教室の自称吸血鬼   作:イクラ系鮭

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 筆の進みは快速である。今日までは。


二話

 我々新入生、別名下等生物に課せられた次なる受難は「部活動紹介」なる見世物小屋への強制収監であった。

 体育館の壇上では、屈強な男たちがボールをしばき回し、あるいは道着をまとった猛者たちがくんずほぐれつの絡み合いを見せ、またある者は楽器を吹き鳴らして求愛行動に励んでいる。彼らの主張を要約すれば「青春をドブに捨てて筋肉痛と仲良くしよう」ということらしいが、全くもって正気の沙汰ではない。

「見たまえ、これほど生産性という言葉からかけ離れた時間もそうあるまい」

「え、バスケ部とかかっこいいじゃん。入りなよ」

「断る。私の貴重なカロリーは、もっと崇高な目的のために消費されるべきだ」

 私はあくびを噛み殺し、衆愚の熱気が充満する体育館を脱出した。幸い、退出を咎める看守はいなかった。

 そう、私には成すべきことがある。この学園都市に潜伏する怪異についての情報収集である。この土地には土着の澱みのようなものがそこかしこに沈殿している。今朝確認したところ、私の護符が一枚黒く焦げていたことからも、予断を許さぬ状況であることは明白である。

 帰還した一三号室にて、私は文明の利器たるスマートフォンと向き合っていた。検索ワードは『高度育成高校 怪談』『高度育成高校 呪い』『ポイント 裏技』。

「金欲漏れてんじゃん」

「漏れてなどいない!」

 その時、天啓が閃いた。この学園においてポイントは万能通貨。本来買えないものまで買えてしまうのではないか? 価値の付かないものに強制的に価値を付与できるのではないか?

「おい、入学式の日、あの女史はポイントで何を買えると言っていた?」

「え? いや、『買えないものはない』って」

 ならば、買えるのではないか? 「卒業までの単位」そのものを。まさにコペルニクスの地動説的発想! 三年間、カビ臭い教室で机にかじりつく苦役から解放され、悠々自適なモラトリアムを謳歌する権利を金で買う。これぞ真の「実力」ある者の振る舞いである。

「……何となく何考えてるかは分かるけど、無理だと思うよ?」

 全くこやつと来たら、口を開けば否定に次ぐ否定である。だから友達が私しかおらんのだ。ちくちく言葉の妖怪を背に、私は早速職員室へ殴り込んだ。

 

「失礼する。担任の茶柱佐枝はいるか」

 教員たちの不審げな視線をものともせず、目標を捉えた私はずいずいと職員室に押し入った。気怠げにタバコを蒸しているその姿は教育者というよりは場末の雀荘の店員のようである。

「なんだ仮名桐。学校生活には慣れたか」

「私は常に革新を求める男だ。単刀直入に聞くが、卒業までの全単位を今すぐ購入したい」

 私の提案に、職員室の時間が一瞬停止した。茶柱の目が、面白がるように、あるいは哀れな道化を見るように細められる。

「……ほう。面白い発想だ」

 彼女は煙草の灰を灰皿に落とした。嫌いな臭いが漂う。

「その打診、過去に例がないわけではない」

「では、いくらだ。五十万か? 百万か?」

 現在の手持ちは十万。だが来月にはまた十万が入る。さらに、あの冴えない堀北や綾小路を口車に乗せて出資させれば――。

「概算で二億、といったところか」

「……は?」

「いや、そうだな。個人での購入と考えれば、諸々の会計を含めてざっと三億は必要になるだろう」

 三億。

 一月十万の給付金で達成するには、およそ二五〇年の歳月を要する計算である。腐れ大学生の如く留年を重ねたとて、その前にこの学校の校舎が朽ち果てるだろう。

「どうした? 買わないのか?」

「……出直すとしよう」

 私は歯軋りをして、その場を後にした。背後から聞こえる忍び笑いが、五臓六腑を煮えくり返らせる。資本主義の豚どもめ! これだから現世利益を貪る俗物は嫌いなのだ!

「だから言ったのに」

 私は失意のあまりふて寝をかました。

 

 紙一重で憤死に危機を逃れた私はあてどなく学園内を彷徨っていた。そして気付けば、知識の殿堂である図書館へと足を踏み入れていた。静寂。紙とインクの匂い。そこには私の愛する静謐が佇んでいた。

 そういえば、一度も足を運んだことはなかったが、いやはや国立なだけあって相当な蔵書数である。私が適当な本棚の間を徘徊し、タイトルを流し読みする機械となり果てていると、ふと、一人の少女と目が合った。

 銀髪。否、私と同じく色素の薄い髪を持つ彼女はまるで本棚の隙間から生えてきたキノコの如く、そこに佇んでいた。手には分厚いハードカバー。タイトルは……『方舟』。残念ながら聞いたこともない。

「あ。めっちゃ面白い奴じゃん」

「そうなのか?」

 生憎、私は本についての教養をあまり持ち合わせていなかった。というのも、私はおよそ義務教育というものを受けたことがないのだ。父親ことゴミの派遣した、アルミホイルを頭に巻き、香水で服をべしゃべしゃに濡らした家庭教師の妄言を教育にカウント出来るならば、無事憲法第26条に違反していないことになるのだが。

「謎の地下建築『方舟』にやって来た主人公が地震で閉じ込められて、水没の危機が迫る中殺人事件が起きる。誰か一人を犠牲にすればそこから脱出できる。だから、犯人を生贄にしようって話」

「確かに、面白そうなあらすじだ」

「あなた」

 鈴を転がすような、しかしどこか人間味の希薄な声が会話に割り込む。

「この本を読んだことがないのですか?」

 私は彼女の紫水晶のような瞳が怪しく輝くのを見た。

「ああ、そうだが――」

「では、読みませんか?」 

 食い気味どころか食い破る勢いで彼女は言った。私はそれに薄気味の悪いものを覚え、友人を前に差し出しながら言った。

「まずは自己紹介から始めるのが礼儀ではないか? 私は仮名桐だ。一応Dクラスに所属している」

「ああ、失礼しました。椎名ひより。Cクラスです」

 私は視線を四方八方に走らせ、脱出口を探した。

「立ち話もなんですし、座って話しましょう」

 何を勘違いしたのか、椎名は私の手を引いてテーブルへと先導し始めた。振り払うことなど赤子の手をひねるよりも容易かったが、私はあえてそれをしなかった。強者故の余裕である。

 椅子に座った彼女は鞄から本を次々取り出し、『方舟』以外も読む読書家であることをアピールした。

「本はどれくらい読んだことがあります?」

 はてさて、どうしたものであろうか。

 

 予想とは裏腹に、彼女――椎名ひよりとは驚くほど馬が合った。

 ミステリ論などかけらも頭に入っていない私であったが、カルト教団における説法のナンセンスさに、彼女の発言からくみ取ったミステリテクストを交えてぶてば、彼女は目をキラキラさせて頷き、マイナーな作家の死生観について熱く語り返してくれた。この学園において、初めて知性と会話が成立した瞬間であった。

「ところで仮名桐くん。この学校の『ポイント』について、どう思います?」

 ふと、彼女が声音を潜めて言った。

「間違いなく、あれはただの通貨ではない。生徒を支配するための首輪だ」

「やっぱりそう思いますか? 私も、あんな大金をただ配るだけなんて、ミステリ小説の導入部としてはあまりに罠めいていると思うんです」

「その通りだ。三億円ふっかけてくる教師がいる時点でお察しだがな」

「三億……? ふふ、面白い体験をされたんですね」

 我々は、学園側の意図、ポイントの増減条件、そして生徒間の対立構造について、静かな声で、しかし熱っぽく議論を交わした。彼女の洞察力は鋭い。私の視界とは異なるが、彼女もまた、この世界の違和感を敏感に感じ取っているようだった。

「楽しかったです、仮名桐くん。もしよければ、連絡先を交換しませんか? またお話したいです」

「……よかろう。貴公との会話は、私の精神衛生上、非常に有益である」

「ツンデレかな?」

 怒りを噛み殺し、私は端末を取り出した。これが常人には到底真似できぬアンガーマネジメントの極致である。

 しかし、人間の友人を登録するなど、この私が? いや、彼女は私の高尚な知的好奇心を満たすための同志である。友人ではない。そう、これは同盟だ。

 慣れない操作に手間取りながらも、QRコードを読み込む。

「ひより」が友達に追加されました。

 画面に表示された文字を見て、私は奇妙な達成感を覚えた。しかし、そのすぐ下に見慣れぬ表示があることに気付いた。

 友達リスト。

 椎名ひより。

 その下に、もう一つ。見覚えのないアカウントが存在していた。

「……おい。なんだこれは」

「どうかしました?」

「いや……」

 私は横にいる友人を見やった。

「おい貴様。勝手に私の端末を弄ったか?」

「はあ? 触れるわけないじゃん。そもそも私、スマホ持ってないし」

「ええと、どうしました?」

 ならば、これは誰だ?

 いつの間にか登録されていた、名前も、顔もない友達。タップしてみるが、プロフィールは白紙。メッセージ履歴もなし。

 私が顔をしかめていると、手元の端末が短く震えた。その黒いアイコンから、メッセージが一通、届いていたのだ。私は静かに端末の画面を伏せた。

「仮名桐くん? 先ほどから様子が……顔色も優れませんが、大丈夫ですか?」

「いや、なんでもない。……少し、めまいがしただけだ」

 我が城砦に帰ってから確認しよう。これは決して恐怖しているのではない。勝手にこの私の連絡先に、恐れ多くも自らをねじ込んだ不埒者の処遇を考えるのに、少々時間を取るだけだ。

 

 私が難攻不落の要塞たる一三号室へ帰還したのは、太陽が夜の王たる私に恐れをなして西の空へ逃亡を図った直後のことである。道中、背後に気配を感じては喝を飛ばし、珍妙な生物でも見るような目の有象無象と、見えざる敵を威嚇し続けた。実に疲労困憊である。

 扉の裏に貼り付けた曼荼羅が無事であるのを確認し、私はベッドへ倒れ込む、前に例の呪具――スマートフォンを取り出した。

 先程図書館で登録されてしまった謎のアカウント。開けば呪い殺される予感をひしひしと感じるが、確認せぬまま怯えるのも癪に障る。私はロックを解除し、トーク画面を開いた。

 送信されていたのは、三分と少しのボイスメモであった。

「うわ。再生ボタン押したらアウトな奴じゃん」

 同感である。これを再生した瞬間に死の宣告が流れるか、あるいは聞くに堪えない怨嗟の金切り声が鼓膜を突き破る未来しか見えぬ。

 凡百のホラー作品の主人公ならば、好奇心からあっさりと小さな三角形に触れ、例の如く呪いやら怪異やらに憑りつかれるであろう。だが、私は年季が違う。見るなの禁ならぬ聞くなの禁、その上を行く知るなの禁を守り続けた我が類稀なる精神力は、高々シロップ程度の甘さの誘惑には靡きもしない。

 しかし、デジタル社会になっても怪異の手法が進歩していないことには安心すべきか、呆れるべきか。

「というわけで、これは封印指定とする」

 私はそっと画面を閉じた。聞かぬが仏。触らぬ神に祟りなし。私の賢明な判断力に乾杯である。

「それノンアル?」

「ノンアルだ」

 

 そんな賢明なる私が、教室という名の猿山で孤高を保っていたある日の昼休み。私の安寧を脅かす一匹の生物が接近してきた。

「ねえねえ、仮名桐くん。ちょっといいかな?」

 鈴のような、と表現するにはあまりに糖度が高く、糖尿病を誘発しそうな声であった。

 見上げれば、Dクラスの天使、あるいはアイドルの地位を欲しいままにしている女子生徒、櫛田桔梗が立っていた。彼女の周りには常に躑躅の花が舞っているような幻覚すら見える。

「何の用だね」

「そんなに警戒しなくていいよー。まだ仮名桐くんとあんまりお話しできてないなーと思って」

 彼女は完璧な笑顔を浮かべて、私の前の席にするりと座った。スカートのプリーツ一つ乱さぬその所作は、計算され尽くした芸術品のようである。全くもって忌々しい。

「私ね、クラスのみんなと仲良くなりたいの。だから仮名桐くんとも友達になりたくて。連絡先、交換してくれないかな?」

 瞬間、教室の男子生徒の八割の視線が私の美貌に集中する。見ずとも、涎を垂らして羨望の眼差しを向けてくるのが手に取るように分かる。

 だが、残念であったな。

 この私は、そんな態とらしい善意のメッキに隠された、安っぽく下らない黒い鉄の塊を見抜く眼力をあの地獄のような教団生活で嫌というほど養ってきたのだ。

 彼女の笑顔には既視感があった。

 それはあのゴミが、任意の献金と宣って信者からなけなしの全財産を巻き上げる時に見せていた、あの慈悲深き微笑みそのものであった。

「断る」

 私は垂涎物のオカルト雑誌を閉じた。

「えっ」

 櫛田の表情が、一瞬だけ硬直する。それを見逃す私ではない。私はずいと顔を近付け、囁くように言った。

「貴様は象より分厚い面の皮を持ち合わせるようだ。なまじ見た目が悪くないだけに質が悪い。心根の奥底で他者を見下し、支配欲を満たすために作り上げた生皮。拍手を送りたいくらいである」

「……仮名桐、くん?」

 彼女の声色が、温度を数度下げた。周囲の連中は気付いていないが、私と友人にだけは分かる。

「あんま言い過ぎないようにね。」

 承知している。こういう手合いはなりふり構わなくなった瞬間が一番恐ろしい。

「中身のない善意の押し売りは止めたまえ。貴様からは腐るほど嗅いできた線香と嘘の臭いがする」

 私はあからさまに顔を背けた。

「失せろ。私の半径二メートル以内は聖域に指定されている」

「……そう。分かったわ」

 櫛田はゆっくりと立ち上がった。背中を向けた瞬間、彼女がどんな顔をしていたか、それは私の想像に難くない。

「ごめんね! 邪魔しちゃって」

 振り返った時には、再び完璧な笑顔が貼り付けられていた。だが、その瞳の奥には、私を社会的に、あるいは物理的に抹殺してやろうという、昏い殺意の炎が見え隠れしていた。

「うっわ……今、完全に舌打ちの音が聞こえたよ」

「くわばらくわばら……」

 

 それから一月の間、世界は恐ろしい速度で腐敗していった。言わずもがな、我がDクラスのことである。入学当初の緊張感はどこへやら、教室は連日、猿山の宴会会場と化していた。

 平田洋介の有難い呵責は馬の耳に念仏、猿の耳に聖句である。スマートフォンでゲームに興じる者、あからさまに居眠りを貪る者、化粧に余念のない者。

 かく言う私も、授業になど参加していない。教師が吐き出す教科書通りの講釈など、我が知性には不純物に過ぎない。私は教科書の代わりに堂々と和紙を広げ墨の香りを教室中に充満させ、衆愚にこれは何だと問われるたび、これが私の筆記具であると言って山に追い返した。あるいは机の下でせっせと千羽鶴を量産し、部屋のどこに飾るか風水のサイトと顔を突き合わせた。

「……仮名桐くん。少しは真面目に聞いたらどう?」

「私もそう思う」

 斜め後ろの席の、いつも不機嫌そうな彫像こと堀北鈴音が冷たく言い放つ。そして、同調の妖怪もそれに続いた。

「私が何をしようが勝手だろう。そして、何度も言う通り、これは私の筆記具である。貴殿もノートをとっているであろう。そこに違いはないのだ」

「いや全然違うでしょ。そもそもノートとってるわけでもないし」

「呆れてものも言えないわ」

「ならば口を閉じていろ」

 私は彼女の冷淡な視線を一蹴した。綾小路がこちらを見ていたが、目が合った瞬間に虚無へと視線を戻した。賢明な判断である。

 こうして、私はあらゆる俗世との交わりを拒絶し、高尚な孤立を貫いた。

 授業など聞くに値しない。クラスメイトなど、交わるに値しない。世界は春に腐敗しており、それに抗っているのは私だけなのだ。黒の中の白は目立つ。潮が引くように私の周囲から人間は消えていった。

 脳が蕩けそうなほど退屈で平和な一月が過ぎ去り、運命の五月一日。

 我らがDクラスの愚民たちは「十万ポイントおかわり」という幻想に胸を躍らせ、給付の瞬間を待ちわびていた。最早餌を待つ養豚場の豚と見分けがつかぬ。しかし、私はそれが大きな勘違いであることを理解していた。

 校内にこれでもかと設置され監視カメラ群。四六時中、いたずらに生徒のプライバシーを侵害するのも目的の一つであろうが、主目的は別にある。それは生活態度の監視である。つまり、やはり生徒のプライバシー侵害である。それを点数とし、毎月のポイントに換算する。これが私の予想だ。

「もしかして、自分が問題行動を全く起こしてないと思ってる?」

「当然だが」

 

 当日。ポイントの増加はゼロであった。うむ。流石に何かの間違いであろう。

 いつも通り遅刻の気配が背中を撫でたが、優雅に教室へ入る。予想通りではあるが、クラスはサル具合に磨きのかかった様子である。

 間もなくショートホームルームの時間となり、担任の茶柱女史が入ってきた。彼女の表情は、いつにも増して昏い愉悦に満ちていた。

「ポイントなら、既に振り込まれているぞ」

 教室中が慌てて端末を取り出す。私もまた、優雅な動作で画面を確認した。しかし、そこに表示された数字を見て私の思考はフリーズした。

 残高:72pt

 やはり変わらぬ、缶ジュース一本買えぬ端金。増えていない。一ポイントたりとも。

 悲鳴、怒号、困惑が教室を包む。

「落ち着け愚か者ども。今月の支給分は、既に全て振り込まれていると言ったはずだ」

 茶柱の低い声が、混乱する教室を両断した。

「……先生」

 平田が青ざめた顔で立ち上がる。

「それはつまり……今月の支給額は、ゼロポイントということですか?」

「その通りだ」

 教室が静まり返る。

「この学校は実力主義だと言っただろう。一月の間、お前たちの授業態度、生活態度、遅刻欠席回数……すべてを査定した結果だ」

 彼女は黒板に、各クラスのポイントを書き殴った。

「この学校では、クラス単位で評価が決まる。お前たちは優秀な査定員によって、『無価値』と判断されたのだ。ゴミにやる金などない。当然の帰結だな」

 クラスメイトたちが絶望に打ちひしがれる中、私は独り、上を向いた。

「ク……ククク……!」

 震えが止まらない。笑いが込み上げてくる。

「あはははは! そういうことか!」

 凍り付く教室で、私一人が高笑いを上げた。

「読み違えたぞ! クラス単位であったか! ならば怨嗟も溜まるというものだ!」

 顔も知らぬ凡愚共がギョッとして私を見る。だが関係ない。私は理解した。何故怪異の気配を強く感じるのか。根は深く、システムに絡んでいた。

 私はわずか七二ポイントしか入っていない端末を握りしめ、見えざる敵に向かって不敵に笑んで見せた。

「見せてやる。ポイントなどなくとも、この高貴な魂は屈しないということをな!」

「強がってないで節約レシピでも検索したら?」

 友人の正論が、今回ばかりは身に染みた。




 こいつ吸血鬼要素出さなすぎだろ。
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