五条が認めたもう一人の最強   作:ぐちロイド

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第20話 姉妹校交流戦 後編

花御「……森を傷つける者よ。その傲慢な焔と共に、土に還るがいい」

 

 

花御の意思が直接脳内に響くと同時に、大地を割り、連の数倍はあろうかという巨大な「木の腕」が幾重にも押し寄せる。森全体が連を押し潰そうとする圧力。

「悪いけど、その程度で俺の『星』は消せないよ」

連は一歩も引かず、印を結ぶ。

 

 

連「術式展開――『星焔の創世宮』『龍座(ドラコ)の劫火』」

 

 

連の背後から現れた巨大な焔の龍が、押し寄せる樹木をブレス一閃で炭化させる。しかし、花御も特級。瞬時に呪力を練り直し、焼けたそばから新しい芽を噴出させ、炎を強引に押し返そうとする。

 

 

連「……暑いか? なら、少し冷やしてやるよ」

 

 

連の瞳の色が、燃えるような赤から、透き通った銀世界の色へと転じる。

 

 

連「反転術式――『月魄の静止宮(げっぱくのせいしきゅう)』」

 

 

瞬間、戦場を支配していた猛烈な熱気が消えた。

連を中心に広がるのは、青白い月明かりのような静寂の光。花御が放った無数の蔓や根が、連の体に触れる直前でカチリ、と音を立てて「停止」した。

 

 

花御「な……!? 私の術式が、凍った……?」

 

 

連「凍ったんじゃない。分子運動を奪い、その空間ごと『静止』させたんだ」

 

 

連は静かに歩を進める。彼の足元から広がるのは、あらゆる熱を奪い去る絶対零度の領域。

 

 

連「『月狼』、行け」

 

 

連の影から、氷の結晶で出来た狼が飛び出す。花御の足元を駆け抜けると、触れた箇所から白銀の氷が侵食し、特級呪霊の強靭な肉体を深部から凍てつかせていく。

 

 

花御「ア……ガ……体が、動かぬ……!」

 

 

焦った花御は左腕の布を解き、さらなる呪力を解放しようとする。だが、連はそれを許さない。

 

 

連「『白虎』」 

 

 

ダイヤモンドダストを纏った巨大な虎が連の前に立ち塞がり、花御が放った捨て身の種子攻撃を、その障壁であらゆる物理法則を無視して跳ね返した。

 

 

連「正転で焼き、反転で凍らせる。……俺の肉体は今、この二つを同時に回すことで完成している」  

 

 

連の体からは、焔の陽炎と極寒の霧が同時に立ち上っている。本来なら自壊するはずの矛盾したエネルギー。それを反転術式による自己補完で無理やり成立させているのだ。

 

 

連「これで終わりだ、森の呪霊。……今の俺なら、これを使っても消し飛ばずに済む」

 

 

連が両手を合わせる。右手に「星焔(無限の熱量)」、左手に

 

 

連「月魄(絶対零度)」

 

 

正反対の極致が触れ合った瞬間、空間が悲鳴を上げ、光さえも歪み始めた。

 

 

連「虚式――『星系崩壊・寂滅の特異点』」

二つの力が衝突した中心点に、漆黒の「穴」が生まれた。

それは爆発ではない。無慈悲な吸引力と圧壊。

花御が展開しようとした領域さえも、その擬似ブラックホールは時空ごと飲み込み、押し潰していく。

 

 

連「――サヨナラだ」

 

 

花御「ア……アアアア……ッ!!」

 

 

絶叫と共に、特級呪霊の巨大な体躯が、中心点へと吸い込まれ、一筋の塵すら残さず「無」へと帰した。

静寂が戻る。

連が術式を解くと、漆黒の穴は消え、そこにはただ、円形に抉り取られた大地だけが残されていた。

 

 

連「……ふぅ。……少し、やりすぎたかな」

 

 

連は反転術式でオーバーヒートした肉体を癒しながら、空を見上げた。

遠くで五条悟の強力な呪力が「帳」を突き破るのを感じ、連は小さく笑って、座り込んだ。

れ「あとは、最強の先生に任せるとするか」

 

 

もう一人の最強――連の噂は、この日を境に、呪術界全体へと決定的に響き渡ることになる。

 

 

 

 

五条「……やれやれ。僕の出番、本当になくなっちゃったじゃない」

 

 

宙に浮いたまま、目隠しをずらして周囲を見渡す男――五条悟が、呆れたような、それでいて心底楽しそうな笑みを浮かべて連の前に着地しました。

 

 

連「よお、五条さん。……ちょっと掃除が過ぎたかもしれない」

 

 

五条「ちょっと? 君ね、特級を『概念ごと』消し去っておいてそれは謙遜が過ぎるよ。伊地知さんが見たら泡吹いて倒れるレベルだ」

 

 

五条は、抉り取られた巨大なクレーターを「六眼」で凝視し、連の体内に流れる正転と反転の完璧な循環を確認しました。

 

 

五条「『寂滅の特異点』か……。理論上は可能だと思ってたけど、まさかこの短期間で完成させるとはね。君、本当に僕を追い抜く気?」

 

 

連「まさか。あんたに追いつくだけで精一杯だよ」

 

 

連は力なく笑い、五条の手を借りて立ち上がりました。

数時間後、高専の医務室。

幸い、他の生徒たちに死者は出ませんでした。虎杖は東堂と謎の友情(?)を築き、真希や野薔薇も無事に避難を終えていました。

 

 

野薔薇「連先輩!!」

 

 

医務室の扉が勢いよく開き、野薔薇が飛び込んできました。その後ろには、険しい表情ながらも安堵を隠せない真希の姿。

 

 

野薔薇「あんた……あの後、あのバカでかい呪霊どうしたのよ! 途中でとんでもないプレッシャーがしたと思ったら、気配が完全に消えたけど!」

 

 

連「ああ……少し術式を頑張ったら、どっか行ったよ」

 

 

野薔薇「嘘おっしゃい! あのクレーター見たわよ! デパートで私にラッキースケベした罰が当たって死んだかと思ったじゃない!」

 

 

「……それはもう許してくれよ」と苦笑する連。

しかし、この事態を重く見たのは京都校の学長・楽巌寺嘉伸、そして呪術界の上層部でした。

当初の「虎杖悠仁の暗殺」という目的は、連という「五条悟に並びかねない制御不能な太陽」の出現によって、完全に優先順位を書き換えられました。

その日の夜、高専の屋上で五条と連は二人きりで並んで座っていました。

 

 

五条「連、君の力はもう隠しきれない。これから先、君を消そうとする奴らも、利用しようとする奴らも、今の比じゃないくらい増えるよ」

 

 

五条は夜空を見上げ、真剣なトーンで語りかけます。

 

 

連「わかってます。……でも、俺には守りたい後輩や、一緒に肩を並べて歩きたい仲間ができましたから」

 

 

五条「……そっか。頼もしいね」

 

 

五条は連の肩をポンと叩きました。

 

 

五条「じゃ、明日からまた特訓だ。今度は僕が直接、手加減なしで相手をしてあげる。……あ、その前に。野薔薇から『慰謝料第二弾』として、銀座の高級寿司の予約リストが届いてたよ?」

 

 

連「…………マジかよ。最強への道は、財布にも厳しいな」

 

 

月明かりの下、連は溜息をつきながらも、どこか晴れやかな表情で、これから始まるさらに激動の日々を見据えていました。

 

 

 

 

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