目は口ほどに物を言う   作:豆腐メンタルの化身

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 管理人になったりドクターになったりした結果、見事に時間が無くなって続きが……許して?

 いやね?別に書いてないわけでは無くって……次の話も含めて下書きのまま1か月2か月くらい放置していましたすみません。納得いってないのもあってですねぇ?

 このまま考えても駄目だなってなったんでこのまま投稿してやる!ってなりました。


第八話  幼馴染

 

 

 白髪の少女に連れられ街中を歩いていく……人通りが少ない場所をわざわざ選んでいる気がする。

 

 これは……私が行動を起こすのを待っているのかな?いや、無理だよ。明らかに隙が無いよ?動こうとした瞬間制圧されるって。

 

 

 

「……なんでこんなところに連れてこられたか、心当たりはある?」

 

 

 

 痺れを切らしたのか、それとも無駄だと判断したのか、彼女は急に立ち止まって振り返って話し始めた。

 

 

 

「いいえ? 特には……」

 

「そう? じゃあ言うけど。なんでアヤメを見張ってたの?」

 

「……!」

 

 

 

 バレてた……自慢じゃないけど気配を消すのは完璧だったはずなんだけどなぁ。イズナちゃんにミチルっちにもバレたこと無いし?

 

 

 

「え?なんで分かって……」

 

「……姿がチラッと見えたから」

 

 

 

 あっ、普通に見られてたのね……

 本人に見つからない様にって考えてた結果そこら辺がおろそかになってたかぁ……反省だなぁ

 

 

 

「……で、なんでかな? 気配を隠し監視していた理由。 何か悪い事でもしようとしている?」

 

「え~っと、信じてもらえないでしょうけどあまりに辛そうだったので……」

 

「え?」

 

 

 

 予想外の答えだったからか少し間の抜けた声で返事する少女。おかげで重々しかった空気が少し緩んだ気がした。

 

 ここで話しても警戒しっぱなしだよねぇ?うーん……あっ!この近くだったらあそこが近いじゃん?

 

 そう思った私は一つ提案をしてみる事にした。

 

 

 

「少し場所を変えませんか……?行きつけの喫茶店が近くにあるんですよ」

 

「あっ、うん……そうしようか」

 

 

 

 こうして私たちは喫茶店に向けて歩み始めた。

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 こうして着いたのは、中心街からはそこそこ離れている、百鬼夜行の自治区にしては少し珍しい洋風な喫茶店だ。店内は茶色を基調とした落ち着いた……アンティーク調というんだろうか?古臭くも趣のある内装。ここの店主は分かっている人だ。

 

 店内の人数は割と多めだが、座席との間隔が広く区切られている為、店内BGMも相まって余程声が大きくない限り誰かに聞かれる心配はないと見える。ドラマとかの探偵物の作品で絶対出てくるだろうと思っているのは私だけではないはずだ。

 

 和が基本であるこの土地には不釣り合いなのだろうが……私にはぶっ刺さってしまい今ではここの常連だ。

 

 ここに来た理由は、店の中で暴れる事は少ないでしょう?行きつけってのも相まってね?だから警戒心は解きやすくなるのかなぁ……って思ったのと、私はコーヒーが好きなんだ?この見た目でコーヒーを飲んでいると知り合いに驚かれるのだが……いいじゃない!この香ばしい香りが大好きなの!苦みは……我慢して飲んでいたらいつの間にか苦じゃなくなったんだよね不思議だ。

 

 各々好きな飲み物を注文し、出てきた飲み物に一口飲んで話を始める。

 

 

 

「というか聞いてなかったですけどお名前は?」

 

「あぁ、私は御稜ナグサ。百花繚乱紛争調停委員会、副委員長」

 

 

 

 店内の様子に目を丸くさせて辺りをキョロキョロ眺めていたナグサさんは、私が声を掛けた瞬間、すぐに私に目線を向けて話してくる。切り替えが早い……

 

 

 

「副委員長だったんですね? ちなみにアヤメさんとの関係は? ただの委員長、副委員長の間柄ではなさそうですけど」

 

「幼馴染だよ」

 

「なるほど? そりゃあ尚更、私を警戒するよね……」

 

 

 

 知りたかった人ナンバーワンと出会えたんですが?ありがとう!ミチルっち!とは言え警戒されている状況は好ましくないなぁ?

 

 ……?この人……落ち着きがあり隙が無いとても優秀な人ってのはすぐに分かる。流石は副委員長に抜擢される人だなと思うのだが、私はこう感じた。

 

──不安を抱えている気がすると

 

 

 

「とりあえず見張ってたことは謝ります。ごめんなさい」

 

「あっ、えっと……うん許すよ? でもどうして辛そうなんて思ったの?」

 

「これも信じて貰えるか……私は人の感情が分かるんです」

 

「感情……?」

 

 

 

 訝しんでいるナグサさんを気にせずに私は言葉を続ける。

 

 

 

「私は少し前に一人で歩いているアヤメさんを見かけたんですが……あの人良い笑顔だったのに下向きな感情が渦巻いていたのが分かっちゃって……」

 

「本当にアヤメが? 全然そんな風には見えないけど」

 

 

 

 私はナグサさんの反応に少し引っ掛かりを覚えた。

 幼馴染だよね?昔からアヤメさんを見ているんだよね?それとも昔から取り繕うのが上手すぎるのかな……?

 

 

 

「いいえ。そう()()()()。なので、アヤメさんと少し話をして何かあったら連絡してと言ってその時は帰ったんですが、気になったんですよ。どうしてそうなったのかと……そしてアヤメさんに気付かれない様に観察していたんですが……」

 

「アヤメは凄かったでしょ?」

 

 

 

 そういうナグサさんはとても誇らしげな顔になった。

 

 これは、マズいかも?幼馴染に向ける感情と言うにはあまりに重いし、信頼しすぎている。まるでアイドルに向ける感情のようだ。

 一番本音で語れる人間がこの有様ならそりゃあ疲弊するだろう。助け舟を出さないとダメな気がする。

 

 

 

「そうですね? それが問題です」

 

「え?」

 

「私の予想ですが、あの人……頼られる自分を演じすぎて自分が分かんなくなってきてるんじゃないかと」

 

「!?」

 

 

 

 目の前で聞いていたナグサさんが目を見開いて驚いていた。その驚き方は少しオーバーではないか?

 

 

 

「そこまで驚きますか? ……心当たりでも?」

 

「え? いや、別に……」

 

 

 

 動揺してる。後悔?罪悪感?これは──

 

 

 

「嘘はやめてください。何となく嘘をついていることもわかるので……」

 

「あっ……」

 

 

 

 申し訳ない顔をしたナグサさん。この様子だと私の能力を信じてくれてた様子……

 

 

 

「……はぁ。ナグサさん?」

 

「うん?」

 

「貴女……アヤメさんの事をどう思ってますか?」

 

「え?! そっそれは……///」

 

「変な意味ではないですよ!? あぁ、もう……」

 

 

 

 しっかりしていると思ってたら割とお茶目な部分がある人だなぁ?これが素の部分なのだろうか……?

 ともかく……私が発言した瞬間、信頼……?敬愛……?よくわかんないけどそんな感じの感情が溢れ出したので、これ以上聞くのを止めた。なんか怖いもん……

 

 そして私は最初に感じ取った違和感に踏み込む事にした。経験からこういう人はきっと──

 

 

 

「ここにきてから思いましたけど、面白い人ですね? あの平然とした態度は役割の為ですか? ……もしそうならナグサさんもプレッシャーを感じたりしているのでは?」

 

「……!」

 

「図星ですか? ……本当になんでこういう人ばっかなんだろう?」

 

「どういうこと?」

 

「そのまんまですよ? 私はこれを求められているからこうあらなくちゃって演技した結果、不安や憤りを抱えてる」

 

「……」

 

 

 

 図星なのだろう、ナグサさんは何も言葉を発さずに苦虫を噛み潰したような顔をしている。

 

 よし……これもアヤメさんの為だ。もう少し小突いてみるかぁ……嫌われたくないけど!悪者みたいでいやだけど!

 

 

 

「まぁ……ナグサさんはまだマジな方でしょうね? 何かあれば頼れる凄い人間が助けてくれるっていう考えを持てているのですから」

 

「それは……」

 

「でもアヤメさんは? あの人がいくら超人じみた強さを持っていても心まで強いとは言い切れませんよ? 同じようにプレッシャーに押しつぶされそうになっていたら? それでも周りの評価を気にして取り繕っていたら? ……それを周りに悟らせない様に出来るだけの実力があったら?」

 

「あ……」

 

「忠告しますね? 憧れって言うのは自分の理想を相手に押し付けるに等しい行為ですよ? 悪い事とは言いませんが」

 

「そう、だね? 私は……アヤメに……」

 

 

 

 ナグサさんのその言葉の先を汲み取る事は出来ないが、今までの考えについて色々思う所があったのは理解できた。

 

 このままなのは嫌だ!これじゃただの悪い人じゃん!何か、何かフォローを──そうだ!

 

 

 

「ああは言いましたが、私はナグサさんは凄い優秀な人だと素人目にもそう思いますよ? 少し姿を見ただけで私だと察する観察眼とか隙の少なさとか……戦闘技術は見ていませんが、流石百花繚乱のナンバー2だと感じます」

 

「いや……」

 

 

 

 そういう私に何か言いたそうな顔をするナグサさん。素直に受け取れてないのは容易に想像できた。

 

 

 

「……素直に受け取れて無いですよね? 聞いてもいいですか?」

 

「それは……私はアヤメのようには上手くできないから……」

 

 

 

 あ~不安の正体はこれかぁ……これはアヤメさんが原因の一つにあるでしょうね?あくまで予想だけど……

 

 

 

「やっぱり根底にあるのはそれですか。私は今までの貴女を見てそう判断してるのに……そういうのは他人と比較しない方がいいと思いますよ?」

 

「え……?」

 

「上を見るとキリが無いですし……自分を真の意味で肯定するのも、否定するのも自分だけなんですから」

 

 

 

 そういう私をナグサさんは、驚いた様子で見てくる。

 

 

 

「だってそうじゃないですか? 否定的なことを言われても自分が気にしなければ効かないし、肯定的な事を言われても自分が納得しないと負担に思うだけでしょう?」

 

「あっ……」

 

「だったら誰かを基準にするのはバカらしくないですか? だから、行動の基準を他人に置かずに自分がそう思ったからだって……そう言えるようになった方がきっと楽しいですよ?」

 

 

 

 私が少しはにかんでそう言うと、ナグサさんは何かを理解したような憑き物が落ちたようなそんな顔をした。

 

 うん……やっぱり凄い人じゃないですか。

 

 

 

「何か掴めました?」

 

「少しは。サリさん……本当に中学生?よっぽど大人に感じるけど」

 

 

 

 あっあっあっ、その評価はマズい……この人と関わるのが苦しくなりかねない。

 どうしよう、どうし──あっ!

 

 

 

「う~ん、これは喜べばいいんでしょうか? でもそれは私の一面にしか過ぎませんよぉ? もしかしたら年相応の一面もあるかもしれないですよぉ?」

 

 

 

 そう言って私は少し口角を上げてメニューの一つを指さす……そこには、期間限定のスイーツの名前が書いてあった。上目遣いで首を傾げて目を見て訴える……するとナグサさんはその値段を見た後少し目を閉じて……少し微笑んだ後にそのスイーツを注文してくれた。

 

 やった~!と反応する私を何とも言えない生暖かい目で見るナグサさん。注文したスイーツを笑顔で食べながら今後の話をしていく事になった。

 

 

 

 え?ここに来てまで焼き鳥頼んでる……どんだけ好きなの?

 

 

 

 





あとがき

「これから大変だ……」

 ここだけの話ですが、サリちゃん姿が目視されてなければバレる事はありませんでした。忍者より忍者している気が……

 ナグサはとても強く何でもこなせる上に優しくしてくれたり、アヤメが自分にかけてくれた言葉が原因でアヤメを盲信していますが、サリちゃんは共感できる点を利用してその考えはマズいよと気付かせました。

 まだ……依存してる事には変わりませんが……?

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