コーラルリーフ1942 -珊瑚海海戦-   作:りゅーぜん

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五航戦、ニューギニアへ!

 1942年4月12日。インド洋から帰投中の第一機動部隊に唐突な異動命令が下る。

 

 第五航空戦隊は第一機動艦隊の序列を離れ、新たに第四艦隊に編入する。トラックに回航し、第四艦隊司令部の指揮下に入れ。

 

 「えっ」

 瑞鶴は思わず声を出し、翔鶴もきょとんとした顔をして、辞令を読み上げた赤城を見つめる。

 

 「─そういうわけで翔鶴、瑞鶴。あなたたちにはこのままトラックに向かってもらうことになりました。ここでお別れなのは残念だけれど…」

 「トラックってことは、ニューギニア方面でひと仕事ってこと?あんな辺鄙な地に回されるってことは、左せn」

 「飛龍ったら!五航戦に厳しいのは加賀さんだけでいいでしょーが、もー…あはは、悪気はないんだ~…」

 

 持ち前のスパルタ気質で、飛龍は加賀の次に五航戦への風当たりが強い。それに対する蒼龍の配慮も、自分たちの練度不足を前提としているようで胸が痛い。我慢しながら瑞鶴が質問して、

 

 「ところで、先輩方のこれからの予定は?」

 「そのまま内地に帰って休息と訓練らしいわ。一航戦と二航戦はハワイ方面作戦の準備に取り掛かるそうよ」

 「えー?!私たちは休憩なしでトラックに行けってのに、先輩は休めるんですか!?」

 

 そんなのってないですよ~!と駄々をこねる瑞鶴を、まあまあとなだめる翔鶴。

 

 「まー大した敵が出てこないって思われてるんじゃない?あんな南の果てに敵機動部隊が出てくるなんて思えないしな~…五航戦の練度アップの一環?みたいな」

 

 練度向上の一環として大したことのない作戦に五航戦が投入されている。休憩なしで最も経験の浅い部隊を投入するあたり、本当に"大したことない"想定なのだろう。やめなさいって!と蒼龍が飛龍の頭をはたくものの否定しないあたり、これが先輩方の統一見解らしい。「う…」と五航戦姉妹は苦虫をかみつぶしたような顔で声を漏らす。

 

 「─けど確かにいい機会かも、先輩たちが休んでる間、私たちは実戦経験を積めるわけでしょ?追いつくチャンスじゃない!」

 「そうよ瑞鶴、その調子」

 「ここで経験ガンガン積んで!加賀さん見返してやるんだから!やるぞー!」

 「いやー、加賀がいないとはいえ威勢がいいね~。私、頑張ってる娘は好きだぞ~」

 

 やる気を取り戻す五航戦を、飛龍はにこにこしながら見守る。私はちょっと向いてないけど、ああやってハッパかけてあげるのも必要なのかな…とほほ笑む蒼龍。そして赤城も、

 

 「そうね、第四艦隊での経験は全部残さず吸収して、今度は私たちに堂々と肩を並べられるようになって帰ってきなさい。いつでも待ってるわ」

 

 五航戦の二人にエールを送った。翔鶴は毅然とした顔持ちで、瑞鶴は屈託のない笑顔で、「はいっ」、と応答する。

 

 第一機動艦隊から、五航戦が分離して別行動に入る。皆、お互いが見えなくなるまで手を振って別れを惜しんだ。

 

 「よーし、戻ってきたら私が艦隊主力になってやるんだから!海軍一の航空母艦になってやる!」

 

 やる気に満ち溢れる妹を見て、思わず顔を綻ばせる翔鶴。翔鶴姉のその笑顔、久々に見たな、と声をかけられると頬を紅潮させる。

 

 ─これが翔鶴・瑞鶴にとって、一航戦・二航戦との今生の別れとなった。

 ミッドウェー海戦後、第一航空艦隊は第三艦隊と改称され、あの四人の代わりとしていきなり帝国海軍最強の機動部隊の主戦力として、のちの戦いに挑んでいくことになる。

 

 そんな未来はおろか、すぐ先のニューギニアでの戦いが過酷なものになるとは思いもしないまま、二人は一路トラック泊地に針路を向ける。

 

 五航戦にとって、トラックに向かう海路は、今のところは晴れ晴れしく、輝かしいものに見えていた。

 

 

 さて、五航戦は途中、台湾の馬公に停泊したのち、トラック諸島に向かう。入港は4月25日のことだった。

 

 もしかしたら100隻近い艦娘がいるのでは?大小さまざまな艦艇が、日本から遠く離れた南方の環礁の内側で錨を下ろしている景色に、二人とも圧倒されていた。

 呆然としながら入港する二人のもとに、二隻の駆逐艦が接近してくる。

 

 「遠路はるばるお疲れ様です。お二人の送迎を拝命しました、第七駆逐隊、駆逐艦・曙です」

 「お、同じく…第七駆逐隊の駆逐艦・潮です…」

 

 もっとシャキッとしなさいよ、とあきれ顔で潮を小突く曙。

 

 「来る次作戦ではお二人の護衛を務めさせていただきます。よろしくお願いします」

 「よろしくお願いします…それでは司令部に案内します」

 「司令部を先に…?」

 「なんだかんだ長旅だったし、ちょっと疲れてるんだけど~…」

 

 先に停泊地を教えてほしいな~の顔で潮を見つめる瑞鶴。

 

 「っひ、ひやあぁぁ…」

 「すいません、すぐに次作戦の打ち合わせがありまして…お二人にも参加いただきたく」

 

 え、今から…?泊地について、錨を下す場所を教えられる間もなく作戦会議に参加など、聞いたことがなかった。遠洋航行でそれなりにヘロヘロだった二人だったが、さすがに断るわけにもいかず、次なる配属先・第四艦隊司令部に直進した。

 

 二人の駆逐艦に連れられて司令部の会議室に入室した五航戦の二人は、その会議の陣容に驚きを覚えた。なにか簡単な説明を軽くされる程度に思っていたが、複数の艦娘と艦隊司令部幕僚がすでに座席についている。

 第四艦隊旗艦、練習巡洋艦・鹿島。第十八戦隊旗艦、軽巡・天龍。第六水雷戦隊旗艦、練習巡洋艦・夕張。第七潜水戦隊旗艦、潜水母艦・迅鯨。第五戦隊旗艦、重巡・妙高。第六戦隊旗艦、重巡・青葉。艦娘はすべて各戦隊の旗艦であった。さらに連合艦隊からの派遣参謀とおぼしき将校もいる。そんなに重要な会議を、着任早々実施する?作戦概要すら全く把握していないのに…二人とも、違和感を感じている。

 

 「遠路はるばるご苦労。第四艦隊司令、井上成美である」

 

 二人は井上に向かって敬礼し、

 

 「4月12日より第四艦隊へ転任、本日より指揮下に入りました五航戦の空母・翔鶴です」

 「同じく空母・瑞鶴です」

 「うむ、では空いている席にかけてくれ。君たちを加えて、MO作戦の計画についてこれからミーティングを行う」

 「それでは、私の方から説明させていただきますね。第四艦隊旗艦、練習巡洋艦・鹿島です」

 

 二人が着席すると、鹿島が銀色のツインテールを揺らして会議室の黒板にツカツカと歩み出る。おぉ…と、その端麗な容姿を凝視した二人だったが、一瞬はっとする。

 

(この艦隊、練習巡洋艦が旗艦なの…?)

(というか、着任早々もう作戦会議…?何の資料もみてないから、意見の出しようがないけど…て、そんな大したことにはならない見込みだから、別に念入りに準備しなくてもいいのか)

 

 改めて、いかにこの作戦が軽視されているのか体感させられた気分のようである。違和感を無理やり納得させている五航戦の二人の様子に気付かぬまま、鹿島は口を開く。

 

 「新しいメンバーが増えましたので、改めて作戦概要から説明していきましょうか。今回計画されているMO作戦の目標は海路によるポートモレスビーの攻略です」

 「モレスビーを海路から攻略する際の最大の難点は、珊瑚海を挟んでニューギニア島の南に位置するオーストラリア大陸に配置されている連合軍航空基地です。ニューギニアの東岸からモレスビーまでの航続距離はおよそ470kmもあり、さらに珊瑚礁に囲まれた大小無数の島々が連続して点在するため、船舶航行の航路は極めて限定されます」

 「航路が限られている中、ソロモン海から珊瑚海に出るルートは現状3つが検討されています。チャイナ海峡とルイジアード諸島東方海域、そしてジョマード水道です」

 

【挿絵表示】

 

↑航路図。防衛庁防衛研修所戦史室(1968)『戦史叢書 南太平洋陸軍作戦<1> ポートモレスビー・ガ島初期作戦』朝雲新聞社、88頁より引用。

 「チャイナ海峡は最も経路が短くかつ水深も深いのですが、潮流が速く暗礁も確認されており、ほぼ単艦航行しかできません。ルイジアード諸島東方海域に迂回するルートも検討されていますが、この場合では輸送船団を敵航空機に暴露する時間が最長となるためなるべく利用したくありません。ということで、消去法的にジョマード水道を利用する方向でおおむね方針が決まりつつありますが、これでも当水道を通過してからポートモレスビーまで約12時間かかる見込みです」

 

 「12時間も敵機の行動半径で航行することになるのですね」

 「なので、五航戦のお二人に来ていただいて艦隊防空と敵飛行場への攻撃をやっていただきたいというわけです。本当は佐世保で待機中の加賀さんにも来ていただきたかったのですが、ハワイ方面投入のため本艦隊への編入は見送りになりました…」

 「えっ、加賀さんほんとはこっちに来るかもしれなかったの?!」

 

 驚いたのちにほっとした表情をした瑞鶴を尻目に、翔鶴が井上と鹿島に向かって質問を投げかける。

 

 「ところで私たちの艦隊での編成はどうなっているのでしょうか?」

 「はい、それについては研究中ですが、機動艦隊に所属してもらおうと思っています。これがその編成案になります」

 

 鹿島から二人に、「MO機動部隊編成案」と記載されたメモ書きが渡る。記載は以下の通りである。

 

 MO機動艦隊 旗艦 妙高

  第五戦隊(妙高、羽黒)

  第五航空戦隊(翔鶴、瑞鶴)

  第二十七駆逐隊(時雨、夕暮、有明、白露)

  第七駆逐隊(潮、曙(一部を別艦隊に分遣))

 

 駆逐艦はみんな新しめな娘だー、と感心する瑞鶴。会議に参加している妙高が五航戦の方に向き直って、

 

 「MO作戦では私の指揮下に入っていただきます。よろしくお願いします」

 

 はい~、こちらこそ、と瑞鶴が言いかけたのを遮るように翔鶴がすぱりと直言する。

 

 「妙高さんは、機動艦隊を率いた経験がおありでしょうか」

 「えっ?」

 

 妙高が声を上げてから、会議室の空気がぴりつく。突然の姉の強気な発言に、瑞鶴もたじろぐ。

 

 「いえ、ありませんが…」

 「機動艦隊の指揮、航空部隊運用は高度な専門性が要求されます。機動艦隊の旗艦は航空母艦であるべきです」

 「いえ、そうは言っても慣例上は艦隊旗艦は先任の艦娘が担いますから、私が旗艦を務めるべきなのでは…?」

 

 翔鶴に譲る気配はなく、遠慮しがちではあるが妙高も慣例順守の姿勢を堅持している。きょろきょろと周囲を見渡す瑞鶴。ひゅーっ、と口笛を吹いて楽し気に見物する天龍と仏頂面を崩さない井上を除き、皆苦笑いをしている。単にぴりつく空気に困惑しているだけかもしれないが、この中で一番就役が遅い新参者が、何を言っているのかといわんばかりであるようにも見える。さすがに姉を止めに入る瑞鶴。

 

 「翔鶴姉、さすがに控えておいた方が…」

 「いえ、機動艦隊で空母が旗艦を務めない例は現状ないわ。機動艦隊所属の経験者として、これは譲れないわ」

 

 「どう思う」

 

 井上が、連合艦隊参謀に問いかける。

 

 「先任が後任の指揮下に入るのは考えられませんが、翔鶴の言も一理あります。艦隊指揮自体は妙高にやらせるが、航空戦の指揮は翔鶴にとらせるということでよろしいのでは?」

 「第一航空艦隊の旗艦は赤城さんです、そちらの慣例を優先すべきで─」

 「翔鶴姉!」

 

 瑞鶴は姉の肩をつかんで強く静止し、翔鶴もさすがにこれに応じた。二人とも席についたのを見届けて井上がたしなめる。

 

 「─君の考えもわかるが、この折衷案を受け入れてはくれんか」

 「冷静ではありませんでした─差し出がましいことをしてしまい、申し訳ありません」

 

 先ほどまでの強気が嘘のように、深々と頭を下げる。瑞鶴もきょろきょろしつつ頭を小刻みに下げる。

 

 「というわけで、翔鶴・瑞鶴には敵飛行場攻撃に関して研究し、報告してもらいたい。次の会議は輸送任務から帰投中の祥鳳がトラックに入泊してから開催するので、それまでにまとめてもらいたい」

 

 

 「─そうは言っても祥鳳さんの入港予定は29日って、もう三日しかないじゃない!」

 あの会議の後、肉体的にも精神的にもヘロヘロになった二人は酒保を経由しつつほぼ一直線に寝床に向かい、泥のように眠ってしまった。翌日、要求されていた事項について研究を開始し、期限がいつまでか確認したところ思いのほか時間がなく、必死で諸資料の取り寄せにかかっていた。ラバウル航空隊の詳報やニューギニア東岸で行われた艦隊行動に関する記録を、二人とも必死でまさぐる。きいい、と扉を開けて淹れたてのお茶を机に置き、部屋を出る潮に気付かない程度に二人とも集中していた。

 

 データ収集を完了した二人の顔は、険しさそのものだった。疲労によるものでもあったろうが、主要因は調査結果によるものである。

 

 「まずは敵航空部隊の戦力から再確認しましょうか…」

 

・現在、オーストラリア大陸北東部からニューギニア方面に指向可能な敵機は戦闘機200・爆撃機50で、ラバウル航空隊による捕虜尋問の結果、さらにアメリカ西岸から航空機200が輸送されつつあるなどその勢力は大幅に増強されつつあり

・ポートモレスビーについても、運用中の飛行場は現状2つのみであるが、航空偵察により4つの飛行場を着工したことが判明、航空機運用能力を急速に拡張中。

 

 「つまり、私たちって450機を相手にする必要があるってこと?それはさすがに…」

 「ここから出撃してくる敵機は一回ごとに10数機から30機あたりしか飛ばしてこないみたいだから、艦隊防空に集中できるのであれば問題はなさそうだけれども、それをしつつ敵飛行場にも攻撃を仕掛けろとなると…不可能ね」

 「飛行場攻撃は無理だから艦隊防空に集中させてくれってこと?」

 「そう言うしかないわね」

 

 気まず~、と頭を抱える瑞鶴だったが、同時にそりゃそうだと納得していた。保有機はせいぜい130機程度の自分たちに、450機を装備する敵飛行場を殲滅するなど不可能に決まっている。艦隊防空に集中させてほしいと要請することは、ごく自然なことだった。

 

 「で、問題は敵艦隊の動向なんだけど…」

 

・2月20日、ラバウル方面に敵空母「レキシントン」が来襲、これを迎撃したラバウル航空隊の一式陸攻が攻撃を実施するも戦果無し、出撃17機中13機未帰還。

・3月10日、ラエ・サラモアで上陸作戦中の第四艦隊に対し空母「ヨークタウン」が出動、雷爆連合60機を出撃させて空襲を行う。我が方の損害以下の通り。

 沈没 輸送船4隻

 中破 夕凪、輸送船2隻

 小破 夕張、津軽、朝凪、輸送船1隻

・以上より、敵空母はソロモン海・珊瑚海方面に1隻ないしは2隻を展開しうる状況と思われる

 

 「─前情報と違うよね、これ?というか機動部隊に攻撃を仕掛けた陸攻が壊滅してるのに、なんでそんな重大な情報が…」

 「アメリカ海軍はこの地域を重視していないから空母は出てこない、と聞いていたのに…」

 「敵空母が出てくる可能性がある中で飛行場からの敵機来襲にも備えるって、もうキャパオーバーじゃない?これもどっちかに絞らないと」

 

 前提が音をたてて崩れていく。自分たちの練度を鑑みて、両方の目的達成は不可能だ。次の会議、どう報告するか…二人とも悩みに悩んでいる。久方ぶりに窓を覗くと、さわやかな青い空はすでにオレンジ色に染まっていた。

 

 「─今日はこのあたりにして、お散歩と行きましょうか」

 「うん─」

 

 

 透き通った海が橙に染まる海岸の砂浜をふらつく。綺麗…と思っても南方作戦で割と見慣れた光景だった、赤道にほど近い地域で作戦行動を続けていた以上、特段珍しい景色でもない。どちらかというと、本土の方が恋しかった。

 

 「みんな今頃、佐世保か呉か横須賀にいるんだろうなあ…なんだか瓦が恋しい」

 「ずうっと暑いままだし、四季も恋しいわね…今頃は桜が散り始め、いえ、散り終わった季節かしら」

 「そういえば私たち、桜見たことないよね~、ひと段落してこの時期に本土に帰ったら二人で花見しようよ、翔鶴姉」

 「ふふ、一航戦と二航戦の4人にも参加してもらいましょうか」

 

 二人とも、1941年夏以降の竣工だったため、まだ本土の季節は夏・秋・冬しか経験したことがない。日ノ本で一番情緒的な四季の一つを、彼女たちは知らない。

 

 近くの海上を、天龍と龍田があわただしく航行している。何やら資材やら機材やらを担いでいるようだ。

 

 「おーい!おつかれさまで~す!」

 「おっ、最近配属された空母の二人じゃねーか!」

 「おつかれさまです~」

 

 瑞鶴の声掛けに、二人とも手を振って応じる。

 

 「そんなに荷物もって、どーしたんですかー!」

 

 龍田に、あれっ、あいつら知らねえのか?と言わんばかりの顔をする天龍をみて、龍田は

 

 「あと2日くらいで作戦行動開始なので、いろいろ準備しているんです~。忙しいので、本日はこのあたりで~」

 

 と返す。

 

 は?二日後から作戦行動?全く聞いていない。もうMO作戦は始まっているのか?自分たちの作戦行動について、いまだ方針は全く固まっていないというのに。

 

 敵はここを重視していないから、多少準備不足でも大丈夫、でごまかしきれないレベルに達しているように、五航戦の二人には感じられた。もはやこの作戦は自分たちの演習代わりという認識を、二人は改めていた。

 

 この日、準備作業を終えた天龍と龍田は他艦艇と合流、トラック泊地を出発して一路南へ向かった。それを見守る二人は、この艦隊がどこへ向かうのか、何をするのか全く見当がつかなかった。こんな状態で部隊間連携をとれるのだろうか…

 

 南海の美しい夕暮れに染まりながら遠くなる艦娘たちを、ひどく不安げな様子で見守っていた。

 出撃していった艦隊の編成については、下記の通りである。

 

 MO作戦援護部隊 旗艦 天龍

  第十八戦隊(天龍・龍田)

  水上機母艦・神川丸

  特設砲艦3隻

  掃海艇2隻

  海軍特別陸戦隊の一部

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