ロック・リー転生伝 作:六亭猪口杯
捏造技が出ます。ご注意下さい。
第3演習場へと向かうと既に二人共着いていた。
俺が最後か。…集合時間の15分前に来たんだけど二人共気合い入ってるなぁ。
「お待たせして申しわけない…」
互いに準備の確認をしているところに声をかけると。
「遅…い、ぞ?」
「いやいや私たちが早いだけ、だし…」
俺の姿を見て二人共固まった。
「これでも早いと思ったんだけど…待たせてごめん」
謝罪するとようやく動き出した日向が質問してくる。
「…その格好は?」
よく言ったと言わんばかりの表情でテンテンが頷く。
「あぁ、これ?昨日ガイ先生から貰ったんだ」
その場でくるりと回ってみせる。
全身緑でキメた姿に追加された足の重りがアクセント。
拳を固めるためのバンテージも含めて完璧な装いである。
「見た目はともかく動きを阻害しないし衣擦れの音も出ない。性能だけで言えば一級品だよ」
色もまぁ…森の中なら迷彩になるし?と続けると。
「……そう、か」
お前が納得しているなら…と言いつつも何かを言いたそうな日向。
それを見てテンテンが言いにくそうな顔で聞いてくる。
「なんていうか、その…目立ってない?」
「里の中じゃ浮いてるのは自覚してる」
此処にくるまでも何度か二度見されたし…奇抜な恰好なのは自覚してるよ。
「上から何か羽織れば…」
うん、まぁ…全身緑一色よりはマシになるかもしれないけど。
「…そう思う?」
折角貰ったから、と原作そのままの格好で来たのは良いものの少し恥ずかしい気持ちはある。
「うん、その方が良いと思う」
間髪入れずに即答された。
…まぁ、この格好はガイ先生だから似合うってのもあるし。
中忍以上で着用可能なベストがあると一気に締まるけど、コレ単体だと芸人感が増すんだよなぁ…
「何を言う!それはそのままで完成しているんだぞ!?」
トウッ!と言う掛け声と共に現れたガイ先生。
「おはよう!…さて、少し早いが早速試験の説明に入ろうか!」
うん、まぁ…今日はこのまま行くしかないか。
そのままなぁなぁになりそうだけど。
「試験ですか?」
テンテンの質問に先生が頷く。
「そうだ!アカデミーを卒業したからと言って直ぐに忍に成れると言う訳じゃない」
今から行う試験でお前達を下忍と認めるかどうかを見極めさせてもらうぞ!と続けて腰から鈴を取り出す。
「今日中にこの鈴を俺から取れた者だけが下忍になれる!」
手にぶら下げられた鈴は2つ。
…この辺は共通試験なのかな?
「先生、鈴の数が足りませんが…?」
テンテンが恐る恐る質問すると。
「1人はアカデミーに戻る事になるのか?」
日向が質問を重ねた。
「そういうことだ」
真剣な表情で俺達を見るガイ先生。
空気が張り詰めていく中、先生に問いかける。
「…ガイ先生、
一応確認しとかないと。
表蓮華を使用した所でガイ先生に敵うとは思えないが、あるのと無いのとでは大違いだ。
「…許可する!しかし行動不能になった時点で失格にするぞ?」
その辺をよく考えて使うかどうか選べ。と念を押される。
今の俺だと良いところ8〜10秒位か?
感覚的にはもう少しイケそうな気もするけど、安全なラインを引くならその程度になりそうだ。
「…何か隠し玉があるのか?」
右手を開閉しながら調子を確認しているのを見て日向が声をかけてきた。
「当然。…
「そのレベルか…」
どうやら俺が言いたいことは伝わったらしい。
…これならどうにか成るかもしれないな。
俺達が静かになると手にした鈴を腰に結び直した先生。
「もう質問はないな?……始めるぞ!」
ガイ先生の号令と共に身構えるテンテンの襟首を掴んで走る。
その少し後ろを日向が追随して来る。
「えっ!?」
そのまま一気に距離を離しに掛かる。
…幸いな事に直ぐに追いかけては来ないな。
「離、してッ!」
「おっと…」
咄嗟に振り回された右腕を躱しながら適当な位置で下ろす。
おう、警戒されてるわ。
「何のつもり!?」
「ごめん、でも先ずは落ち着いて話を聞いてほしい」
理由を話すから、と両手を上げると
「コイツも要るのか?」
日向は怪訝な表情を向けてくるけど…この試験って2人で取れるように出来てないんだよね…
勿論、試験だから手加減されるだろうけど。その度合いがカカシ先生レベルだと鈴を取るのが無理ゲーになる。
本当の事を言うわけにもいかないから、それっぽい事を言って説得しなければならない。
「
2人の顔を見ながら続ける。
「だから協力しない?」
3人で協力すればギリギリ何とか…隙を作れば取らせてくれるかも?位に考えて行ったほうが良いだろうな…
「鈴に関しては取った後に決めればいい」
少なくとも1人じゃ無理。2人でも同じ。3人でようやく目があるかどうかってとこだし。
そう続けると少しの沈黙を挟んで
「……その根拠は?」
昨日アレだけネジを褒めちぎってたのに、そこまで言うほどの差があるのか?
テンテンはそう言いたいわけだ。
その辺を含めて説明が必要か…
「日向くんは天才だ。同期で日向くんに勝てる奴は居ないだろうね」
でも当然だけど里の全員を含めるならその限りじゃない。
そう続けると鼻を鳴らす日向。
プライド高いなぁ…まぁ、表に出てる分だと中忍までなら相手にならない可能性もあるけど。
気を取り直して続きを話す。
「でも…ガイ先生に勝てる人は木の葉の里を探しても片手の数も居ないレベルだと思う」
ガイ先生の強さは実際に稽古を付けてもらって身に染みている。
勝てるとしたら三代目とか…あとはカカシ先生とか?
今はいないけど綱手とか自来也とか。その辺りなら勝負になるくらいの戦闘力だぞ?
あの身体能力の化け物は更にリミッター解除して暴れられるんだから…流石に今回は八門は使ってこないと思うけど。
「体術を主軸にして上忍にまで上り詰めた人だよあの人は。…基礎能力が違いすぎる」
俺達程度じゃ束になっても敵わない。
「…そこまで差があるのか?」
訝しげな日向に端的に答える。
「本気の先生相手だと俺じゃ瞬殺されるよ。日向くんなら…1秒は持つんじゃない?」
先生が八門を使わない+日向が回天を使えるならだけど。…口には出さないがそのくらいには隔絶している。
「面白い…」
顔は面白くなさそうですけど?
まぁやる気になったんなら良いか。
「そんな人からどうやって鈴を奪えばいいのよ?」
呆れた様な声で言ってくるテンテンに
「流石に手加減してくれるだろうから…俺が3秒、日向くんで2秒稼ぐからその隙に鈴を掠め取ってくれない?」
開門を使えば少しは食らいつける。
…手加減してくれるだろうという前提ではあるけれど。
「お前が3秒なら俺は5秒は稼げるだろ」
憮然とした顔で言い返して来る日向に
「
表蓮華無しなら日向の言う通りだろうけど。
ありならせーので始める試合形式であれば初見ならほぼ勝てる。
2回目以降でも勝てる見込みが残るくらいには無法だぞ
「言ったな?見せてもらおうじゃないか」
「精々ビックリするように。…どうかな?」
日向に軽口を返してからテンテンに問いかける。
…断られたら玉砕覚悟で行くしかないんだけども。
「……乗った。でも私じゃそんなに近づけないよ?」
申し訳ないけど体術にはそこまで自信がないし…と言うテンテン。
あー…忍具でのサポート系だったっけ?
「遠距離からの援護ならどう?」
気をそらせるなら良し、鈴を手放させられるなら尚良しなんだけど…と続けると
「それならそこそこ自信はある、かな」
手裏剣術にも自信がある、と。
その場合は…
「鈴を手放させたら後は俺がやる」
それで良いだろ?と俺を見る日向。
「…話が早くて助かるよ」
白眼持ちの日向の方が掠め取れる可能性が高いし。
…さっきもそうだけどやけに協力的なんだよなコイツ。
"そうじゃなきゃ瞬殺だろうし"
この言葉だけで協力しなきゃ勝てないと判断して撤退する俺に付いてきたし。
始めはテンテンだけでも説得して後から日向を回収しに行こうと思ってたんだけど…
「やけに協力的だね?」
冗談めかして言うと。
「お前がそう判断したなら信じてみても良い。それだけだ」
周囲を警戒しながら答える日向。
俺への信頼が高すぎる気もするが…今は助かる。
「…ありがとう」
そう日向に礼を言うと
「…!?来るぞ!」
日向が警告とともに背後を振り返るとほぼ同時に。
「相談タイムは終わったか?」
クソッ…位置が悪い。テンテンが先生に一番近い位置に居る!
「チッ…!リー!」
「了解!」
短い、指示とも呼べないものだが。
咄嗟にテンテンと先生の間に入って位置を入れ替える。
その間に日向がテンテンを連れて距離を取った。
「胸を借りますよ先生!」
「来るか、リー!」
来い!と構える師匠に向かって。
右手にチャクラを回転させながら半身を隠しつつ踏み込んだ。
「やるな!」
先生は笑いながら俺の突撃をいなす。
…此処だ!
「
例の試験官にぶちかました螺旋丸モドキ…回転するチャクラの塊をぶつける。
「成る程…!」
先生の防御した腕ごと巻き込んで回転させるが…
「確かに面白い…でもまだ甘い!」
回転方向をズラしながら俺へと足を振り下ろす。
ネタが割れてる相手にはこの程度の回転じゃ効かないか…!
「それが隠し玉か?」
前線に復帰した日向が俺と先生の間に割って入り、先生の蹴りを逸らす様に受け流した。
「まさか…とっておきはこれからだ」
少しの間任せる!と叫んでからスイッチする様に後ろに下がる。
俺が開門を開くのには少し時間が掛かる…!
「次はネジか!」
「一手、指南してもらおうか?」
油断無く構える日向と先生のやり取りを見やりながらテンテンに伝える。
「予定が狂ったけど…今から10秒以内に先生に隙を作る。そこをついて鈴を切り離せる?」
白眼と柔拳を駆使して時間を稼いでくれている日向だが相手はガイ先生だ。
1人じゃそう長くは持たないだろう。
…思ったより手加減してくれてるからもうちょい何とかなるかもしれないが。
「…やってやろうじゃないの!」
腰から取り出した苦無を持つテンテンを見て俺も覚悟を決めた。
「じゃ、頼んだ!」
防戦に徹して時間を稼いで居る日向と先生の元へ乱入する準備を終える。
(第一門、開門・開!)
体内のリミッターを外す。
チャクラの総量が跳ね上がり、身体が一気に軽くなった。
10秒以内にカタをつける!
「ダイナミック・エントリー!」
そのまま飛び蹴りの要領で先生へと突っ込む。
「リーか!良いぞお前達!!」
青春してるなぁ!と言いながら振るう拳を回避しようとするが…視界の端で日向が動くのを見て無視することにした。
「させるか!」
その言葉と共に日向が俺への迎撃を防いだ。
俺の飛び蹴りが咄嗟に防御した先生の腕に着弾する。
「ふッ…!」
耐えられたが…想定通りだ!
「日向くん!」
「食らえ!」
点穴を狙ったであろう突きも難なく躱されて少し距離が空いた。
「即席にしては良いコンビネーションだな?」
粗は多いが。と腕を軽く振りながらこちらを見やる先生。
「実技の度にやり合ってますから」
多少はコイツのやれる事も分かっている。
それは日向も同じことだろう。…ここから先は初公開だが。
「リー、お前…」
俺の体内を迸るチャクラの奔流を見たのか驚愕したような声を漏らす日向。
「これが奥の手。…行くよ!」
あんま時間が無いから!と言いながら先生へと向かう。
「馬鹿の一つ覚えか?」
悪くはないがそれだけではな!と右手を警戒しながら軽くいなされる。
…かかった!
普段ならチャクラが足りなくて不発に終わるけど…開門状態の今なら威力は申し分ない!
回転するチャクラの塊を両手で同時に叩きつける。
「回れッ…!」
左右それぞれの手で回転させたチャクラの渦が互いにぶつかって先生の回避しようとした先ごと巻き込んで回る。
先生の両足を着地前に掬って地面から離れた。
流石に素の状態じゃ空中で身動きは取れないだろ!
「器用な奴だ!」
これは先生にも見せたことがないからか驚きの声が上がる。
それでも即座に体勢を整えて反撃してくるのは流石だけど…
「…そこッ!」
一本の苦無が先生の顔を目掛けて飛んで行く。
それは造作も無く弾かれるが…
「ようやくテンテンも参加か…ッ!?」
そこで腰元の鈴目掛けて飛んできた2本目の苦無に気付いた先生。
当然迎撃しようとするけど…
「させませんよ!」
開門状態で上がった身体能力で組み付く様に妨害する。
鈴が先生から切り離された。
「なんとッ!?」
ガイ先生の驚く声に少し笑いそうになりながら。
…此処で決められなきゃ俺は役立たずになっちまう。
頼む、日向!と祈っていると、横を涼し気な声が通り過ぎた。
「良くやったテンテン、リー」
日向が先生の腰元から切り離された鈴を奪い取る。
俺は先生と一緒に地面へと倒れ込みながらそれを見ていた。
「まさかこんなに早く取られるとは!お前達を過小評価していたな!」
ハッハッハッ!と車座に座る俺達へと笑う先生。
「運が良かった…と言うか、先生が手加減してくれてたからでしょう?」
開門の反動で節々が痛む身体を労りながら。
最後の組付きだって先生が本気なら俺ごと殴り飛ばせてたはず。
俺がそう言うとさらに笑みを深くしながら
「何を言うかと思えば!これは
合格条件を満たしたならちゃんと取らせるさ。と続きを話す。
「さて、見事に鈴を取られた訳だが…」
固唾を飲んで続きを待つ。
…鈴は2つ、取ったのは3人。普通なら貢献度が高い順に2人選ばれるんだけども。
「全員合格だ!おめでとう!」
その言葉にキョトンとした顔になるテンテン。
やれやれと言った表情になる日向と対照的だな。
「え、だって鈴は…」
困惑した表情で質問するテンテンに答える先生。
「あぁ、これはフェイクだ。…理不尽な条件でも協力できるかを見るためのな」
先生が話し続ける。
「任務に当たってどうしてもこの様な状況に陥ることがある。1人を切り捨てなければ達成できない、そんな状況がな」
真剣な表情で語る先生の言葉に聞き入る。
「そんな状況においてチームがバラバラになる様では任務どころか全員の命が危険に晒されるだろう」
我が身可愛さで抜け駆けする様な奴に命を預けられるか?との問いかけに其々が首を横に振る。
「この試験で見たかったのはその資質があるかどうかだ。不利益を被る可能性があっても協力する意思を貫き通せるかどうか」
自分が貧乏籤を引くとしても仲間のために身体を張れるか否か。
「これは俺の友人が言っていた言葉だが。"ルールを破る奴はクズだが、仲間を見捨てる奴はそれ以下だ"…まぁ、そういう事だ」
故に、全員合格と言うわけだ!と話を結んだ。
安堵したのか一気に肩から力が抜ける俺とテンテン。
変わらず姿勢を正してる日向。
それを見て先生は笑顔で告げる。
「さて、思ったより早く終わったし昼飯でも行くか!」
勿論俺の奢りだ!とサムズアップする先生。
その言葉に其々が返事をしながら立ち上がる。
「…まぁ、偶には良いか」
「折角だから高い所が良いな〜」
「ご馳走になります」
少し打ち解け始めた日向とテンテン、何時も通りの先生と俺で飯を食うことになった。
途中までは少しギクシャクとした空気が段々慣れてきて楽しい食事会だった。
まぁ…いい結果だと思う。
日向も大分テンテンに打ち解けたようだし、チームとしてまとまり始めたのを感じられたし万々歳だろう。
なんにせよ、俺の下忍昇格試験はこうして終わりを告げた。
後は中忍試験、そして木の葉崩しか…
八門と螺旋丸、同時に運用出来るようになれれば御の字だが。
モドキの方で既にギリギリだからどうなることやら…それでもやるしか無いんだけど。
少なくとも我愛羅相手に負傷退場させられないくらいまでは鍛えないと終わる。
リハビリに時間を取られる訳には行かないからな…
ヒシヒシと鬼門が近づいてくるのを感じながら気合いを入れなおした。
下忍昇格試験、オリジナルでも考えたんですが結局カカシ班と同じスタイルで行く事に。
戦闘描写もそうですが読み直すと途中で誰が喋ってんだろ?となる時が多く、都度修整していますが分かりにくい所が有ったら申し訳ございません…