オーバーロードにTS転生者を叩き込んでみた   作:連載として再構築

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第二章 3 聖王女に捧げる歌は

内心で盛大な悲鳴を上げながらも、わたしの表情筋は長年の王族教育と前世のアイドルとしての訓練によって、引きつることなく完璧な「愛想の良い冒険者」の仮面を維持していた。

聖王国の頂点に立つ三人が、平民の集まる酒場に、あろうことか変装して降臨しているという異常事態。

もしここで「あら聖王女様ではありませんか」などと口走れば、機密保持の名目で物理的に消されるか、あるいは面倒な政治の波に飲み込まれる未来しか見えない。

 

「は、はは……オルランドさんのご親戚、ですか。言われてみれば、どことなく高貴な雰囲気が似ていらっしゃるような気もしますね」

 

わたしは震える喉を叱咤して、これ以上ないほど白々しいお世辞を口にする。

胃痛に耐えるような顔をしていたパベルさんが「無理があるだろ」と言いたげに天井を仰いだが、わたしは見なかったことにした。

当のオルランドさんは「だ、だろ? 俺の家系は美人が多いんだよ!」とヤケクソ気味に笑っているが、その額には脂汗が滲んでいる。

 

「初めまして、歌姫さん。オルランドから噂は聞いているわ。私は……カーラよ。こっちは妹のケラ、そして護衛役のレミ」

 

聖王女カルカ――もとい、カーラさんは、花が綻ぶような優雅な笑みで自己紹介をした。

その所作の一つ一つ、例えば何気なく髪を払う仕草や相手の目を見て微笑む間の取り方が、どう見ても上流階級のそれであり、周囲の冒険者たちとのコントラストが凄まじい。

一方で、護衛役と紹介された「レミ」ことレメディオス団長は、獲物を前にした肉食獣のように鋭い眼光でわたしを睨みつけている。

 

「ふん、あんたがサリア? 本当にオルランドが言うような腕利きなの?」

 

挨拶もそこそこに投げかけられたのは、敵意すら滲ませた挑発的な言葉だった。

彼女からすれば、敬愛する主君がわざわざお忍びで会いに来た相手が冒険者であることが不満で仕方ないのだろう。

その威圧感は凄まじく、歴戦の冒険者であれば即座に逃げ出すレベルの殺気がダダ漏れになっている。

 

「ひっ……」

 

わたしの背後で、ネイアちゃんが小さな悲鳴を上げて身を竦ませた。

ただでさえ目つきが悪いと誤解されがちなネイアちゃんだが、本物の「狂犬」とも呼べる聖騎士団長様の理不尽な敵意に晒されては縮み上がるのも無理はない。

わたしはすっとネイアちゃんの前に立ち塞がり、彼女を庇うようにして、レメディオス団長――今の設定ではレミさん――の視線を正面から受け止めた。

 

「ええ、しがない冒険者のサリアと申します。腕のほどは……まあ、自分の身を守れる程度には、としか言えませんが」

 

わたしはニコリと微笑み返し、殺気を受け流す。

レベル73のわたしにとって、英雄の領域にあるとはいえレベル30台そこそこの彼女の威圧など、そよ風のようなものだ。

しかし、ここで余裕を見せすぎれば怪しまれるし、怯えればナメられる。

あくまで「度胸のある冒険者」としてのラインを見極めなければならない。

 

「ほう……私の目を見て動じないとは、ただの歌い手ではないようね。少しは期待してもいいのかしら」

「レミ、失礼よ。私たちは客としてここに来たの。それに、彼女はオルランドとパベルの友人なのでしょう?」

 

空気が張り詰めかけたその時、カーラさんが穏やかだが有無を言わせぬ声色でたしなめた。

その一言で、レミさんは「ぐぬぬ」と唸りながらも、忠犬のように大人しく椅子に座り直す。

さすがは聖王女、猛獣使いとしての手腕は国一番である。

 

「申し訳ありません、サリアさん。この子は少々、武骨なもので。……それよりも、そこにいる可愛らしいお嬢さんは?」

 

カーラさんの視線が、わたしの後ろから恐る恐る顔を覗かせているネイアちゃんに向けられた。

慈愛に満ちたその瞳に見つめられ、ネイアちゃんは緊張でカチコチになりながらも、父であるパベルさんの教えを守って礼儀正しく頭を下げる。

 

「は、初めまして! パベル・バラハの娘、ネイア・バラハと申します! その……今日はサリアお姉ちゃんの歌を聴きに来ました!」

「まあ、パベルの娘さんなの。ふふ、お父様に似て、とても凛々しくて素敵な瞳をしているわね」

「え……?」

 

ネイアちゃんが驚きに目を見開いた。 彼女はずっと自分の「凶悪な目つき」をコンプレックスに感じており、初対面の相手から褒められたことなど一度もなかったからだ。

しかし、カーラさんの言葉には一切の嫌味も追従もなく、心からの称賛が込められていた。

聖王女カルカ・ベサーレス。

「聖王国の至宝」と謳われる彼女のカリスマ性は、美貌だけではなくこうして他者の本質を見抜き、肯定する心の在り方にこそあるのだと、わたしは改めて痛感する。

 

「ありがとうございます……! あの、お姉さんも、すごくお綺麗です!」

「あら、嬉しい。ありがとう、ネイアさん」

 

ネイアちゃんの顔に朱が差し、強張っていた表情が和らいだ。

それを見て、胃痛顔だったパベルさんもようやく安堵の息を漏らし、オルランドさんは「へへっ、だろ? うちのボス……いや、親戚はすげぇんだよ」と得意げに鼻をこすっている。

場が和んだのを見計らい、わたしはあえて道化のように明るく振舞って、話題を本題へと誘導することにした。

 

「さてさて! 美しいご婦人方にお褒めいただき光栄ですが、挨拶はこの辺にしておきましょう。わざわざ遠方から、わたしの歌を聴きに来てくださったのでしょう?」

「ええ、その通りよ。カリンシャで評判の歌姫の実力、ぜひ拝見させてもらいたいわ」

 

冷静な観察眼でこちらを値踏みしていた「ケラ」ことケラルト団長が、眼鏡の奥の瞳を光らせてそう言った。

彼女の視線は、わたしの所作や装備、果ては魔力や気配の揺らぎまで分析しようとしているようで油断がならない。

だが、望むところだ。

中途半端な芸を見せれば、彼女たちは失望し、二度と関わってこないかもしれない。

しかし、わたしの可愛いファンであるネイアちゃんの前で手は抜きたくないし、何よりそんな恥ずかしい姿は見せられない。

 

「承知いたしました。それでは――皆様に、ささやかな歓迎の歌を贈らせていただきます」

 

わたしは一礼し、踵を返してステージへと向かう。 背後から突き刺さる三者三様の視線――期待、懐疑、そして値踏み――を心地よいプレッシャーとして背中に受けながら。

 

(さて、何を選ぶぼうかな……)

 

ステージに上がり、愛用のリュートを構える。

酒場の中は高貴な来客の正体に薄々勘づいているのか、あるいは単にその異様な空気に呑まれたのか、しんと静まり返っていた。

聖王女カルカは、清廉潔白で理想を追い求める君主だ。

そしてレメディオスは正義を信じる騎士。

彼女たちに響くのは、恋愛ソングや流行歌ではない。

 

わたしは弦を爪弾き、静かなイントロを奏で始める。

選んだのは、前世において数多のプレイヤーを感動の渦に巻き込んだ、あるRPGの主題歌。

過酷な運命に立ち向かい、傷つきながらも前に進む「意志」を歌ったバラードだ。

歌詞はこの世界に合わせて即興で翻訳・アレンジするが、そこに込める「想い」は変わらない。

 

『――星なき夜も恐れはしない。その胸に灯る火が、道標になるから――』

 

歌い出しと共に、わたしは意識的に《歌唱》スキルを発動させる。

ただし、固有職――ワールド・アイドルの効果は、純粋に「歌」としての質を高める方向で。

透き通るような、けれど芯のあるわたしの声が酒場の空気を震わせ、聴く者の魂に直接語り掛けるように響き渡る。

店内の照明が、まるでスポットライトのようにわたしを照らし出しているような錯覚すら覚えるほど、空間そのものが歌に支配されていく。

 

ちらりと客席に視線を走らせる。

腕を組んでふんぞり返っていたレメディオスが、目を見開いて口を半開きにし、組んでいた腕が力なく解かれているのが見えた。

分析するように冷ややかだったケラルトの表情から計算の色が消え、驚愕が張り付いている。

そして、中央に座るカーラ――聖王女カルカは、その美しい瞳を潤ませ、まるで神託を聞くかのように両手を胸の前で組み合わせていた。

 

(よし、ここからがサビよ!)

 

わたしはリュートを鳴らし、テンポを上げて曲を盛り上げていく。

それは単なる娯楽としての歌ではない。

国を背負う重圧、終わりの見えない亜人との戦い、理想と現実の狭間で揺れる心。

彼女たちが抱えるであろう孤独や葛藤を肯定し、それでも進めと背中を押す「応援歌」だ。

 

『――誰も知らない涙を空は見ている。貴女の歩む道が、いつか誰かの光になるように――』

 

高らかに歌い上げるサビのパートで、わたしはあえてカーラさんと視線を合わせた。

一瞬の交錯。

その瞬間、彼女の瞳から一筋の涙が零れ落ちるのが見えた。

それは悲しみの涙ではない。

張り詰めていた糸が緩み、心の奥底に沈殿していた澱が浄化されたかのような、解放心からの涙だった。

 

最後のフレーズを歌い終え、リュートの残響が静寂の中に溶けていく。

数秒の空白の後、爆発するような拍手が酒場を揺るがした。

冒険者たちが、店員が、そしてネイアちゃんが、惜しみない称賛を贈ってくれている。

その喧騒の中で、特等席の三人はしばらく動けないようだったが、やがてカーラさんがゆっくりと立ち上がり、濡れた瞳のまま優雅に、しかし力強く拍手を送ってくれた。

 

それを見たレメディオスも、バツが悪そうに顔を背けながらも、乱暴な手つきだが確かな音で拍手をしている。

どうやら、「たかが歌姫」という評価は覆せたようだ。

 

(なんとか乗り切ったかな。でも気に入られて、後が面倒になるパターンだわ……)

 

喝采を浴びながら、わたしは内心で冷や汗を拭う。

予感は確信に変わりつつあった。

聖王女一行とのコネクションは、冒険者ライフにとって劇薬だ。

だが、最前列で目をキラキラさせて手を振るネイアちゃんの笑顔を見れば諦めもつくというものだった。

 

(まあ、今日だけは良しとするか)

 

拍手の余韻が心地よく肌に残る中、わたしは深々と一礼をしてステージを降りると、ネイアちゃんたちが待つテーブルへと戻った。

まだ興奮冷めやらぬ様子の彼女は、わたしの顔を見るなり弾かれたように立ち上がり、目を輝かせながら駆け寄ってくる。

 

「サリアお姉ちゃん、すごいです……! 私、感動して言葉が出ません! 胸がこう、じーんと熱くなって……!」

「ふふ、ありがとうネイアちゃん。喜んでもらえて何よりよ。張り切って新曲を用意した甲斐があったわ」

 

興奮のあまり語彙力が低下しているネイアちゃんの頭を撫でてあげると、彼女はくすぐったそうに、けれど誇らしげに目を細めた。

そんな微笑ましいやり取りを横目に、わたしは覚悟を決めて未だ呆然とした空気を纏う「高貴すぎる三人組」の方へと向き直る。

 

「さて……カーラさん、レミさん、それにケラさん。わたしの歌は、お耳に合いましたでしょうか? 王都の方々の肥えた耳に耐えうるものだったか、少し心配なのですが」

 

謙遜を交えて問いかけると、カルカ――もといカーラさんは、ハッとしたように我に返り、濡れた瞳を指先で拭いながら立ち上がった。

その動作一つにさえ、隠しきれない気品と、先ほどまでの威圧感とは異なる柔らかな親愛の情が滲み出ている。

 

「ええ……本当に、素晴らしい歌だったわ。耳に合うどころか、心が洗われるようだった。まさか、この街の酒場で、これほど魂を揺さぶられる歌に出会えるなんて思ってもみなかったわ」

 

彼女はわたしの手を取り、その両手で包み込むように握りしめると、真っ直ぐにわたしの目を見つめてくる。

その瞳にあるのは、建前や社交辞令ではない、純粋な感動と感謝の色であり、わたしは不覚にも少しだけ胸が高鳴るのを覚えた。

 

「歌詞の言葉一つ一つが、私の……私たちの背負っている迷いや重荷を、優しく肯定してくれているようで。なんだか、久しぶりに肩の力が抜けた気がするの」

「ふん、まあ……悪くはなかったんじゃない? あくまで『酒場の歌』にしては、だけどね! 少しは元気が出たわ」

 

素直に称賛を口にするカーラさんの横で、レメディオス――レミさんは腕組みをして顔を背けながらも、その口元は僅かに緩んでいる。

先ほどまでの刺々しい殺気は霧散しており、どうやら彼女なりの精一杯の褒め言葉のようだ。

 

「レミったら、素直じゃないんだから。……でも、サリアさん。貴女、ただの歌い手ではありませんね? あの歌声に乗っていた力、あれは魔法やスキルの類だけでは説明がつかないわ」

 

冷静さを取り戻したケラルト――ケラさんが、眼鏡の位置を直しながら鋭い視線を投げかけてくる。 彼女の目は、わたしの実力を測ろうとする分析者のそれだが、そこには先ほどまでの警戒心よりも、未知のものに対する純粋な興味が勝っているように見えた。

 

「買い被りすぎです、ケラさん。わたしはただ、聴いてくれる人に元気になってもらいたいと願って歌っているだけですよ。強いて言うなら、それがわたしの魔法なのかもしれませんね」

「あら、上手い返しね。でも、そういう『想い』の強さが魔法のような奇跡を起こすこと、神殿に仕える身として否定はできないわ。……貴女の歌には、確かに光が宿っていたもの」

 

ケラルトさんは口元に意味ありげな笑みを浮かべ、それ以上の追及は控えてくれたようで、わたしは内心で安堵の息を吐く。

どうやら、最大の難関であった「怪しまれる」という段階は、ひとまず「好意的な関心」へと変化させることに成功したらしい。

 

「それにしても、驚いたぜ。サリアちゃんの歌は何度も聴いてるが、今日のは別格だったな。なぁ、パベルの旦那?」

「ああ……全くだ。娘が心酔するのも無理はない。私も、日々の激務で荒んだ心が癒やされた気分だ」

 

オルランドさんとパベルさんも、それぞれジョッキを傾けながら満足げに頷き合っている。

場が完全に和やかな空気に包まれたのを見計らい、わたしはあえて無邪気な冒険者を装って、彼女たちの設定に踏み込んでみることにした。

 

「それで、オルランドさんのご親戚の皆様は、カリンシャにはいつまで滞在されるのですか? もしお時間があるなら、観光案内くらいはさせていただきますけど」

 

その言葉に、カーラさんは少し困ったように眉を下げ、隣に座るケラルトさんと顔を見合わせた。

本来の予定では、お忍びは今日だけの余興であり、明日は公式な視察団としての公務が詰まっているはずだ。

 

「ありがとう、サリアさん。その申し出はとても魅力的だけれど……残念ながら、私たちは少し『仕事』があって、あまり自由には動けないの」

「そうね、特に明日は……色々と忙しくなりそうだし。貴女のような素敵なガイドにお願いできないのは残念だわ」

「そうですか、それは残念です。でも、お仕事なら仕方ありませんね。カリンシャの街は逃げませんから、また機会があれば」

 

わたしが残念そうに肩をすくめて見せると、カーラさんは何かを思案するように少しの間沈黙し、やがて決意したように顔を上げた。

その瞳には為政者としての光と、一人の女性としての個人的な願いが混在しているように見える。

 

「……ねえ、サリアさん。もし迷惑でなければの話なのだけれど」

「はい、なんでしょう?」

「明日、少しだけ時間を取れないかしら? 貴女にもう一度会って、ゆっくりと話をしたいの。もちろん、歌の謝礼は弾ませてもらうわ」

 

その提案に、隣にいたレメディオスさんが「えっ!?」と驚きの声を上げ、ケラルトさんも意外そうに目を見開いた。

国家元首が、旅先で出会った平民の冒険者に個人的な面会を求めるなど尋常な話ではない。

 

(うえええ!? なんでそうなるのよ! 気に入られすぎでしょ!?)

 

内心で絶叫しながらも、わたしは顔を引きつらせないよう必死に耐え、小首を傾げてみせる。

断りたい。

全力で断って逃亡したいが、ここで断れば逆に「何かある」と勘ぐられる可能性もあるし、何よりこの真っ直ぐな瞳を無下に断ることは良心が咎める。

 

「お話、ですか? わたしのような冒険者と話しても、退屈なだけだと思いますが……」

「いいえ、そんなことはないわ。貴女の人となり、考え方、そしてその歌への想い……もっと知りたいと思ったの。ダメかしら?」

 

上目遣いで、縋るように見つめられては、もはや陥落するしかない。

これが計算ではなく天然でやっているのだから、聖王女という生き物は恐ろしい。

わたしは観念して、小さくため息をつきつつ笑顔で頷いた。

 

「わかりました。カーラさんがそこまで仰ってくださるなら、喜んで。……ただ、わたしは朝が少し弱いので、昼過ぎくらいだと助かるのですが」

「本当? ありがとう! ええ、時間は貴女に合わせるわ。……場所はそうね、人目につかない落ち着いた場所がいいのだけれど」

「カル……じゃなくて、姉様! いくらなんでも軽率よ。どこの誰とも知れない相手を、我々の滞在先に招くなんて」

 

ケラルトさんが慌てて口を挟むが、カーラさんは悪戯っぽく微笑んで首を振る。

どうやら、彼女の中でわたしは既に「警戒対象」から「友人の候補」へと昇格しているらしい。

 

「大丈夫よ、ケラ。パベルとオルランドの友人だし、何より私の目が大丈夫だと言っているわ。それに、レミもいるもの、万が一なんてありえないでしょう?」

「うぐっ……ま、まあ、私がついていれば指一本触れさせませんが!……はぁ、わかりましたよ。サリア、変な真似をしたら即座に切り捨てるから、そのつもりでいなさいよ」

 

レメディオスさんは渋々といった様子で承諾し、わたしに向けて指を突きつけて警告する。

その剣幕にネイアちゃんが再びビクリと震えるが、わたしは「怖いですねぇ」と軽口で返しつつ、内心で明日の胃薬の準備を始めていた。

 

「では、明日の午後に。場所は……そうですね、この街で一番眺めの良い公園の東屋なんてどうでしょう? あそこなら人も少ないですし」

「ええ、楽しみにしているわ。……ふふ、なんだかドキドキしてきた。お忍びで新しい友達ができるなんて、いつ以来かしら」

 

カーラさんは少女のように頬を染め、本当に嬉しそうに微笑んだ。

その笑顔は、聖王国の誰もが憧れる「聖王女」の仮面を外した、ただのカルカ・ベサーレスとしての素顔なのだろう。

 

(……まあ、悪い気はしないけど。悲惨な最期を知っている身としては、この笑顔も守りたいと思っちゃうのが人情ってものよね)

 

わたしは複雑な心境を飲み込み、彼女たちとの再会を約束して、その夜はお開きとなった。




長くなったので一度ここで区切ります

読者皆様のアリサの相手候補の意向確認

  • モモンガ
  • ペロロンチーノ
  • ジルクニフ
  • ガゼフ
  • ラナー
  • クレマンティーヌ
  • イビルアイ
  • ラキュース
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