ロック・リー転生伝 作:六亭猪口杯
今までで最長になりましたが中身は薄味ですみません…
中忍試験に関しては作中でも言われていた様に各里の軍事力を見せつけ合う事で戦争を回避すると言うのが真目的で、表向きは各里の交流や皆仲良く次世代を育てよう!みたいなお題目がある感じで考えています。
原作通り派手な登場をしたみたらしアンコ試験官に連れられて第二次選抜会場、通称死の森まで来たわけだが。
「…見られてるな」
鬱陶しい…と言わんばかりの顔で呟くネジ。
「別に良いじゃない、今は見られて困るようなモノもないし」
テンテンはマイペースに手持ちの忍具を確認し始めてる。
「実際に掛かってくる覚悟がある奴なんて一握りだろうしね」
そう呟くと周囲を見渡す。
音の連中と砂の連中以外は及び腰になってるし…
後はカカシ班位だな…噛み付いてきそうなのは。
そんな事を話しているとみたらし上忍から全員に向けて声が掛かった。
「ハイハイ!第二次選抜の説明を始めるわよ!」
適当というか豪放磊落というか…美人なんだけど実際に見るとなんとも形容しがたいなこの人…
「ルールは簡単!天と地、2種類の巻物を持って指定された地点…塔まで巻物を開く事なくたどり着けば合格!期限は5日ね?」
ちなみに死んでも良いって契約書にサインしてもらうからね〜と気の抜ける声で続ける。
「5日間は森から出られないから覚悟を決めたら来るように!…言い忘れてたけど2種類の巻物を揃えて塔まで来れても三人揃ってなかったら不合格にするからね!」
それを聞いて一気に殺気立つ受験者達。
ルールの設定が蠱毒染みてて一次選抜の時とは毛色が違いすぎるしな…他の班の足を引っ張るだけなら1人殺せば良いって言うのもイヤらしい所だ。
「3人揃った所から来なさい!3人のサインと引き換えにどちらかの巻物を渡すわ」
その言葉を聞いて続々と巻物を受け取って死の森へと足を踏み入れる受験者達。
…さっさと並んでおいて正解だったな。
比較的早く森へと入れたし。
少し進んで大樹の上…奇襲を受け難く、発見しづらい場所に移動してから今後について話し合う…前に。
「…2種類って言ってたよね」
テンテンが手にした『天』と記された巻物を繁々と見ながら。
「死んでも良い奴、ともな…」
ネジは周囲に気を配りつつ。
「間違いなく死人が出るね…」
俺はため息混じりに呟く。
互いの隠れ里同士で
…まぁ実際は各里の軍事力を測るための試金石にされてる訳だが。
全員が問答無用で殺し合い…とはならないだろうけども。
血気盛んな奴らは嬉々として襲いかかるだろう。
確実に死んでも良い=殺しても良いと判断するだろうし…
「
折角
木の葉の里だけで行われる試験ならまだしも、他の里の連中…それも中忍を目指す次世代の担い手が集まる試験の
「まぁ…印象は悪くなるだろうね」
こんな殺し合い前提みたいなルール。
特に
手段を選ばずに合格を狙うような奴なら各班から一番弱い奴を1人ずつ暗殺して回るぞ?
それだけで強い奴がリタイアになるなら安いもんだし。
それに初期の我愛羅みたいな殺人を厭わない奴にお前らの里の
「…印象云々で
調整すれば影分身爆弾で死ぬような目に遭うことはほぼ無いし。
口寄せ連続大岩落としだって直撃しなきゃただの障害物だよ?
ブツブツと文句を言うテンテンに何も言えなくなる…与える印象を無視していいなら巻物集めた後に残りの受験者ごと森を片っ端から互乗起爆札で吹き飛ばせばライバル減るしね?
各々が言いたい放題話していると。
「面白い話をしてるわね貴方達…」
やけにねっとりとした声が背後から掛けられる。
振り返ると一人の男が興味深そうな顔をして立っていた。
警戒している
「…誰だお前?」
ネジが油断無く問いかける。
他の里の額当てを着けたその男は記憶に無い顔だったらしい。
第一次選抜を合格した時点でその場に居た連中の顔は全部覚えたと豪語していたネジが知らないとなると…
「ネジくんが見覚えがないって事は…」
ゆるりと体内で回していたチャクラの速度を上げる。
…いつでも八門を開けられるように。
「顔変えてまで態々話しかけてきたって事?」
呑気な声を上げるテンテンもさりげなく袖口に仕込んだ口寄せの巻物に手をかけている。
「警戒させちゃったかしら?」
戯ける様に両手を挙げる不審者…これ、大蛇丸じゃない?
記憶が朧げでイマイチ自信が無いけど…こんな感じの喋り方だった気がする。
「素顔を見せない奴に無警戒で居られるなら忍なんか辞めてる」
「それもそうね…でもごめんなさい?顔は見せられないのよ」
今はまだ、ね…と俺達を見ながら。
「私が用があるのは貴女…」
テンテンの方へと歩き出す。
「指名されてこんなに嬉しくないことがあるなんて驚きだわ」
背筋がゾワッとした…と言うテンテンを庇うように立ちはだかる。
「そこで止まれ。話ならそこでも出来るだろう?」
制止しながら静かに開門を開いた。
体内を巡るチャクラの流れが加速する。
いざとなれば三門まで開いて隙を見て逃走、最悪は此処で五門まで開いて相討ちにできる事を祈るハメになるな…
俺が
「同感だ」
白眼を起動したまま不意討ちに備えるネジ。
俺達を見てやる気だと判断したテンテンからこっそりと苦無を受け渡される。
…刺してこい、若しくは近くに置いてこいって事か。
後ろ手に腰の裏、ベルトの様に巻いた額当てに挟み込む。
「しょうがないわね」
やれやれ…と肩をすくめてその場に止まる。
「貴女、そう…テンテンと言ったかしら?」
貴女の術に興味があるの。と続ける。
「かの二代目火影、千手扉間の影を追いかけている英才…少し試してみたくてね?」
何処でそんな事を聞いたのか、テンテンを品定めする様に見つめる大蛇丸(仮)。
彼我の距離は8m程度、俺でも一瞬で詰められる距離だ。
伝説の三忍、その中でも忍術に傾倒している大蛇丸が相手だと仮定するとこんな距離は有ってないようなもんだろう。
拳を固める様に握りしめながら隙を探る。
「私は別に二代目様を追ってるわけじゃ無いんだけど?それに…あんたみたいな不審者に手の内を見せるわけないじゃない」
不満そうな声で答えるテンテン。
この状況でマイペースというか何というか…
「あら、そうなの…残念ねぇ」
本当に残念…と呟いて挙げていた手を下ろした。
「それならしょうがない…
貴方達を死体にして。と言うが早いか目にも留まらぬ速度で印を結ぶと手首から先が蛇に変わって延びてくる…やっぱ大蛇丸だろお前!?
「リー!」
「了解!」
ネジの号令と共に開門から
伸びた蛇をネジが弾くのを視界の端で捉えながら一瞬で距離を詰めて殴りかかる。
腕が延びた分鈍重になっているかもと期待したんだが…
「八門遁甲…優雅さの欠片もない」
つまらなそうな声と同時に瞬時に蛇と分離した両手で軽くいなされて回避される。
万国びっくりショーかお前…簡単に腕生やしたり外したりすんなよ…!
「それが取り柄なもんで…ね!」
体術も上澄みなのかこのオカマ…強すぎて笑えてくるわ…!
途中で蛇やら苦無やらが飛んでくるが全て回避、迎撃しながら張り付き続ける。
見切れない程の速さじゃないのが救いだな…
細かく打撃を分散して隙を探るが上手いこと対処されている。…今は大技を封じられてるだけマシだけど、このままじゃジリ貧だ。
休門以上だと俺の速さに付いてこれないからネジとのコンビネーションを組み辛いのが想像以上にキツイ…やり合ってる感じだと今この相手に対処するなら
「体術一辺倒…才能が無い癖に頑張るじゃない?」
嘲る様に笑う大蛇丸(仮)…もう大蛇丸で良いか。
「その俺に足止めされてるアンタは無駄に術が使えて羨ましいよ…!?」
軽口を叩くと同時に開いた相手の口から出てきた刀を首を捻りながら回避するが…
「シャッ!」
そのまま振り回すなよお前口の中どうなってんだ!?
咄嗟に白刃取りしてへし折ろうとするも硬過ぎて破壊出来ない…良い刀使ってんなぁ!?
「危ないだろうが!」
生門状態の力をフルに使って掌で挟んだ刀ごと体を回転させて奪い取る。
やけに簡単に手放したな?と訝しむ暇もなく。
そのわずかな隙に印を結んだ大蛇丸(仮)の口から炎が噴き出した。
「火遁・豪火球の術!」
不味ッ…!?
「…油断するな!」
咄嗟に俺の前に飛び出したネジが回天で弾き飛ばしてくれたお陰でダメージは無いが…今のはヤバかった…!
「助かった…ありがとう!」
感謝を述べながら再度接近戦を挑む。
印を結ぶ隙を与えると厄介極まりない…なら使う隙を与えないように殴り続ければまだやれる。
「貴方は日向の…惜しいわね、分家でなければ貴方でも良かったのだけれど…」
俺の乱打を捌きながらネジに話しかけるだけの余裕があるのか…既に普通の忍じゃ目で追えないほどの速さで殴り合ってるっていうのに。
「こっちは大丈夫だからテンテンさんを!」
「…分かった」
気をつけろよ!とテンテンのそばまで戻るネジ。
狙いがテンテンらしい現状では彼女を一人にしておくのは危険でしかない。
いざという時に防衛出来る奴が近くにいる必要がある。
これが終わったらネジにも口寄せ契約結ばせとかないと不味いかもな…格上を相手にする時に俺たちの中で唯一の絶対防御持ちのネジが俺かテンテンのどちらかにしか着けないのは明確なデメリットだ。
「一人で大丈夫かしら?」
二人がかりなら勝てるかもしれないわよ?と挑発してくる大蛇丸に。
「今のアンタなら俺一人でも十分耐えられるからな」
そう言いながら奪った刀を逆手に持ちかえて殴る。
刀の使い方なんて知らんし仕方がないとは言え邪魔だなコレ…!
「あら?使わないの?」
折角貸してあげたのに、と嘲笑いながら両手で受け止める大蛇丸。
今回は受け流さずに受け止めたな…目的はこの刀か?
「貴方には
俺がもぎ取った刀を回収するためか、蛇のように絡みついて来た腕を身体の表面に薄く張ったチャクラの回転に巻き込んで僅かに体勢を崩させる。
開門状態では打撃の着弾点を逸らす程度が関の山だが…生門まで開いている今なら
驚愕した様に目を見開く大蛇丸…ここだ!
「くたばれ変態!」
少し泳いだ身体に刀を持ったままの右手を叩き込む。
こんな手打ちの打撃、生門状態とはいえ直撃したとしても大したダメージではないだろうが…
「…ッこんな子供騙しで…!」
直前に発動する螺旋掌を織り交ぜればそうもいかない。
発生させたのが掌ではない分威力も落ちるが生門まで開いた状態なら…コレは防御の上からでも当たりさえすれば相手を強制的に浮かせることが可能だ。
その隙を逃さず最初にテンテンから預かった苦無をガラ空きになった脇腹に突き刺した。浅く入っただけのそれは大ダメージとは言えないだろうが…
「テンテンさん!」
こっちにはそれを補う手段がある。
「口寄せの術!」
目の前の風景が入れ替わるようにテンテンの元へと戻ると同時に、俺が刺した苦無を起点に広がった
「吹き飛びなさい!」
テンテンの掛け声と共に。
「……は?」
誰かの間抜けな声を最後に大爆発。
歯を食いしばりながら爆風を受け流すネジ。
真横を土煙に混じった木々が吹き飛んでいく。
…俺達の前に立つネジが回天で爆風を逸らしてくれなきゃ纏めて吹き飛ばされてたんですけど!?
「さっさと逃げるぞ!」
少しずつ爆風が和らいで来た頃に
爆発から目を逸らさずに白眼で確認していたネジから指示が飛ぶ。
アイツ、
あの化物から逃げるなら生門を開いたままの俺が限界まで担いで逃げたほうが速い。
幸運な事に追ってくる様子もなく、他の受験者に遭うことも無かった…最悪は五門まで開くつもりだったけど何とか振り切れたみたいだな。
「アレが下忍とか何の冗談だ…!」
十分距離を取った後、洞窟に隠れるようにしながら一息吐いているとあの男…大蛇丸についての話題になる。
吐き捨てる様に呟くネジに、生門を開いた反動に耐えながら答える。
「あの化物とは、もうやり合いたくないね…」
あれが影分身だとしたら最大でも全力の半分しかないチャクラ量で俺の
流石にアイツ大蛇丸じゃね?とは言えないけどヤバいヤツだって事は共有出来た…それだけでも良しとしよう。
「分身体であのレベル…下手したらガイ先生以上かも…」
そう呟くテンテンには内心で否定するが。
あの程度、ガイ先生なら三門でも木っ端微塵に出来るだろう。
仮にアレが十分の一だったとしても…本体が十倍のチャクラを持ってたとしてもガイ先生が負けるビジョンは見えない。
…いくら大蛇丸とは言え純粋な暴力の塊に対処出来るだろうか?
羅生門でも大蛇でも止まらないぞあの人…流石に毒霧散布されたら効くか…?いや、拳で周りの空気ごと吹き飛ばしてる姿が目に浮かぶわ。
やるなら屍鬼封尽でみたいな自爆技で強制的に相討ちするくらいしかなくないか?
軽く現実逃避していると。
「兎に角、あの男には近づかないって事で良いな?」
同じ手は通用しないだろうし、と呟くネジに
「…禁じ手を使って良いなら多分2回までは何とか出来るよ?」
互乗起爆札で半径100mごと爆砕すれば逃げ切れるでしょ。と残弾を確認しながら呟くテンテン。
「…五門まで開けば最悪でも相討ちに持っていけると思うよ?」
さっきと同じレベルの影分身なら殴り勝てる。…その後しばらく役立たずになるが。
仮にアレが全力の半分だと仮定した場合、本体相手だと六門でようやく勝ち目があるレベルだな…制限時間も短くなるしかなり分が悪い賭けになるけど。
それ以上の場合…アレが四分の一とか八分の一の分身体だったとしたら流石に無理だが。
テンテンと俺がそう答えると。
「別に無理をする必要も無い…俺たちの目標は中忍試験合格だからな。…だからそれは仕舞っておけテンテン」
三代目から言われてるだろ、と言うと渋々巻物を仕舞うテンテン。…アレが
「少し休んだら出発だ。巻物を手に入れたら直ぐに塔に向かう」
流石に試験官がいる前で襲ってくるような馬鹿じゃないだろ。と白眼を発動させたまま目を閉じるネジ。
索敵は任せっきりに成っちゃうから本当に頭が上がらないね…
「了解…」
ようやく生門の反動も落ち着いて来た…と肩を回しながら少し煤けた上着を脱いで払っていると。
そんな俺の様子を見てネジが口を開く。
「…お前も大概だな、リー」
開門を常日頃から使用してる変態なだけはある。と冗談混じりに続けるネジ。
「私にも使えたら良かったのにな…」
テンテンが羨ましそうに見てくる。
ガイ先生は全員に八門を伝授しようとしてくれたが…ネジにも八門への適正があったと言うのは意外だった。しかし…
『柔拳と相性が悪すぎる』
との事で習得はしていない。
強制的にチャクラを励起させる八門と点穴を突くために精密なチャクラコントロールを要する柔拳は相性最悪だ。
テンテンに関しては純粋に才がないとの事。頑張れば開門は開けそうだがそれを習得するよりも他の術を学ぶ方が良いと判断された。
「テンテンさんには忍術があるじゃない…」
俺には使えないからお相子でしょ、と答えつつ先程の起爆札の件について質問してみる。
「そう言えばさっきの大爆発は何だったの?」
同時使用の規定枚数内だとは思えない威力だったけど…と呟くと。
「あぁ、あれ?起爆札くっつけた投網を口寄せしただけだよ?」
「投網?…成る程、道理で…」
起爆札を仕込んだ投網を展開して全方位から巻き付かせて爆破…下忍相手なら十分刺さるだろう。
口寄せから展開、巻きついてから起爆までの時間もごく僅か…精々1秒もなかった。
今回はゼロ距離で
仮に避けられても回避した先ごと巻き込める火力で吹き飛ばせば良いってコンセプトか…些か殺意が高すぎる気もするが。
「口寄せで喚んだ投網に巻き付かせて編み込んだ起爆札でドカンって寸法よ…起爆札はちょっと工夫したヤツだけど」
工夫?と疑問符が浮かぶ俺たちに説明を続けるテンテン。
「互乗起爆札から着想を得て起爆札2枚を纏めて威力の向上を図った試作品なんだけどね?想像通り威力が上がった代わりにちょっとした衝撃で発火する欠点が残っちゃってさ…作ったは良いけど威力が高過ぎて使い所に困ってたし丁度良いから押し付けちゃえ!と思って」
二枚を一枚にするだけでも製造コストが5倍になってるのにそれで影分身一つしか取れないなんてコストパフォーマンス悪すぎるし、何故か導火線も短くなるから使い難くて…と苦々しい顔をするテンテンを見ながら
「…それ、三代目様は知ってるの?」
一応確認するが…
「知らないんじゃない?誰にも言ってないし」
失敗作なんて態々伝えないわよ…と少し遠い目になるテンテン。
おおぅ…と額を押さえながら呻く俺とネジ。
「…他に隠してるモノは?」
ネジが少し険しい目をしながら問いかける。
これ以上の危険物は早々出てこないと思うけど…テンテンならあり得ないとは言えないからしょうがないね?
「そりゃまぁ…いくつかは?」
としれっとした顔で言うテンテンに
「教えてもらえるか?あの男レベルの相手には必要になる」
…次も逃げ切るために。と続けるネジ。
「別に良いけど」
例えば…と話し始めるテンテンの顔は何処かイキイキとしていた。
「お前、一体何と戦うつもりだ…?」
ネジの言葉に頷きながらテンテンの持ち物を思い浮かべる。
流石に実物を出すわけにもいかないから、と口頭で説明された口寄せ契約された数々の
「互乗口寄せの印を刻んだ大岩に大量の起爆札(改造版含む)、カタパルトと毒沼に鋼糸はまだ分かるとして…」
まさか
「何を考えたらそう言う発想になる?」
若干引きながらそれでも意見を聞く姿勢を崩さないネジ…それでこそ俺達のリーダーだ。
「影分身に使わせれば私自身を口寄せ出来ないかな?って」
前に試した時に成功したから使えなくはないよ?少し準備はいるけど…と続けるテンテン。
…その発想が目をつけられた原因っぽいな?
確かにナルトも螺旋丸を多数打ち込んでたし影分身体でも本体と同じ術を使うことは出来るだろう。
でもそれを
もしかしたらこれが飛雷神の術の原型なのかもしれない。
「…そう言えばリー?その刀はどうしたの?」
感心していると不意に問いかけられて右側に立てかけていた刀を手に取る。
「あぁ…あの男が持ってた奴だね」
随分と頑丈だったから持ってきちゃった。と適当に地面に放る…おお、4分の1くらい地面に刺さった。切れ味も良いなこの刀。
「…マーキングの類は無いな」
白眼で確認したネジから注意される。
「軽率な真似はするな。もしマーキングされてたらあの化物ともう一度やり合うハメになってたぞ?」
…面目ない。
「ごめん…今後は気をつけるよ」
頭を下げて謝罪する。
確かに不用心過ぎた…
「…まぁあの男の武器を奪ったのは大きいかもな?」
フォローする様に話すネジに対して
「でもこれで更に目をつけられたかも…」
ごめん、と再度謝罪を繰り返す。
咄嗟にそこまで頭が回らなかった自分の間抜けさに辟易する。
重いため息と共にそう続けると
「そうとも限らないんじゃない?」
今度はテンテンからフォローされる。
「影分身…少なくとも本体じゃ無い方に持たせるくらいだもの。多分あの男にとっては無くしても代わりがあるんでしょ」
私なら影分身に戦闘中に奪われる可能性がある大切な物は持たせないし。と呟くテンテンに質問する。
「…自分を口寄せさせる巻物は?あれも奪われたら不味いでしょ?」
擬似的な飛雷神の術を使うためのそれを奪われたら命を握られてるも同然だ。と指摘すると
「あの巻物は開く手順を間違えたら開いた奴ごと吹き飛ぶから良いのよ」
口寄せの巻物は開く時に私のチャクラが感知出来なければ自爆する様にしてるし…その巻物自体も口寄せ可能だから。と微笑むテンテン。
「本当に盗られたら不味いものならそのくらいは当然でしょ?」
そう嘯くテンテンが地面に突き立った刀をチラリと見やりながら話し続ける。
「その手のものを仕込んでもいないって事はあの男にとってはその程度の価値しか無いって事でしょうし…遠慮なく貰っちゃえば?」
この世界でそこまで考えて使ってるやつが居るとは思えないんだけど…確かに原作でも何本か出てきてたし、予備のうちの一つと考えられなくもない、か…?
考え込む俺をよそに刀を見ていたテンテンから声が掛かる。
「…それ、ちょっと貸してもらっても良い?」
そう言うテンテンへと手渡すと柄を握って暫く目を閉じて黙り込んだ。
少し待っているとパッと目を見開いて凄い勢いで喋り出すテンテン。
「リー!これ私に譲ってくれない!?」
続けて、チャクラ刀なんて初めて見た!と小さく悲鳴を上げる。
チャクラ刀。
無機物でもチャクラに対応して何かしらの変化をもたらす武器…らしい。
詳しい製造方法は知らないがそういった物があるのは確かだ。
忍刀七人衆が使用している鮫肌や首切り包丁のような超絶レア物から性質変化に対応するナイフみたいなものまでピンキリだが。
曲がりなりにも大蛇丸が使用していたのだからそれなりの業物と見たが想像以上に良い拾い物だった可能性があるな?
「最初見た時より何か縮んでる気がしたけど見間違いじゃなかった!この
ほら!と目の前に出された刀は確かに少し延びている様だった。
…まぁ、だからどうしたって感じだけども。
慣れてないからか刀身の伸長も遅いし。
切れ味は鋭いが伸びるだけの刀じゃ微妙じゃないか?
「伸びる刀ってだけでしょ…微妙じゃない?」
そんなに興奮する様なモノには思えないんだけど…
剣術の心得が無いなら不意討ちにも使えるやたら頑丈な鉄の塊が精々だろうに。
いきなり間合いを潰せるのは利点だけど今から剣術を修めるのは非現実的過ぎるし…俺が使うならバットみたいに振り回すくらいしか無い。
リーチを極限まで伸ばして振り回せばそれなりに使えるかも知れないがそれをやれるくらいまで八門を開いているなら直接殴った方が速い。
そんな事を考えていると次の言葉で一気に認識が変わった。
「本質はそこじゃないわ…この刀、
ほら!と手放すと数センチ延びたままの刀がそこに鎮座していた。
「外付けのチャクラタンクに出来るかも知れない…!」
身につけたままだと緩やかに本人に還元されちゃうみたいだけど…と続けるテンテンに
「口寄せならチャクラを溜めたまま持ち運べるかも…って事か」
んでもって追加のチャクラが欲しい時だけ呼び出して使えばいい、と。
もしもそれが可能なら
…俺じゃ使いこなせそうも無いし、宝の持ち腐れになるくらいなら。
「良いよ。どうせ俺じゃ使いこなせないし…持っていきなよ」
はい、と刀をテンテンに手渡す。
「ありがとう!今度何か奢るから!」
テンションが上がったテンテンが広げた巻物…
「…そろそろ行くぞ。さっさと巻物を集めてこんな試験はクリアだ」
立ち上がるネジに続いて俺たちも歩き出す。
初手から大ボス(分身体)相手とやり合うハメになるとは思って無かったけど、何とか切り抜けられて良かった…
一回撃退したしこれで退いてくれたら万々歳なんだけどなぁ…サスケの方に集中してくれれば良いんだけど、木の葉崩しと並行する様な奴だし望み薄かもしれない。
八門の反動とは別に少し重くなる足を進めるのだった。
超難産でした…大蛇丸の口調や影分身体での戦闘、草薙の剣に関するアレやこれやをこねくり回した結果が今話になります。
例によって色々捏造しまくってますがご容赦頂けますと幸いです。
戦闘描写が難しすぎて吐きそうですが楽しんで頂けましたら嬉しいです…