまま巨大アンプに改造した舞台の上でエリザが壊滅的なまでに音痴な歌を歌うことで、地獄にも等しいステージが降臨する。

 

「laaaa〜〜〜」

 

 マイクに見立てた槍を突き立ててその上に飛び乗ったエリザが熱唱する。

 通常ガード不能な上に呪い付与効果を持ち、その呪いのダメージもエリザが受けたダメージ値と同等のダメージを相手に与える。

 

 だが―――――

 

「ちょっ!!? なっ、何で平然としてるのよ!!」

 

 そう、俺は無傷で佇んでいた。

 ジークフリードを顕現し、その宝具たる悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)が発動して音波攻撃と呪いを無効化した。

 これが背中越しの攻撃ならダメージを負っていただろう。

 

「さてと……次はこちらの番だな。覚悟はいいかな?」

 

 俺はにっこりと微笑みながら幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)を大上段に構える。

 未だ真名開放していないのに漏れ出た黄昏の剣気が微風の様にエリザを嬲って放たれている。

 

「ひぃっ!!? なんでも言うことをきくから、お願い、乱暴にしないで……! やっ、やだ、破けちゃう……! どうして私の服、崩れていくの!? いや、視線、熱くて……こんなの─────こんなの、はじめてだよぅ……!」

 

 膝をついて座り込み崩れていくドレスを掻き抱きながら涙目で上目遣いに見つめてくるエリザ。

 

「じゃあ、契約するかい? それとも座に帰るかい?」

 

 俺はエリザに歩み寄り、その首元に幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)を突き付けながら訊ねた。

 突きつけた部分から剣を伝わり血が滴り落ちている。

 どちらにせよ、先ずは乱暴に犯してやろう。

 

「する! 契約するわ! だからもう虐めないでっ!!」

 

 懇願する様に俺の足元に縋り付くエリザ。

 彼女から香る雌の香りに嗜虐心が刺激される。

 

「いい娘だ……さあ、契約の儀式といこう。たっぷりと可愛がってあげるよ」

 

 俺はジークフリードを座へと返還して徐に自分の服を脱ぎ捨てた。

 

「きゃ―――きゃああああああああ! ヘンタイ! ヘンタイ! ヘンタイ! なんで人前で裸になってるのアナターーー!?」

 

 俺の姿を見て顔どころか全身真っ赤に染めて、眼を指で覆い隠しながら後ずさっているエリザ。

 だがよく見ると指の隙間から俺の肢体をじっくりと眺めている。

 

 俺がゆっくりと一歩一歩踏み締める様に近づいていくと、我に帰ったエリザは四つん這いになりながら逃げ出そうと躰を捻った。

 目の前に先が二股に別れた尻尾が揺れている。

 その付け根には殆ど役に立たない程ぼろぼろになった縞パンが見える。

 

 俺は無造作に尻尾を掴んで匂い立つ雌の香りを鼻一杯に嗅ぐ様に尾てい骨の辺りに顔を近づけた。

 

「ひゃあっ!!? どこ触ってるのっ!!? いっ、いやぁ!! 匂い嗅がないでっ!!」

 

 身を捩りながら抵抗するエリザ。

 その力は竜の血を引いているだけあって強力なものだ。

 気を抜くと吹き飛ばされてしまうだろう。

 俺は力に逆らわず流れる様に腕の力を微妙に調整しながら掴み続ける。

 

 ふと目に入った他の鱗とは別に逆向きに生えている鱗に思わず手を伸ばして触れてみた。

 

「きゃっ、きゃう~ん!!? ……なっ!!? ……なっ!!? ……みっ、見たわね!! ふっ、触れたわね!!」

 

 触れた瞬間腰砕けになって益々雌の香りが強まったエリザ。

 エリザが突っ伏した格好から顔だけを上げて振り返って涙目で睨みつけてくる。

 足の付け根から粘液性の強い雫が縞パンに染み出して滴り落ちてきている。

 

 なる程これが逆鱗か。

 

(アタシ)に殺されるか、 (アタシ)と婚姻するか、どっちか好きな方を選びなさい! 」

 

 口を開いて威嚇する様に牙をチラつかせながらも、どこか期待する様な目付きで二択を突き付けてくるエリザ。

 

「ふぅ……どっちも遠慮するよ」

 

 俺は力なく突っ伏しているエリザを抱き上げて新たに召喚した天蓋付きのベットへとお姫様抱っこで連れて行く。

 

「おっ、下ろしなさいよ、このブタ!! 丹念に刺して、潰して、絞って……私をお嫁にしなさい!」

 

 喚き散らすエリザをベッドへとそっと下ろした。

 

 

 

 

 

 。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。 。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。 。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。 

 

 

 

 

 

師匠    :「ストップゥ~~~!!」

弟子一号  :「ここの内容は十八歳未満の青少年には内緒っス!!」

師匠    :「またしてもこの作者(エロがっぱ)はナニを書いとるのかっ!!?」

Mr.凸凹 :「いや、まあ……最初はエリザが出る予定じゃなかったんだが……」

弟子一号  :「だが……なんっスか?」

Mr.凸凹 :「書いている内にソッチ方面に無意識に書き上げていたよ(〃ノωノ)」

師匠    :「アンタ、エリザちゃんみたいな娘が好きなちっぱいフェチだからね (¬_¬)」

弟子一号  :「……って、事はわたしも貞操の危機っスかっ!!?」

Mr.凸凹 :「安心しろって……君の相手は士郎だから……」

弟子一号  :「えっ!!? そっ、ソレなら一安心……(〃ω〃)」

師匠 :「安心できるかっ~!! 我が眼が黒い内はそんなハレンチな事許しませんよぉ~!!」

Mr.凸凹 :「既に士郎は経験者だけどな……」

弟子一号  :「そこが残念っスよね( ̄Д)=3 」

師匠 :「うぐっ!!? こっ、こうなったらお姉ちゃんも……その……あの……ヾ( 〃ω〃)ッ」

Mr.凸凹 :「そもそも小母さんの十八禁なんか需要があるかどうか……」

師匠 :「おっ、小母さんじゃないも~ん!!。・゜・(つД`)・゜・。」

弟子一号  :「あっ!!? しっ、師匠っ!!? 走り去っていっちゃたっス」

Mr.凸凹 :「ちょっと、虐めすぎたか……読みたいって奇特な方は感想にてお待ちしています」

弟子一号  :「それでは気を取り直して続きをどうぞっス♪」

 

 

 

 

 

 。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。 。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。 。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。 

 

 

 

 

 

「へぇ~ここって小振りながら良いお城じゃない。気に入ったわ♪」

 

 契約を終えてすっかり日の登った中庭をエリザと歩いている。

 

 エリザは聖杯を介して召喚されたサーヴァントではないため現代知識には疎かったが、俺の持っている知識を因果線(ライン)を通じて引き出せるので粗方問題なくなった。

 その他にもエリザの望みや、俺が聖杯戦争に参加する(終わらせる)意義を伝えあった。

 エリザは最初渋っていたものの俺が出した条件を飲んで頷いてくれた。

 その契約の中でエリザに血の浴槽(ブラット・バス)を諦めさせた功績は大きい。

 だが、代わりに毎日搾り取られる羽目になるとはこの時は未だ気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 食堂に着くと既に朝食が用意されていた。

 

「おはようございます、ご主人様(マスター)……そちらのお嬢様は……」

 

 メイドの礼節を忘れずに訊ねてくるさつきだったが、鼻を少し鳴らしながら嫉妬の篭った眼でエリザを射抜いていた。

 

「あら、メイド風情が嫉妬なんてみっともないわね。マスター(ダーリン)のメイドなら(アタシ)のメイドでもあるんじゃないの」

 

 俺の腕にしな垂れ掛かりながらさつきを挑発しているエリザ。

 さつきの額にきっちりと青筋が浮かんでいた。

 

「この娘はエリザーベート・バートリー……冬木に向かうために新たに契約した使い魔(ファミリア)だよ。エリザ、彼女は弓塚 さつき。俺のメイド兼使い魔(ファミリア)で、死徒二十七祖候補の吸血鬼だ」

 

 俺は空気を換える様にお互いを紹介した。

 何時の時代も女性の嫉妬ほど怖いものはない。

 

「エリザーベート・バートリー……なる程、吸血鬼カーミラのモデルの一人ですか。ご主人様(マスター)は、やはり吸血鬼と切っても切れない因果関係があるんですね」

 

 どこか納得した様子のさつき。

 

 まあ、師匠筋からして死徒二十七祖第四位だし、俺の筆下ろしの相手も死徒二十七祖第九位だしな。

 

「ふ~ん……死徒二十七祖候補か。確かに強い生命力(魔力)を感じるわね。それに日が昇っているのに活動しているなんてね」

 

 さつきを値踏みする様に見詰めているエリザ。

 

「気に入ったわ! 一緒にマスター(ダーリン)を盛り立てていきましょう!」

「ええ、こちらこそよろしくお願いします」

 

 お互いに握手を交わしているエリザとさつき。

 

 そこへ慌てた様子のルヴィアが駆け込んできた。

 

「ろっ、ロイ! いらっしゃいますか!?」

「お早う、ルヴィア……どうしたんだい? そんなに慌てて?」

 

 俺はルヴィアに歩み寄って落ち着く様に促した。

 

「すっ、すいません気が動転してしまって……こっ、これを見て下さい!」

 

 掲げたルヴィアの手の甲には見間違える筈のないものが刻まれていた。

 

「あら? 確かこれって令呪だったかしら、マスター(ダーリン)?」

 

 ルヴィアの手を覗き見ながら訊ねてくるエリザ。

 それでルヴィアは初めてエリザに気付いたようだ。

 

「ろっ、ロイ……この方は?」

 

 エリザの尻尾と角を交互に指さしながら訊ねてくるルヴィア。

 

「聞いて驚け! (アタシ)の名はエリザベート・バートリー! 歌って踊れるアイドルの卵にしてマスター(ダーリン)のお嫁さんよ!」

 

 大げさなポーズを取って背後に薔薇を背負っているエリザ。

 薔薇は因果線(ライン)を通じてお願いされた俺が召喚(用意)したものである。

 

「ふ~ん、お嫁さんですか……」

 

 さつきがエリザの発言に冷ややかな眼を俺に向けてきている。

 

「勿論、さつきも俺の嫁だよ」

 

 俺は空かさずさつきの手を握って微笑みかけた。

 

「ポォ♡ 嬉しいです、ご主人様(マスター)

 

 頬を染めながら眼を潤ませているさつき。

 

「何、この空気は……無性に腹が立ちますわね」

 

 ルヴィアはハンカチを噛みながらどこか怒った表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 ルヴィアに令呪が刻まれたという事で、サーバント召喚するために我が古城の工房兼鍛錬場にやってきた。

 一応換気はしてあるので朝方の情事の残り香は薄れているので問題ないだろう。

 

「さてと、ルヴィア……君が望めば大抵の触媒は用意出来るけど……」

 

 俺は一応確認するために訊ねた。

 

「いりませんわ。下手に召喚対象を狭めてもいけませんしね」

「まあ、確かに……君に適した英霊が選ばれる方が無難かな。まあ、サポートは任せてくれ。召喚に関しては俺はエキスパートだからね」

 

 俺はウィンクしながら手を差し出した。

 

「お願いしますわ、ロイ……貴方が居れば百人力ですわね」

 

 ルヴィアは差し出された手を取って会釈した。

 

「何時でもいいよ……君の良いと思うタイミングで始めてくれ」

 

 俺は深呼吸して小源(オド)を練り上げていく。

 ルヴィアの召喚を邪魔しない様に細心の注意を払いながら、自身を一種の召喚のための魔導具へと変換していく。

 

「では、始めます。失礼しますわ、ロイ……」

 

 ルヴィアの生命力(魔力)が俺と言う魔道具を介して魔法陣へと注がれていく。

 

「『Suuri hopea ja silitysrauta. Peruskivi ja arkkiherttua sopimuksen. Meidän päällikön Shubin org on zu. Tuuli oli seinään. Sulkee portit puolelta, kruunu liikkeellä kolme kadunkulmassa johtaa valtakunnan tapauksessa. Mitase. Mitase. Mitase. Mitase. Mitase. Kiinni myöhemmin. Kiinni myöhemmin. Kiinni myöhemmin. Kiinni myöhemmin. Kiinni myöhemmin. Jokaisen mallikerran viisi kertaa. Pahaenteinen tikittää juuri tavannut―――――Alussa――――Herald. ---Kerro. Ruumiisi on alla minun kohtaloni sinun miekkasi. Mukaan pyhä Graal sävyisät, jos noudatat tämän mielen, tässä mielessä: glamour. Lupaus täällä. Meillä on hyvyys ikuisesti, me, jotka antaa pahan ikuisesti. Tulla rengas verhottu sinun 's big kolme lausetta seitsemän taivaisiin, ehkäisevän kastikkeet, annan tasapainoa---!』」

 

 成功だ。

 ルヴィアの呪文(カオス・ワード)に沿って高まっていった生命力(魔力)が座へと繋がり、魔法陣が(ゲート)へと成った。

 小さな嵐が吹き荒れた魔法陣に一人の英霊が佇んでいる。

 

「……サーヴァント、アーチャー。召喚の義により馳せ参じましたじゃ。ほほぉ~これはまた可愛らしいマスターじゃな」

 

 見た目は穏やかな優しげな老人がにっこりと微笑んでいた。

 

 ルヴィアはどことなくがっかりした表情を浮かべている。

 

「アーチャーですか。出来ればセイバーが良かったのですが……贅沢は言っていられませんわね」

「おや? 儂では不満かの? 一応それなりに役に立つつもりじゃが……」

「お気を悪くされたなら申し訳ありません、Vanha mies……貴方の力量を読みきれないワタクシが未熟なだけですわ」

 

 ルヴィアは驕る事なく自らのサーヴァントに頭を下げた。

 

「いや、こちらこそすまないことじゃ、マスター。その御身に恥じない戦い振りをお見せする事を約束しましょうぞ……して、マスター? そこの御仁は……?」

 

 ルヴィアに敬礼の意を体していたアーチャーが、身体事向き直って俺を見定める様な視線を向けてきた。

 

「この城の主にして、我が師兄筋のロバート・L・C・神条……今回の聖杯戦争でのワタクシの依頼人ですわ」

「ご紹介に与った、ロバート・L・C・神条だ。気軽にロイと呼んでくれ……さてと、これから契約の肝となる名前の交換な訳だが、俺は席を外しておいた方がいいかな?」

 

 俺は確かめる様にルヴィアとアーチャー双方に訊ねた。

 

「ワタクシは構いませんが……アーチャー? アナタは?」

「儂もマスターが構わないんじゃったら特に不都合はないですぞ」

 

 ルヴィアとアーチャーは頷きあってこちらを見詰めてきた。

 

「ありがとう。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうとするよ」

 

 俺は少しずれた眼鏡を直しながら頷いた。

 本来なら魔眼殺しの眼鏡を外して、右眼の魔眼でステータスを読み取るところだがそこまでする必要はないだろう。

 ルヴィアの本質に引かれて召喚されたアーチャーは一筋縄ではいかない癖がありそうだが悪い人物ではなさそうだ。

 まあ、聖杯を破壊しようとしているルヴィアに召喚された訳だから、聖杯に託す願いはそれ程大それたものではないだろう。

 

「では、ワタクシから……ワタクシは、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト。フィンランドのエーデルフェルト家現当主です。主に宝石魔術を得意としています。後、少しレスリングを嗜んでいます」

 

 あれは少しってレベルじゃない気がするが突っ込むのは野暮な事だろうな。

 何せ、新米吸血鬼とはいえ、死徒二十七祖候補のさつきをマットに沈められる程の実力の持ち主だからな。

 うん。まあ、水を指して機嫌を損ねたら事だし、スルーしよう。

 

「儂の真名はゼノン……しがない哲学者ですじゃ。武具は主にこのクロスボウを使った射撃がメインじゃな」

 

 ゼノン、哲学者ね。

 見た目は確かに学者風情といった感じだが、その見た目に反して実力はありそうだ。

 さすがに宝具までは教えてくれないだろうけどね。

 

 名前の交換が終わったルヴィアとアーチャーは固く握手を交わした。

 

「さて、契約の締めも終わった訳じゃが肝心な事を聞き忘れておったわ……マスター? 御身は聖杯に何を託すつもりじゃ?」 

 

 アーチャーは見定める様にルヴィアを見詰めている。

 その表情はどこか装っている様にも感じられるが真剣である事は間違えない。

 

「ああ、そうでしたわね……そこから説明しないといけませんでしたわね。ロイ、ワタクシから話してもよろしいかしら?」

 

 確かめる様にこちらを見詰めているルヴィア。

 

「そうだな。最初にそこを説明しとかないと、後で揉める原因になりかねないからね。お願いするよ、ルヴィア」

 

 俺は頷いて促した。

 

「畏まりましたわ……アーチャー、ワタクシは特に聖杯に託す願いはありせん。何故なら大聖杯は『この世全ての悪(アンリ・マユ)』に汚染されていて、その願いを悪意へと捻じ曲げて叶える代物に貶められているからですわ。故に調査如何によっては破壊します」

「ふむ、『この世全ての悪(アンリ・マユ)』とな……それはあのゾロアスター教の悪神かの?」

 

 顎に手をやり疑問を口にするアーチャー。

 その疑問も尤もだが、アレは違う。

 

「そこからは俺が説明しよう……俺が地脈を介して調べた結果判明したのは、彼はこの世全ての悪なるものを肯定する反英雄の極地であり、もとはその役割を一身に背負わされ、延々と蔑まれ、疎まれ続けた結果、『そういうもの』になってしまった普通の人間の様だ。生まれ育った村の呪いによって、人間であった頃の名前は世界から喪失している。第三次聖杯戦争において、アインツベルンの魔術師が聖杯を得るための切り札として『殺す事だけに特化した英霊』であるこのアンリマユを召喚した。しかし、特別な人間でもなく、宝具も持たなかった彼は最初期に敗退し、大聖杯に収められた。だが、アンリマユは周りからの身勝手な願いで『この世全ての悪であれ』と摸造された『願い』その物であったがために、敗れて『力の一端』に戻り聖杯に取り込まれた際に『願望機』としての機能がその願いを叶えてしまい聖杯は汚染されているんだ」

 

 俺は淡々と事実を感情を込めずに言い放つ様に発した。

 

「ほぉ~なるほどの……実に恐ろしきは人間の業と言う訳じゃな。相分かった、その様な代物なら破壊する事に依存はないですじゃ……して、マスター? もし、聖杯が汚染されておらなんだらどの様な願いを託すつもりじゃたんじゃ?」

 

 以外にあっさりと破壊に協力すると認めたアーチャーだったが、ルヴィアの為人が気になるのか食い下がってくる。

 

「それでもワタクシは聖杯に託す願いはありませんわ……願いとは自身の努力で叶えるものですもの」

 

 ルヴィアは曇りない眼でアーチャーを見つめ返している。

 

「なるほどの……儂はよいマスターに巡り会えたようじゃな。だがしかし……」

 

 嬉しそうに頷いていたアーチャーだが、不意に考え込む様に俯いてしまった。

 

「アーチャー? どうしましたの?」

「いや……何でもないですじゃ……何れは答えを聞かせてもらえれば結構ですじゃ……」

 

 頭を振って明るく笑うアーチャー。

 その眼には自身の迷いの様なものが見て取れた。

 

「さてと……問答が終わったことだし、直ぐに冬木に向かおう。今、ルヴィアがマスターになった事をさつきが時計塔(魔術協会)や退魔組織に連絡中だ。日本に着く頃には渡日の許可が下りるだろう」

 

 俺は悪戯っ子の笑みを浮かべながらルヴィアを促した。

 

「あら、悪いお人ですわね……まあ、構いませんけどね」

 

 ルヴィアは苦笑しながらも賛同してくれた。

 

「よし! アーチャー、俺の使い魔(ファミリア)の二人を紹介するよ。着いてきてくれるかい?」 

「心得ました、ロイ殿……」

 

 苦笑しながらも着いてくるルヴィアとアーチャー。

 

「ああ、シェロに会うのも久し振りですわ……ワタクシ、今からときめいてしまいますわ♪」

 

 年相応な乙女な反応を見せるルヴィア。

 

「ふむ……マスターもやはり恋する乙女というわけじゃな♪」

 

 それを嬉しそうに微笑んで見守っているアーチャー。

 

「喜んでいるとこ悪いけど、冬木についたら先ず教会に報告に行って、冬木の管理者(セカンド・オーナー)の遠坂家に事情を説明して協力を仰がないといけないのを忘れないでくれよ」

「はぁ……そっ、そうでしたわね。教会はアーチャーを召喚したから報告に行かないといけませんし、誠に遺憾ですが大聖杯の調査なら遠坂家に話を通さないといけませんわね」

 

 一転して暗い表情になったルヴィア。

 先祖の確執から遠坂家を毛嫌いしているルヴィアだが、根は良い娘だから何とかなるだろう。

 だが心配は馬鹿弟子(シロウ)を巡る恋の鞘当が勃発しそうな事か。

 使い魔から得た情報だと遠坂家の姉妹揃ってシロウに懸想しているようだしな。

 

 それに教会には()()が居る。

 シロウは何かと負い目がある上に苦手としているから彼女を避けている様だが、アイツもマスターとしてサーヴァントを使役するだろうから避けて通れないしな。

 相変わらず俺に似て女性関係では苦労しそうだ。

 まあ、なんとかなるだろう。

 

「取り敢えず、午前中に出発して明日の夜には冬木に到着したい。ルヴィア、すまないが急いで荷物を纏めてくれ」

「分かりましたわ、ロイ……飛行機はきちんとファーストクラスでお願いしますわね」

「任せておいてくれ、前金として師父からたんまりと宝石を頂いているから資金には困ってないさ」

 

 ルヴィアは俺とアーチャーと別れて客間へと向かっていった。

 

「さてと、アーチャー。改めて、礼を言わせてくれ……俺達に協力してくれてありがとう」

 

 俺はアーチャーに向き直り、深々と頭を下げた。

 

「礼には及びませんぞ。儂も人間が滅んで儂等が伝えた哲学が不要になるのは困りますからの」

 

 相も変わらず表面上は人の良い笑みを浮かべているアーチャー。

 だが、その裏には激しい激情が見え隠れしている様な気がする。

 まあ、その本質を見極めるのはマスターであるルヴィアの領分だ。

 俺は手綱を握いている必要はない。

 だがもし、ルヴィアの意に沿わずにアーチャーが裏切った際は遠慮なく切り捨てさせてもらおう。

 相変わらずこんな思考の自分が嫌になるな。

 だが、若い世代に罪を背負わす訳にはいかない。

 先達として彼等を守り導く義務が俺にはある。

 世界全てを救えなくとも両手に持てる重さぐらいはより良いものへと導いていこう。

 さあ、戦いは始まったばかりだ!

 

 

 

 




剣舞の騎士の性技の軌跡(novel.syosetu.org/39836/)に今回の十八禁の部分を投稿しています。
良い子は見ないでね。
悪い子はどうぞお召し上がり下さいませ。

活動報告にてルヴィアのステータスについての質問があります。
ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さいませ。
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