戦乙女は死線を乗り越えて   作:濁酒三十六

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今回より時折後書きにオマケ小説を置いていきます。
内容はキャラ崩壊の台本式です。…本当にキャラ壊れてます。


少女達と吸血鬼は共に歩む…

 別れ際、躊躇いながらも比呂はみゆきに手を振り返していた。

 書斎には直ぐに着き、矢薙はドアを開けてみゆき達に入るよう施す。中には既に小夜と柊真奈がおり、書机を挟んで眼鏡を掛けた車椅子に座った細身の男性とその傍らには肩まで伸びた茶髪に鋭く切れ長の目をした長身の外国人青年が付いていた。

 

「初めまして、俺がこの館の主でサーラッドのリーダーをしている殯蔵人だ。

隣にいるのは俺のボディガードでアルフォンス・レオンハルトと言う。

以後、宜しく頼む?」

 

 多少なりと高圧な態度が見受けられる人物には思えたが、此方に対し友好的にも感じ得たのでみゆき達は軽く頭を下げるが、アルフォンスと云う人物は睨む様に彼女達を見つめ、決して馴染もうとする態度ではなかった。

 

「何や、あの外人。

目付き悪い上にウチ等を敵か何かと見とるんやないか?」

 

 アルフォンスの態度に異を唱えたのはあかねであった。確かに其方から呼びつけてそのツンとした態度を取られるのは気持ちの良いものではない。

 

「アル、お嬢さん方が怯えているぞ?」

 

 殯はアルフォンスの過剰な態度を改めるようにいさめる。

 

「…申し訳御座いません、蔵人様。」

 

 アルフォンスは小さな鼻息を鳴らすと主には頭を下げるが、特に態度を変える所か今度はみゆき達を見下した目で見る様になった。

 さすがにこの視線にはやよいもマミも不快感を感じ、みゆきは「はっぷっぷー…!?」と奇天烈な言葉を漏らした。だが、その空気も直ぐに一変した。急に書斎内は冷気で埋もれ、アルフォンスと小夜は緊張を露わにして隣の真奈は小夜の異変に狼狽える。

 ほむらやあかね達も警戒はするが、只一人…笑顔になる人物がいた。

 

「あ…、アーカードさん!?」

 

 この何日間、全く連絡も取れずに会う事の出来なかった相手の気配を察知したみゆきは他の誰とも違うその明るさで幽鬼の如く姿を現す吸血鬼を出迎えた。

 

「コレはコレは…、思わぬ歓迎だ。

元気だったかな、みゆき姫?」

 

 相変わらずの嘲笑とサングラスから覗く紅い瞳にあかね達はアルフォンスの態度以上に引いてしまうのだが、みゆき一人が浮き足立って笑っていた。

 

「えっ、あっ…、うんっ♪♪」

 

 また、ほんの際に見せる吸血鬼の微笑みにみゆきは満足げに微笑み返す。しかしアーカードは直ぐにみゆきから殯に視線を移すと彼に謝辞を口にした、

 

「シスネット代表取締役にしてサーラッドリーダー、殯蔵人殿だな。

お招きに預かり…此処に馳せ参じた。

以後、お見知り置きを…。」

「あぁ、今日は親睦会の様なものだ。

貴方も楽しんでくれ?」

 

 殯は当然の様にアーカードを招き入れ、彼はみゆき達と一緒に書斎を出た。

 …途端に真奈はアーカードの覇気にあてられたのか、腰を抜かした様にへたり込み、小夜は即座に殯を睨みつけた。

 

「貴様、何を考えている!?」

「それは今日の親睦会の事か、それともあの吸血鬼を招いた事かな?」

「…両方だ!」

 

 詰め寄ろうと机越しに手を伸ばした小夜にアルフォンスは素早い動きで袖に仕込んでいた刀を彼女の喉元に突き立てた。

 小夜の視線はアルフォンスに向けられ、彼は殺意を露わに小夜を見る。

 

「小夜、レオンハルトさん!?」

 

 突然の仲間割れに真奈は思わず声を上げてしまう。

 

「アルフォンス、刀を収めろ!

小夜、お前も場所を弁えてくれないか?

彼女達に気付かれるぞ?」

 

 小夜は舌打ちをして殯に伸ばそうとした手を引き、アルフォンスもまた仕込み刀を仕舞う。

 

「小夜、今回の件に特に他意はないが…、敢えて言うなら彼女達とあの吸血鬼との関係を見ておきたかった。

あの娘達とアーカードがどの様に互いを思っているのか、どの様に接しているのか、其れにより我々の関わり方も変わる。」

 

 それを聞いた小夜は殯をもう一睨みして書斎を出、真奈はお辞儀をして彼女の後を追い出て行った。

 アルフォンス・レオンハルトは眉をひそめて小夜が出た書斎のドアをやはり睨む。

 

(…化け物めっ!!)

 

 彼は幼き日の惨劇を思い出しながら…その憎しみを小夜のいた空間に滲ませていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 書斎から今度はサーラッドのメンバーの溜まり場となっている大部屋へと矢薙に案内され、少女達は大きな廊下を戻る様に歩く中…、星空みゆきはアーカードの隣を陣取って終始嬉しげにモジモジしながら並んで歩いていた。

 あかねとやよいは友達を取られた不安で前を歩く二人の背中を見ていた。

 其処にみゆきの着ているコートに隠れていたキャンディが姿を見せて周りをキョロキョロと見渡すが、直ぐに隣のアーカードを見つけてみゆきの腕の中に隠れてしまった。

 

「どうしたの、キャンディ?」

「うぅ、キャンディはまだアーカードがこわいクル。」

 

 ぶるぶると震えるキャンディを困った顔で抱き抱えるみゆきにアーカードは特に気にする事なく彼女に話しかける。

 

「それが吸血鬼に対する本来の反応だ。

お前は怖くはないのか…、星空みゆきよ?」

 

 嘲りの中に優しさを含めた声にみゆきは首を横に振り、答えた。

 

「怖くない、…って言ったら…やっぱり怖いかな。

わたしは笑いながら人の命を平気で奪ってしまう事が出来るアーカードさんが怖い…。

でも、それがアーカードさんの全てじゃないんだって…わたしは思ってる。

だから、わたしはアーカードさんを信じる。」

 

 みゆきの言葉はアーカードにとって意外と云うべき答えであった。サングラスの奥の彼の赤い瞳が映すみゆきの表情は普段の夢見る子供のものではなく、強い信頼に満ちた少女の顔であった。キャンディもまた、あまり見せないみゆきの顔を見て少し驚いており、みゆきの話を聴いていたあかねとやよい・マミ・ほむらもみゆきのアーカードに対する思いに感心を持ってしまっていた。

 

「フフッ、フハハハハハハッ!!

お前はやはり面白いな、星空みゆき。

やはり“私の目に狂いはなかった”!」

 

 牙を剥き出しにし、高笑いを上げるアーカードは立ち止まりサングラスを取る。邪な笑みを浮かべながらみゆき達にテレパスで言葉を投げ掛けてきた。

 

《サーラットのリーダー…殯蔵人を信用するな。

アレはお前達にとって“鬼門”となるやも知れぬ、気を許るな。》

 

 五人と妖精にテレパシーを送りつけたアーカードはその場から忽然と姿を消してしまった。みゆき達は突然の事に呆けてしまい、いつの間にか離れていた矢薙春乃に呼ばれていた。




 此処はカラオケパ〇ラ最大十二人のパーティー部屋。

みゆき「さあーっ、歌って食べてー、飲んで踊ってみんな脱げーーーっ!!!」

れいか「ちょっ、みゆきさん、服を着て下さい!」

あかね「誰や、みゆきにお酒飲ませたんはっ!?」

杏子「あたしだーっ!!」

さやか「こらーっ、アンタまで脱ぐなーって、お酒を飲むなお酒を!!」

やよい「そうだ、ガキは酒呑むんじゃねえぞ!」

なお「やよいちゃんが一升瓶飲み干しちゃったよーっ!!」

あかね「誰や、お酒一升瓶持ち込んだんはーっ!?」

ほむら「貴女の後ろにあるのは一升瓶、しかも後五本もあるのではなくって?」

あかね「ハウッ!?」

マミ「全く、花も恥じらう乙女がこんな物をカラオケルームに持ち込んだりして…。
女の子はもっとエレガントにいかなくてはいけないわ?
ゴブリゴブリ…」

さやか「…ってマミさんてば一升瓶片手持ちで、ラッパ飲みですかっ!?!?」

みゆき「もーしゅーしゅーつかにゃ~ね。
よし、わたしに任せて!
キャンディ、ジュー万ボルトニャ~!?」

キャンディ「キャンディはそんなの出せないクル。」

キュアピース「わたし出せるぜーっ♪」

れいか「わっ、解りましたわ!
キャンディ+キュアピース-黄瀬やよい=ピカチュウ…この方式が成り立つのですね?」

みゆき「れいかちゃん、あったまいいんっ!」

なお「何れいかまで御猪口でお酒飲んでるの!?」

小夜「最早、業には業に従え…だな。」

みゆき「なっ…、奈々ちゃああああん!!」

小夜「うわあっ!?」

みゆき「みんなで奈々ちゃんを脱がすのじゃあ!!」

小夜「お前ぇ中の人間の名前を…、なっ、ちょっと、スカートを捲るな!
コラッ、パンツを脱がすなっ!!
イヤっ…て、セーラー服を脱がすな!!!」

杏子、やよい『セーェ、エーエ、ラアーふっくをんっ♪♪』

 バックコーラス…アーカード。

みゆき、マミ『ぬぅ、がぁ、さあっ、ないでんっ♪♪』

 バックコーラス…アーカード。

小夜「イヤアアアッ、胸を揉むなあ!!
項を舐めるなあ!
お願いだからパンツ返してぇ…。
だからダメだったらあ、ああ~、らめぇ…」

みゆき「うぇっへえ、いい声で泣きよるわ。」

アーカード「フッ、此ぞ酒池肉林よな…。」

ほむら「…ふう、濁酒じゃあ酔えないわね。」

あかね「コイツ、ざる…やったんか!」


(…完…)
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