目は口ほどに物を言う   作:豆腐メンタルの化身

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 なんか流れが気に食わないって何回か書き直しております。
 許して?次も結構時間かかるかも?


第十二話  狐の日……?

 

 

 はい。どうも私です。サリです。

 私は今、忍術研究部のお二人と砲弾や弾丸の雨の中にいます。

 どうしてこんな事になったかって?

 

 

 

「私が知りたいよぉ──!」

 

「うわっ!? どうしたのサリちゃん!? 急に叫んでぇ」

 

「無理もないと思います! 車を盾にしたまま動けなくなってますから……」

 

 

 

 私達は、あの店と駅の丁度中間あたりのこの場所で、道路に駐車されていた車を盾にしながら銃撃戦を耐えていた。

 

 来た道は瓦礫で塞がってしまい戻れない。逃げる為には道の反対側にある路地まで走り抜けるしかないだろう。

 しかし……明らかに大口径の砲弾や重機関銃の射撃音が聞こえており、飛び出そうものならどうなることやら。

 

 それに、遮蔽にしている車に弾が当たっていつ爆発するか分かったもんじゃない。

 

 

 いやね?店を出た時やけに外が騒がしいなぁ……とは思ってたの。

 まさかね?まさかだよ?テロに巻き込まれるとは思わないじゃん!

 

 

 

「いやぁ……こんなに運が無い事もあるんだねぇ?」

 

「言ってる場合なのでしょうか?」

 

「でもぉ……現状どうする事も出来ないよぉ?」

 

 

 

 イズナちゃんとミチルっちがそんなことを言っている。……割とこの二人余裕そう?

 

 

 

「あぁ……早く助けが来ないか──」

 

 

 

  パシュン!!

 

 

「ひゃぁっ! なんかこういうの前にもあったなぁ……」

 

「言ってる場合ですか!」

 

 

 

 嘆いた瞬間飛んできた弾丸の着弾痕を見ながら私はデジャブを感じていた。

 

 ただの不良とかから撃たれてるんだったら私たちも反撃するんだけど……

 そう思いながら私は少しだけ車から顔を出す。その先に居るのは──無人四足歩行戦車らしきナニカ。しかもその上には、狐面を被った着物姿の少女が居た。

 

 お面を付けた黒い着物姿のすごく強い人で思いつくのは一人しかいない。

 

 

 

「ハイ! 皆に質問!」

 

「今ぁ?」

 

「どうぞ!」

 

「お面を付けた着物姿のちょ~強い人! だ~れだ!」

 

 

 

 私は半ば現実逃避気味に、おとぼけながら言ってみた。

 

 

 

「う~ん?」

 

「ねぇ、サリちゃん……それってぇ……」

 

 

 

 イズナちゃんは顎に指を置き考えているが、思い浮かばない様子。

 しかし、ミチルっちは正体に気付いたようで、見る見るうちに顔が青ざめていく……

 

 

 

「正解は~?」

 

 

「災厄の狐」

 

 

 

 少しの間のあと、私はそう答えた。

 

 

 

「なんでよりにもよって今日なのぉ?」

 

 

 

 災厄の狐とは──私自身そこまで知ってる訳ではないが、なんでも睨まれた者はただでは済まされないとか、百花繚乱に喧嘩売ってボコした上に当時の委員長と引き分けたとか、その正体は鬼や悪魔なんじゃなんて眉唾な物まで……ネットの掲示板によると暴れる場所の多くが連邦生徒会に関係のある場所らしい。ヴァルキューレも一応連邦生徒会の管轄だからか被害を受けているとか。

 

 

 彼女と連邦生徒会に何が……?

 

 

 いや、そんなこと考えてるよりも逃げる方法を……何かあるかなぁ?

 そう思いながら私は鞄の中を見る。財布や手鏡に櫛……うん?これってあの時の?

 

 

 

「あっ……作戦があるよ」

 

「待ってましたぁ!」

 

「なんですか?」

 

 

 

 私は少し自信なさげに提案がある事を伝えると、すごい勢いで私の方を向いて、目を輝かせて聞いてくるではないか。プレッシャーが凄いよ……

 

 

 

「あの時買ったコレがある……それを使ってあの無人機の攻撃と災厄の狐から身を隠しつつ逃げるの」

 

 

 

 そう言って私が取り出したのはあの店で買った煙玉。いまいち信用しきれないけど──

 

 

 

「なるほどぉ! 実に忍者っぽい~!」

 

「ですね! それで行きましょう!」

 

 

 

 私の提案に二人とも納得してくれている。正直、こんな煙玉で無人機の視界を塞げるのか?とか、災厄の狐の攻撃を避けれるのか?とか思ったが──そんな反応されたら何も言えなくなってしまった。

 

 

 

「イズナちゃん、サリちゃん。行動に移す前に一つ約束ねぇ? もし逃げきれない人が出ても助けに行っちゃ駄目だからね? 私たちの実力じゃ更に大変なことになっちゃうから……わかった?」

 

「「はい!」」

 

 

 

 そんな私の疑問はミチルっちも感じているのか、すごい真面目な顔で私たちに釘を刺した。

 今のミチルっちは普段の抜けている感じが全くしない。──正直カッコいい。

 

 

 

「サリちゃん、変なこと考えてない?」

 

 

 

 顔に出てたのだろう……ミチルっちがジト目で私の事を見ながらそう聞いてきた。

 

 

 

「え? いや、なんか……かっこいいなぁ~って」

 

「えっ、そうかなぁ? な、なんか照れるなぁ……///」

 

 

 

 あっ、ふにゃふにゃしだした。う~ん締まらないなぁ?

 

 

 

「よし……準備はいい?」

 

「イズナは大丈夫です! いつでもどうぞ!」

 

「私も大丈夫ぅ! サリちゃん! さっさとドロンしちゃおう!」

 

 

 

 私は、様々な不安が脳裏によぎる中、一つ深呼吸。私ならやれる……でなければ二人も、私も怪我をする。

 そう思ったら自然と手の震えは無くなった。

 

 

 

「……行くよ!」

 

 

 

 そう言って私は、無人機に向けて煙玉を投げた。

 

 

 テニスボールサイズのお手製煙玉が宙に舞う。この大きさで果たして煙は広がるのかという不安はあるが、今はあの店主を信じるしかない。宙に舞っていた煙玉が無人機と私たちの間に落ちる。狙いは完璧だ。

 

 私たちのいる場所から何か投げたっていうのは、無人機にも災厄の狐にも恐らくバレている。もしダメだった時は、私達はタダでは済まないだろう。

 

 一瞬の静寂。冷や汗が流れる。この一瞬がとても長い時間のように感じた。

 

 

 ボンッ!

 

 

 籠った爆発音と共に煙が凄い勢いで広がっていく。力が抜けそうなのをグッとこらえて私は二人に合図をする。

 

 

 

「今!」

 

「「はい!」」

 

 

 

 その言葉と共に駆け出した私達は前からイズナちゃん、ミチルっち、私の順で走り出した。

 弾丸が甲高い音を立てながら私達の横を通り過ぎる。少し遠くで爆発音が聞こえるが私達には当たらない。

 

 私の不安は杞憂だったように思った──その時、煙の向こうから熱のような光のような、そんな感覚を覚えた。

 脇目も振らずに逃げればいい物を、私はその方向を見てしまった。

 

 煙の隙間から辛うじて見えた災厄の狐が、お面越しではあるが、私の事を睨んでるように見える。

 ──その後ろに桜の木が見えた気がした。

 

 

 

「ッ──!?」

 

 

 

 体が固まり心臓が跳ねる。私を見ているはずがない無いと私は頭の中で何度もそう言い聞かせる。

 

 一瞬、ほんの一瞬だったが動きを止めてしまった。災厄の狐なんて物騒な名前で呼ばれてる様な強い人が鈍間な標的を見逃すはずが無いって分かっていたのに……

 

 

 ドカァァン!

 

 

 大きな爆発があったと思ったとき、私は勢いよく後方に吹っ飛ばされた。

 時の流れがゆっくりに感じる。音が籠って聞こえて耳鳴りもする……。

 どうやら爆風をもろに喰らったようだ。しかし、痛みは感じない……意識は飛びそうだけど。

 

 ぼやける視界の中周囲を確認する。どうやら私は遮蔽にしてた車の近くのガードパイプまで吹っ飛ばされたようだ。

 

 爆発で生じた煙のせいで憶測になるが、私がここまで吹っ飛ばされているということは二人はきっと路地の方まで吹っ飛ばされてると思う。

 

 あれ……?もしかして、違和感に気付いて立ち止まって無ければ直撃してた……?不幸中の幸いって奴? 

 

 そんな呑気な事を考えていた私だったが、睡魔の数十倍強いようなそんな感覚に襲われる。

 あぁ、マズい……流石にこれは耐えられないかも……

 

 

 消える意識の間際──誰かの足音が聞こえたような気がしたが……確認することは出来なかった。

 

 



 

 

 どれくらい経ったのだろうか?何かの燃える音に火薬の匂い……定期的な揺れを感じる事から乗り物の中だと一瞬思ったが、聴覚と嗅覚がそれを否定する。疑問に思った私はゆっくり目を開け周囲を確認しようとする。

 

 

 

「──あ、れ? ここ、は?」

 

「あら、お目覚めになられましたか?」

 

「……?」

 

 

 

 私は、やけに礼儀正しい口調の人に呼びかけられている事に気付いた。

 朦朧とする意識にぼやける視界の中、体を起こし声の主の姿を確認するが、シルエットしか分からない。

 

 目を細めて注視するとだんだん姿が鮮明に見えてきた。そして目を覚ましたことを後悔した。

 

 そう、災厄の狐が銃を構えたまま私の顔を覗いていたのだ。

 

 

 

「ヒッ……」 

 

「ふふふっ。そんなに怖がられると悲しくなりますわよ?」

 

 

 

 愉悦に満ちた声でそう話す災厄の狐。

 

 

 

「そ、そう思ってるならもうちょっと声を作って言ったらどうです……?」

 

 

 

 私は、泣きそうなのをグッと堪えて強がる。え?火に油を注ぐような真似何でするかって?

 周囲を確認して分かったのは、ここがあの無人機の上だという事。こんな場所で逃げれる訳ないし、助けが来るのか分かんない。

 でも、私をここに連れて来たってことは何か目的があって、それを達成するまでは悪いようにはされないでしょう?……多分

 

 だから、楽しかった休日を台無しにされた腹いせに反抗しながら人となりを見てやろうって思った訳。

 すぐ撃たれそうですごく怖いけど!

 

 

 

「あらあら、手厳しいですわね? 子猫ちゃん?」

 

「……」

 

 

 

 子猫ちゃんだって……?この人私の気にしている部分を容赦なく……

 

 最近はもう伸びないんだろうなぁって諦めてるけど……。

 でもさ?人にそんなこと言われたら正直腹立つよね?スタイルの良い人に言われたら特に。

 

 

 

「気にしていましたのね?」

 

 

 

 少しばかり申し訳なさそうにそういう災厄の狐。

 謝りはしないけど、ちゃんと罪悪感は感じるんだなと私はそう思った。

 

 

 

「……うるさいです。 そ、それで……なんで私の事を見てたんですか?」

 

「うふふ、いえ? 貴女の視線が気になりまして」

 

「視線……?」

 

「貴女、私が攻撃することに気付きましたわね?」

 

「え?」

 

「あら? 無意識でしたの?」

 

「分からないです……」

 

 

 

 うん?それじゃああの感覚って……? いや、でもそれだったら……

 

 というか、速攻ぶっ飛ばされるものだと思ってたんだけど、この人ってこんなに話せる人だったんだ?話を聞く限り言葉の通じない戦闘狂だと思ってたんだけどなぁ……

 

 

 

「……噂とはずいぶん違うんですね?」

 

「どういう事でしょうか?」

 

 

 

 少し声色が変わった……これもしかして煽りに聞こえてる?

 

 

 

「あ、いや……噂では即ぶっ飛ばされると言われてたので……」

 

「ふふっ、普段はこんな事しませんので間違ってはいませんわよ? 貴女が私の興味を引いたから──それだけですわ」

 

 

 

 そういう彼女は、平然とそう言い放った。

 ──その時にお面の隙間から見えた目に悲しさが見えた気がした。

 

 

 

「そうなんですか……?」

 

「そうですよ」

 

「じゃあ何で悲しそうな──」

 

「何を根拠にそんなことを?」

 

「っ──!?」

 

 

 

 先程の穏やかな声とは真逆の声で私の言葉を遮る災厄の狐。

 お腹の底に響くような……ドスの利いた声だ。突き刺すような、内臓が締め付けられるような感覚に背筋が凍る……これが殺気?

 

 ……これ以上はあまり踏み込まない方が良いのかもしれない。

 

 

 

「まぁ、いいですわ。興味が湧いたついでです。名前を名乗りなさい?」

 

「え? ……心目サリです」

 

「サリですわね。 覚えておきますわ」

 

「あの、あなたの名前は?」

 

「……はい? どうして?」

 

「異名しか知らないですし、あんな物騒な名前で呼びたくないんですけど……駄目ですか?」

 

「貴女は一体──いえ、私は狐坂ワカモですわ。」

 

 

 

 何かを言おうとしたのを止めて、怪訝な顔をしながら名前を教えてくれた。

 

 ワカモさん……彼女は何を悲しく思っていたのか?私に何を言おうとしていたのだろうか?

 話せば話すほど、私はワカモさんの人柄が分からなくなっていった。

 

 

 

「え~っと、よろしくお願いします。ワカモさん」

 

「え? えぇ……よろしくお願いしますわ。サリ」

 

 

 

 名前を聞いたからには何か反応しなければと思い咄嗟に出たぎこちない挨拶。もうちょっとマシな反応があったのだろうにやらかしたと思っていたら、なんとワカモさんは少し困惑しながらも挨拶を返してきた。

 

 戦場のど真ん中で、狩る側と狩られる側の立場なはずだが……何故か和やかな雰囲気になってしまった。

 

 この空気で心の余裕が出来た私は、立ち上がり、私の銃。Mk.23を構えてこう言う。

 

 

 

「……それはそれとして、暴れた事に関しては罪を償ってください」

 

 

 

 正直、先程の空気を壊し裏切っているようで少々心苦しいが、それはそれでこれはこれである。

 それに、手足が震えてて全くと言っていいほど狙いが定まっていない。この状態で撃ったってこの距離でも当たることは無いと思う。

 

 というか私が銃を持った瞬間撃ってくる物だと思っていたんだけど、全然構える事もしない……まぁ、私も撃つ気は無いけど。

 

 

 

「あら、正義感が強いのですね?」

 

 

 

 とても余裕そうに、私の心を見透かしてるかのようにワカモさんはそう話す。

 

 

 

「人に害を与える行為は反省すべきと思ってますから」

 

「ふふふっ。しっかりしてますわね?」

 

「そうなる前に、何とかできないかな?とも思っていますけど……」

 

 

 

 ワカモさんと話していて思う。確かに褒められた人間ではないのかもしれない。街中滅茶苦茶にしてるしそれを喜んでいる。だけど……ただの趣味というにはどこか引っ掛かる。

 普通に話せるし、礼儀だってちゃんとある。この行動が趣味というなら礼儀なんて必要ないはずだ。

 

 ワカモさんのこの行動には何か原因があるのでは?

 

 

 

「その考えは立派ですが、実力を付けてから言った方がいいですわよ?」

 

「そうですけど──ん?」

 

「ッ──!」

 

 

 話している途中で私はさっきも感じた事がある感覚に襲われた。暖かい光の様な感覚。

 ワカモさんの言葉が本当なら……。

 

 私は構えはそのままにその方向に目を向ける。

 

 

 そこにいたのはセーラー服に身を包んだ4人の少女……腕章に狐をモチーフにしたであろうマークが書かれている。

 

 私がそれを認識した瞬間、何かが高速で私の横を掠めたような気がした。その後重々しい射撃音が聞こえる。ワカモさんは後ろに飛んで私の横を掠めた何かを回避しつつ無人機から飛び降り、身を隠した。間髪入れずに先程の銃声が二発聞こえる。すると私が足場にしてある無人機が大きく揺れる。どうやら無人機の足を撃ったらしい。体勢を崩した無人機が倒れ上に居た私は空中に放り出される。

 

 

 

「わぁぁ──!?」

 

 

 

 そんな情けない悲鳴を上げながら、地面に落ちる──その寸前、すごい勢いで走ってきた金髪の狐耳の生えた少女に抱きかかえられ事なきを得た。

 

 

 

「大丈夫!?」

 

「だ、だれ?」

 

「安心して! 私たちはFOX小隊……SRTよ!」

 

 

 

 そういう彼女の顔を見る。口角を上げてキリッとした目が私をじっと見つめており、狐耳の生えた長い金髪が風に靡いている。目が光って見えるのは炎の反射なのか他の要因があるのかは分からないが──

 

 そんな姿を見た私は、カッコイイ……!と、心の中で思ったのだった。

 

 





あとがき

「別にここら辺の時系列なんて誰も気にしないよね」


 ということでお察しの通り、FOX小隊とワカモのバトルの時です。
 個人的にはFOX小隊がワカモを捕まえたのって2年生の頃なんじゃないか?って思っています。
 ここらは独自設定ってことで……

 ワカモ……彼女の行動に色々と疑問が残るんですよね~チュートリアルの発言とか……ただ破壊したいだけではないと思うんですよ。ストレス発散は含まれているでしょうが……
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