ガチレズ少女は百合ハーレムイレブンを作りたい!   作:イナイレスカウトキャラ振興委員会

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智ちゃん回……と見せかけてすーちゃん回かもしれない。



第十四話 ガチレズ少女は参加したい

 

「智ちゃ〜ん」

「はいはい、どーしたの刃奈?」

 

学校の休み時間、私は智ちゃんに泣きついていた。

自分の席に座っている智ちゃんに向き合うように膝の上に座ると、智ちゃんは「おっと」と受け止め、私が落ちないように後ろに手を回してくれた。

 

「うぅ〜……智ちゃん〜」

「どうしたのよ刃奈。元気ない?」

「智ちゃんやさしい……すき……」

「はいはい、よしよし」

 

私のことを撫でてくれる智ちゃん。やさしい。すき。

智ちゃんは私をいつも通りの様子で受け入れてくれる。これがとても安心させてくれるのだ。

 

最近、私は色々と目が回りそうだった。いつものチームで一緒にいる時は椎穂ちゃんにグイグイ迫られ、二人で練習している時は瑞菜ちゃんに求められ、そして練習を終えるとすーちゃんに拉致されて好き放題されて気絶するように寝る。

 

3人もの可愛い子に想われているのは非常に嬉しいのだが、若干しんどい。百合ハーレム作るなんて言ったのは自分なので自業自得だけども。

 

そんな中で、私の癒しになっているのが智ちゃんだ。

 

「ちょっと疲れちゃって……」

「そうなの?最近サッカー頑張ってるもんねぇ」

 

ほっこり笑顔でいい子いい子してくれる同級生。あ〜癒される。何と言うんだろうか、高カロリー飯を爆食し度数強目のアルコールをキめた後のお味噌汁みたいな安心感。胃もたれと二日酔いに染みてよく効く、そんな感じ。

 

智ちゃんに撫でてもらっていると、3人との高カロリーイチャイチャを摂取したことによる食傷と消費した体力がどんどん回復していく気がする。中学生の肉体ってすごい。

 

「う〜、元気出てきた。ありがとねぇ」

「ううん。私で力になれることがあったらいつでも言ってね」

 

私の同級生、天使すぎる。……じゃあ体力も回復したことだし、智ちゃんもこう言ってくれてることだし、お言葉に甘えてみようかな?

 

「じゃあもう一個いい?」

「うん?どうしたの?」

 

私は智ちゃんに抱きつく態勢を一度変え、智ちゃんの胸に顔を埋めた。「ひゃあ!?」と可愛い声に耳が喜ぶのを感じながら、そのままふかふかのお胸の中で深呼吸を始めた。

 

「すぅ〜、はぁ〜……智ちゃんのお胸落ち着く……」

「ちょ……もう、刃奈ったらぁ」

「うへへ。智ちゃん、またちょっとおっぱい大きくなった?」

「……刃奈のえっち」

 

智ちゃんは今のチームメンバーでは最大の()()を持つ。ハリと弾力があって最高の心地だ。

しかもめちゃくちゃいい匂い。最高。

 

「智ちゃんってさ、付き合ってる人とかいないの?」

「えぇ?いないよぉ」

「じゃあ私とケッコンしよ〜?毎日智ちゃんと一緒に寝たい〜」

「……もう、またそんなこと。スピカのことはどうするの?」

「すーちゃんともケッコンする〜。智ちゃんともケッコンしたい〜。みんなとケッコンする〜」

「えぇ〜……いいの?それって」

「誰がダメって決めたのさ〜。みんなで仲良く一緒に暮らしたっていいじゃんかぁ」

「……まあ、そう……なのかな?」

 

私のダラけたプロポーズ?にも真剣に考えてくれているのか、智ちゃんは迷うような顔を見せる。

 

「智ちゃんはいや?私と一緒に暮らすの」

「う〜ん……いや、その……別に、嫌ってわけじゃないけど……」

「私のこときらい?」

「そんなこと……す、好きだけどぉ……それはズルいじゃん……」

「じゃあいいじゃんか〜。私も智ちゃんのこと好きだし、両思いじゃんか〜。ケッコンしようよぉ」

「えぇ〜……?」

 

ダル絡みをしても真面目に答えてくれる智ちゃんが可愛くて、さらにめんどくさい絡み方をしてしまった。止めるタイミングを無くしてしまったが、智ちゃんもなんとなく満更でもなさそうな顔。

このまま口がすべったら更なるだる絡みをしてしまいそうだ……と思っていたところ、授業開始のチャイムが鳴った。

 

「あ〜、残念。まだ智ちゃんから返事もらってないのに」

「ほ、ほら。自分の席に戻って。ね?」

「は〜い」

 

これ以上やってたらキリがなくなるので、大人しく席に戻る。智ちゃんのおかげで体力も回復できたし、今日も頑張ろう。

 

「ほ、本気じゃないよね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え〜、というわけで。そろそろちゃんとサッカーに向き合っていこうと思います。真面目に」

「今までに真面目じゃない場面があったとしたら刃奈のせいじゃない?」

「そうね。私もそう思うわ」

 

いつもの公園に集まったみんなの前で、保留していたサッカーに対しての向き合い方を提言すると、すーちゃんと瑞菜ちゃんからツッコミが入った。……言っとくけど君たちも大概だからね?

特に瑞菜ちゃん。キミ練習中でも「かわいい」を求めて私のことを誘惑したりチラチラ様子を伺ったりするでしょ。

エンジン入ると他の人が来るまで止まらなくなるんだから。

 

「あはは……あんまり刃奈さんを責めちゃダメですよ?

 

「私だけは刃奈さんの味方ですからね?」みたいな顔をしている椎穂ちゃん。君もあれだぞ、今も隙を見つけて「好きです♡」って言う機会を伺ってるのわかるからね?

 

「まあまあ。それで、向き合うって言うのは?」

 

このチームの良心で女神こと智ちゃん、話を引き戻してくれてありがとう。

こほん、と一息入れて、私は再び口を開く。

 

「えー、つまりあれです。ガールズフットボールフロンティアに出るかどうか。私たちの明確な目標を決めるかどうかというアレです」

 

早速すーちゃんから挙手。はいどうぞ。

 

「それって今決めた方が良いの?鈴林さんは開催は来年って言ってたよね?それに、開催もまだ正式に発表されたわけじゃないし」

「逆だよ。時間はあと1年しかない。それに、開催が正式に発表されてない時に動けるのは今しかないんだよね。だから、出るなら今から決めておきたい」

「ふーん……刃奈は信じてるの?ガールズフットボールフロンティアっていうのが開催されるって」

「……まあね。あんな嘘つく必要ないでしょ」

「そうかもだけど……あの人、私たちを誘って何が狙いなの?興味があるってだけじゃなさそうだったけど。なんか女子サッカーを変えるだの何だの言ってたし」

 

すーちゃんは疑わしげな顔だ。まあ気持ちはわかる。

続いて椎穂ちゃんからも挙手。どうぞ。

 

「そもそも、その大会に出る目的は何なのでしょうか?刃奈さんも前に言っていたように、私たちは別に最強になりたいわけではないですし」

「そうだね。別に最強になりたいわけじゃない。でもサッカーやるなら強い相手と戦って勝ってみたい、って気持ちは湧いてきた気がするんだよね。ほら、前の個サルで勝った時気持ちよかったでしょ?」

「そう……ですね。せっかくやるなら大会に出てみるのもあり、ですか」

 

大会なんて別に、何か理由があって出なきゃいけないわけでもない。ちょうどその競技をやってて、ちょうど参加できそうだから。そのくらいで良いんだと思う。ただ、やるからには勝ちたい。いけるところまで行ってみたいとも思うのだ。

 

「……私は大会出場には賛成ね。椎穂の可愛さをもっと広められるもの」

「お、お姉ちゃん!?」

 

瑞菜ちゃんからは賛成1票。瑞菜ちゃん自身も練習を頑張っているし(若干爛れつつあるが)、サッカーも上手いしで文句なさそう。

 

「椎穂ちゃんの可愛さだけでいいの?」

「……私のは、あんただけがわかってくれれば十分よ。節穴どものことなんてどうでもいいでしょ?」

 

だから今日もいっぱい褒めてね♡と、あとに続くのがわかった。……これは今日も大変そうだ。

二人でこそこそ話していたのが目についたのか、椎穂ちゃんが小首を傾げた。

 

「……最近、お姉ちゃんと刃奈さんって仲良くないですか?」

「そう?まあ一緒に練習している時間は長いものね」

「そうですか……?」

 

うーん?と訝しげにしながらも、椎穂ちゃんはそれ以上突っ込んでは来なかった。代わりに、いつの間にか隣に来ていたすーちゃんが瑞菜ちゃんとは逆側から私の腕を取った。

 

「じゃあ私も参加に賛成しようかな。……で、せっかくなら勝ちたいんでしょ?じゃあ私と刃奈で練習した方がいいんじゃない?」

「……というと?」

「もっと必要でしょ?強い必殺技。私と刃奈の……合体シュート、とかさ」

 

腕をギュッと組まれ、すーちゃんのお胸に当てられる。ふよんとした感覚が非常に幸福感が高い。

 

「なっ……刃奈さんは私と練習すべきよ。MF(ミッドフィールダー)なんだから突破の練習をすべきでしょう?」

「私と練習したいよね?刃奈♡女の子増やすのはいいけど、構ってくれないと……ずっと1番近くにいて欲しいって言ってくれたのに、不安になっちゃうじゃん

「ハイ、すーちゃんと一緒に練習します」

 

いや、だってそれはズルだよすーちゃん。私はこんなにすーちゃんのこと大好きですーちゃんがいないとダメなのに、そんな悲しそうな顔されたら……それはもう私の甲斐性の問題だ。

 

私は最低の浮気女だが、それでも一度受け入れてくれた相手をずっと愛し続けると決めているし、悲しませたくない。

 

「ほんと?」

「ほんとほんと、私ウソつかない。すーちゃん大好きラブフォーエバー」

「……ふふっ、刃奈って結構チョロいよね」

 

そう言ってしてやったりな笑顔で笑うすーちゃん。騙したな!?……と本来ならなるところだが、私はと言えば、すーちゃんのそんな笑顔に見惚れてしまった。

 

やばい。やっぱり私、すーちゃんのこと好きすぎるわ。この思いは別格だと自分でもわかる。

 

「はい!激チョロ女です!!」

「ふーん、そうなんだ。イヌの真似してみて?」

「わん!わん!わおーん!」

「よーし、いい子だねー。じゃあこれ取ってこーい!」

「はい!行って参ります!」

「そこはイヌの真似じゃないんだ」

 

遠くに投げられたサッカーボールを追いかけて、私は走り出した。二足歩行で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さて。あとは椎穂さんと智夏だけど、どうする?ガールズフットボールフロンティア」

 

刃奈がボールを追って去って行った後、スピカは残ったメンバーに問いかける。

椎穂は怪訝な顔でスピカに口を開いた。

 

「乙女乃先輩はそれでいいんですか?サッカーを本格的にやるということは、メンバーは11人……多分、刃奈さんは全員刃奈さんの好みな女の子で固めようとすると思いますよ?」

「まあそうなるでしょうね……」

「だったら……」

 

椎穂は「無駄にライバルを増やすことになるのではないか」と言いたいのだろうと、スピカにはすぐに察しがついた。無論、それはスピカも懸念するところではある。

 

「椎穂さんの言いたいこともわかるわ。……でも、私は刃奈に自分のやりたいことを好きなようにやって欲しいの」

「結果的に刃奈さんの周りに女の子が増えても、ですか?」

「……そこは確かに難しい問題だけど……そりゃ、できれば私だって刃奈には私のことをずっと見ていてほしいわ。でもね」

 

スピカは目を閉じて思い出した。個サルに行って、刃奈が初めて見せた表情。初めて見せた感情を。

 

「刃奈がこんなに一つのことに夢中になって続けていることなんて、初めてなの。あの子、女の子を口説くために色んなことに手を出す割にはどれもこれも直ぐにできるようになっちゃうから、続かないのよね。どんな趣味も、あくまで女の子との関係のためって感じで」

「……そう聞くとあれですね。その、言葉を選ばずに言うと最低ですね」

「否定はしないわ。本人も否定しないと思うし。……まあだから、どんな趣味も基本的には刃奈にとってはツールでしかなかったの。でも、サッカーをやってる時の刃奈は違った。サッカー自体と向き合って、サッカーそのものを楽しんでる。……私は幼馴染として、そして()()として、あの子のやりたいことを全力で支えたい」

「……」

 

まだ恋人ではないはずでは?という椎穂のジト目を涼しい顔で受け流して、スピカは再度二人に問う。椎穂は諦めたように息を吐いた。

 

「……そんなこと言われたら、私も賛成せざるを得ません。私だって刃奈さんを独り占めしたいですが、刃奈さん(好きな人)のやりたいことだって応援したいです」

「ありがとね、椎穂さん。……正直な話、刃奈を完全に独り占めするのは難しいと思うわ。でもね、だからこそ私と椎穂さんみたいに()()()()()()()()()人同士なら、一緒に楽しくやっていくこともできると思うの」

「……ああ、なるほど。()()()()()()()()()()()()()()?刃奈さんの周りにいる女の子を」

 

察しが良すぎる椎穂に、スピカは冷や汗を流すと同時、舌を巻いた。

本当に小学生か疑いたくなる。

 

「わかりました。私も乙女乃先輩に協力しますよ」

「いいの?」

「はい。その……乙女乃先輩みたいに仲良くできる人たちと一緒なら、受け入れられる気がしますし」

 

改めて、スピカと椎穂は手を組んだ。刃奈の周囲から()()()()()()を排除するために、手を取り合う。

そんな暗黒握手を見せられた瑞菜は、「怖……」を肩を震わせて智夏へ目を向けた。

 

「智夏先輩はどうするの?」

「ん?何が?」

「え?」

「ごめん、全然聞いてなかったや」

 

あっけらかんと言う智夏に、瑞菜は呆気に取られた。

 

「ほ、本当に聞いてなかったの?なにも?」

「いや刃奈ちゃんが親友とチームメイトに謎の包囲網を作られて人間関係を管理されそうになってることなんて私は聞いてないし知らないようんでも今からすべりこんだら入れるかなーとか全然考えてないし殺さないでほしいなって」

 

これ聞いてないんじゃなくて聞かなかったことにしてるやつだ、と瑞菜は気付いた。やけにニコニコしたまま突っ立っているなーと思ったら現実逃避していたらしい。

 

「いや殺しませんよ!?」

「それに智夏だったら私は歓迎だよ。むしろ近くにいてくれた方が助かるというか」

「そ、そうなの?」

「そうそう」

「……積極的に取り込むんですか?」

「智夏は自覚してないだけで結構刃奈が好きよ。手元にいてくれた方がいつ爆発するかもわからない爆弾を放置しておくより良いもの。良い子だから大丈夫よ」

「まあ私も利根川先輩が良い人なのは知ってますし……わかりました」

 

また怖いことを言っている、と瑞菜は頭を抱えた。

智夏も「あははーわたしなにもきいてませーん」とまた現実逃避モードに入ってしまう。

 

「じゃなくて、智夏先輩はどうするの?ガールズフットボールフロンティア。賛成?反対?」

「あ、そっち?うーん、私はいいと思うけどな。どうせならやれること全部やってみたくない?」

「そっか、じゃあ満場一致だね。明日からまたメンバー集めだ!」

 

全員が振り返ると、いつのまにか刃奈がそこにいた。

 

「刃奈さん!?い、いつの間に?」

「というかやたら時間かかってなかった?どこまでボール追いかけてたのよ」

「いや、口でボール咥えられなくて……」

「そこは犬を全うしようとするんだ」

「わんわん!ご主人様(すーちゃん)、ぺろぺろしていい?」

「……………………………………やめてね」

「今だいぶ悩んだね」

 

突然の刃奈の登場に、椎穂はわかりやすく冷や汗をかいていた。本人的にも聞かれたらまずい話なのは理解していたらしい。

 

「あ、あの……さっきの私たちの話、聞いてました?」

「うん?みんなガールズフットボールフロンティアに出たいってことで決まった話じゃないの?」

「あ、いえ!そうです!……ほっ」

 

ぽややーんとした表情で首を傾げる刃奈を見て、瑞菜はこういうところが好かれる理由なんだろうな、と少し理解した気がした。

 

「うん、じゃあメンバー集めなきゃね!よーし、かわいい女の子集めるぞー!

「……おー」

「あ、ツッコまないんだ」

「今更でしょ……。それに」

 

呆れた表情を消したスピカは、ぽやっとしたままだった刃奈の襟首を掴んで、目前まで引き寄せる。ほとんどキスするような距離だ。

にやり、と艶やかな、しかし自信に満ちた顔でスピカは笑う。

 

「私のこと忘れそうになったら、いつだって思い出させてあげる。私が刃奈の1番だってこと」

「…………ひゃい♡」

 

その一言で骨抜きになったのか、襟首を離された刃奈はヘナヘナとその場に崩れ落ちた。顔はかなりだらしない。

「こんなのに可愛いって言われて喜んでたんだ……」と若干瑞菜が失望しかけるレベルにだらしない顔だ。

 

「……さて、じゃあ今日は早めに解散しましょうか。

 

スピカの提言に、ほとんどのメンバーは頷くが、瑞菜は1人「え」と声を出してしまった。

 

「ん?瑞菜ちゃんどうしたの?」

「あ、いや、だって今日はまだ……」

「なぁに?」

「…………なんでもない」

 

どう見ても不満げな瑞菜に「ふーん?」と笑いながら、スピカが近づく。

 

「瑞菜ちゃんさ、自分は関係ないですよって顔してるけど、刃奈に何かされたでしょ」

「なっ……!?」

「わかるよそれくらい。……瑞菜ちゃん良い子だし、別に私は気にしないけど……椎穂ちゃんとはちゃんと話し合った方がいいんじゃない?」

「……でも、椎穂は刃奈さんが好きで……」

「だからこそだよ。今みたいに秘密の関係続けてる方が後で揉めると思うなぁ。妹のことを考えるなら、明かしておいた方がいいよ」

「……わかったわ。ありがと」

「ううん。一緒に頑張りましょ」

 

解散し始めるメンバーたちを尻目に、「さ、刃奈も帰るわよ」と声をかけるスピカだが、へにゃへにゃになったままの刃奈は立ち上がらない、

 

「ごめん、すーちゃん……腰抜けちゃったみたい……」

「……はぁ。なに?刃奈ってほんとにチョロくない?」

「だってぇ……昔からずっと好きだった好みドストライクの幼馴染にあんなこと言われたらぁ……」

 

頬を上気させ、そんなことを言いながら足をもじもじと動かす刃奈に、スピカは湧き上がるものが抑えられそうになかった。

 

「……ほら、背中乗って。刃奈の家まで送るから」

「あ、ありがと……」

「でも今日はそのまま刃奈の家に泊まるから」

「え?でも」

「泊まるから」

「……あの、私の部屋、壁薄くて……」

泊まる(◯す)から。それともなに?今ここでヤる?」

「………………家まで、送ってください」

「よろしい」

 

背負われた刃奈は、おそらくこの後幼馴染にめちゃくちゃにされるであろうことに諦め半分、期待半分で背負われ、夕暮れの道を帰路に着くのであった。

 

 





・利根川智夏
 大天使トモカエル。いじめられていたところを刃奈に助けられたことから「自分に都合の悪い話は聞こえないようにする」という地獄耳の真逆を行くようになった。
 同じく助けられた経験から刃奈への感謝と共に刃奈を想う心も持っているが、やはり自覚はあまりなく、「一緒にいると楽しいなぁ」「刃奈にされることなら何故か大体受け入れちゃうなぁ」くらいの距離感。その適度な距離感が超高カロリー3人娘を取り扱う刃奈から天使扱いをされる所以でもある。
 
・門脇瑞菜
 超高カロリー3人娘の1人。かわいいかわいいと刃奈に言われ続けたことで、「少なくとも刃奈からは間違いなく可愛いと思われている」ことを自覚した。その結果、「刃奈にさえ可愛いと思ってもらえればそれ以外はどうでもいい」という思考に行きつき、自分の全ての魅力を刃奈のみに向けて出力している。
 シスコンは据え置き。椎穂のことは自分より可愛いと思っているし自分より大切だが、「刃奈からだけは椎穂よりも自分の方が可愛いと言って欲しい」という淡い夢も抱き始めた。

・門脇椎穂
 超高カロリー3人娘の1人。好き好き攻撃で刃奈の理性を削ってくる。刃奈に向けた言葉には一つとしてテキトーなものは無く、一つ一つの言葉に全霊を注いでおり、的確に刃奈のメンタルを崩しにきている。
 実は前々から「お姉ちゃんはかわいい」と主張していたが、瑞菜からは「家族から言われるのはノーカン」と思われている。バレンタインに家族から渡されるチョコと同じ扱いらしい。こちらもこちらで実は重度のシスコンであり、毎日瑞菜と同じベッドでないと寝られない。日中は別々に行動することもできるが、寝る時は一緒でないと「片割れが欠けている」ことが強く意識されてしまうらしい。

・乙女乃スピカ
 超高カロリー3人娘の1人であり正妻。刃奈の好感度ランキングでは圧倒的首位を独占しており、2位以下にトリプルスコアを付けるほど稼いでいる。
 最初こそ刃奈から求められて答える形であったが、徐々に本性を現し、今では高確率でタチ側。でもやっぱり刃奈に求められるのも好き。
 かわいいかわいいと刃奈から表されるものの、スピカ本人も刃奈のことを可愛い、美少女であると認識しており、また特に「弱っている時の刃奈の顔」が大好き。曰く、「あの顔を見せられると優しく助けて構ってあげたい気持ちともっとぐちゃぐちゃにいじめたくなる気持ちで心が二つになる」とのこと。他の人の顔では別に何も感じないので、相当刃奈に執着している(自覚あり)。
 智夏の気持ちを智夏本人よりも察しており、「智夏にも幸せになってほしい」という親友としての思いと、「なんで自分の気持ちに気付かないの?」という焦ったい思いを同時に抱えている。なので、智夏を巻き込むことには割と積極的。

・片梨刃奈
 タチの顔して割とネコ。相手にアプローチする側の時はイケイケだが攻められると途端によわよわになる。
 すーちゃんのことが大好き。
 
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