魔術高専   作:一般ゲーマー

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UA (252 - 242) × 100 = 1000文字(3000文字)+前回借金分の1000 = 4000文字ノルマ
今回 4700文字 無事達成。

キャラ同士の掛け合いも少ない自己満作品ですが、見てくれてる人には本当に感謝を。
マジで人を引き込ませたいなら素の文章力は当然として、物語最初の構成とかも大事だよなと考えつつ、どっかでまとめて練り直したいのでひとまずはプロットも無くひたすら書き殴って行こうかと。
まずは書く習慣を身に付けるためのこの小説とマイルールだしね。


1章-幕間 明星との練習風景

 明星の協力をこぎつけてから少し。あれから俺はほぼ毎日、放課後は明星ルームに入り浸って空間魔術の練習に明け暮れていた。

 明星は話を持ち掛けた時から露骨に拒否感を示していたし、手伝ってくれるようになってからも面倒そうな態度を隠さないが、何だかんだ毎回律儀に約束通り魔力を渡してくれている。感謝ぁ。

 それに加えて――。

 

 

「そこ、間違ってる」

「ん~……? あっ、こうか」

「そ。距離と方向を示す式とピンポイントで座標を示す式は形が似てるだけで意味が全く変わってくるから気を付けて」

「さんきゅ」

 

 

 いつからか明星が俺の練習にアドバイスをくれるようになっていた。最初は魔力を渡した後はやることもなくただぼんやりと眺めているだけだったのに、暇を持て余し過ぎたゆえの気まぐれか指導をしてくれたのが始まりだ。それ以降は練習をしてるとそれを見ながら俺が間違った部分を指摘してくれるようになった。

 明星は自分の適性魔術であることと、あとは研究科で元々頭も良いのか教え方が分かりやすくめちゃくちゃ助かっている。薄々思っていたことだが、さてはこいつ良い奴だな?

 

 そうした明星の思わぬ手助けにより、空間魔術の習得は順調に進んでいる。

 順調……とは言ったが、元々の習得難易度が高いこともあって既に覚えた氷魔術や回復魔術に比べるとだいぶてこずっている。とはいえ明星に聞いたところ、これでも大分早い方だとは言っていた。

 最初は発動どころかまともに魔法陣の構築すら出来なかったが、彼女のアドバイスと家に帰ってからの自主勉強によって、最近ようやく初めて発動に成功した。

 だが、それも小物サイズの物を短距離ワープさせる魔術だけで、他の魔術になるとまだまだ未熟で練習中だ。それに空間魔術の中では比較的簡単なこの魔術でさえも、発動成功率が4割くらい。

 とにかく今はひたすらに修行するのみ。成功率を安定させつつ、収納魔術と人が長距離移動できる転移魔術を覚えることが目標だ。

 一朝一夕で俺の魔術適性まで明星レベルになるわけではないが、いずれ自分の魔力でこれらが出来たら色々と大助かりだ。是が非でも習得したい。

 

 

「ちなみに」

「うん?」

「長距離転移なんて練習してどうするの? あれ使うのに資格いるじゃん」

 

 

 珍しく明星の方から話が降られたかと思えば、そんな疑問を投げかけられる。確かに、長距離転移の魔術は高額が必要になるが一般人でも利用出来る一方、設置には資格が必要となる。だから俺が覚えたところでそこら辺に勝手に設置することは出来ないし、逆に覚えなくともお金を払えば決められた転移魔術なら使用できる。

 

 

「でも明星だって覚えてるんだろ?」

「私は魔法陣の構築を知ってるだけで実際に使ったことは無いし、たぶん発動すら出来ないから。そもそも使う気もないけど。でも神凪はそうじゃないんでしょ?」

「まぁな」

「じゃあ資格を取るんだ。あれかなり難しいって話だけど」

「いや、資格を取る気もない」

 

 

 俺の言葉に明星は胡乱気な視線を向けると納得したように頷き、携帯を取り出す。

 

 

「なるほど、違法な無許可使用ね。通報しなきゃ」

「待ってまってまって俺まだ設置すらしてないし発動できないから」

「止める言葉それでいいの? 覚えたらするってことじゃん。さすがに犯罪に協力は出来ないんだけど」

「違うから。ちゃんと合法の範囲内だから」

 

 

 慌てて明星にストップを掛けて弁明をする。

 自分の特殊体質を知った時に色々と有用な魔術を調べたついでに、その辺もしっかり調査済みだからな。

 

 

「資格がいるのは国なんかの自治体が管理してる場所の話で、例外があるんだよ」

「例外?」

「自分の所有地を繋ぐ場合に限り、自己責任で資格はいらないって」

「持ち家と別荘を繋いだりするのは良いってことでしょ。それは私も知ってるけど、別荘なんて持ってるの?」

「生憎そんなブルジョワな家庭に生まれてないな。普通に今住んでる家と祖父の家を繋ぎたいんだよ」

「あぁ、そういうことね」

「あとは家と学校も繋げられたらいいなとも思ってる」

「確かに……って学校はダメじゃん。何しれっと犯罪予告してんの」

「明星こそ何言ってんだ。学校の敷地内で個人が所有権を持ってる場所があるだろう」

 

 

 指を真下に向けながら俺はそう告げる。その言葉に明星はまさかといった反応を示した。

 

 

「学校の所有物でしょ?」

「ちゃんと在籍期間中の所有権を買ってるんだ。卒業前に魔法陣を消せば問題ないだろ」

「それでも黒寄りのグレーゾーンな感じするけどね」

「……なんか意外と真面目だよな、明星」

「そりゃね。そういうのはバレた時が面倒になるでしょ」

 

 

 なるほど。面倒くさがりだからこそ、その先のリスクを見て行動してるわけだ。

 

 

「……でもこれが使えたら明星だって通学が楽になるぞ」

「まぁそれもバレなきゃいい話だよね。ほら、さっさと練習に戻ろう。ついでに私も練習しようかな」

「おい」

 

 

 ものぐさな明星なら時間の短縮を理由にしたら乗ってくるのではと考えていたが、リスクよりもリターンが勝ったのかあっさりと掌をひっくり返して同調する明星。短くツッコみを入れるも気にした様子も無く「あっ、そこも間違ってる」としれっとミスを指さしてくる。

 まぁどっちにしろ納得してくれたのなら問題はない。このまま練習を続けよう。

 

 受け取った魔力を放出し魔法陣を構築する。構築には随分と慣れたが問題は放出する魔力量だ。魔法陣は発生する事象ごとの式を組み合わせて作りだすが、この式一つ一つに込める魔力量が変わってくる。特に空間魔術はこの操作が繊細で、複雑な構築と並んで空間魔術を難しくしている大きな要素だ。

 例えば俺がギルド活動でよく使う索敵魔術や攻撃魔術、身体強化などは注ぐ魔力が多少想定からズレたところで問題なく魔術は発動する。せいぜいが範囲、大きさ、威力などが増減するくらい。

 そのズレを最小限に抑えることで効果が最大限に発揮されるため、魔術を使用する人たちは長い時間を掛けて自分の適性に合った魔術のみをひたすらに特訓し、素早く、正確に発動させるよう研鑽を積むのが通常だ。

 一方で空間魔術は他と違ってあまり雑にするわけにはいかない。多すぎても少なすぎても狙った地点とズレが生じ、その結果障害物などに阻まれると発動すら出来なくなる。俺が今発動率4割で躓いているのもこの部分だ。

 これに明確な対処法は存在せず、勉強や戦闘訓練と同じで慣れるまで反復練習を行うのみ。そう口では簡単に言うものの、空間魔術の難しさは広く周知されてるように容易にはいかないわけだ。

 

 逆に言えば空間魔術を完璧に習得することは俺に大きなメリットを及ぼす。シンプルに空間魔術を使えるようになる以外にも、繊細な魔力操作が可能になることは他の魔術でも応用できるからだ。

 これまでの七瀬さんとの特訓では身体づくりと戦い方がメインだったから、こうした魔力操作はやってこなかった。だからこそ今空間魔術を習得することは俺にとって想像以上に効果のある修行になる……はず。

 ……なるよね?

 

 今までは七瀬さんの指示に従って特訓をしていたが、入学を機に「学校で頑張って、時々ギルド活動もして、あとは青春を楽しんで!」と放り出されたからこれが良いのかどうかも勝手な自己解釈。まぁ何にしろ空間魔術の適性は上げたいし使えるようになりたいから、無駄になることは百パーないけれども。

 

 

「………………ふぅ」

 

 

 そうして苦戦しながらも練習すること約1時間。そろそろ終わりにするかと肩の力を抜いて椅子の背にもたれかかる。今日の成功率も結局は4割程度に落ち着いてあまり成長は感じられなかったものの、時間が掛かることは百も承知なので気を落とすことはなく。

 ただずっと集中していたから体力以上に精神が疲れており、椅子から立ち上がってソファへと移動する。椅子よりも柔らかい感触に深く体重を預けながら、凝りをほぐすように軽く首を回す。

 

 この部屋も最初は何も物がない無骨な部屋だったが、今では多少の私物がインテリアとなって部屋を飾っている。今俺が座っている人が寝転べるほどのサイズのソファに、俺と明星それぞれ専用のクッション。電気ケトルとこれまたそれぞれのマグカップ。あとは研究科の明星が学校から渡されているノートPCが角の机の方に鎮座していて、それなりの生活感が見えるような部屋に変貌していた。

 最初の頃に俺に魔力を渡してからも部屋に残って暇そうにしている明星に申し訳なさが募って、せめてこの時間が苦痛にならない様にと色々と家具を購入していた。これらの家具については俺も頻繁に利用させてもらってる都合上、明星と折半してAPを使って買ったものだ。まぁ明星はあまりAPを所持してないから俺の方が多く出したけど、俺だって使ってるし明星にはかなり助けられてるので文句はない。

 とはいえこれでもまだまだ部屋の寂しさは拭えない。なにより寛げる内容がソファで寝転がることとコーヒーを飲むくらいしかない。……今度自分の家からゲームや漫画なんかの娯楽でも持ってこようか。いや、そもそも明星の趣味じゃないか? ……分からん。

 

 ソファの左端に座りながらそんなことを思案していると、明星もまた椅子から立ち上がりこちらへとやってくる。俺と反対側の右端に座るのかと思えば、おもむろに靴を脱ぎ、足をこちらの腿の上へと乗せる形でソファに寝転がる。

 

 

「……おい」

「なに」

「何してんの?」

「見て分かるでしょ。横になってる」

「それは分かってる。何でそうしてんのって話」

 

 

 こっちが協力を得るのに強引な手段を取ったからか、これまでも明星が遠慮する様子は無かったが、それでも一定の距離感は保っていた。慣れて来たのか段々と喋るようになったし、口調も雑になってきたとは感じていたが、ついにそれが態度にまで現れるようになったらしい。それにしても何してんの?

 

 

「いいでしょ別に。ずっと見てるのも疲れるんだから横になりたいの。嫌なら椅子に移ってよ」

「俺だって疲れてるんだからソファの方が良いんだけど」

「なら我慢して。別に重くはないでしょ」

「そりゃそうだけど……」

 

 

 重くはないが、モラルの話をしているんです俺は。こうやって気安い肉体接触をされると思春期男子としては困るんだよ。たったこれだけでも(さては俺に気があるのか?)なんて考えが脳裏を過ってドギマギするんだから。明星に限ってはそんなことあり得ないだろうけど。

 

 

「今日はギルド活動も無い日だから、あとは真っすぐ帰るんでしょ?」

「……まぁそうだな。今日はこれで終わりにして、少し休憩したら帰るつもり」

「鍵は私が持ってるんだから、私もそれまで帰れないわけ。でも私だって早く休みたいの。だからこそのこの姿勢。理に適ってるでしょ」

「そこに俺の感情を汲み取ってくれれば完璧だったな」

「美少女の脚に触れられて喜んでるとみた」

「喜んでない。あとそう思うならどけて」

「帰る時起こして。寝る」

「話聞いて?」

 

 

 俺の言葉も何のその、自分勝手好き勝手理論で一方的にこちらをぶん殴ってきた明星はこちらの言い分には耳も貸さず宣言通り目を瞑って寝始めた。嘘でしょ……。

 

 

「はぁ……」

 

 

 実際のところ重さ的にはなんの負担もないし、別にコーヒーを飲みたいとかトイレに行きたいとかでもないからなんら問題はないのだけれど。一応同い年の男子相手にこうも無防備な姿を見せるとか、むしろこいつの感覚が心配になってくる。

 今日までのどこでそんな信頼を稼ぐようなイベントがあったのか、はたまた単に明星が図太いだけか分からないが、俺も休むとしよう。

 

 その後、30分ほど携帯を弄りながら休憩を取った俺は、一方的なお願い通り明星を起こしてから学校を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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