増税クソイケメン 作:覆面生徒
5月となりDクラスのクラスポイントが0になったこと、その理由が騒がしい授業態度や生活態度にあったこと、Aクラスのみに進学や就職の希望が叶えられる等々の説明を担任の茶柱から嫌味を交えつつ受けた。
さらに5月下旬に実施される中間テストにて赤点を取った者は退学となるといった説明もなされ、平田がどうにかせんといかんと頑張っていたりもしたが、クラスは以前にも増してギスギスしている気もしなくもない。
それでも女子はわりと統制が取れているようで、あの女──櫛田桔梗が率先してまとめている。
そんな中、俺は放課後に呼び出しを受けていた。
大きな声で「失礼します」と挨拶をしてから職員室に入り、呼び出してきた相手を探していたら手招きする女性教師と目が合ったので近付くと──。
「君ってDクラスの庵治くんだよね? なるほどねー、皆が騒ぐだけあって間近で見ると……うん、評判通りすごく美形ねっ」
声をかけてきたのは保険医と1年Bクラスの担任という二足の草鞋は履く女性教師。
特殊な学校とはいえ、保険医が担任をしているのにすごく違和感がある。
この人の給与体系や仕事の割り振りはどうなっているんだろうか。
「……あの、先生。近くないですか?」
生徒の容姿について言及するというわりとストレートなセクハラ発言をするこの教師は、この学校では保険医と担任を兼ねているというのもあって特殊な──結構上の立場にあるのかもしれない。
上級生の女子に対応する時と同様、ここは初手ゴマすりが安定だろうとモジモジしておく。
「あらあらあら、どうしたのよ。意外と初心なところがあるのかしら? それとも先生に緊張しちゃった?」
「えっと……先生はすごくお綺麗ですから」
「そ、そう? ふふーん。そっか。そうなんだあ」
まんざらでもない顔が妙にむかつく。
なんだろう、この頬を捻りあげたくなる面は。
相応に上の立場にあるのだとしてもこのまんざら勘違い顔をスルーする自分が許せない。
「茶柱先生ほどじゃないですけどね」
さすがに頬を捻りあげるわけにもいかないので、言葉を捻る。
容姿を比較するっていうシンプルなセクハラを返してやる。
「は?」
顔。
「ですから茶柱先生の方が綺麗ですし好みです」
「……あっそ」
敵意にも似た視線をこちらへと向けてくるBクラスの担任の顔が狂言に使用される面のようになっており、吹き出しそうになるのを堪えるのに苦労する。
その顔はやめていただきたい、横っ腹が痛くなってくる。
「庵治。教師を揶揄うな」
「ふぁいっ!」
ぬっと音もなく現れた担任の茶柱、ナイスなタイミングだ。
「……おい。なんだその返事は」
「緊張しています!」
横っ腹がな。
「そうか……では付いてこい」
付いてこいとな? どこに? 理由は?
こちらの返事を待たずにずんどこ歩を進める茶柱の背を眺める。
まだ付近にいるBクラスの狂言師に目を向け、懸念事項を問うておこう。
「茶柱先生って大丈夫なんですか?」
「何よ? サエちゃんが? 大丈夫ってどういうことかしら」
「痴女だったりします?」
「はい? それはないわよ。プフッ……ないない。サエちゃんに限って……大丈夫アハハハッ」
笑い過ぎだろ。
「……何をしている。付いてこいと言ったはずだ」
職員室から出て行った茶柱がプンスカしながら戻ってきた。
仕方がないといった意を伝えるべく肩を軽くすくめておく。
狂言師からまたクスクスと笑い声が聞こえてくる中、茶柱の後に続いて職員室から出る際、頭を軽く下げつつ大きな声で「失礼しました」と口にしたら茶柱に変なものを見る目を向けられた。
■
生徒指導室とプレートがかかる部屋へ担任の茶柱が入室する。
続いて入室した俺は出入り口に近い方に座ろうとするもこちらを待たずに茶柱がさっさと席についたので、出入り口付近で立ったまま不動をキープする。
「何をしている。座れ」
「俺、下座に座りますよ?」
「私はこちらでいい。空いている方に座れ」
一瞬茶柱の隣に座ってやろうかと考えもしたけど、仕方がないと盛大に溜め息を吐き出しつつ対面の席につく。
目で襲ったりしてくるなよと伝えるも、どうやら伝わっていない様子。
「端的に聞こう。お前は一体この学校で何がしたいんだ? 日頃の破天荒な言動は目的があってのことなのか?」
「目的……俺の経歴って知ってますよね?」
「ああ、概要はな」
「ならわかるはずですよ」
中学時代の事件のうち報道されているものは、調べようと思えばわりと具体的な内容まで誰でも知ることができるだろう。
「ふむ……お前は他人から必要以上に好意を抱かれることを恐れている。必然、目的もそれに沿ったものとなるんだろう。平穏な学生生活を送ること、それがお前の目的であり目標か?」
この茶柱、自信満々である。
「全然違います」
「……」
「繰り返します。全然違います」
「ならばなんだ? 答えろ」
椅子の背に体を預け、投げやりな態度で茶柱が聞いてくる。
一瞬スーツの内側に手を伸ばそうとしてすぐに手を止めたが、タバコだと思いたい。
「目的は自分磨きですよ。ほら、俺ってば見た目が満点過ぎて怖いくらいじゃないですか」
「……で?」
「で、じゃなくて。ほら、予想してくださいよ。ヒント出してあげたんですから、ほらほら」
「今お前とクイズをして遊ぶつもりはない。早く答えろ」
「やだー! やだやだー! 茶~さんが答えるまで言わない!」
クイズすきー。
嗚呼、家族揃って大晦日に1年越しのクイズ番組を観る光景がフラッシュバックしてくる。
あと3年は恒例のあれが出来ないのは寂しい。
こういう想いが芽生えてくるのもホームシックの一種なのかもしれない。
「……貴様、教師を舐め腐るのも大概にしておけよ」
「はーい」
「……それで?」
茶柱の怒りゲージを読み解く。よし、まだイケる。
「目的はシンプルに箔付けですよ。トップクラスの進学校に入学できるほどの頭はさすがにないんで、国立の高育ならまあ、多少は?」
「ほう……ならばAクラスで卒業しなければその箔は付かないんじゃないか?」
「そうですか? このままDのままでも大丈夫じゃないですかね」
「お前も退学になり得ることを忘れていないか?」
退学が通用するとでも──するよ! 退学は怖いっつーの!
学歴社会なんだし退学はイヤだっつーの!
「高校中退つってもそのあとに適当に自分に合った高校に入りなおすか転入させて貰えるならそっちでなんとかなりますし。退学理由も美談に仕立て上げて相殺すりゃあいいですし」
「随分と社会を甘く見ているな」
「ええ、それはまあ。俺は人生イージーモードですから。この見た目と親が親なもんで」
虚勢だ馬鹿野郎!
「ふん」
ほっ。
「冗談はさておき──俺の目的は嫁探し以外にないですよ」
もうおふざけはここまでにして、正直に答えておこう。
茶柱って玉砕覚悟でぶっこんできそうな怖さがある。
「お前は何を──」
「うちは古くから続く家で、それも代々祭り事に関わってきた名家ってやつですから。近代以降も世襲制が罷り通っている世の中では、血が薄まる機会にも乏しく弊害も付き物でして。やんごとなきお家ばかりが注目されがちですけど、まあわりと有名な話ですよね?」
「……ああ、多少なりとも知ってはいる」
「うちは曾祖父の代くらいから西の方から血を入れたり、色々と試行錯誤してはいたんですけど、近親婚がバリバリな世界なんで結果が振るわず、父も俺も本家の男児は己のみってな結果なわけでして──兄弟姉妹が多くて生理周期がド安定の精神力抜群のおなごを求めてるんですよ」
実際、俺自ら嫁を探している他にも実家もあの手この手で行ってはいる。
個人情報の取り扱いに厳しくなってきた昨今ではあれ、本気で探せば個人情報なんて貫通して望む特性を持つ女性をリストアップすることはできる。
でも子をもうけて育むとなった場合、相性っていう厄介な性質が絡んでくる。
その点、自身のポコチンに紐づいている征十郎アイを介して女子らを見定めれば、一方通行ではあれ特性や容姿を抜きにした好悪がはっきりとする。
それに高育には名字やら見知った顔からして古くから続く家の子女も多少は在学しているけど、大半が一般家庭出身なのも嫁探しポイントが高い。
実家の思惑としては、おまけ特性で学業成績に学内政治に強い女子なんかを見定めさせようとしてるのかもしれない。
生徒数が少ないものの学校の敷地内に出入りしている女性の数が普通の高校と比べて圧倒的に多いのもポイントが高いだろうし。
「……そうか」
俺の説明を聞いた茶柱は納得しているのかしていないのか、よくわからない顔をしている。声には疲れのが色が見て取れるが。
「はい。可能であれば複数です」
「なるほど……?」
「茶柱先生はどうですか? 兄妹多かったりしません?」
「お前のその目的に嘘はないのか? まだ色々と隠しているだろう」
この人は他人を常に疑うのが生来の気質なのかもしれない。恋人の携帯端末を覗き見たことがありそうな顔をしている。
「そうですねえ……あとはこの親の目や手が届かないって
「わかった。今のところはその答えで納得しておいてやろう」
「先生としてはAクラスを全力で狙って欲しかったりするんです?」
「当然だ。上を目指す。それがこの学校の在り方だ」
競争に伴う手段は選ぶなってな思想が強すぎるこの学校。
ポイントで買えないものはないという説明からして、不正や違法行為が黙認されているどころか奨励されている可能性すらある。
それを証拠に寮の各部屋の複製キーを他人が本人の許可なしでポイントで作成・購入・所持、おそらく譲渡までできるのは、窃盗や強盗に暴行等を誘発させて無法地帯を作りたがっているようにしか思えない。
ただまあ、20数年続いている学校でもあるので、生徒からは見えない部分で無法地帯化するのを抑制しているんだろう。たぶん。
「先生が今になって動いたのも先日情報が開示されたからですよね? そもそも非協力的に見える俺も高円寺のように黙認するしかないって考えてません? でも座したままなのも性に合わないんで、ワンチャンやる気スイッチ押せれば儲けものってことで動いた。合ってます?」
「フン、違うな。この学校の教師としてやる気の見えない生徒を指導しているまでだ」
自分でも苦しい言い訳というのを理解しているんだろう。
茶柱の言葉にはまったく心が篭っていない。
「ま、見返り次第ではAを目指してもいいですよ」
「……ほう、見返りを求めると? お前は確かに成績は上位だ。運動成績に関しても申し分のない経歴を持っている。だが教師に向かってそのような取引が──」
「Dクラスの生徒全員分の個人情報を。あ、男子はどうでもいいので女子の入学前に提出しているはずの健康診断結果を含む詳細なデータをください」
「……」
「可能であれば他のクラスも欲しいところですけど、ぶら下げる人参が心許無くなれば先生も信用できなくなるでしょ? どうです?」
融資を都合する見返りに体を要求するクソジジイを見るような目を向けないでほしい。征十郎、遺憾。
「──よかろう。ただし一人につき10万ポイントだ」
「
ここ最近毎日無料の山菜定食を口にする姿やDのクラスポイントの惨状に同情してくれた上級生の女子らからお小づ──応援するって形でプライベートポイントを頂いていたおかげで支払うことができる。
ようやく上級生の女子への種まきの成果が実ったわけだが、それでもまだまだ懐は寂しい。
ふう、10万ぽっちの送金だってのにタップする指が震えやがる。
「櫛田だな。では後日直接手渡そう。くれぐれも取り扱いには注意しろ」
「あ、やっぱり紙になるんですね」
「ああ、希望するのであればデジタルデータの送信も可能だが推奨はしない」
「……推奨しないんですね。じゃあ紙でお願いします」
「わかった」
紙は紙でリスクがあるだろうけど、内容を頭に叩き込んで物理的に破棄しておけばいいか。
さて、もうこれで用件も済んだだろうしお
「はっ! 言い忘れてました!」
危ない。危ないぞ征十郎。よもやおなごは女子のみであると、いつから錯覚していた。
おなごとは女性をも指し、ともすればババアも女性である。先ほど眼前の茶柱もしっかりと候補に入れようとしていたというのに、征十郎不覚。
「なんだ……まだ何かあるのか」
「女性教師陣のデータも買えたりします?」
「しない」
「胡散臭ァ……本当ですか?」
「ああ」
表情を一切変えないところが余計に胡散臭い。
茶柱は嘘を吐く時に感情を押し殺す癖があるっぽい。
「じゃあそっちはBの担任にでも相談してみます」
「……上の判断に委ねる必要がある」
「まあボーダーもあるし対象は少──」
「話は終わりだ」
茶柱から感情がぶわっと噴出した。
■
2週間後にある中間テストは一教科でも赤点を取ったら退学。
だからだろう、次の中間テストに向けて休み時間の間も机にかじりついている生徒をちらほらと目にする。
そんな中、赤点候補の者らを救済すべく勉強会が開催されるも、一部が癇癪を起こして勉強会をボイコットしたりと色々と慌ただしいDクラス。
Aを目指すとはいえ、今はクラスのことはわりとどうでもいい。
控えているのはただの定期テストだし、ここで退学になるような奴はどうでもいい。
そんなことより優先すべきことがある。
意外というより納得の情報を手に入れ、今日になってようやく予定が空いたので休み時間を利用すべく教室の出入り口付近に足を向けると──。
「あ? テメェこっちになんの用だよ」
睨みつけてきているもののその目に怯えの色を浮かべる男子。
怯えつつも刺々しい言葉を口にする池はいまだにポコチンダービーを根に持っている様子。
事あるごとに俺を下げようと躍起になっている筆頭だろう。
「櫛田、ちょっといい?」
「うん、大丈夫だよっ。どうしたの?」
「は? 櫛田ちゃんになんの用だよテメェ!」
「こ、こいつ! 抜け駆けしようってのか!」
池に加えて山内が煩いが無視してそのまま廊下に出る。
そのまま池と山内が付いてくるかとも思ったけど、櫛田が何やら宥めて彼女一人で廊下に出てきてくれた。
「勉強会、また櫛田も参加すんの?」
「その予定だよ。庵治くんはやっぱり不参加?」
「小テスト上位でギリ勉強できる方だし俺。だからでえじょうぶだ中間くらい!」
「そうだね。でも庵治くんは教える側で手伝って欲しいなっ!」
一応脳内でシミュレートする。
平田はまた馬鹿っぽい女子を担当するのか? で、櫛田が赤点候補の野郎どもを再び受け持つ?
堀北は暴力沙汰寸前ってくらいに野郎どもと揉めたらしいから不参加になるだろうし、あとは小テストで上位だったのってあの高円寺だし平田と櫛田の二人で教える側を受け持つとなると負担がすごそうだ。
あ、幸村がいるか。あいつも参加するなら三人にはなるのか?
「櫛田って俺より小テストの点、上だよな?」
「ふふ、そうだけどたまたまだよ。庵治くんが教えてくれるなら女子の皆も喜ぶだろうし、どうかなっ?」
「えー、櫛田のが上だったのにー? 櫛田先生が俺より下だったら考えてやらんこともないんですけどー。でもまあ女子のやる気スイッチはこの俺なら入るだろうけど。ふむ──」
考えているフリである。女子を相手にする想定で考えたとしても勉強会に参加して教える側に俺が回るより今はまだまだポイントが入り用だから上級生の女子スポン──む? 廊下の窓を叩く風の音に閃きを得る。
すぐさま窓を開け放ち、イイ感じの風を浴びつつ腕組みして空を見上げる。
「櫛田」
「うん?」
「今の俺を撮ってくれ」
ガッチガチにポマードしているので髪は靡かないが、そんなもの些細な問題である。
俺の纏う風には色がつき、花が咲くのだから。
「え? 庵治くんを撮ればいいの? 待ってね。うん、撮るよ?」
「待て。もう少し風が強くなったら──今です!」
「はいっ!」
視界に残る太陽がうぜえ。でも背に腹は代えられない。被写体って苦労が絶えないものだし。
「共有して」
実は1年の女子では唯一櫛田とだけは番号交換していたりする。
結構前に交換したはずだが、お互いに連絡を取り合うようなことは一切なかった。
何か伝えたいことがあれば平田か三宅、たまに松下を経由されるし、こいつはやっぱりできる奴だ。
ヘイトというものをよく理解しているからこそ、意図的に俺のことを避けている。
「はいどうぞっ。どう? ちゃんと撮れてるかな?」
「ッ! お前櫛田お前! お前やるやん! 櫛田お前マジキャメラ!」
「えへへ、そ、そうかな?」
画角というものをしっかりと理解しているし、黒髪ポマードの質感を利用して上手に光を取り込んでいる上、言われずとも複数枚撮影している機転も素晴らしい。
「ハァ……お前が男子だったらなあ。俺の専属キャメラマンにしてやったのに……男だったりしねえ?」
「なっ! し、しないよ! 私女の子だよっ! もうっ!」
両手を突き出しパタパタと手を振って否定する櫛田──すかさず端末を操作してシャッターを切る。
シャッター音に気付きまんざらでもない顔を晒す櫛田。残念。インカメによる自撮りである。共有してやると頬を膨らませてプンスカしている。
「まあまあ、茶番は置いといて。どう? もう1年の奴のほとんどと連絡先交換できた?」
もう勉強会の件については有耶無耶にしとこ。どうせこの後それどころじゃなくなるし。
「平田くんが言ってたのってこれかあ……えっと、大体の人とは交換できたよっ」
「じゃあ次は2年と3年も?」
モールや各種施設やその他店舗の従業員も候補に入れるべきだってことにいつ気付くだろうか。
いや、とっくに気付いているけど生徒を中心とした地盤固めを優先しているだけかもしれない。
「そうだね。上級生の人とはまだあまり話せてないんだけどね」
「ふーん」
「でも連絡先を交換するのが目標じゃないよ? 私は皆と仲良くなってたくさん思い出を作りたいからねっ」
「ほーん」
「ど、どうしたの? 庵治くん?」
「ま、いっか。勉強会頑張ってな」
「うん。ありがとね。もし気が変わったら庵治くんも参加してねっ」
「はーい」
ノリも良く擬態に慣れている。
持病はなく過去に病気で入院したこともなければ虫歯の治療歴すらない健康優良児。
中学時代の一件については考え方を変えたり失敗の本質に学ぶのではなく、がむしゃらな行動による逃避をしているきらいはあるけど──素晴らしい嫁候補である。
「あ、そうだ。中学ん時のお前がやった爆散について話あっから、勉強会終わりに俺の部屋来て。404な」
別れ際に本題を伝える。
浮かべていた笑顔を一瞬にして消し去った櫛田はすぐに笑顔を取り戻し、こてんと首を傾げている。
でも指先や足元まで意識が向いていないのだろう、目に見えて震えていた。