TSアルビノ美少女inわたなれ   作:ガテル

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第1話

 

車に轢かれそうな子供を助けて死んだと思ったら何か生まれ変わっており、おまけに性別も前世では男だったが今世では女の子になっていて―――要はTS転生だ。前世についての情報が全くないが、俺など特に語る事のない一般オタク男子高校生だったのでここの掘り下げは不要だと思う。それよりも大切なのは女の子にTSしている事実で……自分で言うのも何だがめちゃくちゃ美少女である、名前は加藤文歌。

 

この世界でも珍しいアルビノ体質な事から……雪のように白い肌、セミロングほどの長さで色素の抜けた髪、そして少々小柄な点も小動物のような可愛らしい顔立ちとかなり相性が良く完全にプラスとなっている。オタクならば誰しも一度は抱くであろう可愛い女の子になりたい願望、もちろん例に漏れず俺もその1人であったのだがいざ成ってみると幼いながらに体の違いや認識の曖昧さに苦しんだものだ。ただ可愛い=最強という大きなリミットもある、前世の日陰者と違い俺はこれからずっと皆にチヤホヤされまくりの人気者陽キャライフを送るだろうと確信していた。だが残念な事に可愛すぎるというのも罪な話で。

 

小、中と俺は―――

 

「ああ、姫は今日もお美しい……」

 

「ねー、マジで可愛すぎてホントに私らと同じ人間?って思うー」

 

「―――姫の美しさは天使級!ちなみに文歌様ファンクラブに入って知ったんだけどファンの間では実は姫は人間ではなく下界に降りてきた天使っていうのが共通認識らしいよ!」

 

「それが共通認識なのは流石にどうかと思うけど??まあそれぐらい可愛いのは確かだね、だから話しかけたいんだけどつい遠慮しちゃうっていうかさ……」

 

 

こんな感じで高嶺の花を超え学校の姫扱いをされ続け、みんな距離取っちゃうから誰ともまともなコミュニケーションを取れずに友達を全く作れなかった。

 

席に座りながら(いや俺天使じゃないよ!?遠慮せずにどんどん話しかけてくれていいからね!?)と俺を遠巻きに見ながら話すクラスメイト、彼女達の方に顔を向け強く視線を送ると知らないうちに勝手に作られていた本人非公認ファンクラブに所属しているらしい1人が「キャー!ファンサうれしー!!」と嬉しそうに騒いでいる。既にすれ違っているが、それでも諦めずに見つめ続けるとやがて「……きょ、供給過多です」とその場にぶっ倒れてしまった。もう人生に悔いは無いと言わんばかりの満足げな表情を浮かべながら、保健室に運ばれていく彼女を見て俺は悟ったのだ―――これ今後もぼっち確定じゃん。

 

前世では少ないけれど趣味を語り合える陰キャ友達はいた、でも今世はどうだ?人気者になりたいという部分は一応叶ってるが……

 

 

「ちょっと極端すぎるでしょ……」

 

 

小声での呟きは当然誰にも聞こえず、こうして俺は理想と現実の差に虚しさを感じながら中学3年間を終えたのだった。

 

同様に高校へ入学しても姫扱いされ勝手に周りが持て囃し壁を作られてしまう、つまり誰とも友達になどなれない。俺は半ば諦めていた、でも……入学先の高校でまさかの出会いが。それは。

 

 

「―――やあ、おはよう文歌」

 

 

大企業王塚グループの娘であり本人も超人気モデル、文武両道で誰にでも凛々しく優しい超完全無欠のスパダリ女子の王塚真唯である。まあこの肩書きは本当に凄いけど何よりも重要なのは、王であるのなら―――姫だろうと臆せずに接しられるという点だ。王塚さんとは同じクラスで入学式の日に話しかけられて、二度目の人生15年目で親以外と初めてまともに会話出来た気がして本当に嬉しかった。そしてそこから王塚グループに所属して……他のメンバーについて詳細を語ると長くなるのでとりあえず端的に言うと皆めっちゃ可愛い、後王塚さんと同じように俺を変に遠い存在扱いせずに普通に友達として接してくれて有難すぎる。

 

入ってよかった芦ヶ谷高校!!

 

どこぞのメロンパン風に感謝する俺だが、一つ大きな問題があり何かと言うと。

 

 

「―――ます

 

「……すまない、私とした事が聞き逃してしまった。悪いがもう一度言ってくれないか?」

 

 

申し訳なさそうにする王塚さん、あなたのせいじゃないんですと声を大きくして否定したかった。何故ならこれは長年誰ともまともにコミュニケーションを取れなかったのぼっちの今世、そして前世のナチュラル陰キャが合わさり生まれたモンスター。

 

 

「おおおっ、おはようござい……ます」

 

 

―――超ハイパーコミュ障なのだ。

 

1回目と違い俯きながらも何とか王塚さんを上目遣いで見上げる形で見つめ、そして相変わらず消え入るような小声だがギリギリ相手には聞こえるレベルだ。俺ァ頑張った!

 

自分を精一杯褒めていると、目の前の王塚さんが何故か顔を赤くしながら固まっている事に気がついた。心配なので「大丈夫ですか?」と聞きたいけど、超ハイパーコミュ障なので口から言葉が全く出てくれない。どうしたものかと悩む俺だったが……少しすると焦ったように再起動した。

 

 

「あ、あまり廊下で長く話しているとHRに間に合わなくなってしまうね、いっ、行こうか」

 

「は、はい」

 

 

まだ熱が引けていないのか顔が赤い、体調が悪いのかと思ったが王塚さんのキビキビと歩いている姿を見ると特に心配する必要は無さそうだ……一体どうしたんだろう?





文歌が悪いんだよ。
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