チェンソーウーマン   作:やまなお

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ロスタイムメモリー大好き!


未成年/日本刀 VS チェンソー

 

生前早川が使役していた悪魔と戦う羽目になった姫野。容赦なく狐の手足が姫野目掛けて飛んでくる。

姫野は刀を使い攻撃を防いでいく。

 

「……前よりも動けるな」

 

その理由は「未来の悪魔」と契約したからである。未来の悪魔はこのように説明していた。

 

「僕の力を使えばね、キミの右目は少し先の未来が見えるよ」

 

「見えるだけだけどね」

 

伸びてきた手足が姫野の肉体を攻撃し、首元を掴む。

 

「そのまま絞め殺せ」

 

大男がそう命令すると首を絞める力が強くなり、段々と意識が遠のいてしまう。

そんな時に思い出されたのは、早川との会話だった。

 

「一本やるよ」

 

 

「骨が腐るから吸わないよ」

 

 

「長い付き合いになると思うから、吸って欲しいけどな……」

 

 

「じゃあ一本だけ吸ってあげる。一生で吸うタバコはこの一本だけ!」

 

その言葉を聞くと早川は少し嬉しそうに姫野を見つめる

 

「よし、じゃあ火付けてやる」

 

 

「未成年に吸わせるなんで最低な先輩だね」

 

懐からライターを取り出そうとした時に、姫野から爆弾発言が飛んできた為慌てて聞き返す。

 

「未成年なのか!?」

 

 

「そうだけど…」

 

 

「じゃあ吸っちゃダメに決まってるだろ」

 

姫野が未成年だと知り、タバコを吸えない事が分かりため息をつく早川。

早川は姫野からタバコを返して貰う。

 

「じゃあこの一本は俺が預かっておくか」

 

そして続けてこのように伝える。

 

「お前が大人になって、何かに寄りかかりたくなったら返してやる」

 

そのような会話をふと思い出した姫野。そのまま狐に絞め殺されたと思ったが、狐の手から解放されてその場に崩れ落ちていた。

すると狐の右手が早川の前に差し出される。手のひらの中には一本のタバコが。

それを受け取りタバコを見ると、文字が書かれていた。

 

 

 

Easy revenge!(気楽に復讐を!)

 

 

 

早川のメッセージがそこには書かれていた。それを見た姫野は少し目を瞑り、狐の手のひらの上に乗る。

 

「はあ!?」

 

先程までとは違い、姫野に対して攻撃を繰り出さない狐に信じられないような表情で反応する大男。

 

(悪魔はこちら側の恐怖心があればあるほど有利になる。なら恐れず立ち向かえばいい)

 

狐の手のひらが口の前に移動し、そのまま姫野は狐の口の中に入る。その瞬間に刀を構える。

 

(早川先輩……もうすぐ私も行きます)

 

狐の口の中で頭上に向かって刀で斬る。そしてそのまま縦横無尽に斬っていき、狐の口から脱出する。

狐の死体を見つめながら大男は焦り出す。

 

「ヘビ…!」

 

 

「殺さないで」

 

そこには大男の首元に包丁を当てているコベニがいた。体格差があるというのに一体どのような技法を使っているのだろうか。

姫野は2人に近付き、コベニに質問する。

 

「コベニちゃん、君はどうして公安に残ったの?」

 

そう聞かれたので、少し緊張しながらもその理由を姫野に話していく。

 

「……もうすぐボーナスが出るので…」

 

やはりコベニの頭のネジはぶっ飛んでいるかもしれない。

 

 

 

—————————————————

 

 

 

一方で、マキマとビームはビルのエレベーターに乗っていた。ビームは噛み殺したゾンビの腕を取り出して食べていた。

 

「ええ…それ美味しいの…?」

 

 

「ウマイウマイ!肉なら豚も牛も人も、全部同じ!!」

 

 

「いやいや全然違うでしょ…」

 

ビームの暴論にツッコミを入れるマキマ。

 

「私達の仕事はサムライソードを捕まえる事だよ。捕まえても食べないでよ」

 

そんな事で会話していると7階に到着する。エレベーターのドアが開いたと思ったら、向こうの方にはゾンビの大群が蠢いていた。

マキマ達の方にはまだ気付いていないようだ。

 

「コイツら気付いてないね…大きな声出さないでよ……」

 

面倒事にしたくないのでビームに警告を入れるマキマ。しかしビームはマキマの言葉を無視して叫び出す。

 

「ゾンビゾンビ!!食い放題〜!!」

 

 

「ええ!?」

 

ビームが大声で叫び出したのでゾンビ達はマキマ達に気付いてしまう。

 

「腹減って仕方ない!」

 

「勝負!勝負!」

 

こちら側に向かって襲いかかってくるゾンビの大群。ビームは頭部を悪魔化していく。

 

「マキマ!!ついてこい!!後ろ任せた!!」

 

なおビームは気付いていないが、エレベーターはマキマを乗せたまま閉まったのでマキマはビームの後ろにはいなかった。

気付かないままビームはゾンビの大群を次々に噛み殺していく。

 

「ウマイウマイ!!最高!!」

 

すると前からは一段と大きなゾンビがこちら側にドシドシと音を立ててやってくる。

 

「強敵…!マキマ!見てて!」

 

「オレが全部食う!!」

 

残念ながらマキマはこの場にいないのだが、ビームはゾンビの頭目掛けてジャンプし、そのまま頭を噛みちぎる。

 

 

「オレ最強!最強!キャキャ!!」

 

 

一方でマキマはもう少しでサムライソードと対峙するのでエレベーター内で少しばかりの準備をしていた。

 

「ふあ…」

 

眠気であくびが出る。すると「チーン」という音が鳴り響きエレベーターが到着する。

Yシャツの中に手を突っ込み、いつでもスターターが引ける状態にしておく。

エレベーターが開いた先には、サムライソードと銃口をこちら側に向けた舎弟の2人が待ち構えていた。

 

「出たね金髪女」

 

 

「ちょっと待て、少し話さない?」

 

早速スターターを引こうとしたのだが、サムライソードが話を持ちかけてくる。

マキマは疑いの目をサムライソードに向けつつも話を聞いてみる。

 

「お前の態度次第じゃ私達は投降するつもりだ。私達はただ怒りを収めたいだけなんだ」

 

「マキマ…お前はこいつらの仲間と私の婆ちゃんを殺した。その償いをしてほしい」

 

 

「アナタのお仲間もおばあちゃんもゾンビになってたから殺したんだよ」

 

 

「嘘をつくな!学歴のない馬鹿はすぐ嘘をつく……!」

 

実際マキマは本当の事を話したのだが、残念ながらまともに聞き入れてくれはしなかった。

 

「………まあいい。それが仮に本当だったとして、ゾンビも元は人間。そいつらを殺してお前は心が痛まないのか?」

 

 

「全ッ然」

 

サムライソードの問いかけに即答するマキマ。

 

「…私も××にいろいろされてさ、心臓が刀の悪魔になってるみたいだが…」

 

「そんな私でも、うっかりゾンビを殺してしまった夜には眠れなくなる」

 

その言葉には少し思う所があるのか、黙って話を聞く。

 

「お前に限っては、心がもう人じゃないんだよ」

 

「少しでも人の良心が残ってるなら、私達に大人しく殺されないか?」

 

そのように提案を持ちかけてくるサムライソード。マキマは少し唸り声をあげて悩み、結論を出す。

 

「ヤだね」

 

 

「なるほど」

 

マキマの答えを聞くと、サムライソードは左手首をスポッと外し刀を露にする。

 

 

「じゃあ斬り殺してやるよ!」

 

 

「やってみなよバァ〜カ!!」

 

 

マキマも胸のスターターを引き、エンジンを吹かす。目の前では額から刀を生やしたサムライソードが居合の体勢になる。

 

「ああ!?でたねソレ!!それズルいんですけど!!」

 

そしてビルの壁やガラスを突き破って、空中にチェンソーと刀が舞う。お互いの武器が擦り合い、けたたましい金属音を響かせる。

 

「何ィ!?」

 

 

「私を斬り殺すんじゃないの!?えエエ!?」

 

 

「死ね!!」

 

 

 

—————————————————

 

 

おまけ

 

 

姫野と早川が街の通りを歩いていると、早川から質問が来る。

 

「なあ、そういえばなんで姫野も俺みたいに髪後ろで結んでるんだ?」

 

そう聞かれたので姫野は理由を説明する。

 

「幽霊との契約で皮膚以外もたまに請求されるんです。この時にこの部分をあげると喜ぶんですよ」

 

「じゃあ早川先輩はなんで後ろ結んでるんですか?」

 

 

「…デンジさんがこうしたら似合うって、勝手に髪を結んできたからだ」

 

まさかの衝撃の事実。姫野はデンジがそんな事を早川にしていた事に驚きの声をあげる。

 

「ええ!?デンジさんが…!?」

 

ふと姫野はどうして今も早川はその髪型にしているのか気になったので聞いてみた。すると早川の返答は少し疑問が残るものだった。

 

「さあ……よくわからないが、なんだか懐かしい気がしたからだ」

 

 

「答えになってませんね…」

 

話が変わるが、2人は週一くらいで宅飲みをする。

酔いから横になって寝ている姫野を見て、早川は酔いからハサミをチョキチョキさせる。

 

翌朝、姫野が洗面台の鏡を見ると、後ろに結んでいる髪が無くなっていた。

理由は簡単、早川が酔った勢いで後ろの結んでいる部分をハサミで切ってしまったからである。

 

「酔った俺がやった。シラフの俺は許せ」

 

「家宝にする」

 

姫野は色々言いたい事はあるのだが、押し黙る。その理由は実に簡単だ。

 

 

『許すしかない、なぜならたくさん弱みを握られているから』

 




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