チェンソーウーマン   作:やまなお

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ライブ大好き!
(ライブに行ったりなどで投稿が遅れました、本当に申し訳ございません)


未来最高/繰り返し繰り返し

 

地獄の指導の翌日。マキマ達が暮らすマンションの階段を昇る音が辺りに少々響く。

 

「あいつらの家はたしか…」

 

地獄と形容できる程の指導を行ってきたアル中女が襲来してきたのだ。正確には家へ向かいに行くと帰り際に言っていたので、有言実行したまでなのだが。

マキマ達がいる部屋の中では、昨日決定した作戦を実行しようと張り切っていた。

ビームが彼女が接近してきている事に気付く。

 

「この匂い…!アイツだ!」

 

 

「私達の日常を壊す人は、死だよ」

 

「超インテリ作戦、開始」

 

二人はメガネをかけた状態で作戦を開始する。彼女がドアノブに手をかけようとした瞬間に、ビームは扉ごと突き破り襲いかかる。

 

「ん」

 

しかし彼女は()()()()()()()()()()すぐさま横に移動して攻撃を回避する。

 

「ドアごと突き破って攻撃か、ずいぶんとダイナミックだな」

 

 

「ヴヴヴ……!!昨日から何も食べてない…腹減って仕方ない!だからオマエ、食う!!」

 

 

「今度は私が狩られる側ってワケか」

 

そう呟くと、ビームは彼女を食う勢いで襲いかかってくる。彼女はしっかりとこちら側に向かってくる攻撃を目視しながら回避し、時には攻撃を決めていく。

そんな中、上の階からマキマが降りて彼女の後ろに立つ。そして持っている斧で頭目掛けて振り回す———が、彼女がマキマの頭に対して回し蹴りを決めてそれを阻止する。

マキマは床に叩き付けられ、ビームは体力の消耗によりその場で倒れてしまう。

 

「今までで一番良かったぞ」

 

 

「いっ…たいっ………」

 

 

「追い詰められた獲物は頭を使うみたいだな、もっと頭を使え」

 

2人の様子を見つめながら彼女は呟く。

 

「今回の敗因は2つ」

 

「ビームは今の戦い方だと体力が持たずに動きが鈍ってしまう事と、マキマが私の攻撃を予測できなかった所だ」

 

「今回は良かったからもう終わり、私は飲みに行く」

 

そう伝えると彼女はこの場から去っていく。そんな彼女をマキマは回し蹴りにより痙攣している体を少し起こしながら見つめる。

 

「ビーム君…もう終わりだって…ラッキーかも…」

 

 

「ギャッ…」

 

しかしマキマは何故だか嫌な予感がして身を屈める。すると彼女が去っていた方向からナイフが回転しながら飛んでくる。

マキマはギリギリ回避できたがビームの体にナイフが刺さってしまう。

 

「ヴヴ…」

 

「うわっ、危なっ…でも何とか回避でき…」

 

しかし二段構えという言葉がこの世にはあるのだ。少し遅れて2本目のナイフがやってきてマキマの額に刺さる。

 

「あ…あえ…?」

 

痛みに悶えていると向こうの方から彼女がやってくる。

 

「獣が狩人の言葉を信用するな」

 

「それとマキマは勘が鋭いのはいいが、最後まで油断を怠るな」

 

マキマは頭から血を流した状態で地面に倒れているのであった。

 

一方その頃、姫野は黒瀬と天童の指示の元、大勢の悪魔が収容されている地下施設に向かっていた。

 

「強い悪魔と契約して貰うっちゅー事は結構な惨い契約内容になると思いますけど、ウチらは姫野ちゃんをイジメたくてそんな事するんじゃありませんよ〜」

 

 

「キミは仕事に復帰したらライオンの檻に飛び込むんです。身を護る武器は必要でしょ?」

 

そのように話を聞いていると無事に到着する。施設の廊下を歩きながら姫野は説明を受ける。

 

「ここには公安が生け捕りにした悪魔達がぶち込まれてる。ここで武器を見つけましょ」

 

すると黒瀬が姫野に聞きたかったことを聞いてくる。

 

「関係ないすけど昨日の美人…彼氏さんですか?」

 

 

「すぐそういう話やめな」

 

天童が黒瀬に注意を入れる中、姫野は聞かれたので答えていく。

 

「……バディの弟君の方です」

 

 

「あらら〜……じゃあ殴られました?」

 

 

「いえ……手紙を貰いました」

 

 

「手紙?」

 

その時の光景として、姫野は病室で早川の弟が持ってきた数々の手紙を見つめていた。

早川の弟がこの手紙の数々について説明する。

 

「これは僕宛てに兄から送られてきた手紙です。あなたが読むべきなのでお渡しします」

 

そう言われたので手紙の1つを取り、中には入っている紙を読み上げる。

 

『父さん元気になったか?』

 

『食い物には特に困ってな———もう米送ってこなくていいぞ』

 

『父さんがな、最近———ちゃんと薬飲ませてるか?』

 

『そしたら寝てたから後で———姫野が俺の真似してピアス開け———』

 

黙々と手紙を読んでいると、1つ特に目に付いた文章があった。

 

『どうすれば姫野をやめさせられんのかな』

 

その事を少し思い出していると、黒瀬からの説明が入る。

 

「この部屋にいる悪魔と姫野ちゃんは契約してもらいます」

 

「いるのは『未来の悪魔』。公安でコイツと契約している人は2人。1人は寿命半分、もう1人は両目と味覚、嗅覚を差し出しています」

 

「気に入られれば安く済みますよ、じゃあどうぞ」

 

姫野は説明を受けて、覚悟を決めながら部屋の中に足を踏み入れていく。

向こうに見えたのは何か目だった。しかし見えたのは1()()()()

すると悪魔の楽しそうにする声が部屋中に響き出す。

 

「未来最高、未来!最高!」

 

「未来!!最高!!」

 

 

 

—————————————————

 

 

 

「イェイイェイ!未来最高!未来最高!」

 

「オマエも未来最高と叫びなさい!!」

 

 

「私はアンタと契約をしに来た、アンタは私の何が欲しいか言って」

 

そのように姫野が冷ややかに返してきたので未来の悪魔はぶつぶつと文句を呟く。

 

「………過去最悪な態度だぞ、オマエ!」

 

「まあいい、オマエの未来を見せな!未来次第で契約内容は考えるぜ!」

 

そう言われてもどのように未来を見せればいいのか困惑していると未来の悪魔が叫び出す。

 

「早くお腹に頭を突っ込め!じゃなきゃ未来が見えないだろ!」

 

警戒はしつつも姫野は未来の悪魔の腹に頭を突っ込む。

 

「ム」

 

姫野が頭を腹から出すと未来の悪魔は不気味な声で笑い出す。

 

「フ、フフ、ウフフフフ…………」

 

「契約はこうだ!お前の右目に俺を住ませろ!そうすればお前の力になってやる!」

 

姫野は想像していた代償よりもずっと軽く、疑いの目を向ける。しかし未来の悪魔はそれを見透かしていた。

 

「それだけでいいのか?…って顔だな?」

 

「オマエの未来をこの目で見たくなったからな」

 

「なぜならオマエは未来で最悪な死に方をする!」

 

そう姫野は告げられてしまう。続けて未来の悪魔は姫野の未来を話し始めようとする。

 

「どういう死に方をするか聞きたいか?オマエは…」

 

 

「言わなくてもいい、自分の死に方には興味ないから」

 

しかし姫野はその話を止める。

 

「私は私が殺したい奴を殺せれば後はどうなってもいいの。さっさと目に入って」

 

一方その頃、マキマとビームは特訓の負傷により仰向けで地面に倒れていた。もちろん血を流しながら。

そんな2人を見ながら彼女は呟く。

 

「…………うん、良し」

 

「今のは100点の動きだったよ。今日から指導は毎日じゃなくていいな、週一にする」

 

彼女からそのように言われ、2人は喜びの声を上げる。

 

「いえ〜…い」

 

 

「キャ…やった…!」

 

 

「ハイな時でもクールに脳みそを動かせ。常に自分の持っている武器と状況を頭に入れておけ」

 

「指導を踏まえて明日に実戦だ」

 

そのように伝えられたのでビームは指導について質問する。彼女は質問に答えていく。

 

「早川達を殺したサムライソードとヘビ男を私達全員で捕まえに行く。新4課のお披露目式だよ」

 

「その作戦で失敗したら4課は終わり。そうなればお前達は処分されて私とマジバトルかな」

 

そのように話す彼女を見てマキマはこう返す。

 

「その時は私は先生を殺さないで見逃してあげるよ」

 

 

「は?」

 

 

「私を強くしてくれたからね、これでもっと悪魔を殺せる」

 

「そうすればデンジさんとランデブーだよ!!」

 

そのように豪語するマキマを見て彼女は何も言わず何かを考えていた。

 

そしてその日の夜、彼女はデンジに話があると伝え、料亭にて話をすることとなった。

 

「今回は忙しいのにありがとな、これからもマキマちゃんとビームをよろしく頼むぜ!」

 

デンジの感謝の言葉を聞き、彼女は日本酒を飲みながらこう答える。

 

「私はもうアイツらは嫌になってきちゃったな」

 

デンジが不思議そうな顔で見つめるので続けてこのように話す。

 

「育てた犬が死ぬたびに酒の量が増える。おもちゃなら壊れても罪悪感はないと思っていたが…」

 

「この歳になるとボケてきておもちゃにも情が湧く」

 

その言葉を聞き、少し俯きながら何かを考えるデンジ。そして聞きたかったことを聞く。

 

「それで…話ってのはなんだ?」

 

 

「今回の特異課襲撃…公安も馬鹿じゃない、お前わかっていて見逃したな」

 

 

「俺も襲撃に遭ったけどォ〜?」

 

そのように答えるので、彼女は少し考えてデンジにこう言い放つ。

 

「………お前がどんな非道を尽くそうと、私の飼い犬を殺そうと、人間様の味方でいる内は見逃してやる」

 

「内はな」

 

それを聞き、デンジは自分の意見を話し始める。

 

「………俺は悪魔からよ、一人でも多く人を救いたいだけだぜ」

 

「今回の作戦が成功すればよぉ、4課の存在をドーンと知らしめることができんだ。そうなりゃ4課は今よりも動きやすくなってもっと悪魔から人を救えるぜ!」

 

そんな彼に人差し指を突き出し呟く。

 

「嘘つき」

 

少し間を置き、デンジはその言葉にニヤリと笑う。

 

一方、サムライソード達がいる敵陣地では、厳重な警備がひかれていた。舎弟の1人が若頭である金髪女に現在の状況を伝える。

 

「組長は別荘に移動してもらっています。若も…」

 

 

「デンジが生きてる限り日本には逃げれる場所がねえ」

 

話の途中で大男が割り込んでくる。

 

「ここで迎え討つ準備はしてある。静かにしてろ」

 

 

「お前は黙ってろ!!」

 

 

「若…!」

 

金髪女はソファーに座りながらこう話す。

 

「婆ちゃんがいたら逃げる事は許さないよ」

 

「それに4課には糞マキマがいる…次こそ心臓をもぎ取ってやる…」

 

 

「お前らの若の心配はいらねえ、死んでも蘇るからな。それよりここに残んなら噛まれないように用心しろよ」

 

大男の発言に舎弟達はどういう事かと質問する。それには若である金髪女が答える。

 

「ここの下には秘密兵器がいる」

 

「婆ちゃんの置き土産。借金を返さないヤツらで作ったゾンビ集団だ」

 

 

「ゾンビに噛まれた人間はゾンビになる。それで4課を終わらせてやる」

 




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