チェンソーウーマン   作:やまなお

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蜘蛛の悪魔大好き!


作戦開始/全員集合

 

姫野は無事に未来の悪魔と契約を終え、黒瀬が運転する車にて3人で移動していた。

姫野が窓の風景をボーッと眺めていると、黒瀬から話しかけられる。

 

「ウチらは東京観光して京都帰ります〜もう会う事もないだろうし一つ質問させてください」

 

「姫野ちゃんは銃の悪魔狙っとる聞きました。本気で殺せると思ってます?」

 

その言葉を聞き、少し真剣な表情を浮かべる。

 

「今回特異課を20人ほど殺した奴にキミは負けてるのに、世界中の人間をウン百万人殺した奴には勝てるとでも?」

 

「実はウチらも銃の悪魔にメチャクチャされた恨みで公安来ました。でも銃の悪魔を殺そうなんて思いませんよ〜普通に考えれば無理ってわかりますもん」

 

「正直姫野ちゃん見てるとムカつくんですわ。弱いクセに漫画ん主人公みたいな目標掲げて痛くてサボイボ立つわ」

 

そう吐き捨てると腕を捲り、肘を見せる。

 

「ほら立っとるやろ?」

 

 

「立ってへんわ」

 

すぐさま天童からのツッコミが入る。するとここで姫野からの意見が入る。

 

「私の前でごちゃごちゃ言わないでくださいよ。アナタは黙って見てればいい」

 

「私が負けて死んだその時に笑いに来てください」

 

「…今自分が自分を見えなくなっているのはわかっています。でも…じゃなきゃやっていけないのもわかってるんです」

 

そのように自分の心境を二人に語る姫野。少しすると東京本部前に到着したので、姫野は二人に指導のことでの感謝を述べて去っていく。

去り際、後ろから缶コーヒーが飛んできて慌ててそれをキャッチする。すると向こうの方から黒瀬の声が聞こえてくる。

 

「姫野ちゃん!!キミん事ムカつくけど応援しとくわ!!最後にこの言葉を贈る!!」

 

「特異課にまともな奴がいないから気をつけな!」

 

そうこちら側にもしっかりと聞こえる声で伝えた後、車に乗ってこの場から移動していった。

離れていく車に姫野は感謝の元お辞儀をしていた。

 

一方で、デンジは海に近い所にあるヤクザの組長の住処を尋ねていた。

 

「公安のお客さんだ。高い茶用意しろ」

 

 

「ご協力ありがとうございま〜す」

 

デンジはソファーに腰を下ろしながら組長の話を聞く。

 

「東京でウチの若い奴らが勝手にドンパチやっちまったみてえでな…なんでも答えさせて貰いますよ」

 

「私の指示じゃあない事もわかって欲しいからね」

 

すると机に写真を置きデンジに見せる。そこに写っているのはあの大男だった。

 

「聞いた話によるとこの××って男が黒幕でな、この男を仲介にウチの若い奴が騙されて銃の悪魔と契約しちまったらしい」

 

 

「契約の内容は?」

 

 

「銃の悪魔に2万円を払う代わりに契約者は銃と弾が貰えるんだとよ」

 

「悪魔の世界も金が必要なんかなあ…人類諸君と変わらないねえ」

 

そのように組長が話す中、デンジは組長に申し出る。

 

「…組にいる銃野郎と契約した奴の名前を全てここに書いて欲しいっす」

 

 

「おおいいよ。しばらくムショに入れて反省させてください」

 

 

「アンタの組の名前だけじゃなくてェ〜他の組の奴らもお願いしま〜す!」

 

そのようにデンジが提案すると、組長は腕を組み困ったような表情を見せる。

 

「坊ちゃんアンタさあ……な〜んもわかってねえなあ」

 

「そんな事知ってても告げ口バレたら組同士で戦争がおこっちゃうよ、馬鹿だねえ〜……」

 

 

「国民の安全の為なんで、ご協力お願いしま〜す」

 

特に何とも思っていない態度で軽くお願いするデンジ。タバコを取り出して吸っていた組長はデンジにとある事を話し出す。

 

「坊ちゃん……必要悪って言葉知ってるかい?」

 

「俺達が身内同士で潰しあってみな?したらその間に外国マフィアが日本に入ってきちゃうんだ」

 

「確かに俺達も悪さはしてるけどねえ、中国とかソ連のマフィアの方がよっぽど酷い事しちゃうよ?それを俺達が防いでるんだ」

 

「デビルハンターが悪魔から人間を守っているように、俺達ヤクザも外国人から日本人を守ってるんだよ」

 

「デビルハンターは学のない馬鹿が多いっつーからわからないのも当然かな?」

 

そのように説明しながら、デンジを煽るような表情をして吐き捨てる。ヤクザの舎弟達も組長の言葉につられて、デンジを嘲笑う。

そんな中、デンジは懐から何かが入った袋を取り出す。舎弟達はなんだなんだという顔をしていた。

 

「端金じゃあ仲間は売れんよ?」

 

 

「これはカネじゃねえっすよ」

 

その言葉に疑問を浮かべた表情をする組長。続けてデンジはこの袋に入っているものの説明を始める。

 

「ここにいるアンタらの……父ちゃん、爺ちゃん、兄弟、息子、ダチ…女の仲間もいたし旦那もだな」

 

「の玉です」

 

 

「玉?」

 

デンジが少しニヤケながらこちらを見つめてくるので何かと思い、袋の中を覗いてみると———

 

「うっ!?」

 

「うあうアア!?」

 

 

「ダハハハハハ!!ギャハハハハハ!!」

 

袋の中にはデンジの言う通り沢山の玉……つまり「金玉」が沢山入っていた。なんともデンジらしい馬鹿みたいなやり方だ。

袋の中に沢山の金玉が入っていて仰天している組長の反応が面白く、デンジは腹を抱えて大笑いする。

 

「ヒィ〜腹いてェ〜!」

 

 

「てめっ…!!」

 

未だ笑い続けるデンジに殴り掛かろうと舎弟の1人が拳をいきおいよく近付けてくる。

するとデンジは唐突に笑いをやめ、鋭い眼差しで後ろを振り返る。

舎弟の1人は何か体に違和感を感じたと思ったら鼻血が出始め、その直後に目や鼻、口から大量の血を垂れ流し、その場で崩れ落ちてしまう。

その様子に恐怖を覚え騒がしくなっていると、デンジがソファーから立ち話し始める。

 

「まあ安心しろよ!公安には金玉戻せる奴がいっからな〜」

 

「あとさ…アンタの言うどーたらこーたらみてえな事って、悪ィ事やる自分を正しくしようとする言い訳だよな?そんな言い訳社会には必要ねえぜ」

 

必要な悪(やんなきゃいけねえ悪ィ事)ってのはずっと国が首輪つけて支配してるモンだぜ」

 

一方で、サムライソード達がいるビル周辺は慌ただしくなっていた。大男が現在の状況をサムライソードに説明する。

 

「地下と一階入り口は退魔2課と警察が包囲。ビル中の制圧は全て特異4課に任されてやがる」

 

「できるだけ公安殺してマキマの心臓を奪う。その後はヘビを使えば俺とてめえぐらいなら逃げれるだろ」

 

 

「マキマは私が殺す」

 

 

「あまり熱くなんなよ」

 

ビル前にてマキマは謎に口の中を弄っており、姫野は表情からして覚悟を決めているのが容易に分かった。

特異4課隊長である彼女がここで宣言をする。

 

「作戦はない」

 

「特異課全員をビルにぶち込む」

 

 

 

—————————————————

 

 

 

彼女の前に警察の1人と特異課の1人がやってくる。

 

「神奈川県警より来ました、警部補の椎名です」

 

 

「退魔2課、古野です」

 

 

「特異4課隊長、クァンシだ」

 

そのようにそれぞれが簡単な自己紹介を済ますと、クァンシが現在の状況を説明し始める。

 

「今回警察と退魔2課は一階と地下の出入り口を封鎖。特異4課で中にいるテロリストを制圧する。その上で貴方達が注意するべき事は1つだけ」

 

「特異4課はほとんどの隊員が人外で構成されている。4課の誰かが町に逃げたらテロリストが暴れるよりも被害が大きくなる」

 

「今回貴方達にはテロリストではなく、4課と交戦になった場合に備えて隊員の特徴を説明しておく」

 

ビルの地下では大量のゾンビが蠢いていた。その中に突撃していく魔人が1名。

 

「おうおう!ゾンビ共がこんなにいるなんてのう〜!!」

 

「ワシが1匹残らず倒してやるわ!!」

 

すると腕から血を出して武器を作り出す。そしてゾンビ達を見るも無惨に蹴散らしていく。

 

 

 

『血の魔人』 自分の血や相手の血を操る事ができる。使用する血は攻撃にも防御にも使えるから万能だ」

 

 

 

「ん!?あんな所にもゾンビが…!ワシの為に死ね!!」

 

血で作り出した武器ですぐ近くにいるフードを被った誰かを攻撃しようとする。

しかし相手はその攻撃を避けて血の魔人にパンチを喰らわせる。

 

「んぎゃ!?」

 

「なんじゃあ……!」

 

 

「おっ!嬢ちゃんごめんな〜!攻撃してくるからゾンビだと思った!」

 

そう伝えるとその魔人はパンチやキックでゾンビ達を蹴散らしていく。

 

 

 

『暴力の魔人』 本来魔人になると悪魔の時よりも弱くなるけど、こいつは魔人でも強すぎるから毒が出る仮面をつけさせられている」

 

「何があってもこいつの仮面は取るな」

 

 

 

暴力の魔人がゾンビ達を蹴散らしていく中、向こうの方を見るとゾンビ達の群れの中に長い前髪で顔が隠れた女性がいた。

 

「そこの人間の嬢ちゃん、逃げたほうがいいよ。人間が噛まれるとゾンビなっちゃうよ」

 

すると俯いていた顔が前を向き、前髪の中にある顔が露になる。顔の頭上から下までジッパーのようなものが付けられており、一目で人間ではないと判断できた。

 

「なんだ悪魔か!」

 

生えている数多の足を使い、ゾンビ達を蹴散らしていく。

 

 

 

『蜘蛛の悪魔』 普段は人間のような形をしている。人の姿に近い悪魔は人に友好的だが悪魔は悪魔、癇癪で人を殺すよ」

 

 

 

蜘蛛の悪魔によって一体のゾンビの首がスパンと切られ、生首が飛んでいく。落下した生首は誰かの靴に当たる。

 

「うええ…靴汚れた……コイツ最悪…」

 

そう愚痴を吐くと、飛んできた生首を掴んで口に入れていく。

 

 

 

『天使の悪魔』 こいつは特殊な悪魔で、人に敵意はないが近づくな。触れると寿命を吸い取られるよ」

 

 

 

辺りにいるゾンビ達を新しく手に入れた刀を使い斬り殺していく姫野。そんな彼女に天使の悪魔が話しかける。

 

「そこのキミ…ハンカチ持ってない?」

 

そう聞かれたので姫野は懐からハンカチを取り出し、天使の悪魔の元に行き渡す。

 

「よく僕に近づけるね。触れられたら寿命短くなんのに……」

 

 

「布越しだったら大丈夫なんでしょ」

 

そのように会話していると、物陰からヤクザの仲間が現れて銃口を構える。

そしてそのまま撃ってくるが、すかさず天使の悪魔が翼を広げて防御する。

 

「いたた」

 

隙を見て姫野は撃ってきた相手に接近しパンチを喰らわせる。相手は顔から血を出してその場で気絶してしまう。

 

「悪魔君、こいつを外に運んで」

 

 

「命令された……まあ戦うよりはいいけど…」

 

そして姫野はビル内の廊下を進んでいく。階段を昇るとそこにはいつぞやの大男がいた。

 

「大人しく投降して「ヘビ 吐き出し

 

大男の鼻から血が少し垂れる。その瞬間、ヘビの口から一体の悪魔が現れる。

 

「ふざけんな……」

 

目の前に現れたのは、生前の早川が契約していた狐の悪魔だった。悪態を吐きながら姫野は刀を構える。

 

「狐、あいつを殺せ」




暴力の魔人大好き!
(ちなみにこの世界における狐の悪魔は複数体に分裂してると思われます)
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