いつも通り流れる都会の日常。マキマ、姫野、ビーム、早川は中華料理店で昼食を取っていた。
それ以外の4課のメンバーも街中に出ては公安としての仕事をしていた。
荒井とコベニは年老いた老婆に道を尋ねられたので、地図で行き先を教えたりした。
二人が道を教え、背中を向けてこの場から去っていると、先程の老婆が懐から拳銃を取り出し銃口を向ける。
その他の4課のメンバーも周りにいた人物が懐から拳銃を取り出して銃口を向ける。
そして街中に発砲音がこだまする。それは店にいるマキマ達の耳にも聞こえてくる。
「なんだろこの音……」
「ギャッ…太鼓の音?」
「祭りか〜……」
「そういえば!昨日二人、何してた?」
ビームがマキマと早川に質問してくる。すると早川がその質問に答える。
「…マキマの懐が意外と深かったっていうのがわかったかな……」
「それ馬鹿にしてる?」
そんな風に騒がしくしていると、近くの席にいる
「ここのラーメンよく食えるな……味酷くない?」
急に話しかけてくるので困惑する一同。
「誰だ…?」
「私は普通に美味しいけど」
「オレもオレも!」
マキマとビームはよく食べるのでそれに反論する。すると相手はこう呟く。
「味の良しあしがわからないんだな、まあ仕方ない。幼少期に同じような味のモノしか食べてないと大人になってバカ舌になるらしい」
「舌がバカだと幸福度が下がる」
「どういうこと?」
「店出ようか」
姫野はこの場を収める為に一旦店を出ようとする。すると女は唐突に自分語りをし始める。
「私のばあちゃんは世界一優しくて、高い店でいいモノ食わせて貰ったな」
「ばあちゃんヤクザだったけど正義のヤクザでね…必要悪っていうのかな…ばあちゃんみたいな人はさ。女子供も数えるほどしか殺した事ないんだと」
「薬売った金で欲しいモノなんでも買ってくれてさ…みんなに好かれた江戸っ子気質のいい人だった…」
そこまで言うと女は懐からとある写真を取り出す。
「マキマ、お前も好きだったよね?」
その写真には二人写っていた。幼少期の女の肩に後ろから手を乗せる老婆の写真……その老婆はマキマも会ったことのある女ヤクザだった。
「なんのつもりなのアナタ…」
「知り合い?」
姫野がマキマに質問すると女は懐から何かを取り出す。
「銃の悪魔はアンタの心臓が欲しいんだとさ」
取り出したのは拳銃だった。銃口を構えるとマキマの頭を撃ち、続けて姫野と早川に向かっても撃つ。
ビームは咄嗟に下に潜って、目の前から出てくると女にアッパーを喰らわせる。
「ヒメノ!!」
「ゴースト…!」
建物を破壊しながらゴーストが現れる。無数の手足で女を叩き潰していく。
瓦礫を吹き飛ばしながら暴風が襲ってくる。姫野の目には頭から血を流して倒れているマキマと胸部付近を撃たれて倒れている早川が映る。
それに焦っているとゴーストから声がする。
「姫野……この女、とんでもない…人でも悪魔でもなっ…」
ゴーストが言い終わる前に肉体を斬られ、中から頭や腕から刀が生えた人間が現れる。
姫野は背負っていた刀を取り出しビームに伝える。
「ビーム君…早川先輩の安全確保して」
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姫野が鞘から取り出したのは刀であるが、その形状は釘のようであった。
「釘…?」
相手の刀人間が姫野目掛けて襲いかかってくる。刃が体にグサリと刺さってしまえば即死レベルである。
咄嗟の判断で体の全身を大きく動かして攻撃を回避する。釘を相手に打てるように動きを集中してよく観察する。
そして背中目掛けて釘を構える。
「打って!!」
後ろに出てきた巨大な指先が姫野の持っている釘を押し出し、刀人間の背中から胸まで一気に打って貫通させる。
「3」
悪魔が何かのカウントダウンを始める。血を流しながらも刀人間は再び姫野に向かって勢いよく襲いかかってくる。
姫野もそれに対応するように面と向かって相手し、隙を狙って背中に回り込む。
「打って」
今度は刀人間の左肩を姫野の釘が貫く。先程と同様、悪魔の指先が後ろから釘を押し出していた。
「2」
不気味な声色でカウントダウンを進めていく悪魔。このままカウントダウンを進める為に姫野は続けて釘を腹に目掛けて構える。
「打って!」
悪魔が釘を押し出し、姫野の釘は刀人間の腹を貫く。ギュッと力を込めて正確に狙う。
「1」
もう少しで何かが起きるのだろう。カウントダウンが終わりを迎えようとする中、刀人間は蹴りで姫野を奥にある瓦礫に吹っ飛ばす。
勢いよく吹っ飛ばされたので瓦礫に沢山のヒビが入る。
「ぐうっ」
「不気味なモノを使いやがって」
痛みに呻き声を上げながらも、姫野は悪魔に対して叫ぶ。
「カース!!トドメをさして!!」
「0」
悪魔によるカウントダウンが終了すると、悪魔の巨大な手が刀人間を離すまいと掴む。
「ぐっ…!?」
そのまま上空に持っていくと、悪魔の本体が刀人間を磔にして大量の血をそこら一体にぶち撒ける。
そして地面に叩き落とされるとそのまま絶命する。
姫野はそれを最後まで確認した後、顔に付着した血をぬぐいとる。
「早川先輩は!?」
早川先輩の近くにいるビームに状態を聞き出す。
「ギャッ…血、沢山出てる……でも、まだ間に合うかも!!」
「…アイツ銃使ってた。日本では警察とデビルハンター以外入手不可能なのに…」
姫野は戦闘前に相手の女が言っていた「銃の悪魔」という単語に疑問を覚える。あの言葉はどういう意味なのか、そしてなぜマキマの心臓を銃の悪魔が狙っているのか……
今考えていても仕方がない、そう決めた姫野はビームにこれからする事を伝える。
「…………一先ず早川先輩の治療を…」
そう呟いた時だった。姫野の後ろ近くに誰かがやって来た事に気付く。
「呪いの悪魔…その持っている釘を何回か刺したら死ぬ…って感じか?」
「てめえいい動きだったな」
現れたのは人相の悪い黒髪の大男だった。姫野は警戒しつつ相手に質問をする。
「どこから来たの…?そいつの仲間?」
大男は刀人間の元に行くと、絶命した筈の刀人間を起き上がらせる。
姫野はその様子を見て信じられない表情で声を漏らす。
「えっ…」
「どうして負けた?」
「油断した。ホントに油断した」
「じゃあさっさと殺せ」
刀人間は居合の体勢で刀を構える。姫野もそれに対抗しようと釘を鞘からまた出そうとするが、出した瞬間にとんでもないスピードで姫野を刀で攻撃して後ろに移動する。
ビームが心配そうに見つめていると、姫野の体から血飛沫が舞う。斬られた箇所から時間差で血が吹き出してしまったのだ。
果たしてこの絶体絶命の状況はどのような結末を迎えるのか———
エビチリ大好き!
(余談ですけど戦闘回はなぜか極端に文字が減ってしまう……)