姫野達が乗る車の前には××と野茂の生首を両手でぶら下げながら立つヨシダがいた。
続いてヨシダは姫野達に対して警告を入れてくる。
「オレの力を見せるために殺して見せた。できるだけ人殺しはしたくない」
「マキマちゃんを車から降ろして去ってくれ」
しかし姫野はその選択肢には従わずに、慌ただしい車内の中勢いよくアクセルを踏む。勢いよく音を立ててヨシダの横を猛スピードで進んでいく。
「はあ…」
ヨシダは地面に爆発を引き起こし、爆風で姫野が運転する車の頭上に着地する。
「車はガソリンで丸焦げになっちゃうからな〜いろいろ面倒くさいん、だけどっ」
車に向かって爆発の勢いをつけたパンチをお見舞いしようとする。しかしその時横からキックが入ってくる。
「アチョ」
咄嗟にガードするが、ヨシダは車から引き離されてしまう。
「特異課にも救援要請してたけど、助かった…!」
地面に叩きつけられたヨシダが倒れた身体を起こしていると、空中から暴力の魔人によるかかと落としが炸裂する。
ヨシダはそれを片腕で抑え込む。
「嘘ォ!?」
「俺のマジ蹴りだぜ!?今の!」
即座にヨシダから距離を取る暴力の魔人。ヨシダは腰を落とし、パンチングポーズを取る。
「いい蹴りだったぜ、やろうか」
そのまま第2ラウンドになる———と思われたが、暴力の魔人はバディであるコベニに作戦変更の旨を声で伝える。戦闘に特化しているというのに、引き際を見極めるのが得意なようだ。
ヨシダの元から急いで去り、向こうの建物にあるドアに入る。
「じゃあそういう事で〜!!」
ドアがバタンと閉まる。するとヨシダは腰が抜けて佇んでいるコベニを見つけ、じっと見つめる。
コベニは恐怖のあまり泣きながら叫び出し、命乞いの為に道端でヨシダに向かって必死に土下座をする。
「もう仕事やめるから許してくださぁいい!!」
そう泣き叫びながら嗚咽を漏らすコベニ。なおその頃にはヨシダは車で移動している姫野達を追跡する為にこの場から去っていた。
一方で天使の悪魔は窓から顔を出し、上空で爆風を利用して空中を飛ぶヨシダを見つける。
「来た!」
ヨシダは目的の車の後ろを走っている大型トラックの頭上に着地する。走行中だというのに1歩1歩、姫野達の元に近付いてくる。
「はっ!?」
その頃、天使の悪魔がマキマとパワーに血を飲ませた事により、2人は意識を取り戻す。
「ねえねえチェンソーちゃん蘇ったけどさあ……ボムボーイもう後ろ来ちゃってるよ」
実際その通りであり、絶体絶命の状況下に置かれていた。
「なに、これ…!もお〜どうなってんのこの車!無線イカれてるんだけど!」
車内に大音量の激しい重低音が鳴り響く。天使の悪魔はあまりの五月蝿さから苦しそうに耳を塞いでいた。
「いよいよとなればアイツに車ごとぶつかる…アイツにマキマちゃんをあげるわけにはいかない…!」
「うわあ!?」
「なに!!」
「車の上を切ってる!」
「エエ!?」
スピーカーからなる大音量の音楽と共に、1つのチェンソーが車の頭上を切り刻んでいく。
車から脱出する為に切り刻んだ鉄の板を拳でぶっ飛ばす。ヨシダの元にそれが飛来するが、ヨシダは片腕でガードする。
「待ってマキマちゃん!!まだそんな血、飲ませてないよ!!」
中からはチェンソーの状態になったマキマが出てきた。車の上に立つと、マキマは今思っている事を口にし始める。
「痛くて死にそうだなって思いながら、私のこんがらがった脳みそでよ〜く思い返してみたんだけどさ〜」
「私と知り合う男がさあ!!全員私の事殺そうとしてるんだけど!!」
「みんなチェンソーの心臓ばっか欲しがっちゃって!マキマーの心臓は欲しくないの!?え〜!?」
「オレがマキマちゃんを好きなのは本当だよ?」
「えっ、ホント…?」
ヨシダの呟きにマキマが相変わらずのチョロさで受け入れてしまいそうになった時、車内からクラクションの音が鳴り響く。
ドアから顔を出して姫野がマキマに説教する。
「敵の言葉を聞かないで!!アンタはチョロすぎ!!」
「…はっ!危ないじゃん!!危うく騙されるトコだった!!」
「どういう理由で私を殺したいのかは知らないけど、別に私いいも〜ん!私にはデンジさんがいるから!」
そのように豪語するマキマ。ヨシダは先程の発言に混じっていた
「デンジ………マキマちゃん、あの男に飼われてるのかあ……」
「なら一緒に逃げても無駄だったな。はあ…あ〜あ」
「私もキスするんじゃなかった!あ〜あ!」
そう言い返すとマキマはもう片方の腕にもチェンソーを生やし、戦闘態勢のポーズを取る。
「これ以上私のせいで人死ぬと目覚め悪くなるの…だから逮捕!逮捕する!」
「こいよマキマちゃん。オレ達の戦い方ってのを、教えてやる」
ヨシダはあの時のように両手を向けてマキマを誘い込むようなポーズを取る。
そんなヨシダにマキマは足に力を込めてヨシダに立ち向かってくる。
「教えてもらうよ!!」
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ヨシダがパンチを仕掛けてくる。マキマは慌てて回避するが、拳はトラックに直撃して爆発を起こす。
爆風により近隣の建物のシャッターに叩きつけられるマキマ。
「いった…!」
痛みに悶えるマキマだったが、ヨシダは容赦なく追撃を仕掛けてくる。
ヨシダはマキマに飛びかかり、建物の奥まで爆発を起こす。爆発により建物に巨大な穴が開き、その中からマキマは両手に生えたチェンソーを目の前でクロスさせながら現れる。
「マキマちゃん応用ができてないな。チェンソーぶん回すだけじゃダメだよ」
「もっと自分の力を理解しなくちゃ」
「え?」
するとマキマのチェンソーに導火線に炎が付いた黒い何かが付着する。それはヨシダが切り取った自分の人差し指であり、片手を上げるとこう呟く。
「バン」
その瞬間、けたたましい音を立てて爆発を引き起こす。爆風で瓦礫やガラス窓の破片が飛び散る。
炎が燃え盛る中、建物内からエンジン音が響いてくる。炎で黒焦げになった状態でマキマが勢いよく現れる。
ヨシダは襲いかかってきたマキマに爆撃を喰らわせ、建物を破壊しながら上空に吹っ飛ばす。
上空に吹っ飛ばされたマキマだが、ヨシダは爆風でマキマの所まで行き、自分の右脚を爆弾化する。
そのままマキマに蹴りを入れると空中でボンボンボンと何度も爆発を起こし、地面に勢いよく落下する。
周りから悲鳴が聞こえる中、ヨシダは爆発で失ったマキマの肉体が再生されていくのを見つめる。
「再生……蹴られる前にエンジン吹かしてたか」
ヨシダはマキマの首元を掴むと、そのまま何度もマキマを爆発に巻き込む。何度も何度も焼き尽くし、焼き尽くした結果、ボロボロになった上半身しか残っていなかった。
それを掴んでヨシダは歩いていく。ヨシダによって引き起こされた爆発に巻き込まれた人達がそこら中に散らばっていた。
ヨシダはお構いなしに肉体を踏みつけながら歩いていく。
「悪魔………!」
爆発によって負傷した人間はヨシダを見てそう呟いた。ヨシダが何も言わず歩みを進める中、人間の遺体に隠れて姫野が倒れていた。
ヨシダが通り過ぎた後、刀をギュッと握りしめ、立ち上がる。
ヨシダは後ろから気配がして振り返る。その瞬間に姫野は刀を振りかぶってヨシダの左腕を真っ二つに斬るのだった———
ウィーニーウォーカー大好き!