ロック・リー転生伝   作:六亭猪口杯

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カカシ先生の口調がフラフラしてますがご容赦下さい…
他の人もそうだと言うのはその通りです…すみません…



螺旋への道

 

開門を自分で開いてから5日後。

毎日の体作りと修行終わりに2〜3回、開門の開閉のみを行った結果。

 

「…良し!これならもし暴走してしまったとしても止められるな!」

 

ガイ先生からお墨付きを頂いた。

 

「ありがとうございます!」

 

これで一応の奥の手を手に入れられた訳だ。

 

「制御できるからと言って使用するなよ?」

 

感謝を述べた俺に念を押す先生。

開門開けて動き回るとまだ反動でぶっ倒れるからな俺…

 

「えぇ、先生が良いと判断するまでは使いません」

 

約束しましたし。と続けると満足そうに頷く先生。

…許可が出てからなら色々試してみても良いだろうし少しの間は辛抱だな。

 

「それなら良い!…さて、今日からはまた体術と螺旋丸の修行を再開する訳だが…」

 

今日は特別講師を呼んである!と言った瞬間、背後に人の気配が生えた。

咄嗟に後ろを振り向くと。

 

「や、どーも」

 

目の前に右目以外を隠した白髪の男が立っていた…カカシ先生だこれ!?

 

「紹介しよう!俺のライバルにして木の葉の誇るコピー忍者、はたけカカシ上忍だ!」

 

ガイ先生の紹介を受けて軽く手を挙げるカカシ先生。

 

「よろしく」

 

うわー、本物だよ…

 

「ロック・リーです。よろしくお願いします」

 

頭を下げる。

螺旋丸に詳しい人ってカカシ先生の事だったのか。

 

「真面目だねぇ…だから気が合うのかな?」

 

チラリとガイ先生の方を見やる。

 

「ハッハッハッ!俺とリーは熱い師弟の絆で結ばれているからな!」

 

「えぇ、ありがたいことです」

 

先生の言葉に追従する。

本当に有難いと思っているからすんなりと言葉が出た。

 

「なんか温度差を感じるけど…まぁ良いか」

 

ポリポリとコメカミを掻きながら俺へと向き直るカカシ先生。

 

「じゃ、早速見せてもらおうか」

 

カカシ先生の言葉を受けてガイ先生を見やると

 

「見せてやれ。お前の研鑽の賜物を!」

 

そんな言葉と共に大きく頷かれた。

 

…深呼吸を一つ。

心を落ち着かせて…

 

「…いきます!」

 

右掌の中心にチャクラを集中…!

 

「回れ…!」

 

右回転でチャクラが回り始める。

回転するチャクラの塊が弾け散りそうになるのを抑え込みながら、回転する角度や逆回転を足していく。

 

「……成る程」

 

カカシ先生が何かを呟いているが聞き取れない。

…というかそんなに余裕も無い。

 

「…これで限界、ですッ…!」

 

これ以上はチャクラを維持できないため霧散させる。

解けた螺旋丸モドキは微かな風を起こして消えていった。

 

「…どうだ?」

 

ガイ先生が訊ねると。

 

「想像以上だ。でも…」

 

ちょいと失礼、と俺の頭を下げさせて上から確認するように見てくる。

 

「…やっぱり」

 

顔を上げさせられて目が合った。

 

「…どうでしょうか?」

 

現状でどの程度まで使えてるのか、使えるようになるには何が足りないのか。

もっと具体的に聞こうと思っていたのに口から出た言葉は酷く曖昧なものだった。

やっぱ緊張してるのかな俺…と自嘲していると。

 

「回転させる方向を間違えてる」

 

カカシ先生の指摘で朧気に思い出す記憶。

螺旋丸の回転方向、チャクラの流れる向きは人によって得意不得意があると自来也がナルトに言っていた…気がする。

旋毛の向き、だったっけか?

 

「左回転の方がやりやすいはずだ。…今まで気付かなかったのか?」

 

最後はガイ先生に言っていた様だが俺にも刺さる言葉だ。

回転方向の得意不得意を忘れていたというのもそうだが…

 

「いえ、その…一応、左回転でも回せます…」

 

無駄に右回転の練習をしていた事だった。

俺にとっては左右の差とか誤差でしかない。…悪い意味で。

 

「?じゃあなんで…」

 

不思議そうな顔になるカカシ先生。

普通なら利き手とそうじゃない方くらいの差があるんだろうな…多分。

 

「正直、どっちに回してもやり難さは変わらないので…」

 

俺にとってはどっちにしても利き手じゃない感覚だもの。

寧ろ他人の手を使ってるくらいの感覚でやってるから難易度としては変わらないのだ。

 

「…成る程、これは重症だな」

 

ため息をつくカカシ先生。

不出来ですみません…内心で申し訳ないと謝罪していると。

 

「ガイ…お前がちゃんと気づいてやらなきゃならんでしょうが」

 

このバカ、とギリギリ目で追える速度でガイ先生の横に跳んで頭を叩いた。

 

「おうっ!なんだいきなり!?」

 

…咄嗟に防御してるのを見るに上忍クラスになるとアレがお遊びの範疇になるのか…と戦慄していると。

 

「お前も先生の螺旋丸を見たことあるだろうに」

 

と嘆息しながら話し続けるカカシ先生。

 

「あれじゃ何時まで経っても螺旋丸には至らないよ」

 

そう宣告された。

 

「…理由を聞いても、良いでしょうか?」

 

少しは自信があったんだけどな…と落ち込みつつ質問すると。

 

「あぁ、いや…すまない、言い方が悪かった…」

 

すまん、と片手を前に出しながら謝罪?をしたカカシ先生。

 

「その歳でそこまでチャクラをコントロール出来ているのは凄いことだ…それは誇って良い」

 

出した掌に回転させながらチャクラの塊を作り出す。

…キレイな球体だ。

 

「完成形はもっとチャクラを流し込むんだけど…形を真似るだけならこんなもんで良いでしょ」

 

見えやすいように手を伸ばしてくれた。

回転している方向が分かりやすい…いや、これは…

 

「…目が良いな。そう、このレプリカ(螺旋丸もどき)は一方向への回転だけで作り出している」

 

目が丸くなる。

螺旋丸って乱回転じゃないの?

 

「何を考えているのかは大体想像がつくけれど…これは回転する方向を変えてるんじゃなくて角度を変えて作ってるんだ」

 

君は回す時に逆回転を混ぜ込んでるだろ?と指摘された。

 

「えぇ、まぁ…」

 

乱回転、って言葉に引っ張られすぎてたのか…

 

「それであそこまで形を作れているんだから大したもんだよ」

 

次からは左回転のみで試してみると良い。そう言うとガイ先生の方をジロリと睨む。

 

「お前はもう少しちゃんと見ろよ…」

 

「返す言葉もない…しかし、お前のお陰でリーが更に一歩前進出来た!」

 

ありがとう!とサムズアップする先生に脱力するカカシ先生に

 

「ありがとうございます!」

 

同じ様に礼を述べながら頭を下げた。

それを見て軽く額を押さえながら

 

「あぁ、もういい…後は、そうだな…」

 

掌の螺旋丸モドキを消して掌を差し出してくる。

 

「今、何処を見た?」

 

…謎かけ?素直に答える。

 

「…手の平です?」

 

良し。と一度手を引っ込めて再度開くと。

 

「これなら?」

 

中心に微かな点が描かれている。

 

「点の部分、ですかね?」

 

満足そうに頷くカカシ先生。

それがどうかしたんだろうか?と首を傾げる俺に苦笑しながら

 

「ま、簡単な話だけども…チャクラを纏める中心がブレてる」

 

だから短時間で制御を失ってる。

 

そう続けるのを聞いて自分の掌を見る。

 

辛うじて思い出した。掌に点を打って集中力を増すやり方。

今までも集中しているつもりだったけど…まだ足りてないんだな…

 

「本当に()()()()()()()()()()()()()()よコレは」

 

だから誰も習得しようとしなかった術なんだ。と呟くカカシ先生。

 

「それなりにチャクラを食う上に発生は掌に限定されるし…」

 

何より()()()()()。と掌を振る。

 

「維持しながら接近戦を挑むのは相当キツイぞ?」

 

螺旋丸に集中しなきゃならないなら尚更だ。

そう言って俺を見つめてくる。

 

「四代目は他の忍術でその隙をカバーしていたけど…」

 

お前にそれを補う方法はあるのか?と言外に問われた。

 

 

…カカシ先生の言ってる事は正しい。

 

実際に練習してみて分かった…最初の方でナルトが影分身を多用していた理由が。

 

言われた様にそもそも螺旋丸を維持する事自体が難しい。

更に言うならこれは慣れもあるだろうが…

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

精々が走る、腕を振るという単純な行動が精一杯でそれ以上の行動、回避やフェイントなんかの行動を取ろうとすると一気に綻んでしまう。

 

だから当てる為の動きに影分身を使用する。

隙を作るのにも機動力の確保にも使えるから。

 

…後半ではポンポンと派生技を出したり、なんならカウンター入れたりしてたからイマイチ実感がなかったがアレ(ナルト)はやはり天才の部類なんだと痛感した。

 

それなら俺はどうすれば良い?

碌に忍術を使えない俺が、体術と絡めるならどうすれば良いのか?

思い付いた使い方は実に単純(シンプル)だ。

 

「…使用する方法によるかと」

 

そもそも、俺が螺旋丸に求めたのはその威力だけではない。

 

俺の体術では不可能な当てるだけで相手の体勢を崩せる性能と。

その上でノーモーションで発動可能という奇襲性能の高さを買ってのことだ。

 

例えば自来也が作中で初めてにチンピラに使った時。

本気で打ったなら胴体が千切れ飛んでいてもおかしく無い威力が出るはずのそれが当たった相手は、錐揉み回転しながら吹っ飛んでいたにも拘わらず意識があった。

つまりは本気で作った螺旋丸じゃなくてもあの状況を引き起こせる(大の大人を吹き飛ばせる)という事になる。

 

この技(螺旋丸)は未完成でも巻き込んで体勢を崩す効果が見込める可能性が高い。

 

当てた相手に強制的に隙を作って、体術で仕留める。

これが俺の考える螺旋丸の使用方法の一つ。

 

「最初から螺旋丸を想定していた訳ではありませんから」

 

最悪は完成しなくても良いと思っていたから全くの嘘じゃない。

 

 

実際に完成するかもしれないと考え始めてからは…薬師カブトとの戦闘時、アレは直撃した稀有な例だが内部破壊に思える描写が有った…と思う。

詰まるところ、相手の防御をある程度無視してダメージを叩き込める必殺技と言えるだろう。

 

ちゃんとした完成形に至れたなら体術の通り難い相手に対する手札が増える。

当てる技術については要練習になるだろうけども。

 

同じくノーモーションで作り上げられる利点を活かすのなら…

 

「最終的には正面から不意討ちを仕掛けられる初見殺しに出来れば、と思ってます」

 

印も無しにチャクラコントロールのみで発動出来る術なんて懐に潜り込んでぶっ放せと言ってるようなものだし。

 

「端から維持する気はない、と」

 

「…?別に当てる時だけ発生してれば良いのでは?」

 

相手に"今から痛いの行くぞー"なんて報せない方が良くないかな…見た目は多少地味になっちゃうけど…螺旋丸は()()()()()()()()()()()()()だと思う。

 

「チャクラコントロールの一環として維持も含めて修練中ですが…ガイ先生から話を聞いてまず考えたのは螺旋丸が発動するまでの時間の短縮です」

 

発動時間については最後の方でナルトが片手でひょいひょい派生型を作ってたし、基本形の螺旋丸なら俺でもやれなくは無い…はず。

 

これが殴る寸前に発動出来る位まで習熟出来たのなら。

回避しない限り防御貫通か体勢崩しの二択を常に押し付けられる暴力で押し込むことも出来るだろう。

 

…八門と組み合わせれば威力が上がる可能性があるし。

体内のチャクラを無理矢理励起する八門遁甲と、チャクラの形態変化で発動出来る螺旋丸はそこそこ相性が良い…はず。

これに関してはまだ検証できてないから今後に期待、程度のものだが。

 

「まだ夢物語ですが…いずれ辿り着いてみせます」

 

虚勢を張ってるようにしか見えないだろうけど、俺は本気だ。

なにせそれでようやくスタートラインに立てるかどうかのレベル…いや、まだ足りないか。

 

黙々と考え込んでいる俺に呆れた様な、感心した様な声が掛かる。

 

「全く…大きく出たもんだ」

 

子供があの四代目火影が作った術を改良しようだなんて。とカカシ先生が続ける。

 

「本当に出来ると思う?」

 

「出来るまでやります」

 

出来る出来ないじゃ無い。

やるしか無いんだから、やるだけだ。

 

「俺には止まっている暇はありませんので」

 

「そんなに焦ってもしようがないでしょうに…」

 

呆れた様にため息を吐くカカシ先生。

 

今はまだそうだけどモタモタしてたら必要になる時に間に合わないんだよ…とは口に出せないけれど。

 

「俺は、人の5倍の努力でも足りませんから」

 

こういう時に才能が無いと言うのは免罪符の様に輝くな…言ってて悲しくなるが。

 

「そう…まぁ、頑張って」

 

俺はもう行くよ、とガイ先生に何かを耳打ちした後にその場から消え去った。

 

「ご指導、ありがとうございました!」

 

と慌てて頭を下げる。

頭を上げた時には既にカカシ先生の姿は無かった。

 

「忙しい人なんだな…」

 

思わず呟いた言葉に被せるように。

 

「青春してるな!リー!!」

 

後ろからガシガシと頭を撫でられる。…首がガクガクする!

 

「ガイ先生、首がッ!」

 

脳が揺れる!?

 

「おぉ、すまんすまん!」

 

そう言うとぱっと離れてくれたが。早すぎて見えなかった…

 

「まさかより困難な道を行くとはな!」

 

「それが必要なら喜んで進みますよ」

 

それが茨の道だとしても、その先に得られるモノが欲しいのだから。その答えに満足したのか笑いながら肩を叩いてくる先生。

 

「全く!お前と言う奴は!」

 

最高に青春してるじゃないか!

 

その後はテンションの上がった先生に振り回されながら修行を終えた…上忍レベルの箍が少しでも外れると一気に難易度が上がるわ。

 

 

…なんか忘れてる気もするけど…まぁ思い出せないって事は大したことじゃないだろ、多分。

 





何とか螺旋丸の習得目処が立ちました…8話目でようやく形になるとは思いませんでしたが、ようやくある程度の準備が整った形になります。
今後は卒業〜チームアップ〜下忍と進んで中忍試験へ突入する予定です。



多くの感想、評価、閲覧、ありがとうございます!
誤字も多々あり汗顔の至りで情けない気持ちで一杯ですが拙作を読み続けてくれている皆様に改めて感謝を!

そして、誠に申し訳ありませんが…しばらく感想への返答を控えさせて頂きたく。
こんなに感想を頂くのも初めての事だったので全てに返信したいと頑張らせてもらっていたのですが、気づいたら今日は1時間以上返信に費やしていまして…今後も変わらず全て読ませて頂きますし、温かい言葉は大変励みになっています!

すみませんがご容赦の程、お願い申し上げます。

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