ロック・リー転生伝   作:六亭猪口杯

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沢山の感想、評価共にありがとうございます。

実は我愛羅戦以降は木の葉崩しまである程度ダイジェストで巻いて行こうかと思っていたんですが想像以上にテンテンやネジの試合を楽しみにしている方が多かったので急遽追加した形になります。変な所があったらすみません…


※口寄せに関する捏造がございます。ご注意下さい。



第三次選抜予選 テンテン対テマリ

 

 

 

カカシ視点

 

 

「ガイ…お前、あの子に何を教えたんだ?」

 

直前の我愛羅対ロック・リーの試合の後片付けで修復されていく会場を見ながら隣の男に話しかける。

 

「別に普通だが…あれは本人の努力の結果だろう」

 

八門に関しては俺の方が学ぶ部分も多いくらいだ。

 

そんな事を笑いながら話すガイ。

 

しれっと言う事じゃないでしょ…と額当ての奥にある写輪眼を押さえて呟く。

 

「本当、下忍にしておくには勿体ないね…」

 

飛び級についてはうちはイタチの件も有って廃止されてる訳だがあれを見せられると必要なのではないかと思う。

 

あの2人は現段階で頭一つ二つ飛び抜けている。

 

それに…()()()()()()()()()()()()()()()()()()

術理こそ同じだが周りのチャクラを巻き込んで更に圧縮するとは…もはや発展系の別物と言って良い代物に見えた。

 

威力に関しても形状こそ歪なものの俺の螺旋丸より段違いに強い。

 

「…下忍が持ってて良い術じゃないな」

 

当たれば大抵の奴は消し飛ぶだろう。

今回は運良く防御が硬い相手だったからあの程度で済んだが…仮にナルト達が受けたとしたら原型を留めないほどバラバラにされていたであろう事は想像に難くない。

 

「八門もそうだが…あの子は何を目指しているんだ…?」

 

以前軽く教えた際はガイの弟子にしては大人しい、才能が無いなりに頑張っているアカデミーの子、程度の感想だったが。

 

あれから数年で砂隠れの人柱力であろう子に勝つほど成長するとは思わなかった。

 

天才(ライバル)に追いつきたいのさ。その相手も努力を重ねているから中々追いつくのに苦労している様だが」

 

それもまた青春!と笑うガイ。

 

「あいつらは強くなる。…俺よりも、な」

 

少し遠い目で修繕されていく会場を見るガイを見て、少し眩しく感じた。

 

「…そうか。良い弟子を持ったな」

 

そう呟いてその場を離れる。

…俺もあいつらを見てやらないと。

 

サスケに着けられた呪印に関しては既に封印術で対処済みだが…あの試合を見た後、少し様子がおかしかったからな…

 

少しため息を吐いて第7班の元へと戻りながら先程の試合直後の様子を思い返す。

 

 

 

『アイツ…手を抜いてたのか』

 

サスケが戦慄と共に握りしめた拳から血が滴り落ちる。

 

『…試験前の小競り合いの件か』

 

三次選抜で合流してから聞いた、サスケとリーとの腕試し。

内容を聞いてサスケもやる様になったもんだ、と感心したものだが…考えてみればそんな所で八門を使用するはずもない。

 

『八門遁甲はおいそれと使って良い術じゃないよ』

 

だからそれはしょうがない事だ、と諌める。

 

『八門遁甲?なんですかそれ?』

 

聞いたことが無いけど…と呟くサクラ。

 

『禁術の一つだから当然だな』

 

ナルトの多重影分身と同じだよ。と答えると

 

『どういう術だってばよ!?』

 

ワクワクした顔で聞いてくるナルト。

 

()()()()()()()()()()()をイマイチ理解してないねこいつは…と軽く頭を押さえながら答える。

 

『体内門…全身にある8ヶ所の門を外すことで一時的にチャクラ量と身体能力を底上げする術だ』

 

勿論副作用も相応に大きい。開くほどに強化されるが…最後の門、死門を開けば代償は死だ。

 

そう告げると息を呑むナルトとサクラ。

 

…サスケは何を考えているのか分からないな。

 

『それをあの子は三門…最後に至っては五門まで開いていた』

 

あの歳であれほど八門を使いこなしている忍は居ない。

そう続けると感心したのか変な声を上げるナルト。

 

…お前さんも相当だよ。口には出さないけど。

 

それはさておき…

 

『驚異的と言って良い成長だな…数年前とは大違いだ』

 

螺旋丸の触りを教えた際はまだまだひよっこだと思っていたが…今のリーに勝てる下忍はちょっと思いつかない。

 

何なら上忍でもワンチャン負ける奴が出てくるだろう。

そんな事を考えていると

 

『ちょ、ちょっと待った!数年前って…』

 

先生、リーの事知ってたのか!?と驚くナルト。

…そう言えば言ってなかったっけ?

 

『あぁ…ガイに頼まれて一時期修行を手伝った事がある』

 

あの時は八門を開いたアカデミー生が居るというので上層部が騒がしかった…としみじみ思い出していると

 

『…アンタなら俺をアイツより強く出来るか?』

 

本戦までに。と俺を睨むサスケ。

 

…少々危ういな。

大蛇丸に着けられた呪印、その後の一戦でリーとネジに押さえ込まれたという経験が強さへの執着をより強くしたようだ。

 

『…サスケ。焦らなくてもお前ならアイツらを超えることはそう難しい事じゃない』

 

強さへの貪欲さは欠点にもなるが利点でもある。

 

『心配しなくてもちゃ〜んと強くしてやるよ』

 

笑顔を作って答えるとそっぽを向くサスケ。

…ま、コイツなら問題は無いだろ。

 

『なーなーカカシ先生!俺は!?』

 

『お前もな、ナルト』

 

お前達の様な仲間(ナルトやサクラ)が居るなら。

道を間違える様な事にはならないだろうから。

 

ぎゃーぎゃーと騒ぎ出すナルトと抑え込むサスケ、それを横から止めようとしているサクラを見ながらそんな事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

バキ視点

 

 

「何なんだアイツは!?()()()()が居るなんて聞いていないぞ!!」

 

音隠れの忍へと詰め寄る。

あの試合の後暴れ出そうとする我愛羅を抑え込むのに苦労したし、今も目を離せないからテマリとカンクロウの二人がかりで監視させている程だ。

 

「こちらとしても計算外よ…無名の下忍がまさか砂隠れの秘蔵っ子に勝つとは…」

 

「あんな化物が無名なはずが無いだろうが!」

 

全力ではないとは言え我愛羅(人柱力)を力づくで終始抑え込んだんだぞあの()()は!

あんなのが下忍だと?冗談じゃない!

 

「少しは落ち着きなさい…計画に支障は無いわ」

 

新しい同盟相手とかいう音隠れと手を組んでの木の葉崩し。

風影様の指令は絶対とは言えいきなり我愛羅が負けると言う異常事態に少し冷静さを欠いていた。

 

「………すまない、少し取り乱した」

 

数拍置いて頭を冷やす。

確かに、我愛羅の勝敗は計画に何の支障もない。

死んでさえ居なければ良いのだから。

 

「でもアレ(一尾)が顔を出したのは少し不味かったわね…」

 

あれで三代目に勘付かれた可能性はある。

…木の葉に制御出来ていない人柱力を持ち込んだ、と言われれば相応に対処されるだろう。

 

「ではどうする?」

 

延期するのか、と問いかけると

 

「まさか。今年を措いて他に機はないと風影も言っていたのでしょう?」

 

計画はそのまま進めるわ。と嗤う音隠れ。

 

「…あの化物はどうするんだ?」

 

左腕を負傷していた様だが、それでもなお一尾に対抗しうると証明してのけた下忍…ロック・リー。

アレの相手は骨が折れるぞ?と呟くと。

 

「ほっておきなさい。確かに想定外だったけれど…アレは連発出来ない類の奥の手…心配ならこちらで片付けておくわ」

 

反動が大きい諸刃の剣。

仮にアレ(八門使い)が後数人でも居るなら話は別だけど…

 

「残りの八門の使用者は1人だけ。そっちは対処済みだから何も問題は無いわ」

 

相対すると面倒な相手は遠くへ行ってもらえば良いだけの事。

そう嗤う男に薄ら寒いモノを感じながら

 

「…そうだと、良いがな」

 

雲行きが怪しくなって来た木の葉崩しへの不信感を内心で募らせつつその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

テンテン視点

 

 

「えー…ようやく会場の修復が終わりましたので、試合を再開したいと思います…」

 

その言葉で集まった受験者と観戦しに来ている面々の意識が舞台へと向いた。

 

「…ようやくか」

 

「リー達が大分派手に壊してたもんね」

 

壁やら地面やらボコボコになってたし。

そう呟くと

 

「それだけ相手が強かったって事だ。…お前達も油断するな」

 

ガイ先生から気を引き締めろ、と忠告される。

 

「当然だ」

 

「本気で行きます!」

 

互いに気合いは十分。

 

今は医務室で治療中のリーに恥じない様に。

 

それに本気のリーがあそこまで苦戦した程の相手が居るなら油断なんて出来るはずもない。

 

その気持ちはネジも同じだろうし。

 

「よろしい!」

 

サムズアップでニカッと笑うガイ先生に苦笑しつつ次の試合の組み合わせを待っていると。

 

 

「第3試合、テンテンVSテマリ!」

 

 

ありゃ、連続でうち(第三班)と砂隠れの所か。

 

「…気をつけろよ?」

 

心配そうな…んん?

私が新技出すって言った時と同じ様な口ぶりだね?

 

まぁ、良いけどさ…

 

「当然。キッチリ型に嵌めてくるわ」

 

ネジからの激励?に軽く答えながら階下へと向かう。

 

「ファイトだぞ!テンテン!!」

 

ガイ先生からの熱い応援を背中に受けながら舞台に立つ。

 

…まだ来てないのか。

軽く装備を確認して時間を潰していると

 

「…待たせたみたいだね」

 

いつの間にか目の前に立った扇子持ち…砂隠れのテマリから声が掛かった。

チームの仲間が敗退したからか少し憔悴してるみたいだけど…容赦はしない。

 

「ううん、全然」

 

別に時間内なら構わないでしょ、と答えると。

 

「双方とも、準備はよろしいですね?」

 

審判から声が掛かる。

 

「いつでも」

 

「あぁ」

 

2人の声が重なる。

…互いの距離は十メートル程度か。

 

 

「では…試合開始!」

 

 

合図と共に舞台の端まで走って印を結ぶ。

 

「影分身の術!」

 

体内のチャクラが急激に持っていかれる感覚…いきなり()()()()になるのは未だにちょっとキツいわ…

 

真横に現れた()()()()()()と一緒にテマリを睨みつける。

 

 

「あれ!俺とおんなじ術だってばよ!?」

 

「ナルト…お前のは()()()()()だ」

 

 

聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするが無視する。

今は目の前の相手に集中しないと…

 

「随分と器用な術だ」

 

私には関係がないけどね!と扇子を開いて振るテマリ。

…隙が大き過ぎじゃない?

振るときに一瞬とはいえこっちから完全に視線を切ってるし…

 

扇子を振り始めたタイミングで影分身をテマリの方へ走らせる。

 

分身体が中間を越えた辺りで本体の私は苦無を投げて相手との丁度中間辺りの地面に刺し込んでおく…と同時に。

 

「風遁・カマイタチ!」

 

風が襲って来た。

 

風遁は目に見えないから地面の削られ方や周囲の状態の変化から威力や規模を推察しないといけないのが面倒なんだよね…今回は斥候役の影分身(生贄)がいるから楽だけど。

 

「口寄せの術!」

 

風遁の威力を確かめる為の生贄になった分身体が消されると同時に中間に刺した苦無を起点に大岩を呼び出して盾にする。

 

折角直したのにまた壊してごめんなさい。

心の中で謝罪しつつ風が収まるのを待つ。

 

「チッ…面倒な」

 

中間地点に呼び出した大岩に飛び乗ったテマリの不機嫌そうな声が聞こえた。

 

()の呼び出した物に無警戒で乗ってくれるんだ。

これなら結構簡単に片がつくかも。

 

分身体からのフィードバックからして風遁の威力や規模は想定以上だけどそれ以上に隙が大きい、と。

 

「これならどうにか出来るかも」

 

この分ならこの巻物だけで十分…他の手札は見せなくて良さそうかな?

 

「…何をブツブツ言ってるんだ?」

 

そっちに悠長にお話してる余裕は無いって事。

流石に口には出さないけどね。

 

「想定通りなら次の次辺りで詰みだけど…」

 

降参しない?と微笑みながら聞くと

 

「舐めんじゃないよ!」

 

激昂したテマリが大岩の上から再度風遁を放とうとしてくるが…やっぱりそれ、ちょっと隙が大きすぎない?

 

「残念…じゃ、これ(おかわり)で」

 

大岩に仕込んだ起点口寄せを発動。

二つ目の大岩が真上に現れた。

 

口寄せした大岩は()()()()()()()()()()()退()()()出現する。

今回の場合は2つ積み上がった大岩の上に乗せる形で強制的に位置をズラす事に成功した訳だ。

 

風遁を発動する直前でいきなり視点が上がって驚くテマリ。

 

それだけモーションが大きいなら発動のタイミングも計りやすい。

今はもう方向を修整出来ないでしょ?

 

無理矢理こっちに向けようとしたみたいだけど、明後日の方向に吹き荒れる風遁を眺めつつ距離を取る。

 

…この辺かな。

 

「なっ…!?」

 

「隙だらけだね?」

 

正面から見つめつつもう一人の私(影分身の私)が相手の背後から数本の苦無を投げつける。

 

同時に(本体)も上空に向かって苦無を投げる。

()()()()()()()()()()()()()()()()、と思いながら。

 

「はっ!何処に投げてんだ!」

 

嘲る様な声を聞きながら策が成った事に内心で笑う。

 

こんなに上手く引っかかってくれるなんて初めての経験だからちょっと怖いわ…

 

 

 

「あの子、いつの間に後ろに回りこんだんだろ?」

 

スナック菓子を片手に観戦してる太めの…秋道家の子かな?が隣の班員に質問していた。

 

「あれは最初に出した分身体だな…1()()()()()()()()()()()()2()()()()()()()()()()()。1人は出現時に舞台の陰に上手く隠して一発目の大岩出したタイミングでしれっと相手の背後に回してたぜ。…1人目の分身体を態々真横に出したのも2人目の存在を隠すためだろうな」

 

ありゃ上から見てないとわかんねーよ…と呟く奈良家の子。

…もし当たるなら一番厄介なタイプかも。要注意だわ…

 

「アレが噂の…」

 

山中家の子が呟く声も聞こえたけど…私、そんな噂になってるの?後で聞いてみよ。

 

 

 

そんな事を考えていると。

 

「かはッ…!?」

 

テマリから苦悶の声が上がる。

 

凄い…あの不意討ちに良く反応して動けるもんだわ…私なら多分食らってた。ネジなら全部弾くしリーなら余裕で避けてくるだろうけど。

 

でもまぁ身体を捻りながら数本の苦無は避けれたみたいだけど一本、背中に刺さったね?

 

背後の苦無から身を躱す為に動いた結果、大岩からこちらへと飛び降りてくる…これで()()だ。

 

「口寄せの術!」

 

刺した苦無を起点に投網を口寄せすると相手を雁字搦めにして手前側の地面へと引きずり落とした。

 

 

…一瞬ネジが凄い眼(白眼)で見てきたけど直ぐに元に戻った。

あの音隠れの…赤胴ヨロイ?も同じような顔になってたけど…

流石にこんな所で改造起爆札(投網爆弾)を使う訳ないじゃない。

 

 

心外だわ…とため息を吐く。

 

受け身も取れず落ちるのを見つめながら運悪くテマリへと倒れ込む2つ目の岩を送還。

 

流石に叩き潰すのは不味い。

殺すのが目的ならそのまま放っておけば片がついたけどこれは試合だから。

 

 

「ふむ…ちゃんと成長している様でなによりじゃ」

 

満足そうに頷く三代目様を目の端に捉えながら自然と口の端が上がる。

やはり褒められるのは嬉しい。

それも三代目様…恐れ多くて口に出せないけれど師匠とも思っている人からなら尚更。

 

 

「っ何を…!?」

 

それはさておき、今は目の前の相手を片付けないとね?

 

鋼糸を混ぜて強度を上げたそれはネジですら引き千切るのに数秒は掛かるだろう代物だ。

 

脱出には手間が掛かるでしょう?

 

「口寄せの術…これで終わりね」

 

更に駄目押しで先程上空に投げた苦無(気を逸らす為に投げた苦無)から()()()()()()()()()()()()()()

 

背後は大岩(一つ目)で下がりようがない。

 

振り注ぐ大岩(追加分)から身を隠す場所は無いし、風遁で飛ばせる様なサイズでもない。

 

そもそも雁字搦めの状態じゃ対処できないでしょうけど。

 

「なっ…!?」

 

「動かなければ死なないで済むよ!」

 

一応警告しておく。

動いたらどれかに圧しつぶされるだろうけど動かなければ隙間に収まる様にしてあるし。

 

轟音と共に着弾した大岩で舞台が滅茶苦茶になりながら土煙を上げる。

 

視界が晴れるとそこには舞台だったものの上に鎮座する岩山が有った。

 

僅かに空いた隙間から声を掛ける。

 

「…降参する?」

 

しないならこのまま爆破しちゃうけど…と続けると。

 

「降参、だ…!」

 

歯を食いしばったまま喋ったような口ぶりで降参が宣言された。

 

「ですって」

 

審判に向かって笑顔でそう告げると我に返った審判が

 

「…テンテンの勝利!」

 

と宣言した。

 

それを聞いて口寄せしたものを全て送還、大岩の山は綺麗さっぱり無くなった。

 

中心部に倒れているテマリを残して。

 

…うん、パッと見た感じ五体満足だね。

色々練習したり用意した甲斐が有ったってもんよ。

 

「はい、お終い」

 

パンパンと手を払って巻物を仕舞いながら影分身を解除、残りのチャクラを回収する。

 

やっぱり大質量って正義だよね〜と思いながら舞台を後にする時に後ろから声が掛けられた。

 

「…何で2つ目の口寄せ(大岩)を消した?」

 

振り返るとテマリが扇子を杖にしながら立ち上がっていた。

あのままでもアンタの勝ちだっただろ…と続ける。

 

おぉ…まだ動けるんだ…と感心しながら答える。

 

()()()()()()()()()()()()

 

これは殺し合いじゃなくて試合でしょ?と笑いかけると目を逸らされた。

 

会場中が静まり返る。

別に変な事言ってないと思うんだけど…?

 

気を取り直してテマリへアドバイスを送る。

 

「あ、一応医務室に行っておいた方が良いよ?刺した苦無に麻痺毒が塗ってあるから」

 

この辺り(木の葉の里周辺)の毒に慣れてるなら少し痺れる程度の代物だけど…慣れてないなら歩くのも難しいだろうし。

 

そう告げると審判が駆け寄って倒れ込むテマリを支えた。

気合いで立ってたのか。根性あるなぁ…

 

そう言えば砂隠れの人達はどこ行ってるんだろ?

仲間の試合だっていうのに一人も見に来てないなんて…案外薄情な関係なのかな?

 

 

そんな事を考えながら階上へと戻ると。

 

「…あれは連続口寄せじゃないのか?」

 

開口一番にネジから質問された。

…まずは祝ってくれてもいいじゃん。と少しむくれながら答える。

 

くっつけた状態(あの形で一つ)の大岩を口寄せしただけなんだから問題無いでしょうが」

 

 

修行中にリーが何気なく言った『連続が駄目なら全部繋いで一個にしちゃえば?』を形にしたのがさっきの試合で詰めに使った奴だ。

 

苦無を投げる所と呼び出す位置さえ間違えなければ簡易的な檻にもなるし、いざという時の盾にも出来る優れものだよ?

 

禁止されてる互乗式や連続口寄せでの大岩口寄せは細かい制御が出来ないからどうしたって運任せになるし…これだけ狭いと敵だけじゃなくて周囲の被害も、だけど。

 

この方法(纏めて一つ)なら最初から形が決まってるから狙った位置に落とせる確率が跳ね上がる。

 

 

そんな事をつらつらと話してから話を結ぶ。

 

「起爆札も使ってないんだから良心的でしょ」

 

本来ならあそこ(刺した苦無)から口寄せするのは投網爆弾だし、詰めの大岩で封殺したのも内側に刻んだ印から起点口寄せで内部に起爆札を押し込む為だもの。

 

そう続けると軽く額を抑えるネジ。

なんだってのよ…

 

「…リーが帰ってきたら詳しく話を聞く必要があるな」

 

ブツブツと呟いてるネジを放ってガイ先生を探していると

 

「ガイなら三代目に呼び出されて居ないぞ?」

 

それに気づいたネジからそう言われた。

 

「…少しやり過ぎたかな?」

 

ガイ先生が三代目様に呼び出される時は大抵私の術に規制が掛かる時だし…

 

これもダメだとちょっと厳しいんだけどなぁ…と肩を落としながら呟くと。

 

「まぁ、止められなかったんなら大丈夫だろ…本戦出場、おめでとう」

 

そっぽを向きながら言われた言葉に思わず口角が上がる。

素直じゃないんだから…と軽くつついていると。

 

「戻ったぞー!テンテン、良くやった!!」

 

ガイ先生が帰ってきた瞬間に祝福してくれた。

 

…こういう事だよネジ?と視線をやるとフン、と鼻を鳴らして視線を逸らされた。

 

「ガイ、三代目はなんて言ってたんだ?」

 

ネジが三代目様からの沙汰を聞くが…

 

「ん?あぁ…三代目様の用事はその事じゃない」

 

まぁ気にするな!と笑うガイ先生。

何か隠してる気がするけど…

 

「…俺達は知らなくて良いって事だな?」

 

確認するように聞くネジに対して。

 

「そうだ。お前達は試合に集中してて良い」

 

こっちの面倒事は俺達が片付ける。

そう返したガイ先生から視線を試合会場へと戻すネジが呟く。

 

「…これだけぶっ壊したらまた休憩になるんじゃないか?」

 

舞台の上は既に半分以上が粉々に砕けている。

…質量攻撃は大抵の相手に有効だけど周囲に与える影響が起爆札レベルとは言わないものの大きくなるのが玉に瑕よね。

 

でもまぁ…

 

「別に規制は破ってないし」

 

逆に言えばあの程度で壊れる舞台が脆すぎる…とも言えないか。

流石にちょっとやり過ぎたかもしれない。

 

「最後のはちょっとやり過ぎたかもだけどさ…」

 

別に他の手段もあるにはあった。

 

口寄せした毒沼に沈めれば舞台はあそこまで壊れなかっただろうし。

 

苦無でひたすら麻痺毒を射し込んでも良かった。

 

でもまぁ…

 

人道的な面で言えば(殺さない様にするなら)あれが一番良かったんだよ…」

 

毒沼じゃ雁字搦めにした相手は溺れかねないし毒耐性が弱ければそのまま死にかねない。

 

苦無で麻痺毒祭りは耐性があった場合見た目がスプラッタになるまで刺し続けなきゃいけないし。

 

「…お前にもそんな考えがあったんだな?」

 

ちょっと感心した。とからかう様に笑うネジに。

 

「失礼な…別にそこまでしなくても良い相手ならちゃんと手段は選ぶっての!」

 

あの化物じみた音隠れの男みたいな奴が相手ならそんな事言ってられないってだけ。

 

そう言うと確かに、と頷くネジ。

分かってくれてなによりだわ…

 

 

 

まぁなんにせよ私も本戦出場と言う訳で。

めでたしめでたし、かな?

 

後はリーを迎えに行って…ネジは多分勝つだろうし。

第三班は全員本戦へと駒を進められそうだね!

 

少し浮かれているのを自覚しながら修復されていく会場を見守っていると。

 

…やっぱりちょっとやり過ぎたかな、と反省の念が湧いてくるのだった。

 






初の主人公不在回、視点がコロコロ変わって申し訳ございません…

色々口調や性格に違和感があるかと思われますがご容赦頂けますと幸いです…

テンテンの戦い方を考えるのはとても楽しいんですが、私の頭が残念なせいでちゃんと描写出来ているか心配ですね…いまいち活躍出来なかったテマリは我愛羅の様子が気になって実力を出し切れなかった、と言う事で一つ…

各勢力…と言ってもカカシ班(主人公組)と木の葉崩し(テロリスト)だけですが。現段階でのリーへの評価をねじ込みました。

多分こう考えるかな?程度のものですが楽しんでもらえたら嬉しいです!!

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