五条が認めたもう一人の最強   作:ぐちロイド

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第18話 姉妹校交流戦 前編

あれから数日が経ち交流戦当日。

 

東京校の敷地内、スタート地点となる広場には、独特の緊張感が漂っていた。

 

 

真希「……さて。作戦は確認したな?」

 

 

真希の鋭い声に、連、悠仁、伏黒、野薔薇、そして二年生のパンダと棘が頷く。

今回の作戦の要は、やはり「もう一人の最強」として頭角を現した連の動き、そして死の淵から生還した悠仁の奇襲だ。

 

 

真希「連、お前は基本自由に動け。お前が暴れれば、嫌でも京都校の戦力はそっちに割かれる」

 

 

連「了解。……まあ、あっちの東堂とかいう先輩が一番に突っ込んできそうだけどな」

 

 

連が肩を回すと、骨が小気味よく鳴った。隣では、昨日の喧騒が嘘のように真剣な表情をした野薔薇が、釘を指の間に挟んで準備を整えている。

 

 

五条『はーい、皆さんお集まりかな!』

 

 

突如、拡声器を通した五条悟のふざけた声が山々に響き渡った。

 

 

五条『これから、京都姉妹校交流戦――団体戦を開始するよ! ルールは簡単、指定されたエリア内の二級呪霊を先に祓った方の勝ち! ……と言いたいところだけど、まあ、乱入も妨害も自由だからね。仲良くケンカしなよ!』

 

 

その声を合図に、空気の密度が変わる。

はるか前方、森の奥から京都校側の禍々しい呪力の気配が立ち上った。

 

 

真行「……行くぞ」

 

 

真希の合図と同時に、東京校の面々が一斉に地を蹴った。

連は最前線を走りながら、背後に迫る視線を感じていた。京都校の生徒たち――特に、自分に向かってくるであろう殺気。

 

 

連「(五条さんは『自由にやれ』って言ったけど……こりゃ、ただの試合じゃ済まないな)」

 

 

連は、脳裏に浮かぶ野薔薇や真希、仲間たちの顔を振り払うように加速する。

森の奥、巨大な呪霊の気配と、それ以上に重苦しい「東堂葵」の呪力が正面から衝突しようとしていた。

 

 

東堂「おい、二年坊主! 貴様に聞きたいことがある!」

 

 

森の木々をなぎ倒しながら、筋骨隆々の巨漢が姿を現す。

京都校の要、東堂葵だ。

 

 

東堂「どんな女がタイプだぁ!!」

 

 

連「……このタイミングでそれかよ」

 

 

連は苦笑しながらも、右拳に呪力を凝縮させる。

最強への証明、その真剣勝負が今、始まった。

 

 

 

 

 

東堂「――おい。貴様に聞きたいことがある」

 

 

森の木々を物理的に粉砕しながら姿を現したのは、京都校の要、3年の東堂葵だった。初めて間近で見るその威圧感は、噂に違わぬ怪物じみている。

 

 

東堂「どんな女がタイプだ!!」

 

 

連「……は?」

 

 

連は思わず動きを止めた。初対面の相手、それも殺伐とした交流戦の最中に投げかけられた言葉がそれか。

 

 

東堂「答えろ! 趣味の合わん男と殺し合いなど、俺の美学が許さん!」

 

 

連「……悪いが、今はそんな下らない質問に付き合ってる暇はないんだ。俺は、俺の仕事をこなすだけだ」

 

 

連が呪力を練り、踏み込もうとしたその時。横から凄まじい風を切り裂く音が響いた。

 

 

虎杖「――連先輩、そこは代わってください!」

 

 

現れたのは虎杖悠仁だ。一直線に東堂へと向かっていくその勢いは、連が東堂に抱いた「強者」への予感をさらに加速させる。

 

 

連「悠仁か。いいか、そいつは相当やるぞ」

 

 

虎杖「はい! 先輩は先に行ってください。ここは俺が食い止めます!」

 

 

連「……わかった。無理はするなよ」

 

 

連は東堂の興味が虎杖に移った一瞬の隙を突き、加速。木々を足場に、さらに森の奥へと深く潜り込んだ。

「(……東堂葵、底知れないな。だが、今の違和感は何だ?)」

移動中、連の「最強」に迫る直感が警鐘を鳴らし続けていた。東堂の殺気とは別の、もっと陰湿で、鋭利な殺意が自分を追ってきている。

 

 

加茂「……そこまでだ、連」

 

 

頭上からの声。同時に、三本の矢が連の足元を正確に射抜いた。連が足を止めると、周囲を囲むように京都校の面々が姿を現す。加茂憲紀、西宮桃、そして究極メカ丸。

 

 

加茂「3年の東堂が暴走してくれたおかげで、いい孤立(セパレート)ができた。……学長からの通達だ。五条悟に次ぐ『イレギュラー』、君にはここでリタイアしてもらう」

 

 

加茂の言葉には、試合の「棄権」ではなく、明確な「排除」の響きがあった。

 

 

連「初対面の東堂はともかく、あんたたちは随分と準備がいいな。俺を殺すために全員で囲むか」

 

 

加茂「君は危険すぎる。五条悟の影に隠れているが、その成長速度は呪術界の均衡を崩しかねない」

 

 

西宮が箒の上から冷たく見下ろし、メカ丸の砲口が連をロックオンする。

 

 

連「暗殺計画、ね……。悪いけど、ここで終わるわけにはいかないんだ。昨日、後輩に高い買い物させられたばっかりでね……まだ元を取ってない」

 

 

連の瞳から温度が消え、五条も認めた圧倒的な呪力が大気を震わせる。交流戦の裏側で始まった、連一人を標的とした「処刑」が始じった。

 

 

 

 

 

加茂「……やれ」

 

 

加茂の冷徹な号令と共に、全方向から死の嵐が殺到する。

メカ丸の『大祓砲』が光を放ち、西宮の突風が木々を削り、加茂の血の刃が連の頸城を狙う。

だが、連は動じない。ただ静かに、自身の呪力を物質へと流し込んだ。

 

 

連「術式展開――『星焔の創世宮』」

 

 

次の瞬間、連を中心とした地面の岩石が激しく隆起し、青白い星の炎を纏って形を成していく。

 

 

連「『狼座(ルプス)の熾火』、『鷹座(アクィラ)の瞬

火』。……掃除の時間だ」

 

 

連の影から飛び出したのは、炎の牙を持つ無数の狼たち。それらはメカ丸の放った熱線を俊敏な動きで回避し、その巨体に食らいついた。

 

 

メカ丸「ガ……ギギ、熱源探知不能! 内部温度が急上昇――」

 

 

連「遅いよ」

 

 

狼たちが青白い光を放ち、メカ丸の装甲を内側から爆破した。

 

 

西宮「嘘……私の風が、燃やされてる……!?」

 

 

上空から風の刃を放っていた西宮が悲鳴を上げる。彼女の頭上には、いつの間にか岩石の翼と炎の羽を持つ巨大な鷹が滞空していた。

 

 

連「『鷹座』、やれ」

 

 

連の命を受け、鷹が急降下と共に炎の羽を雨のように降らせる。正確無比に放たれた「炎の投剣」が西宮の退路を断ち、彼女を地面へと叩き落とした。

 

 

加茂「……化け物め。五条悟とはまた違う、軍勢の力か……!」

 

 

加茂が必死に赤血操術を練るが、連は既に手近な石ころを拾い上げていた。

 

 

連「【星屑の錬成(スターダスト・フォージ)】」

 

 

連の手の中で、石ころが瞬時に星の炎を纏った漆黒の「槍」へと変貌する。

 

 

れ「接近戦なら自信あるんだろ? 来いよ」

 

 

連が踏み込んだ。その速度は、加速する加茂の動体視力すら置き去りにする。

星の槍が一閃。加茂の放った血の防壁ごと、その肩口を浅く焼き斬った。

 

 

加茂「カハッ……!」

 

 

連「悪いけど、これで終わりだ。……『虎座(ティグリス)の猛火』」

 

 

連の背後、森の土くれを吸収して、山のような巨体を持つ炎の虎が現れた。

その爪が空を振るう。放たれた炎の衝撃波は、加茂たちが展開していた戦線を文字通り「粉砕」し、森に巨大なクレーターを作り上げた。

沈黙。

焼け焦げた大地の中央で、連は生成した槍を砂に還元し、静かに吐息を漏らす。

 

 

連「……ふぅ。やっぱり四種同時は疲れるな。オーバーヒートする前に終わってよかった」

そこには、もはや戦える状態の者は一人もいない。

「最強」の一角、二年生・連。その圧倒的な「建国」とも言える力の前に、京都校の暗殺計画は、一合の交差すら許されず灰へと帰した。

 

 

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