ガチレズ少女は百合ハーレムイレブンを作りたい! 作:イナイレスカウトキャラ振興委員会
お待たせしました、記念すべき10話です
「みなさん、まだ試合は終わっていません!また1点取り返していきましょう!」
先ほどの光景に固まっていた相手チームの選手達に司道ちゃんが声をかけ、奮い立たせようとしている。しかし、なかなか気は晴れないようだ。
「だって、あんな必殺技止められないよ……」
「あの子にボールが渡ったら終わりじゃない……?」
「っていうかさっき堂々とキスしてなかった?」
ふっふっふ、そうだろうそうだろう。私のすーちゃんは凄かろう。可愛くてかっこよくて綺麗でご飯が美味しくて、しかも流星ブレードが撃てる。最高の幼馴染だ。お嫁さんにしたい。しよう。
流星ブレード。イナズマイレブン2期でライバルが使っていためちゃつよシュート技だ。
必殺技という前世には無かった概念。初めて間近で見たが、これは……なんだろう。現実なのに現実じゃない感覚?爆発はちょっとわからなかったが、光は間違いなく発生していたと思う。すごい、超次元サッカー。
「……必殺技は、消費が大きいと聞きます。あちらの選手の様子では、撃ててあと1回……いえ、もう撃てないかも」
「かも、でしょ……?そもそも、そうじゃなくてもかなりキックは強そうだよ」
「……わかりました。おそらく相手のキーマンは先ほどのフォワードの彼女と緑髪の彼女でしょう。フォワードの彼女を重点的にマークします。緑髪の彼女は、自分が相手を」
ピリピリした緊張感が漂ってくる。すーちゃんのさっきの必殺技、あれは明確に相手には脅威に映ったはずだ。椎穂ちゃんの当初の作戦よりも、ずっと効果的に。
……うん。すーちゃんはすごい。だから、私も負けられない。
「よーし、この調子でもう一点取るよ!」
私も司道ちゃんを見習って、みんなに声をかける。今私たちの士気はすーちゃんの必殺技シュートでとても高いはず。このテンションを維持しない手はない。
「……むぅ」
……と思ったのだが、返ってきたのは不満げな声だった。椎穂ちゃんだ。
「ど、どうしたの?椎穂ちゃん」
「……わからないんですか?」
「うぐっ」
そう言われると、心当たりはありまくる。さっきすーちゃんとガッツリキスしちゃったこととか。でもほら、あれは興奮しすぎて勢いでやっちゃったというか。
「………むぅう〜」
むくれている椎穂ちゃん可愛すぎる。彼女にしたい。
ではなく。
「ご、ごめんよぅ。あとで何かご褒美あげるから」
「……じゃあ、この試合で勝ったら、その……」
「なぁに?私ができることならなんでも」
「……ぎゅ〜っと、してくれますか?」
「────」
……一瞬、意識が飛んでいた。この妹系美少女、上目遣いが似合いすぎる。
というか、出てくる要求が「ぎゅ〜」なのが可愛すぎる。小学生か?小学生だったわ。くそぅ、天使すぎる。
「わ、わかりました。ぎゅっとさせていただき
「ほんとですか!?」
やる気を出してくれたらしい。ほっと息を吐く。まあ実際、今回の作戦は椎穂ちゃんが考えてくれたものだ。私たちじゃ思いつかなかった。その作戦で勝ったのなら、その手柄は間違いなく椎穂ちゃんのものでもあると言える。ご褒美の一つもあって良いだろう。
……だからすーちゃん、ジト目で見んといて。
「よし、じゃあ改めて──勝つよ!」
「「「「おおー!」」」」
勝てる。勝ちたい。私たちの心は、今完全に1つになった。
再度笛が鳴って、相手ボールからスタート。私たちがかなり自陣の後ろ側に陣取っているのを見て、司道ちゃんは少し苦い顔をした。これも椎穂ちゃんが考えた作戦だ。
先ほど、私たちはすーちゃんを最前線に上げてロングパスから点をもぎ取った。これは相手も使える戦術だ。
一度見せたその作戦を相手が使ってくる可能性を想定して、それに対するカウンターの意味でかなり後方寄りに陣形を組んでいる、というわけである。
司道ちゃんが苦い顔をしたのは、隙があればその作戦を狙おうとしていたからだろう。
「……流石に対策してきましたか。であれば、自分たちも元の作戦を遂行するまでです」
次に相手チームが見せた行動は、かなりあからさまだった。即ち、すーちゃんへのマークである。
まだボールは相手チームにあり、マークに人員を割けば攻撃の手が減ってしまうにも関わらず、それでもすーちゃんをマークすることを選んだ。それはおそらく、すーちゃんという脅威を野放しにしているという状況自体がメンバーのパフォーマンスを下げると読んだからだろう。
事実、すーちゃんのマークをしているメンバー以外は先ほどまでの調子を取り戻している。私はとことん根に持つし引きずるタイプだから、切り替えが早いのは羨ましい。
相手チームは下がって防御している私たちに攻めあぐねている……ように見えて、実際には各々の行動に迷う素振りは見せていない。
「来るわよ」
「迎え撃ちましょう!」
現在ボールは司道ちゃんの手元にある。対面するのは先ほどと同じく瑞菜ちゃんだ。
瑞菜ちゃんは警戒されているようで、司道ちゃんは仲間を探し、少し下がる結果になりつつもボールを運ぶことを優先した。
この光景を見て、私は椎穂ちゃんの作戦が順調に進んでいることを実感した。
『……相手の司令官は、パスでの連携を重視して試合を組み立てています』
椎穂ちゃんに作戦があると集められた私たちに、椎穂ちゃんは最初にそう言った。
『1対1での勝負をなるべく避けているようです。仲間の力を信頼してないというよりは、お互いの力を計りかねているような……。だから、それを利用します』
『具体的には?』
『まず、乙女乃先輩。どうにか1点を決めてください。キーパーとの1対1まで持って行ければ、決められるはずです』
『それは……重たい期待だけど、頑張るわ。でも、そう簡単に上がらせてくれるかしら?』
『そこは大丈夫です。私が調べたところ、フットサルには必勝法があります』
『えっ!?なにそれ、そんなのあるの!?』
『はい。そのために、まず再開直後にボールを後ろに戻して、その間に乙女乃先輩にはゴール前まで全力で走ってもらいます。そして、そこにロングパスを』
『……確かにそれは一気にチャンスを作れるけれど、そんな戦術があるならみんな使うんじゃないの?』
『そうだね。でも
『……?』
『問題は2点目です。先制された以上、私たちは相手ボールから始まったゲームでもう1点取らないといけません』
『ふむ……なるほど。そこも作戦があるの?』
『はい。乙女乃先輩が1点目を決める以上、相手は乙女乃先輩をマークしてくるはず。なので、乙女乃先輩以外が点を取る必要があります。逆に言えば、
『つまり?』
『私と刃奈さんの出番、ということです♡』
瑞菜ちゃんが司道ちゃんの、私と椎穂ちゃんがもう1人のフォワードのマークに入る。相手のチーム構成は、椎穂ちゃんの分析によるとフォワード2人、ミッドフィールダー1人、ディフェンダー1人、ゴールキーパー1人。今ボールを持っているのは相手のミッドフィールダーで、ディフェンダーはすーちゃんをマーク中。この状況で動けるのは、先ほども前線に上がってきたゴールキーパーと、今ボールを持っているミッドフィールダーの2人だ。
「くっ……パスできるところは……!」
一見すれば、このままミッドフィールダーに中央突破されそうな盤面。しかし、ミッドフィールダーはパスの出し先を探して右往左往していた。これも、椎穂ちゃんの予測通り。
司道ちゃんは人を効率的に使うのが非常に上手い。それはその運用が
シュートが得意な人はフォワードとしてシュートをさせる。ドリブルが得意な人はミッドフィールダーとして突破をさせる。守りが得意な人はディフェンダーとしてマークを任せる。得意分野に合わせた完全分業制。確かにそれは定石に則った戦術だろう。
しかし、それはつまり
今の相手ミッドフィールダーの状況がそれだ。フォワードにシュートを完全に任せる関係上、どれだけミッドフィールダーが突破してもフォワードを封じられている限りシュートまで行けない。
ゴールキーパーは確かに動ける。しかし、フォワードが2人封じられた状態でゴールを開けてミッドフィールダーと2人で突破しに行くのはかなり勇気が必要だろう。だから動かない。そもそも、さっきゴールキーパーを分業制の原則を崩してまで動かしたのはかなりイレギュラーなはず。だからこそあんな、一目で異常事態だとわかるような
そして、相手の司令官である司道ちゃんがこの膠着した状況でどうするかは、椎穂ちゃんが予測済みだ。
「っ……こっちです!」
瑞菜ちゃんのマークを強引にでも外して、自分がボールを取りに行こうとする司道ちゃん。そう、この完全分業制を崩せるとすれば、司道ちゃん1人だけだ。だから、自分が動きにくる。
相手のミッドフィールダーからすれば、天から差し伸べられた手だろう。だからこそ──
「──それを、待ってました」
「あっ……!」
そのパスは、何よりも読みやすい。
ここで椎穂ちゃんがパスを奪い取る。すごい、全部椎穂ちゃんの作戦通りだ。
司道ちゃんのマークに1人しかつけなかったのは、無理矢理にでも司道ちゃんに動いてもらうため。そして……椎穂ちゃんへの意識を逸らすため。
「下がって!全員で守ります!」
司道ちゃんも素早く指示を出す。動きは早い。やはり警戒しているのか、すーちゃんに2人目のマークがついた。さらに、ボールを持つ椎穂ちゃんと対面するのが司道ちゃん。
司道ちゃんは瑞菜ちゃんへのパスコースを強く警戒しているようだが……甘い。
「こっちだよ、椎穂ちゃん!」
ここで突っ込んでくるのは──ゴールキーパーの智ちゃんだ。
「なっ!?」
流石に虚を突かれたのか対応が一瞬遅れる。相手チームの目が智ちゃんに引きつけられる、その一瞬の隙。そこが、私の出番!
「刃奈さん!」
「待ってたよ!」
右の前線にいるすーちゃんとは真逆、左サイドを駆け上がっていく私にボールが渡る。椎穂ちゃんのパスはドンピシャだ。素晴らしい。と、ここで私の前にミッドフィールダーの子。
「赤髪のフォワードにパスを出させないで!」
やっぱり警戒するよね。でも……ここは私と椎穂ちゃんの独壇場だ!
「ふっ……!」
私は速度を緩めず、そのままドリブルでミッドフィールダーに近づく。そして──左足を前に、右足を後ろに。ボールを挟み込んで、巻き上げ、そのまま左足の踵で蹴り上げる!
「あぁっ……!」
ボールは見上げる相手ミッドフィールダーの顔の上をすり抜けていく。
私が成功させた初めての技、ヒールリフト。実戦で完璧に決まった!やばい、かなり気持ちいい。
抜き去って落ちてきたボールを確保。私とキーパーの一対一だ。
「くっ……せめてパスは防ぐ!」
もはやシュートは仕方ないと悟ったか、パスを防ぐマークの動きを強める相手チーム。確かに、すーちゃんにボールが渡ればゴールは決定的かもしれない。でも。
「でも……私だってすーちゃんに、負けてられない!」
ボールを右足で少し浮かせ──目を閉じる。
右足。後ろ手に強く踏み込む。まるで、アニメで見た
しかし、私のそれはただ踏み込むだけではない。
右足を地面に
姿勢を前傾に。右足に全ての力を溜める。今にも蹴り出しそうなほど、前に弾くための力を加える。
でも、めり込ませた足はまだ解放しない。溜めて溜めて溜めて……極限まで溜め切ったタイミングと、ボールが良いところに落ちてくるタイミング。それが完璧に重なった時に──
「はぁっ!」
全ての力を解放し、ボールを右下から左上に向けて
目を閉じた暗闇の中に、刀で高速の一線を喰らわせたような
「『イアイドライブ』ッ!」
高速の一撃を喰らったボールは、左上に打ち出され──ドライブ性の回転によって、鋭く右下方向へと変化した。
「う、うわぁぁぁっ!」
咄嗟に反応しようとしただけ、相手のキーパーは優秀だった。しかし、強烈な勢いと回転を伴ったボールは、触れたグローブに「ジッ」と音を立てて焦げ跡をつけ──ゴールネットを揺らした。
「────」
「や…………やったぁーっ!!」
ここで、担当のお姉さんがゲームの終わりを告げる笛を鳴らす。2-1、私たちの──勝ちだ!
「今回はありがとうございましたッ!とても勉強になりました!」
「こちらこそ、ありがとうございました!司道ちゃん、だよね?すごくいいゲームだったよ!」
個サルの後、司道ちゃんは私たちの元へ挨拶に来てくれた。深々としたお辞儀付きだ。少し堅苦しいが、遺恨を感じさせない明るくて爽やかな挨拶から、根明さが容易に理解できる。なんて良い子だろう。
「あっ、はい!覚えていただけて光栄です!しかし驚きました、必殺技を使える方を2人も隠していたんですか?」
「ううん、私もすーちゃんも今まで使ったことなかったよ。あの試合が初めて」
正直にそう伝えると、司道ちゃんは大変驚いた様子だった。
「なんと!女子サッカーで必殺技を使える人は非常に少ないと聞いていたので……お二人は将来有望なのですね!」
「そうなの?」
「ええ。男女混じって行われる少年サッカーの大きな大会で、それでも女子選手が少ないのはそのせいだとか」
司道ちゃんの言葉は意外だった。だって、イナズマイレブンといえば必殺技だ。最初は確かに必殺技というだけでなんか難易度高そうだったけど、すぐに必殺技がないとお話にならないレベルで必殺技のオンパレードになっていってたし。
「うーん……みんなで超次元サッカーやれたらきっと楽しいのになぁ」
「超次元?」
アニメのイナズマイレブンはほとんど男子ばかりで、それはそれでとても楽しんで見ていたが、きっと見目麗しい女子たちが必殺技を繰り出しまくる超次元サッカーもきっと楽しいと思う。
「よし、じゃあ当面の目標はみんなで必殺技を出すこと!これにしよう!」
「……ふふ、面白い方ですね。あなたは」
くすり、と笑みを漏らす司道ちゃん。……かわいい。かわいいもあるが、シンプルに美人さんだ。色白と黒髪がコントラストでよく映えるし、なんとも存在感がある。
やばい。魅力的すぎて口説きモード入っちゃう。
「司道ちゃんはここに良く来るの?私たちは初めてでさ」
「いえ、実は自分も初めてなんです」
「そうなんだ?一緒だね♡」
「あ……その、えっと……は、はい」
司道ちゃんの両手を握ると、白いほっぺを赤くしてもじもじと俯いてしまった。かわい〜♡
と、ここですーちゃんが「コホン」と咳払いして司道ちゃんに話しかけた。
「一緒に来てた子達は普段から?」
「あ、いいえ。彼女たちとは今日初めて会いました」
「……そうなの?連携がかなりサマになっていたから、普段から一緒にサッカーしてるんだと思ってたわ」
これまた意外な話だった。瑞菜ちゃんの言う通り、構造上の穴があったとは言え連携は非常に安定していた。全員が司道ちゃんの言うことをよく聞いていたこともあって、普段からの付き合いなのかと思っていたが。
「いえ、その。自分、サバゲーが好きでして」
「……サバゲー?」
「はい。父がよくサバゲーで司令官をするんですが、そんな父の姿に憧れてて。でも、まだ自分は小学生なので父のいない日はサバゲーに行けないんです。だから個サルでその日あった人たちと即席チームを組んで、司令役をできれば訓練になるんじゃないかと思いまして。あの人たちに事情をお話してお手伝いいただいてました」
ほほう、サバゲーの司令役の練習として……え?この子も小学生なの?椎穂ちゃんや瑞菜ちゃんといい、最近の小学生凄くない?
というか、初対面の人ばかりだったならパスを重視した戦術も完全分業制も正解だ。お互いがお互いの力を知らないのだから、一旦勝手な連携は控えてチームプレイに徹するのが最適解だろう。気心知れた仲間と組んだ司道ちゃんを想像すると……末恐ろしい。
「皆さんの目から見てサマになっているのであれば……ひとまずは目的達成、でしょうか?」
そう言って照れたように笑う司道ちゃん。……でも。
「司道ちゃん。もうサッカーやらないの?」
「…………」
尋ねると、司道ちゃんは押し黙った。私は今回のゲームを通して、もっともっと司道ちゃんとサッカーをしたいと感じたのだ。きっと仲良くなれるし、一緒にやればもっともっと強くなれる。
「私、司道ちゃんとこのまま終わりたくない!」
「……!片梨さん」
「だからさ、一緒に──」
司道ちゃんは私の言葉で、感じ入ったように瞳を輝かせて答えてくれた。
「わかりました。自分もまだ皆さんとサッカー、してみたいです」
「……!じゃあ!」
「このまま負けたままではいられません!また来週、同じ時間にこの個サルに参加します!次は負けませんよ!!」
「私たちのチームに……あれ?」
「では、失礼します!」と目をキラキラさせたまま、司道ちゃんは行ってしまった。……あれ?私は司道ちゃんをチームに誘おうと……あれぇ?
「フラれちゃったね、刃奈?」
ニコニコ笑顔で腕を絡ませてくるすーちゃんが怖い。いや、もしかして逆に機嫌がいいのか?
「ふーん?刃奈でもフラれることあるんだ〜?」
「……フラれることくらいあるよ、私だって」
いじわるげに言うすーちゃんに、口が尖ってしまう。……一瞬、ほんの一瞬だけ嫌な記憶が蘇った気がしたが、頭の隅に追いやる。
「……刃奈?」
何かに気付いたのか、すーちゃんが私の顔を覗き込む。なんて鋭い幼馴染だ。「なんでもないっ」といじけたフリをすると、「そう?」とそれ以上追求はしなかった。
「……さて。私たちはこのチームで初めての勝利を収めたわけですが」
「うん……すっごいね、これ」
「はい!なんと言えばいいんでしょうか……!」
「みんなでボールを蹴ってるだけでも楽しかったんだけど、これは別格だよね!」
「ええ。勝利することでしか得られない喜び……と言うのはこういうことなのかしら?」
楽しかった。めちゃくちゃ楽しかった。今もまだコートに立っている気がするし、全てのプレーを鮮明に思い出せる。思い出せすぎて脚色が入ってしまうくらいには。これが反芻というやつだろうか。
「この勝利を記念して……お腹が空いたのでお昼ご飯にしよー!!」
そう言うと同時に、みんなのお腹がぐぅ〜と鳴った。
無理もない、時刻はすでに正午を回っている。
「確かに……お腹が空いたわね」
「そういえば、今日のご飯って」
「はい!皆さんでお弁当を持ち寄って、公園でいただく予定でしたね!」
「よーし、じゃあ早速いつもの公園に行こう!」
気心の知れた仲間と一緒に、楽しいスポーツの後に、美味しいお昼ご飯を食べる。ああ、なんて健全な休日だろうか。
「…………」
お世話になった体育館のようなコートを振り返る。必殺技を使う時、確かにめり込ませた足の跡は既になかった。あれが幻だったのかどうなのかはわからないが──あれは間違いなく、必殺技だった。
「〜〜〜〜っ!」
ついに。ついに必殺技に辿り着けた。それも、すーちゃんと一緒に。
これが、私たちの超次元サッカーの第一歩だ。
「ありがとうございましたっ!」
「刃奈〜?置いていっちゃうわよ〜」
感極まって体育館に一礼した後、私はすーちゃんたちを追いかけて走った。
──いつの間にか、緑髪の子は姿を消していた。
「にゃふふ。これは大発見にゃ。まさか──未知の必殺技を出した選手が、初心者の、しかも女子選手にゃんて。
……あいつはもしかしたら、女子サッカーに新しい風を呼び込んでくれるかも知れないにゃあ」
次回はお昼ご飯とか!