思いついたネタを書いておくとこ   作:bibibi

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コナン
名探偵コナン居酒屋殺人免罪事件 前編


 12月某日。

 俺は会社の先輩(佐竹さん)と居酒屋に来ていた。

 佐竹さんは外見は怖いが面倒見がよくたまに奢ってくれるいい先輩だ。

 

「佐竹さん今回はセーブしてくださいよ。前の時すごいゲロ吐いてて大変だったんすから……」

「大丈夫、大丈夫!」

 

 前回居酒屋に来た際、佐竹さんはチューハイを10杯飲んでグダグダに酔いつぶれ帰りの電車でゲロを吐く惨事を引き起こしていた。俺の仕事は酔った先輩を家まで帰すことなのだが、ゲロだけは本当にやめてほしい。俺の言葉に佐竹さんは何度も大丈夫と相槌を打った。

 

 会社からほど近い大衆居酒屋。

 席が区切られているから個室ではないが、一応は個室のような空間が演出されている。隣の席からは子供の声も聞こえてくる。居酒屋に子供なんて連れてくるなよとなんとなく思ってしまうのは俺が結婚していないからなのか……。とにかく隣の会話は割と筒抜けで空間だけが分かれていた。

「俺うな重が食べたい!」

 隣になんかうな重食べたがってるガキがいるな……。こんな安物の居酒屋にあるわけないだろと思いながらメニューを覗いていると、佐竹さんがカバンから袋を取り出していた。プロテインの袋である。

 

「なんすかそれ?」

 

 3㎏のプロテイン。佐竹さんは筋トレが趣味らしくジムに通うのでプロテインを飲んでいることは知っているがなぜ今プロテインを出したのかが分からなかった。取り出したプロテインの袋はきれいに折りたたまれており中身は空のようだ。

 佐竹さんはにやにやしながら俺に見せるようにプロテインの袋の口を開けた。

 

「これ、これさ。臭いとか通さないんだってよ。だからゲロ袋w」

「いや、吐く前提は勘弁してくださいよー」

 

 吐く前提で来られるとは……。

 おごってもらっている立場上あまり強くは言えない。少しだけどお金も借りてるし……。何とか度数の高い酒はセーブしてもらってほろ酔いで帰らせる。これがベスト……。

 

「今日寒かったし、熱燗頼もうぜ。お姉さん熱燗2つ!あと唐揚げと――」

 

 佐竹さんは店員を呼ぶとポンポン食べたいものを注文しだした。

 たしかに今日は寒かった。

 珍しく外に出ての仕事だったから身体中にホッカイロを貼っていたが、身体の芯は冷えてしまっている気がする。

 

「この時期に外仕事はきついっすね。まあ、仕方ないっすけど……」

「屋内に設備あれば助かったんだけどな」

 

 仕事の話をしながら酒を飲む。

 身体の芯から暖かくなる。

 人の金で飲む酒が一番うまい。そのことをわかっていない人間は多い。

 最近の新人は飲みに行くことすら嫌がる奴が多いが、一緒に飲みに行くことで仲を深めたほうが仕事は楽になるし何と言ってもただ酒なのだ。割り勘にしない先輩は神ということは全世界共通の認識にしたい。

 酒を飲みながら話すネタは仕事の愚痴か競馬かパチンコの話が大半になる。最近はソシャゲにハマっているらしい先輩の話に訳も分からず相槌を打つ。風俗の話とかすればあわよくばこの後連れて行って貰えるかもしれないが、隣の席に子供が何人かいる気配がするものだからそれは抑えた。そのへんのほほ心遣いが社会人には必要なのだ。

 

「お姉さんレモンチューハイもう一杯」

 

 佐竹さんの酒が進む。

 もう何杯目だろうか……。

 わからない。

 食事をしていると身体が熱くなってきて上着を脱いだ。

 

「なんか熱いっすね……」

「お前、それつけすぎだっつーの」

 

 佐竹さんが俺の服に張り付いたホッカイロを見てツッコミを入れてくる。

 背中に4つ、腹部に2つの完全防寒仕様だったが今は邪魔だ。

 

「いや、もう付いてるだけっすよ。とっちゃお……」

「お前、それつけすぎだっつーの!」

 

 俺は服に付けたホッカイロをはがした。

 佐竹さんも同じようなことばっか言い始めた。平気そうな顔をしているがプロテインの袋の口を開いては閉じてとしていることからなんだか吐きそうな気配を感じる。

 そろそろお開きだ。

 俺はホッカイロを持ってからトイレに行くことにした。ここの居酒屋のトイレにはゴミ箱があるから捨てちまおうとそういった考えだった。

 

「ちょっと……便所行ってきます」

「んっ」

 

 俺はホッカイロを抱えて便所に行った。

 小便が驚くほど止まらずに出続ける。

 夢の中でおしっこすると止まらないけどそれと似たような感覚だ。身体の中でアルコールが分解されて小便になっているんだろう。たぶん知らんけど。

 

 

 

 

 小便をしてゴミも捨て、席に戻ると佐竹さんがうつぶせで倒れていた。

 

 

 

「大丈夫っすかー?」

 

 声を掛けるも返事はなく、肩を揺すっても反応はなかった。身体を仰向けに起こすと佐竹さんは目を開けたまま呼吸をしていなかった。

 

 

 

「佐竹さん!佐竹さん!!!うわああああああああ」

 

 俺はその時、声をあげることしかできなかった。

 

 

 

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