ロック・リー転生伝   作:六亭猪口杯

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感想は全て目を通させて貰ってますが返す時間が取れず本当に申し訳ございません…年度末に向けて忙しくなり、続きを書くのに精一杯ですが楽しんで頂けますと幸いです…!


第三次選抜予選

 

 

塔にたどり着いてから早くも3日。

今日の正午を持って第二次選抜が終わるんだけども。

 

「砂の子、結局一睡もしてないね…?」

 

信じられない、と言った顔で瓢箪を背負った赤髪…我愛羅の方を見ているテンテン。

 

「…俺達よりも早く辿り着いた奴等だ。一筋縄じゃいかないだろう」

 

壁に寄りかかって休憩していた体勢から軽く目を開きながら答えるネジ。

 

1日目に辿り着いた唯一の班だし警戒するに越したことはない、と続けるネジ。

 

ちなみに俺達は2番目だった。

大蛇丸から逃げた後に狩った奴らが地の巻物を持ってたら初日で来れてただろうけど…結果的にそのおかげでナルト達を助けられたからあれで良かったと個人的に思っている。

 

「やり合う時は注意しろ。扇子持ちは恐らく風遁使いって事位しか分からないが…あの隈取は傀儡使いでほぼ確定だ」

 

 

傀儡使い。

 

チャクラを糸のように伸ばして張り付けた物を遠隔で操作する砂隠れの里ではメジャーな術体系だ。

 

もっぱら人よりも大きい絡繰り人形を使用する形に落ち着く様だが…絡繰りと言うだけあってギミックの多さは音隠れのあの(腕にギミック仕込んだ)二人を凌駕する利便性がある。

 

手練れとして名を馳せた砂隠れのチヨ婆は指の数まで同時に操作して城を落としたと言う逸話も残っている程には有名な術だ。

…サソリとか言うマッド野郎はそれを凌駕する変態だが。

 

そもそもチャクラの糸を引いて操作する関係上、腕力もそれなり以上にあるから近づいても一筋縄では行かない可能性が高い。

 

絡繰りのギミックは基本的に毒の使用がメインになる為近接戦闘しか出来ない俺では比較的相性が悪い相手である。

 

 

そんな事を考えているとネジが我愛羅について言及し始めた。

 

「それにあの瓢箪…チャクラが混じってるが中身は砂で間違いない」

 

何に使うのかは定かじゃないが態々重い砂を持ち運ぶくらいだ…警戒するに越したことはない。

 

俺達にだけ聞こえるように小さな声で忠告してくる。

 

事前に注意喚起してくれるのは助かる。

他の受験者と違って態々忠告してくれたのはそれほど強いと判断したって事だ…中忍試験時の我愛羅は必要のない状況でも人を殺すのに躊躇いがないから油断する気は無かったけど、改めて言われると気が引き締まる。

 

「…注意しておくよ。ありがとう」

 

俺がそう答えると再び目を閉じて休憩の体勢に入るネジ。

大分丸くなったと思ってたけど…これは想像以上に思われてるっぽいな?

 

「了解…それにしても多いわね?」

 

一桁まで減るかと思ってた。と呟くテンテンに

 

「案外殺し合わなかったみたいだね」

 

テンテンの予想以上に多い面子を見ながら答える。

 

あれは…猪鹿蝶トリオに、日向のお姫様の所…さっきの話通り、砂の連中も居るな。

音隠れの奴ら(超音波と謎小手)は流石にズタボロにしたからかここには居ないが…

 

「音隠れの仲間か」

 

最後に到着してからやけにねっとりとした視線を向けてきてる奴が率いる1班、音隠れの額当てを着けている連中も居た。

 

現状でパッと見回しただけで4チーム、俺達を含めれば5チームの計15人が合格ラインに立っている訳だ。

 

我愛羅や大蛇丸辺りが虐殺してるイメージだったけど塔に入ってからは大人しいものだ。

 

…大蛇丸っぽい奴が時折殺気を飛ばしてきてるのが問題ではあるが。

 

「あの男だと思うか?」

 

ネジが俺の言葉を聞いて小さく確認を取ってくる。

 

初日に出会して撃退した後は接触してこなかった大蛇丸であろう男。顔を変えていたからハッキリとそうだとは言えないのがタチが悪いけど…

 

「…確証はないけどね。着いてから俺たちにだけ殺気を飛ばして反応を窺ってるみたいだしほぼ確定と見ていいでしょ」

 

あれは反応を愉しんでるだけだろうけど。と呟く。

 

「厄介な…」

 

苦々しい口調で吐き捨てるネジ。

 

「チーム戦ならまだ何とかなるけど、流石に個人戦だと厳しいかも…」

 

テンテンも嫌そうな顔を隠しもしない。

 

「例年通りならそろそろ個人戦になるだろうしね…」

 

中忍試験の内容は毎年違うものの、最終試験までに個人戦が無かった年はない。

 

…原作通りなら今回は次から個人戦になるはずだし。

 

そんな事を話している俺たちを見てニヤリと口の端を曲げて笑う大蛇丸(ほぼ確定)。

 

俺とテンテンが軽く立てた親指を下に向けるジェスチャーを返しているとネジが

 

「…俺かリーが当たることを祈るしかないな」

 

どちらかならまだ目が有るかも知れない、と口にする。

 

ネジも俺も良くて相討ち、普通にやったら惨殺されて終了だと思うんだけど…?

 

「あれが本気なら、の話でしょ?流石に本体が出張ってきたら厳しいよ」

 

分身体一体を片付けるのに三人がかりだったんだし…と否定する。

一応、俺にもネジにも()()()があるから一回目なら何とかなると思うけど…

 

「ルール次第だけど…無理そうなら降参するのが吉だと思う」

 

もしも死ぬか降参するまで、ってルールだったとしたら。

アイツ相手に1人だと死にかねない、と忠告する俺に

 

「端から諦めるのか?」

 

不満が滲み出ている声で反応するネジに苦笑しつつ

 

「ぶん殴っても蹴り飛ばしても倒せない相手ならね?」

 

試すだけ試してダメならって意味だよ。と答える。

 

「少なくとも俺とネジは一撃で死ぬ様な羽目にはならない…と思う。俺達ならガイ先生の五門の一撃に耐えられるから流石に即死って事は無いだろうし」

 

だから、問題は君だ。とテンテンへと向き直る。

 

「三人の中で一番脆いテンテンさんは一対一だとあのタイプ(接近戦が出来る上位互換)には一番相性が悪い。近づかれたら終わりだと思った方が良い」

 

あれは多彩な忍術を使える俺以上の体術使いだ。

基本的に手堅い防御と隙を作るための動きに特化した体術。

印を結ぶ速度は一度だけ見せてもらった三代目に勝るとも劣らない速度。

ネジなら回天で、俺は八門で下駄を履けばまだギリギリ対処可能では有るものの本気を出されると何が飛び出てくるかわからない怖さが有る。

 

「一応離脱手段は確保してあるけど…そうね。今の私じゃちょっと勝ち切れない」

 

全部有りならどうにかできるかも知れないけど。と呟くテンテン。

 

「体術に関してはリーやネジ以上には分からないからさ。無理そうなら直ぐ降参することにする」

 

一応足掻けるだけ足掻くけどね?と笑う。

 

「それに一応三代目様には報告してあるし。案外サクッと合格させてカチ合わない可能性もあるんじゃない?」

 

下忍とは思えない化け物が中忍試験に紛れ込んでいる。

塔に着いた初日に俺達は巻物から出てきた中忍…アカデミーの先生にそう伝えた。

 

お前たちが言うのか…?と言った顔をされたが、その俺達がそいつ一人に対して三人がかりで撤退するのが限界だったと言うと真剣な顔に変わってすぐに報告を上げてくれることになった。

それでもあの大蛇丸を止められるとは思えないけど…

 

「滅多なことにはならないでしょ、多分」

 

三代目を信じているテンテンはのほほんと続ける。

 

それを見ながら内心に苦いものが満ちていくのを感じた。

…正直に言うなら滅多な事になるのだろう。

 

この先の三次選抜の途中で起きるであろう木の葉崩しによって。

 

でもそんな事は口が裂けても言えやしない。

何故知っているのかを説明出来る根拠が無いから。

 

「…そうだといいね」

 

「…だと良いがな」

 

俺とネジの返答が被る。

この数日で少し休めたからか、言葉の端から少し安堵したような感情が見て取れた。

 

それに気づかれたのを恥じたのか話を変えてくるネジ。

 

「うちはの所は結局来なかったか」

 

まぁあの程度では無理も無いが。と続けた。

 

二次選抜終了までまだ少し時間があるとはいえ此処にナルト達の姿は無い。

 

「アレが全力なら無理だろうけど…」

 

小さな声で呟く。

 

あの班…カカシ班の脅威はサスケだけじゃない。

豊富なチャクラによるゴリ押しが可能なナルトがいる限り大抵の相手なら切り抜ける事も容易だ。

そこに冷静に状況を見ることが出来るようになったサクラが加われば話は変わってくるだろう。

 

「随分高く買ってるんだね?」

 

そんな強そうには見えなかったけど…と疑問符を浮かべるテンテン。

 

「ああ見えてもBランク任務を熟した小隊だよ?隠し玉の一つや二つあってもおかしくない」

 

カカシ班が波の国で戦闘任務を成功させた、と言うのは下忍の間でも有名な話だ。

 

「運が良かっただけじゃないの?カカシ上忍もいたんでしょ?」

 

あのガイ先生のライバルが。と呟くテンテン。

 

…確かにガイ先生が付いてくれてるなら今の俺たちでもBランク位なら余裕だろうね?

 

いざという時のガイ先生(強制リセットボタン)が居てくれるなら誰でも行けるとは思うけど。

 

「そうだとしても足手まといにならない程度にはやれるって事だよ」

 

対忍戦闘を行うにあたって一番厄介なのは守らなきゃいけない対象がいる時だ。

実力差がハッキリしてるならまだしも伯仲する様な相手だと守る対象がいる方が圧倒的に不利になる。

 

Bランクでそんな強者に当たる可能性は早々無いはずだけど…再不斬+白なんて特級クラスの忍とかち合ったカカシ班は運が良いんだか悪いんだか…

 

公開されてない情報だから口には出さないけれども、波の国でガトーカンパニーが倒産したと新聞に載っていたからあの二人とカチあったのはほぼ確定と見ていいだろう。

 

「…ガイなら瞬殺して終わりそうだが?」

 

想像したのか少し辟易とした顔でネジが呟く。

 

「それはそう」

 

世界のバグじみたガイ先生なら俺達がピンチになった瞬間、相手が何かする前に殴り飛ばしておしまいだろうな…

 

そんな事を考えていると

 

 

 

「ギリギリセーフ!」

 

「危ないところだったわ…」

 

「フン…」

 

件のカカシ班が姿を現した。

 

「…驚いた。あの状態から此処まで来れるとは」

 

少し目を見開いたネジが思わず、と言った感じで呟く。

それを見てサスケが俺たちの方を見ながら

 

「借りを返しに来たぞ」

 

と言うが早いかナルトが割り込んで来た。

 

「あ、リー!ありがとなー!」

 

助けてくれた借りは返すってばよ!と笑う。

 

このウスラトンカチ、今は俺が話してんだろ!と軽く小突き合う2人を見て苦笑しつつ。

 

「うちはくんもナルトくんも間に合って良かったね」

 

ギリギリみたいだけど。と目を向けた方向に三代目火影と上忍…一次・二次選抜試験官の2人が立っていた。

 

 

「揃っているようじゃな」

 

三代目が口を開くと同時にそれぞれの班で話していた声が止んだ。

全員の目が集まるのを待って再度口を開く三代目。

 

「先ずはおめでとう。ここに居る君達が第二次選抜の合格者じゃ」

 

その言葉に胸を撫で下ろすもの、次は何をやらされるのかと警戒しているものとそれぞれ反応が上がるが

 

「此処で諸君らにはこの試験の真意について説明しておこう」

 

 

滔々と語る三代目火影曰く、これは戦争の縮図であると。

 

各里の交流の文化=殺し合いの歴史でもある。

 

戦争をして戦力を削りあう位ならいっその事お偉いさん方を集めて御前試合にして各里のパフォーマンスの場にしちまおう。

 

そう考えたらしい昔の偉い人が策定したのが今日の中忍試験…という事になるらしい。

 

 

「二次選抜が殺し合い前提なのはそのせいか」

 

納得したように呟くネジ。

 

「…それなら別に使わせてくれてもいいじゃん」

 

殺し合いの縮図でなんで片腕縛られながら(必殺技を縛られて)やらなきゃならないの?と不満気に呟くテンテン。

 

「流石に全部OK出してたら二次選抜で残るのは0人か俺たちだけになっちゃうよ…」

 

ぶっちゃけ本当に何でもありなら二次選抜でライバルを蹴落とす一番簡単な方法は塔に入る直前で全員始末すれば良いだけだし。

 

初手で塔に辿り着いて周囲を罠だらけにして足を止めた所を互乗起爆札で逐一全滅させれば良いんだもの。

 

それを生き残れる様な強者は俺とネジが潰せば俺たち以外全滅させられたんじゃないかな…大蛇丸と我愛羅は除くけど。

その2人に関しても3人揃ってなきゃダメってルールだから互乗起爆札で残りの2人を始末しちゃえば強制的に失格に出来るだろうし。

 

戦争(殺し合い)の縮図なんでしょ?」

 

なら効率よく全滅させた方が良いじゃない。とイマイチ納得がいかない様子…どう言ったものか。

 

自分の意見を人に伝わる様に話すのは難しい…

 

「なんていうか…"互いに死ぬ覚悟のある命懸けの戦い"と"相手を殺すのが目的の戦い"じゃ全然違うでしょ?」

 

前者はまだ友好の志が見えなくもないけれど。

後者は完全に殺し合いだ。

後者に一番近いのは大蛇丸との一戦だけど…あれも相手が本気じゃなかったからなぁ…テンテンの実感が薄いのはそのせいかもしれない。

 

「三代目様はちょっと言葉が強いけど…多分そう言う意味じゃないかな?」

 

「…殺し合いじゃなくてあくまでも試し合い。その結果で死ぬのは許容範囲だけどそれが目的じゃないから控えろって事か…」

 

何やら納得してくれた様子にホッと胸を撫で下ろす。

横で軽く頷くネジと…後ろの方でガイ先生も満足そうにサムズアップしている。

 

良かった…と思っていると丁度三代目の説明も終わりを迎える所だった。

 

「…忍の世界の友好とは命を削り戦うことでバランスを保ってきた慣習の事。第三次選抜の前に今一度言おう」

 

 

これは己の夢と里の威信を掛けた命懸けの戦いなのじゃ。

 

 

三代目がそう締めくくると質問を投げかける我愛羅。

 

「能書きは良い。その命懸けって試験を教えろ」

 

…実際に見てみると能面みたいに表情が変わらない奴だな。

 

「ふむ、それに関しては…」

 

「恐れながら火影様。続きは審判を仰せつかった私から…」

 

影のように現れた上忍らしき男の言葉に頷く三代目。

その男はすっと立ち上がると俺たちの方へと向き直って

 

「皆さん始めまして。審判の月光ハヤテです……」

 

 

その後色々と説明してたが要は

 

君達多すぎ(想定以上に残ったので)。大名の時間は限られてるから三次選抜に向けての予選を行います。ここからは個人戦なのでやめたい人はご自由にどうぞ』

 

って事だった。

 

原作通りなのにホッと胸を撫で下ろすものの俺が倒した音隠れ3人が欠けているのと、カブトの姿が見えないのも少し不安を煽られる。

本来なら此処で辞退するって流れだったはずだけど…

 

「…リー?…リー!」

 

ハッと思考の海から戻ると目の前で手を振りながら呼び掛けてきて居たテンテンと目が合った。

 

「大丈夫?そろそろ始まるから舞台から離れろってあの審判が言ってたよ?」

 

「あ、あぁごめん、ちょっとボーっとしてた」

 

大丈夫だから、とテンテンに続いて舞台を降りる。

 

「…では予選第一回戦の組み合わせを発表します!」

 

審判の言葉と共に舞台の上の液晶が名前を表示する。

 

「第一回戦は…うちはサスケVS()()()()()!」

 

……あの男(大蛇丸)じゃねぇか!?

 

「うちはも運が悪いな…」

 

ネジが少し同情的な目で見ている。

本来ならここでカブトの同班、チャクラを吸収するとかいう強能力持ちとやり合うはずなのにいきなり大ボスが相手なのか…

 

「そんな奴に負けるなよサスケェ!」

 

「頑張って、サスケくん!」

 

ナルトとサクラの応援を受けて気合が入ったのか相手を睨みつけるサスケ。

それを見ているヨロイ…大蛇丸は口の端だけで嗤う。

 

「それでは…はじめ!」

 

合図と同時に特攻するサスケをいなしながら軽く触れる大蛇丸。

何回か繰り返していると段々動きの精彩を欠いて行くサスケ…動きが悪くなってるな?

 

「珍しい術だな…チャクラを奪うのか」

 

疑問に思っていると白眼で仕組みを把握したのかネジが少し目を見開いて説明してくれる。

 

「触れたところからチャクラが相手に流れ込んでいる。…小器用な術だが俺達には通じないな」

 

あれは相手の身体に直接触れなければ効果がない。と呟くネジ。

 

…部下の術を使用出来るのか。

考えてみれば当たり前な話ではある。

血継限界等の血筋に依る術以外ならあの大蛇丸(三代目の弟子)が使えないはずもない。

 

「…なんで本気を出さないんだろ?」

 

あの程度なら瞬殺でしょうに。と呟くテンテン。

初日の襲撃時よりも格段に動きが鈍い、と続ける言葉に答える。

 

「試してるんじゃないかな…」

 

()()()()()()()()()()

 

次の身体(うちはサスケ)が何処まで出来るのか。

その為に手加減が利いてかつ三代目に正体がバレない様に一つの術だけで勝負している。

 

体術すら縛って術のみで相手をしているのもそのせいだろう。

動きが良過ぎると大蛇丸だとすぐバレるから…それにしても三代目の目の前で戦うとか凄い度胸だが。

 

そんな事を話している間にも戦闘は続く。

 

 

「その程度じゃまだまだね…そのザマじゃ()()()()()()()()()の方がまだマシよ?」

 

「言ってろ…直ぐに吠え面かかせてやる!」

 

 

チラリと俺の方を見てサスケへと話しかける大蛇丸と言い返すサスケ。

 

出来損ないで悪かったなこの野郎…と大蛇丸を睨みつけると

 

「気にするな。所詮は負け犬の遠吠えだ」

 

ネジからフォローされて思わず横を見る。

 

「今のあの男よりもお前の方が強い」

 

「…どういう風の吹き回し?」

 

まさかネジから気遣われるとは、と驚きを隠さずに聞き返す。

それに対して

 

「本当の事を言ったまでだ」

 

とこちらを見ずに続けるネジ。

あのネジがねぇ…と感慨に浸っていると

 

「…うちはが動いたぞ」

 

ネジの言葉で試合に目を向ける。

 

丁度相手の背後を取って連撃を決め始めているサスケが目に映った。

 

 

「獅子連弾!」

 

 

最後の一撃で大蛇丸を地面にめり込ませたサスケは肩で息をしている。

 

「早速使いこなしてるな…」

 

既に俺よりも上手い、と呟く。

 

まぁ俺の奴は適当にそれっぽくやったパチモン(なんちゃって影舞葉)だけど。

一目見ただけでそこから完成形に持っていけるセンス…やはり天才かうちはサスケ。

 

 

「…降参、私の負け」

 

 

瓦礫からのそりと立ち上がった大蛇丸がそう宣言する。

少し煤けてるだけで五体満足に見えるけど…目的は達したって事か。

 

「…勝者、うちはサスケ!」

 

サスケは納得していない様子だが既に舞台から降りた大蛇丸に何ができるでもなく。

 

「勝った…!」

 

「やったわねサスケくん!」

 

 

ナルト達が駆け寄って祝福しているのを目の端で見ながら。

 

「…あの男、何が目的だ?」

 

手を抜いて負けて…一体何がしたかったんだ?と呟くネジ。

 

「さぁ…?」

 

サスケへの期待から味見しに来たとも取れるけど、それにしては呪印を使わせるでもなく…あぁ、三代目がいるからか。

流石に三代目の目の前で呪印を発動させたらノーコンテスト待ったなしだしな…と一人で納得していると。

 

「何にせよあの化物が敗退したのは間違いないし、喜ばしい事じゃない?」

 

テンテンは暢気にそう言うが…

 

「…あの男が自由に動ける様(フリー)になったって事だぞ」

 

姿が見えなくても不思議じゃない立場、見えない脅威になった…と険しい顔で呟くネジ。

 

「何が目的かは知らんが…油断するな」

 

戒める様にそう言うと同時に次の対戦カードが発表される。

 

 

「次…我愛羅VSロック・リー!」

 

 

原作通りの順番はもう当てになりそうもないな。

 

「あの瓢箪男か…」

 

気をつけろよ、と続けるネジ。

 

「頑張ってー!」

 

単純に応援してくれるテンテン。

 

2人に応援されながら階下へと足を向ける。

その途中でガイ先生に声を掛けられた。

 

「気張れよ、リー!」

 

「はい…本気で行きます!」

 

サムズアップするガイ先生へと答えて舞台の上に上がった。

 

目の前には我愛羅が自然体で立っている。

 

 

 

いよいよ中忍試験で最大の鬼門だ。

これまでの準備、その全てが通じるのか…試させて貰うとしよう。

 

 






戦闘順や相手に少し変更がありますがご容赦下さい…


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