適度に更新していく予定。三人称視点の練習のつもり。拙い。
海賊子女マーベル・ウェンディ
ある日、いつもと変わらぬ昨日と同じ、明日も同じであるはずの日常を過ごしていた大柄な男の視界に異物なものが見つかる。海に漂流する何かを目を凝らして見ている。それがはっきりとはわからないが、すぐに人間の少女の姿であることがわかった。大柄な男は担いでいた20mにも及ぶ樹を放り投げて、急いで海に飛び込む。魚人である彼はすぐさま少女を拾い、岸に寝かせる。
「ごほっ、ごほっ…」
「大丈夫か?」
「ああ、私は大丈夫だ。ごほっ………、生きている………の…か」
少女は自問自答を始めたかと思うと黙り込んでしまった。大柄な魚人の男は幼き少女が黙り込んでしまったためにどう声をかけようか迷っている。
「おーい」
沈黙を打ち破るべくして、控えめながら大柄な魚人の男が少女に声を掛ける。
「ああ、失礼した。混乱する頭を整理していたのだ」
「何とも理性的な少女じゃな」
「少女…か、…理性的うんぬんはこの際置いておく。ここはどこだ?」
「ここか?コノミ諸島のグアバ村の近くじゃ」
「知らんな」
少女はコノミ諸島というものに覚えがあったが、グアバと聞いて果物以外思い浮かぶことがなかった。
「そんじゃ、こっちの質問だ。お主、なぜ溺れていた」
「泳げないからだ!」
「威張って言うな!…まあ、おそらくは悪魔の実の能力者じゃろ」
「ほう?私が能力者だとよくわかったな」
「溺れていればわかる」
大柄な魚人の男は半ば呆れながら生意気な少女を見る。背丈は非常に小さく、歳は6歳前後といったところだ。
「じゃが、何の能力者じゃ?」
「それに答えるわけにはいかない。そして次の質問は私だ」
図々しくも、見た目で年上のはずの大柄な魚人相手に立場は同等を貫く少女の精神に魚人の男は関心さえ感じていた。
「お前は魚人海賊団の者か?」
「その歳であの海賊団の名を話すか…、わしは一般人じゃ」
「では何故魚人島から出てこの島にいる」
「次の質問はわしじゃよ」
「ふむ、失礼。ルールは弁えよう」
いつの間にルールなぞできたのか、魚人はうちに秘める感想をしまい込む。
「そういえばお主、名は何という?」
「………私には言いたいことがある」
「ああ、皆まで言うな。わかっておる。わしの名はイッカクじゃ。イッカククジラの魚人イッカクじゃ」
「私はウェンディ。マーベル・ウェンディ。ソラソラの実の能力者だ」
ソラソラの実、空間掌握を行える能力であり、主に使うことのできる能力は空を飛ぶ、空間を固定する、空間の情報を書き換える、といったもの。空を飛ぶ、飛ばす能力はそこまでの力の消耗はないが、空間を固定するとなるとかなりの労力がかかり、空間の情報を書き換えるとなるとその力は今の能力では事足りない。力の消耗とはソラソラの実の熟練度に比例している。ソラソラの実を自由に扱うことができるようになって初めて次のステップへと進むことができるのだ。ゆえに鍛錬をすればその分だけ力の応用ができるということ。ウェンディのソラソラの実の能力向上にはソラソラの実の使用回数はもちろん使用した際の熟練度も加味しなければならない。
細かい話は飛ばすとして、つまり言いたいことは、修行して実践すればいいんだということ。
「おおー、わしを浮かせるとはやるのう。体重なんぞ600キロもあるというのに」
「はー、はー、はー………重いな…」
背丈5mもあるイッカクを持ち上げるのは相当堪えたが、まだ問題なく浮かせることができるようだ。フワフワの実の能力と異なる点は浮かせることに特化したフワフワの実の能力には浮かせることに関しては劣るということ。その分他の能力が使えるのだ。
「まだ空間固定まで成長できるものじゃない。最低でも船一つくらい持ち上げられるようにならないと」
「船か…やはり、お主の夢は海賊王か?」
「ああ、私は海賊王になる」
「ワンピース、この世の全てを見つけるためにか?」
「この世の全てを見届けるために」
「………この世のすべて、世界の中心、いや、この世の中心近くに住んでいたわしでも知っておることは少ないぞ………この世の全てか」
「ああ、私は全てを知りたい」
「変わったやつじゃな」
地面に着地したイッカクは顎を撫でながら考え込む。
「そういえば、昨日とってきた鉱石を売りに出したいんだけど」
「おお、そういえばそんなこともあったな」
「資金を集めるには必要なことだ」
「何を買うんじゃ?」
「アダムの樹」
「…ほう?聖樹アダムの樹で船を作ろうという魂胆か。あの樹はなかなか市場に出回らない上に造船は困難を極めるぞ」
「ゆくゆくだよ。今はその資金集め、運命を自ら切り開いていけばそのうち縁あって手に入れることもあるだろう」
「お主はなかなかどうして少女なのだろうか」
「どういう意味だ。しばくぞ」
ウェンディはイッカクを連れ出してコノミ諸島グアバ村に向かった。
短いな…
主人公の名前ですが、主人公が前世にて記憶していたウェンディの名前で真っ先に思いついたのが
『Fairy Tail』のウェンディ・マーベルだった。
容姿はウェンディ・マーベルの髪を朱色にした感じを想像していただければ