連「(……よし、今日はモニターとゲーミングチェアを新調して、真希がいつ来てもいいように環境を整えるか)」
財布とスマホを持ち、こっそり寮を出ようとした瞬間。
真希「――おい。どこ行くんだ、連」
連「げっ……真希。いや、ちょっと昨日言ってたゲームの機材を買いに……」
壁に背を預け、大刀のメンテナンスをしていた真希が、鋭い視線でこちらを射抜く。
釘崎「ちょっと、アンタ一人でお買い物? 水臭いわね。私も今日、原宿で新作のバッグチェックしに行こうと思ってたのよ」
いつの間にか真希の隣には、お洒落にフル装備した釘崎野薔薇が、不敵な笑みを浮かべて立っていた。
連「いや、俺が行くのは秋葉原だし、野薔薇が行くのは原宿だろ? 方向が……」
真希「秋葉原だぁ? そんなもん原宿の隣みたいなもんだろ。まずは野薔薇の買い物に付き合え。……アンタ、『貸し』がまだ残ってんの忘れたか?」
連「(……残り七つ……。断れない……!)」
真希の「貸し」というパワーワードに、連は音速で屈服した。
釘崎「決まりね! ほら連先輩、シャキっとして! 荷物持ち兼、お財布……じゃなくて、用心棒としてアンタの『狼(ルプス)』もフル稼働してもらうからね!」
連「お前、今サラッと『お財布』って言いかけたよな!?」
真希「つべこべ言うな。……ついでだ、アンタの部屋のゲーム機材も私が選んでやる。変な黒光りする機械ばっか置かせてたまるか」
連「……それ、ゲーミングデバイスの全否定なんだが……」
こうして、連の「快適なゲーム環境構築」という名の休日は、真希と野薔薇による「地獄のショッピング・ツアー」へと塗り替えられた。
【原宿〜秋葉原にて】
原宿の竹下通りを、山のような紙袋を持って歩く連。
連「(……ルプス、悪い。影の中でその紙袋を保持してくれ……。アクィラ、上空から野薔薇が向かうショップの混雑状況を確認しろ……)」
釘崎「あ! あの店、期間限定のショッパー出してる! 連先輩、あっち!」
真希「連、次はあっちのスポーツ用品店だ。重いのはアンタが持てよ」
特級術師の緻密な術式操作と眷属たちが、今や女子の買い物ルートを最適化し、荷物を不可視の影に収納するための「究極のサポートツール」と化していた。
連「(……修行空間での5年間、俺は一体何のために戦っていたんだ……?)」
秋葉原に着く頃には、連の精神エネルギー(呪力)は、特級呪霊を十体祓った後よりも激しく消耗していた。
真希「……ほら、連。このモニター、白で統一されてて部屋に合うんじゃないか? これにしとけ」
真希が選んだのは、昨夜の「貸し」を考慮したのか、連が欲しがっていた最高級のスペックのものだった。
連「……真希。お前、実は俺のために……」
真希「……勘違いすんな。私がアンタの部屋で遊ぶ時に、画面が汚いのが嫌なだけだ。……ほら、さっさと会計してこい」
ぶっきらぼうにそっぽを向く真希を見て、連は「……まあ、これも悪くないか」と、軽くなった財布を握りしめ、幸せな疲労感と共にレジへと向かうのだった。
秋葉原での買い物を終えた俺たちは、昼飯時になったため、近くのカフェへと入った。俺の術式を酷使した一日だったが、二人の満足そうな顔を見て、まあ「貸し」の清算と思えば安いものか、と納得していた。
釘崎「連先輩が持ってたあの白いモニター、私の部屋にも欲しくなったわ」
連「……それは俺の自腹だ。自分で買うか、任務頑張るかしてくれ」
食後のコーヒーを飲んでいると、野薔薇が突然、スマホを見ながら目を輝かせた。
釘崎「ねぇ、真希さん、連先輩! ここから少し歩いたところに、超有名な高級エステサロンがあるんだけど!」
真希「エステ? 興味ねぇな」
釘崎「何言ってんのよ! 任務で汚れた肌と呪力を浄化するのは、呪術師にとっての嗜みよ! ……でも、ちょっとお高いのよね〜」
野薔薇がジト目で連を見る。俺は思わず後ずさりそうになったが、ここで逃げたら「変態特級」の烙印が完全に定着する気がした。
連「……ああ、分かったよ。お前ら二人で行ってこい。俺はもう限界だ、荷物を置きに高専に戻る」
俺は財布から、五条が任務の報酬で振り込んでくれたばかりの札束を取り出した。
連「これで足りるか?」
そう言って、真希の手に現金十万円を握らせる。
真希「じゅ、十万!? 太っ腹じゃねぇか、連!」
釘崎「連先輩、愛してるわ! じゃあそういうことで、真希さん、行きましょ!」
野薔薇はさっさと荷物をまとめ、真希の腕を引っ張って店を出ていく。
真希「おい、私が行くとは言ってねぇだろ!……まあ、貸しが減ると思えば悪くないか。ありがとな、連! 残り六つ、忘れるなよ!」
そう言い残し、二人の姿が人混みに消えていった。
連「(……これで貸し4つと相殺して、残り6つ……? いや、十万渡したんだから相殺済みか? 計算が合わん)」
一人カフェに残された俺は、大量のゲーミング機材の入った影の中身を整理しながら、一人静かに高専へと戻ることにした。
――特級術師の休日は、こうして平和(?)に幕を閉じたのだった。
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僕のヒーローアカデミア
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ハイスクールD×D
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