五条が認めたもう一人の最強   作:ぐちロイド

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戦闘回です!お楽しみに


第12話 星対六人、特級の壁

秋葉原から少し離れた人気のない場所で、俺は周囲に誰もいないことを確認してから指を鳴らした。

 

 

連「『星焔の創世宮』――龍座(ドラコ)」

 

 

影から這い出した炎の龍の背に飛び乗り、俺は一気に上空へと舞い上がる。地上では真希と野薔薇がエステに向かっている頃だろう。最新のゲーミングモニターやPC一式を影に収納したまま、俺は冬の澄んだ空を切り裂き、わずか数分で高専の男子寮へと帰還した。それから数時間。俺は文字通り死に物狂いで機材をセッティングした。

 

 

連「……よし。配線も完璧、ライティングも真希が言ってた通り白で統一した……」

 

 

5年間の修行空間では味わえなかった最新技術の結晶が、俺の部屋で淡い光を放っている。だが、昨夜からの寝不足と、女子二人の買い物に付き合わされた精神的疲労が限界に達していた。

 

 

連「……ちょっとだけ、横になるか……」

 

 

俺はベッドに倒れ込むなり、泥のような眠りに落ちた。

 

 

【数時間後・真希&野薔薇サイド】

 

 

真希「……全く、アイツ。十万も渡して自分だけさっさと帰りやがって」

 

 

エステ帰り、肌がツヤツヤになった釘崎野薔薇と、どこかスッキリした表情の真希が、お釣りを返すために連の部屋の前に立っていた。

 

 

野薔薇「でも真希さん、あそこのリンパマッサージ最高でしたね! 連先輩、意外と分かってるじゃない」

 

 

真希「ハッ、ただの口封じだろ。……おい、連。入るぞ」

 

 

返事がない。真希がドアノブを回すと、鍵がかかっていなかった。

二人が中に入ると、そこには最新のデバイスが整然と並ぶ、昨日までとは打って変わってお洒落になった部屋があった。

そして、その中心にあるベッドで、連が制服を着たまま、無防備に爆睡していた。

 

 

野薔薇「……あら。死んだように寝てるわね」

 

 

真希「無理もねぇか。今日は一日中、アイツの眷属(ペット)どもを荷物持ちに使わせちまったからな」

 

 

真希は手の中にあるお釣りの数万円を見つめ、それをデスクの上に置こうとした。だが、すやすやと眠る連の寝顔を見て、ふと昨日の「車内での事件」が頭をよぎった。

 

 

真希「(……こいつ、寝てると本当にただのガキだな。……アイツなりに、気を使ってたのか)」

 

 

野薔薇「ねぇ真希さん。お釣り、ここに置いときます? それとも……寝顔に落書きでもしていく?」

 

 

真希「よせ、野薔薇。……明日からの組手で、体で返させてやる」

 

 

真希は、連の肩までずり落ちていた毛布を、乱暴に、けれどどこか優しく引き上げた。

 

 

真希「……サンキュ。連」

 

 

小さな声で呟き、二人は静かに部屋を後にした。

机の上には、一通のメモとお釣りが置かれていた。

『エステ代引いて、残り三万五千円。貸しはあと三つ。寝顔がマヌケだったから、アイス一箱追加。――真希』

連が目を覚まし、そのメモを見て「計算がやっぱり合わない!」と叫ぶのは、それから数時間後のことだった。

 

 

目が覚めると、窓の外はすっかり翌日の朝日が差し込んでいた。

 

 

連「……やば、寝すぎた」

 

 

机の上に置かれた真希からの「お釣り」と、また増えた気がする「アイスの追加命令」のメモを見て苦笑いしながら、俺は急いで身支度を整えた。しかし、寮を出るなり待っていたのは、五条悟の「面白そうなことを思いついた」時のあの不敵な笑みだった。

 

 

グラウンドには、2年生の真希、パンダ、棘に加え、1年生の虎杖、伏黒、野薔薇の6人が勢揃いしていた。その前で、五条が相変わらず軽い調子で告げる。

 

 

五条「はーい! 全員揃ったね。今日はちょっと趣向を変えて、『連くん vs 全員』の模擬戦をやってみようか!」

 

 

虎杖「ええっ! 連先輩一人と俺ら全員!?」

 

 

真希「……ハッ、願ってもねぇよ。昨日の買い物で溜まった鬱憤を全部ぶつけてやる」

 

 

伏黒「……無理ゲーじゃないですか?」

 

 

五条の傍らでは、健康診断を担当した家入硝子が、缶コーヒーを片手に気だるげに眺めていた。

 

 

硝子「五条、アンタまた無茶なことを。……まあ、連のあの『動く発電機』みたいな肉体が、集団相手にどう機能するかは興味あるけどね」

 

 

五条「でしょ? 硝子。連くん、5年の修行で培った『一人で軍隊を相手にする術』、僕らにも見せてよ」

 

 

連は、6人の刺すような視線を正面から受け止め、小さく息を吐いた。

 

 

連「……いいですよ。ただし、そっちが本気で来ないと、一瞬で終わらせますよ?」

 

 

連が指を鳴らす。その瞬間、彼の影が爆発するように広がり、四つの巨大な紋章が空中に浮かび上がった。

連「『星焔の創世宮(せいえんのそうせいきゅう)』――同時展開」

 

 

影から這い出す炎の狼、上空を舞う鷹、そして地を震わせる虎の咆哮。

 

 

真希「いくぞ、野郎共! 遠慮はいらねぇ、特級(化け物)を引きずり下ろせ!!」

 

 

真希の号令と共に、虎杖が爆発的な踏み込みで正面から突っ込み、伏黒の『玉犬』が影から連の足を狙う。野薔薇は後方から釘を投げ、棘は呪言のタイミングを測る。

 

 

硝子「……あら。あの子、もう笑ってるわよ」

 

 

硝子の視線の先。6人の完璧な連携を前に、連は楽しげに口角を上げていた。

 

 

連「いいねぇ。……アクィラ、上空を制圧。ルプス、影の犬(玉犬)を狩れ。……真希、虎杖。力比べなら、ティグリスが相手だ」

 

 

星の熱量がグラウンドを支配し、最強の先輩による「特別授業」が幕を開けた。

 

 

五条「さあ、誰が最初に連くんの『星の盾』を割れるかなー?」

 

 

グラウンドは、もはや学生同士の模擬戦の域を超えた、神話の戦場と化していました。

 

 

虎杖の『黒閃』に迫る打撃、伏黒の『満象』による水攻め、そして真希の鋭い斬撃。6人の猛攻は凄まじく、並の一級術師なら数秒と持たなかったでしょう。

 

 

連「……いい連携だ。なら、こちらも出し惜しみはしない」

 

 

連が地面を蹴ると同時に、影から全長十数メートルに及ぶ炎の龍、『龍座(ドラコ)』が天を衝くように現れました。

 

 

野薔薇「ちょっと! あんなの聞いてないわよ!」

 

 

空を舞う龍の咆哮がグラウンドを震わせ、広範囲に星の炎が降り注ぎます。連はあえて6人の攻撃を「受け流さず」に受け、傷を負う端から反転術式を回しました。銀色の光が全身を駆け巡り、細胞が活性化するたびに連の速度が上がっていきます。

 

 

硝子「……やっぱりね。反転術式を回復じゃなく、肉体の『過負荷(ブースト)』に使ってる。あの子、戦えば戦うほど熱量が上がっていくわ」

 

 

五条「さすがに6人相手だと、連くんもテンション上がっちゃってるね」

 

 

連の呪力が、グラウンド全体の空気を歪めるほどに膨れ上がりました。

 

 

連「……これで、終わりだ。――領域展……」

 

 

連の手が印を結ぼうとした瞬間、彼の脳裏に、5年間の修行で完成させたあの『万象流転・無尽の星淵』の光景が過ぎりました。

 

 

連(待て……。今ここでこれを展開すれば、必中効果で彼らの魂の形まで焼き尽くしかねない)

 

 

連は印を結ぶ寸前で、強引に呪力を内に抑え込みました。膨大な熱量が逆流し、連の足元の地面がガラス状に融解します

 

真希「……っ、おい! 今、何しようとした!」

 

 

真希が息を切らしながら大刀を構え直しますが、連は静かに眷属たちを影へと帰しました。

 

 

連「……悪い。少し熱くなりすぎた。……領域展開(これ)をやったら、お前たちを死なせかねない」

 

 

連の言葉に、グラウンドに沈黙が流れます。

 

 

五条「正解。今の連くんの領域に彼らを入れるのは、まだ早いかな。……でも、そこまで『自分を律する』ことができたのは、修行の成果だね」

 

 

五条がパンパンと手を叩き、模擬戦の終了を告げました。

 

 

虎杖「……領域展開。……連先輩、俺たちを殺さないために止めてくれたんすね」

 

 

伏黒「……次元が違いすぎる」

 

 

硝子「はいはい、怪我人はこっち。……連、アンタは後で私の部屋。あの出力の逆流、内臓にきてるでしょ。診てあげるわよ」

 

 

硝子に促され、連は苦笑いしながら頭を掻きました。

 

 

連「……すみません。……でも、楽しかったですよ。……真希、これでお釣り(貸し)は相殺ってことでいいか?」

 

 

真希「……ハッ。アンタを本気にさせた分、こっちの勝ちだ。……アイスは二箱に増やしとけ、変態特級」

 

 

真希の言葉に、1・2年生たちは顔を見合わせ、安堵の笑みを浮かべるのでした。

 

 

次にやって欲しい作品は?

  • 暗殺教室
  • ワンピース
  • 僕のヒーローアカデミア
  • ハイスクールD×D
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