ガチレズ少女は百合ハーレムイレブンを作りたい! 作:イナイレスカウトキャラ振興委員会
椎穂ちゃんの独自解釈を含みます
「いや別に、最強になりたいとかは無いですね今のところ」
「えぇ……」
鈴林凛々は困惑していた。個サルで見た彼女たちの目は、勝利に飢えてギラついた者のそれだった。彼女たちが出した必殺技だって、その勝利への執念が産んだ結果だと思っている。
勝利を目指す人間が最後に目指すところは最強である、というのが凛々の理屈だ。ゆえに、凛々も彼女らもまた最強を目指すものだと思い込んでいた。
「いやでもさ、勝ちたいでしょ?」
「それは否定しないです。やるからには勝ちたい」
「じゃあ最強を目指すのと一緒じゃん!」
「ちょっと話が飛躍してないかな?」
凛々は勘違いしていた。勝ちの味を覚えた者は更なる勝ちと栄光に執着するものだと。
だが、このチームは基本的にゆるゆるサッカー同好会的なノリだ。まだメンバーも5人しかおらず、どこぞの大会で優勝、などというのは遠い夢の話なのである。
「でもでも、キミたちなら絶対強くにゃれるんだって!」
「そもそもなぜ私たちに興味を?そこがわからないのよね。今日個サルに参加した人全員に声をかけてるわけでもないんでしょうし」
「ふっふっふ、そんなの決まってるにゃ。
──キミたちは、鍛えればもっともっと強くなれる!この日本の女子サッカー界を大きく変えられるくらい!」
凛々は魅せられていた。
初心者とは思えない強力な必殺技に、初めて見る必殺技。今まで名前も聞いたことのなかった少女たちのサッカーが、目の前で産声をあげたことに興奮していた。
そして、育ててみたいとも。
「……なんか規模が大きすぎるなぁ。実感ないよ」
「なら言い換えるにゃ。……凛々がキミたちのサッカーのコーチをしてあげよう。だから、大会に出て欲しいのにゃ」
「大会?」
「そ。U-15
「ガールズフットボールフロンティア……!?」
初めて耳にする言葉に、刃奈たちは慄く。サッカー初心者であるメンバーはもちろん、転生者である刃奈も知らない情報が目の前の少女の口から飛び出すのを必死に聞き取るしかない。
凛々は、確信していた。目の前の少女たちがこの大会に参加してくれれば、間違いなく台風の目になると。
「フットボールフロンティア初の女子限定サッカー大会にゃんだけど、15歳以下の女子なら学校のサッカー部所属じゃなくても自主結成したチームで参加可能にゃ」
「そんな大会が……?」
「……待って、刃奈。そんな大会探しても見つからないよ。あなた、嘘を……?」
疑いの目を向けるスピカに、凛々は
「いやいやいや、そんなわけないにゃ〜!……1週間後の土曜日。日本少年サッカー協会から発表されるにゃ。疑うならそれを見てから決めても構わないにゃ」
「……何でそんなことを、あなたが?」
「さぁね〜?あ、これ凛々の連絡先ね。んじゃ、いいお返事を期待してるにゃ〜!」
にゃはははは!と陽気な足取りでその場を去る凛々。後に残されたのは、台風が過ぎていったかのような心地の刃奈たちだけであった。
「まあそれは後で考えるとして──」
「あ、考えないことにしたんだ」
「だって後でいいって言ってたし。それよりも今は大事なことがあるからね〜」
凛々さんが去っていった後、私たちはピクニック的行事の後片付けを済ませて公園を後にしようとしていた。
もうそろそろ日も落ちそうだ。昼間の太陽が夕日に変わっていく。
凛々さんにされた大会の話、コーチの話は、一旦考えないことにした。だってすぐに答えなんて出せないし。
私たちはサッカーを始めたばかりだしメンバーだって集まりきっていない。そんな状態でスタンスを決めるのはいかがなものだろうか。
……というのは建前で、今はまだゆるゆるとサッカーをしていたいのかもしれない。今こうしている時間が、私にとっては幸せなのだ。
「そんなことより〜、椎穂ちゃんっ」
「は、はいっ」
声をかけると、椎穂ちゃんは少しばかり声が上擦っていた。緊張してるのかな?それとも……
「……期待して待ちきれなかった?」
「あう……」
「ご褒美、あげる約束だったもんね♡」
「……ひ、ひゃい♡」
耳元で囁くと、椎穂ちゃんは小さく身を震わせた。私を見上げる瞳は潤んで、頬は上気してほんのり赤い。
「汗かいたあとだから、ちょっと臭うかもだけど……」
「だ、大丈夫です!むしろ、刃奈さんの匂いが強くてその方が……」
うーん、椎穂ちゃんは
瑞菜ちゃんに一晩椎穂ちゃんを借りていいか聞いたところ「ダメ」とのことだったので、仕方ないからみんなが見ている前で贈呈しようと思う。
「よーし、じゃあおいでー♡」
手を広げて誘うと、椎穂ちゃんはおず、と踏み出すのを躊躇した。
『この試合で勝ったらぎゅーっとして欲しい』が椎穂ちゃんの要求だ。まああの時は、私がすーちゃんにズキュゥゥゥンしてしまったこともあってその場の勢いでの要求だったのかもしれないが……一度約束したからには私は約束は破らない女だ。ぐへへ。
「ほーらおいで〜♡優しくぎゅーってしてあげるよ〜♡」
「うう……あうあう……♡」
自分で要求したことに後悔でもしてるのか、口から発する言葉が言葉ではなくなってしまった。……でも足はしっかりこっちに向かっている。かわいいねぇ♡
一歩、また一歩。そしてついに──
「つーかーまーえーた♡」
口に出した時は、衝動的だった。
『……ぎゅ〜っと、してくれますか?』
乙女乃先輩とのキスを見せられて、心に浮かんだのは何だっただろうか。
焦り?羨望?羞恥?……いや、きっと。あれが「嫉妬」だったんだろう。
恋心っていうのは、よくわからない。わからないけれど、あの光景を見た時、「ずるい」と思った。
私も、刃奈さんに抱きしめられたい。私も刃奈さんと……ちゅーとか、してみたい。
こうして欲しい。ああして欲しい。欲しいと思うことが、きっと恋なのかもしれない。
人を愛するっていうのは、よくわからない。わからないけれど、あーんしてお弁当を食べさせてあげた時、喜んでくれた刃奈さんを可愛いと思った。
もっと色んなものを食べさせてあげたい。もっと喜ばせてあげたい。喜んでいるのは刃奈さんなのに、私まで嬉しくなるから。
何かをしてあげたいと思うことが、もしかしたら愛なのかもしれない。
「…………」
今、刃奈さんの腕に包まれている。最初は戸惑ったけれど、刃奈さんの腕の中は、あったかかった。私より少し大きい刃奈さんは、腕を私の後ろに回すとすっぽりと私を包んでしまった。
刃奈さんの膨らんだ胸に顔を預けると、とても安心した。
好きだなぁと、思った。
「……ぎゅーされた感想は、どう?」
「刃奈さん」
「うん?」
「好きです」
「…………」
刃奈さんは、「そっか」と言って頭を撫でてくれた。
顔は見えない。頭頂部から頭の後ろまでを刃奈さんの優しい手が通り過ぎていくのを感じて、気持ちよくて身を捩った。
「好きです」
「……うん。ありがとね」
「刃奈さんは……私のこと、好きですか?」
返事が来るまでの間、私の心は不思議と穏やかだった。
抱きしめてくれる腕も、撫でてくれる手も、刃奈さんの愛だとわかったから。
「……だめじゃない、椎穂ちゃん。年上のわるーいお姉さんに騙されちゃあさ」
「好きです」
「…………」
刃奈さんが私を抱きしめる手が、少し強くなった。
愛を知った。恋を知った。──なら、次は?
「……ダメだよ、椎穂ちゃん。年上のお姉さんを揶揄っちゃあさ」
「好きなんです」
「…………歯止め、効かなくなっちゃうから」
「いいです、それでも。刃奈さんなら、私……」
刃奈さんの腕が、痛いほど私を抱きしめる。
痛いのに、嬉しい。嬉しいのに、涙が出てくる。
まだ小学生の私が、刃奈さんに何をしてあげられるのか。何をさせてあげられるのか。それはわからない。わからないことだらけだ。
でも、わからないことをわかるようにするはじめの一歩は、刃奈さんがいいと思った。
できれば、この先もずっと。
「…………ごめん、椎穂ちゃん。傷、つけていい?」
刃奈さんの息が荒い。何かを必死にこらえるかのような息遣い。吐息に含まれた熱が、私の首筋を
私、これから何をされてしまうんだろう。ドキドキする。ゾクゾクする。何をされるかわからないのに、待ち遠しくてたまらない。
「……いい、ですよ。刃奈さんなら、何をされても」
「…………ごめんね。優しくするって言ったのに、守れないや」
何度も謝った後──刃奈さんは、私の首元に噛みついた。
「っ……♡」
遠くでお姉ちゃんの叫び声が聞こえた気がした。
歯が突き立てられる。痛い。嬉しい。
私が刃奈さんのものだって刻み込まれるかのような感覚に、ゾクゾクしてしまう。
この痛みが、刃奈さんが私を求めてくれている証だと思えて……お腹の奥がきゅんと切なくなる。
「刃奈、さ……っ♡」
好き、好き、好き、好き好き好き。痛みに耐える。快感に耐える。頭が焼けてしまいそうだ。
どれくらいそうしていたのか。やがてその感覚が終わると、私は刃奈さんの拘束から……暖かさから、解放された。
「……私も好きだよ、椎穂ちゃん」
「……えへ、嬉しいです♡」
刃奈さんに噛まれた首元をなぞると、刃奈さんの歯形がある。嬉しくて身体が震えた。
そういえば刃奈さんの匂いを堪能するのを忘れていた。……次にご褒美を貰う時、もう一度お願いしようかな?刃奈さんならご褒美なんて名目が無くてもしてくれそうだけれど……でも、敢えてそうはしない。
「私、刃奈さんにまたこうして貰えるように──サッカーがんばりますね♡」
「私はご褒美という名目でしかあなたを欲しがりませんよ」という宣言。逆に言えば、刃奈さんから求めてこない限り、私を抱きしめられるのは
後は──刃奈さんが自分から私を求めてくれるのを待てばいい。
(絶対、負けませんから)
ルビー色の髪の彼女を見る。幼馴染という関係には距離の近さでは勝てない。なら別の土俵で戦えばいい。
これからは、私は逃げも隠れも抵抗もしない、喜んで食べられる特大のエサとして私自身をプロデュースしよう。
いつ我慢できなくなって食いついてくれるか、愉しみだなぁ♡
「刃奈さん♡」
「な、なぁに椎穂ちゃん?」
「えへへ、呼んだだけです♡」
なんか椎穂ちゃんが付き合いたてのカップルみたいになってしまった。可愛い……うう、なんかドキドキしてしまう。
すーちゃんとの関係は、なんかこう、腐れ縁でそういう意識をせずにずっと一緒にいた相手がそのままゴールインした、みたいな雰囲気だから「付き合いたて」みたいな空気だったタイミングが無いんだよね……。
「はーなさんっ♡」
「な、なぁに椎穂ちゃん?」
「えへへ……好きです♡」
首元をなぞりながら、嬉しそうに、本当に心底嬉しそうに言う椎穂ちゃんに、もう私はなんと返して良いかわからなかった。
私が我慢できなくなって椎穂ちゃんに噛みついてしまった時は、瑞菜ちゃんは叫ぶわすーちゃんは「うわー」みたいな目で見てくるわ、智ちゃんは両手で顔を隠して(指の間から見ていたが)恥ずかしがるわ瑞菜ちゃんは激怒するわで、それは大変だった。
うん、私も反省はしている。小学生に何しとんねんと。でも椎穂ちゃん本人はすこぶる嬉しそうなのだ。なんかやべー扉開いちゃった?怖い……。
でも仕方ないのだ。好きだと言ってくれる椎穂ちゃんに、でも私は椎穂ちゃんというまだ年端も行かない少女を騙くらかしているかのような罪悪感があって。しかし椎穂ちゃんを好きだという私の気持ちも嘘じゃなくて、でもマウストゥマウスのキスは流石に早すぎる気がして。
そんな言い訳を重ね、衝動に負けた末の行為があれだ。事実、私は椎穂ちゃんに傷をつけたことで私のものにしたような感覚に、安堵と暗い悦びを覚えている。
それがまた今の私の罪悪感を加速させているのだが……それに気付いているのかいないのか、帰り道を歩く私たち5人の中でも、椎穂ちゃんは明らかに私との距離が近い。あと逆サイドから瑞菜ちゃんがずっと脛を蹴り続けてくる。痛い。
「刃奈さんってどんな服が好きですか?」
「え、えー……清楚系?」
「わかりました!今度着て来ますね♡」
止まらないよ椎穂ちゃんが。こんなにグイグイアピールされるの初めて。嬉しい……嬉しいけど、初めてすぎてかなり戸惑っている。
私なんかでいいの?みたいな思いが溢れてくる。抱きしめる前は「椎穂ちゃんかわいいなぁ」だったのにどうしてこうなった。
「刃奈さん、ちょっと耳貸してください」
そう言うので、少し身を屈めると、椎穂ちゃんがこそこそと小声で喋り始める。
……私は確かに、様子の変わった椎穂ちゃんに対して戸惑いの感情を持っていた。けれど、やっぱり──
「あのですね……
私、痛いのも結構好きかもしれないです♡はなさんなら、ですけど♡
だから次のごほうびは……
蕩けた顔でそう言う椎穂ちゃんに、私は胸の底から溢れる思いを止められる気がしなかった。
(──次やる時は、今回みたいな中途半端なことはしたくない。
完全にこの子を、私のものにしてしまいたい)
理性が閉ざす心の奥底で、暗い何かがそう囁いた気がした。
・門脇椎穂
アブない門を開いてしまったっぽい魔性の妹。根っからの奉仕体質なので、「誰かの期待や求めに応えること」が性癖の根本にありそう。好きな人から与えられたものであれば、適度な程度の痛みも快感に変換できてしまうタイプ。
本当に小学生か?
・門脇瑞菜
激おこ指標で言うとムカ着火ファイアーくらいの姉。椎穂が傷モノにされることに動揺&怒っているが、椎穂本人が心底幸せそうなのと刃奈自身が罪悪感を感じていることを察して怒るに怒れない。なので蹴っている。
・片梨刃奈
衝動的にやってしまった自分自身に少し戸惑っている。椎穂ちゃんの距離がめちゃくちゃ近いのでまたやってしまいそうで気が気では無い。
椎穂がまだ小学生の立場であることがストッパーになって理性を超強化している。超強化してその程度かい。
・乙女乃スピカ
幼馴染が女の子を落とすのは半分諦め、今晩どういう要求をするかを考えている。なんやなんや数年来の恋が実った後なので、まだまだアツアツな関係。ほぼ毎晩燃えているらしい。火属性なので。
・鈴林凛々
出会って数分で忘れられた。