太陽がよく差し込む目覚めの良い朝。
デンジは冷蔵庫から缶ジュースを取り出し、蓋を開ける。
キッチンで朝食を作っていく。食材を切っていく際に包丁とまな板が重なり合って音が鳴る。
トースターに入れたパンが無事に焼き終わる。作った料理をトレーに乗せて机に運んでいく。
「うまそ〜!いただきます!」
デンジは朝から結構食べる。上手くできた朝食を美味しそうに見つめる。
窓からは東京のビル群がよく見える。都会の1日が始まった。
姫野家では昨日の宅飲みにより机やその周りが散らかっており、マキマと姫野は片付けをしていく。なおビームはニャーコと戯れているので片付けを手伝ってくれない。
姫野は朝食を作り、マキマはテレビを付ける。3人の分とニャーコの餌の分も用意出来たので食事の時間だ。
「いただきます」
姫野は朝食を食べながら新聞を読む。記事の内容としては公安のデビルハンターが大規模戦闘した事や、暴力団の一斉逮捕などであった。
デンジも自宅でそれを見ているのだが、いかんせん内容が複雑なので大雑把に理解しているようだ。
ビームが洗面台の鏡で長く生えた頭の部分を確認する。
デンジはビームに関する個人情報が書かれた書類を確認する。
姫野は公安の正装に着替えながら一箱のタバコを見つめ、それを懐に入れる。
デンジは姫野に関する個人情報が書かれた書類を確認する。
マキマは朝の睡魔が襲いながらも着替えを終わらせる。胸にはいつもようにスターターが生えていた。
デンジも朝食はジャムなどを色々と塗った最強のパンを作り、肉なども沢山食べて子供のようなテンションでいたのだが、着替える頃にはそんな雰囲気を見せない、公安のデビルハンターとしての振る舞いだった。
マキマは外に出るのを嫌がり拒むビームの体を掴み、無理やり外に連れていく。地面に潜って逃げないように厳重の注意を払っている。
外に出たのはいいのだが、マキマと姫野はビームの事で一体どうしようかとお互いに意思疎通を取る。
デンジは公安本部に向かってスタスタと足を進めていく。
ビームが公園の前にある電柱にしがみついて離れようとしない。マキマは電柱から引き離そうと全力で頑張っている。周りからの視線がとても痛い。
「いい加減離れて…!!」
「ギャワワワワワ!!ヤだ!ヤだ!」
無事に引き離せたのだが、それでも抵抗しようとする。絶対に逃げないようにマキマと姫野はビームの両手をそれぞれ持って引っ張っていく。
そんな様子を土管の中からネズミが見つめていた。
先の方には公安の車両があり、嫌がるビームを無理矢理にでも連れ込み、3人は車内に入る。
車の走行中が聞こえる。なんだかノリノリで踊れそうな雰囲気がする。
続いて路面電車に乗り、3人は座席に座り到着まで待つ。ここまで来るとビームは暴れるのを辞めていた。
姫野は腕を組みながら目を瞑っており、マキマはボーッとどこか先を見つめていた。
一方で、コベニは暴力の魔人とバディを組んでいるのだが、買ったハンバーガーを地面に落としてしまう。泣き崩れるコベニと慰める暴力の魔人。
天使の悪魔は持ち前の翼でデパートの屋上に降り立つ。自分以外誰もいない屋上のデパートはどこか不気味だった。
クァンシは墓地に佇んでいた。いつものように墓参りしに来たのだろうか。
マキマ達は公安本部に向かってスタスタと歩いていた。途中で映画館の横を通り過ぎたりもした。ふとマキマは店のケースに飾られているテレビを見つめる。
どこかのカフェではマスターがコーヒーを入れており、1人のアルバイトの
姫野とは木の前で別れる。マキマは手を振って見送っているが、ビームはとても憂鬱な表情でげんなりしていた。
2人はデンジがいる部屋へと足を進めていく。デンジがマキマに関する個人情報が書かれた書類を見つめていると、2人が部屋にやってきたので音のした方に目を向ける。
デンジを前にしてしっかりと姿勢を正しくするマキマと、本棚の後ろに隠れているビーム。
公安の仕事が今日も始まった———
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「このデッケェ角〜…ビーム、お前食いすぎたな」
冷や汗をかきながら怯えているビーム。デンジはビームに生えた長い角を見ながらそう呟く。
「ゾンビとの戦いで大分食っちまったんだな。じゃあ飯抜きするか」
「はい」
「飯抜き?」
マキマがそのように聞いてきたのでデンジは答える。
「ビームは定期的に飯ィ抜いてんだ。あと水も。そうしねえと今よりも恐ろしくて凶暴な悪魔になっちまうからな!」
「ていう事でマキマちゃん、ビームをしばらく借りていいか?」
ビームはマキマがダメと言ってくれる事に人生を賭けていた。しかしそんな奇跡のような事は起きるはずもなく……
「そりゃいくらでも!」
ビーム、無念。デンジはマキマに伝えたい事があるので伝えていく。
「借りてる間のバディだけど……アイツがマキマちゃんと組みたいんだとよ」
すると部屋の外からこちら側に向かって駆けてくる足音がする。そして勢いよく扉が開かれる。
「おうおう!ひれ伏せチェンソー!!ワシの名はパワー!」
「は?」
唐突に部屋にやってきてマキマにひれ伏せと言ってくるので、マキマは思わず声が出る。
マキマは目の前に現れた魔人について質問する。
「何者ですかコイツ?」
「『血の魔人』 凶暴だしすぐ嘘つくし、やる事為すことヤベえんだけど、マキマちゃんには着いてきてくれるらしいぜ」
「着いてくる…?なんで?」
「なんでだろうな?マキマちゃんカワイイからじゃね?」
するとパワーと名乗る魔人がマキマに向かって飛びついてくる。
「随分とみずぼらしい姿になったのうチェンソー!まあワシはチェンソーを従える最強の悪魔じゃからの!ガハハハハ!!」
「触んないでよ女は嫌い」
マキマはあの悪夢の事が少し気がかりになっており、本調子になれなかった。そんなマキマにデンジは心配の声を入れる。
「なんだか浮かない顔だな?」
「最強に元気ですよ……」
そのようにマキマは返す。するとデンジはこのような提案をする。
「んじゃ、最強に元気ならよォ〜明日の休み、俺とデートしようぜ!」
「デート?」
翌日。マキマは待ち合わせ場所である
体を動かせる準備をして、今の気持ちを現すように飛び跳ねる。
『やったーーーーー!!』
「やったァアー!」
「あれ、マキマちゃんもういんの?まだ一時間前だぜ?」
飛び跳ねてウキウキしているマキマの元にデンジがやって来る。着ている服装からして確実にモテるくらいのカッコよさがあり、髪型も多少のヘアアレンジを加えていた。
『わーーーーー!!』
「カッコイイ!!」
『かっこいーーー!!』
顔を赤らめながらデンジのカッコよさに悶えるマキマ。
「マキマちゃん何時に来てたんだ?」
「眠れなくて五時に来てました」
デンジの問いかけに即答するマキマ。マキマは今日のデートがどのようなものなのか気になってので聞いてみる。
「今日はどんな感じの予定なんですか…?私男性と遊ぶの初めてで……」
「今日は遊園地が終わる時間まで沢山遊ぼうぜ!」
「…え!?」
デンジのデートプランは遊園地で遊び尽くすという、なんだか子供のノリを感じさせるものだった。
「早速チケット買おうぜ!」
「…はい!」
しかしデンジと長い時間遊べるという事が魅力的なマキマにとっては、デンジとの遊園地デートに心を踊らせる。
チケットを購入して遊園地内に入ると、早速2人で各アトラクションを回っていく。
「やっぱ最初はジェットコースターだよな!」
「ジェットコースター…!前にテレビで見た事あるんですけど、すごく楽しそうだったので乗ってみたいです!」
そうと決まれば早速列に並び、乗る順番になる。マキマはデンジと隣同士で載っているので緊張でいっぱいだった。
(デンジさんがすぐ近くに…やっぱり近くで見ると更にかっこいい……)
そしてジェットコースターが動き始め、ゆっくりと坂を登っていく。
「くるぞくるぞ…」
そして一気に超スピードで斜面を下っていく。
「ギャアアアアア!!」
「ワアアアアア!!」
そしてジェットコースターが無事に一周し、2人は降りる。
「すごい!あれがジェットコースターなんですね!」
「だな〜!やっぱ楽しいよな!」
「次は何処に…」
「う〜ん……メリーゴーランド!!」
メリーゴーランドがある場所に行くと、二人乗りできる馬があったのでそれに乗ってみる。
マキマがデンジの体をギュッと後ろから抱きしめる構図になる。
(で、デンジさんと密着してる!!筋肉すごい……)
そしてメリーゴーランドが動き出す。軽快な音楽を奏でながらメリーゴーランドはグワングワンと揺れる。
「スゲェぞマキマちゃん!めっちゃ揺れてる〜!!」
「ホントですね!楽しい〜!!」
そしてその後もコーヒーカップやお化け屋敷、観覧車などを巡っていき、閉園時間まで2人は沢山の体験をしていった。
遊園地から出て夜の街並みを2人は歩いていく。
「デンジさん、今日はありがとうございます。とっても楽しめました!」
「お〜それならよかったぜ!でも俺のやりたい事にめちゃめちゃ付き合わせて悪ィし…今からマキマちゃんがしたい事しようぜ?」
「え?でもこの時間だし今から出来ることって…」
その時、2人は小さな映画館を通り過ぎる。マキマは映画に少し興味があった。まだギリギリ1回だけ上映スケジュールがあるみたいだった。
「あ、あのデンジさん!」
「ん〜?」
マキマはこの映画館で映画を見たいとお願いする。嫌がられないか心配だったが、デンジは快く引き受けてくれた。
そして2人以外誰もいないシアターにて一本の映画が流れ始める。
(私達以外だれもいないけど…大丈夫かな……)
映画の内容は難しくてよく分からなかった。淡々と映像は流れていき、それをじっと見つめる。
終盤、再会できた2人が抱きしめ合うシーンがあった。そのシーンを見ていると、マキマの目からはツーっと涙が零れる。
(わ…何も変哲もないシーンなのに、涙が……)
(デンジさんに見られたくない…え?)
横から嗚咽する声が聞こえたのでチラッと横を見ると、デンジが手を口元に当てながら大粒の涙を零していた。
2人は映画が終わるまでずっと先を見つめていた。
帰り道、2人は今日見た映画について語り合っていた。
「あのラスト、絶対死ぬまで忘れないと思います」
「俺も。いい映画ってああいうのを指すんだなア…」
マキマは歩きながらふと自分が悩んでいる事をデンジに打ち明けてみようと思った。
「あの………デンジさんは、私に心ってあると思います?」
「どうしてんな事聞くんだ?」
「いや…最近この事がずっと気がかりで…シリアスな事考えなくてもいいってデンジさんには言われたんですけど、何か心に深く刺さっちゃって……」
それを聞くとデンジはボソボソと呟きながら考える。
「そういうの俺あんま得意じゃねえからな…あ」
デンジは道端に咲いている花を見つめる。近付くとマキマに隠れてその花を口に入れ、マキマの元に戻ってくる。
「デンジさん…?」
「お〜…うえっ……」
「え?」
唐突にデンジは吐き気を催す。マキマは慌ててハンカチを取り出そうとする。しかし……
「タラーン!」
デンジが口に手を突っ込むと中から花を出す。マキマはその事に驚きの声を上げる。
「え…!?」
「どうだ?俺こういう事できんだ!」
マキマが驚いていると、デンジが花を差し出す。
「マキマちゃん、俺が口から花出してビックリしたか?」
「しました…」
「じゃあこれやるよ。マキマちゃん、嬉しいか?」
「う、嬉しいです!」
「じゃあ心あんじゃ〜ん!」
デンジのその言葉にハッとするマキマ。そして、1つお願いしてみたい事があったので頼んでみる。
「デンジさん!」
「ん〜?」
「その…それどんな風にやるんですか!教えてください!」
デンジは少しとぼけた顔をしたが、すぐに眩しいくらいの笑顔をマキマに向ける。
「いいぜ!コツとしてはな———」
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デンジとデートとした日の翌日。
マキマは昼時の騒がしい街中を歩いていた。パワーが後ろから着いてくるという新しい状況だが、そんな事よりも昨日の出来事を思い出しては口がニヤけてしまうマキマ。
(そっか…!驚いたり喜んだりするっていう事は、デンジさんの言う通り私心あるじゃ〜ん!)
するとマキマは募金活動をしている団体を見かける。
「悪魔被害を受けた子供達に募金お願いします!!お願いします!!」
それを見るとマキマは財布を取り出して募金をする。
「心あるから募金もできるよ!」
「ありがとうございます!募金してくださった方に花をプレゼントしています!」
そう言って花を渡してくれる。マキマはその花を綺麗と思いつつも、昨日デンジに教わった事を実践するべく、もらった花を口に入れる。
「キレイって思えるのも心があるからなんだね」
目の前で口に花を入れたマキマにドン引きした表情で見つめる募金活動の人達。
マキマは歩きながらデンジの事ばかり考えていた。
(さすがデンジさん…話しただけで胸のモヤモヤが消えちゃった)
(銃の悪魔の肉片を集めたらなんでも願いを聞いてくれるって言ってたけど、そしたらやっぱり私は付き合って欲しいかな〜……)
目を瞑りながら、デンジの事を思うかべる。
(暇になるとデンジさんが思い浮かぶ。デンジさんじゃない人の筋肉触ったりキスしちゃったけど、私の心はデンジさんだけのモノ)
(絶対に他の人を好きになったりはしない!!)
そう心で決心したタイミングで、通り雨が勢いよく降ってくる。マキマは慌てて雨宿りできる所を探す為に駆けて行く。
「すごい雨じゃの〜!!どうじゃチェンソー!ワシが振らせたんじゃ!」
「ちょっとパワーちゃん!君はひっそりしてて!騒いで人にバレたら表歩けなくなるでしょ!」
「ぬう…退屈じゃのう〜……」
そう呟いているとパワーは雨宿りしている猫を見かけてそちらの方に近付いていく。
マキマはそんな様子を見ながら呆れた声を出す。
「なんで魔人はみんな馬鹿みたいな名前してるんだろう……しかも猫好き……」
そしてマキマは近くにあった電話ボックスに駆け込む。ここなら雨が止むまで雨宿りができそうだ。
「傘持ってくればよかった…」
マキマは公衆電話の上に缶コーヒーがある事に気付く。飲み食いできそうな物は何でも口に入れる癖があるマキマはそれを手にしようとする。
その時、外から誰かの声がこちら側に近付いてくる。
「うわあーやべー」
電話ボックス内に1人の少年がやって来る。雨で髪がずぶ濡れになっているようで、顔はよく見えない。
その少年はマキマがいる事に気付く。
「あ、どうもどうも。いやあ、スゴイ雨ですね」
「あ〜………うん」
「天気予報は確か…ん…え!?」
「あはははははは!」
少年はマキマの顔を見ると途端に笑い出す。マキマは急に相手が笑い出したので困惑した表情を浮かべる。
「いや、ごめっ、すみませ……あははは!」
「何なのアナタ……」
するとその少年から涙が零れている事に気付くマキマ。
「え!?なんで泣いてるの!?」
「いやいやすみません………君の顔…死んだウチの犬に似ていて…」
「ええ!?私犬〜…!」
「いやホントごめんなさい!」
マキマはその様子をしばらく見ていた。しかし唐突にマキマは吐き気を催す。
「うえっ」
「え、大丈夫ですか…?」
「うえええっ…!おえっおえっおぇ、げっ」
「あ、ちょっと待って…ハンカチハンカチ…」
少年は慌ててハンカチを取り出そうとポケットに手を入れる。するとマキマは口に手を入れる。
「うぇ」
「タラーン!」
舌を出しながら手品のように披露するマキマ。昨日のデンジの教えは無事に働いたようだ。
少年はマキマの手品に驚いた声を上げる。マキマは少年に話を渡しながら軽く説明する。
「種も仕掛けもないんだよね、コレ」
「ありがとう…」
花を手に取り、喜ぶ姿の少年がそこにいた。マキマがそんな彼を見つめていると、ちょうど雨が止む。
「あ、雨止んだな」
2人は電話ボックスから出る。すると少年がマキマに話しかけてくる。
「オレこの先の二道ってカフェでバイトしてるんだ。来てくれたらこのお礼してやるよ」
「絶対来てな!」
マキマにそう伝えてカフェに歩みを進めていく少年。階段などを通り、薄暗い裏路地を通る。
するとその先にはカフェ「二道」があった。カフェの中でエプロンを着た少年にマスターが話しかける。
「遅刻した分給料から引いとくからね」
「うわケチ」
「4番テーブルにお水ね」
「ケチだな〜ケチケチ」
遅刻した分を給料から引かれる事になり、自業自得だと言うのにマスターに愚痴をこぼす少年。
4番テーブルにお水を運んでいくのだが、少年はそこにいた人物に驚きの声をあげる。
「って早っ!?」
なんとそこには机に肘を付いて座るマキマがいたのだ。なんという凄まじいスピードだろうか。
「ええ…オレより絶対早く来ただろ」
「まあそういえばそうかな」
「お礼貰いにきただけだよ」
「ふ〜ん」
コップを手に取り水を飲むマキマの横に少年が座る。そして店員だというのにマスターに注文する。
「じゃあ一緒に飲むか。マスターマスター、オレと彼女にコーヒーを!」
「店員でしょアンタ」
店員なのに注文してきた少年にツッコミを入れるマスター。至極当然の結果とも言える。
「いいじゃないですか〜モーニングにしか客なんてこねえんだし」
「もお〜………」
マスターはそんな彼に文句を入れつつもコーヒーを淹れる。そして少年がマキマのいる机に持ってくる。
「はい、お礼はコーヒーでした!コーヒー好きか?」
「まあ好きだけど…とりあえず飲もう」
持ち手に指をかけてコーヒーを飲む。少し飲んだ後、そっとコーヒーカップに置く。
マキマの表情は何とも言えない冷めた表情であった。
「まあ飲めるけど…マスターさん淹れ方が下手なんじゃない?味がイマイチ」
とんでもない失礼な発言をかますマキマ。それに加えて少年もその発言に乗ってしまう。
「アハハハ!だよな、マスターはコーヒーの淹れ方下手だから…」
「あのねえ……」
マスターは2人から微妙な評価を付けられた事に涙目でツッコミを入れていた。マスター、無念。
「にしても、オレら気が合うな。仲良くしようぜ」
そう言いながらマキマの肩をポンポンと叩いてくる。その行動にマキマは脳内で考え始める。
(やたら触ってくるし、私に笑ってくれるし、もしかしてこの人、私のコト好きなんじゃない…?)
すると少年がマキマに自己紹介をする。
「オレの名前、ヨシダ。君は?」
「マキマ」
「マキマ、マキマちゃん…」
ヨシダはマキマの名前を繰り返し呼んでみる。するとマキマの方を見つめながらこのように話す。
「マキマちゃんみたいな面白い人、はじめてだよ」
「ふ…う〜ん」
(確定で私のコト好きじゃん)
マキマはちょろいのである。顔が良い美人にそんな事を言われたら自分の事を好きだとすぐに感じ取ってしまう。
(どうしよう、私は私の事を好きな人が好きだ)
(デンジさん助けて、私この人好きになっちゃう)
本当にマキマの人生は大丈夫なのだろうか。
吉田大好き!