ビッグ7は沈まない   作:ドラフェノク

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執筆中のデータがメモ帳ごと吹っ飛んで、艦これのデータも吹っ飛んだ。
私が一体何をしたと言うんだ……?(今日再着任出来たけども)
佐伯湾泊地サーバー。少佐のドラフェノクであります。初建造でレシピ(我流)回したらぜかましが出た少佐のドラフェノクであります。

誰か初期に有りがちな枯渇気味燃料を何とかする方法と初期レベリングスポットをば教えてください……忘れてて何も出来ひんのや……


長門が、消えたよ……ケッコンカッコカリしたかった……


贈与

「と言うことでして、これから夜会に臨むことに相成りました」

 

今までの経緯と、近況。敵軍の開発中らしき魔術回路の内容とその利用目的を延々と防諜装備を施した特注品の電話の受話器に喋り続け、返答の無いままに数分が過ぎたところで、気づく。

 

また喋りすぎたか、と。

 

こちらに行く前に『多弁すぎるのはよくない』と言われたばかりだがこの多弁は生来の物であるし、何よりも相手が沈黙を貫く聞き上手である以上は会話ではなく、こちらが一方的に喋らざるを得ない、と言う感があった。

 

『貴官の武運を祈っておいもす』

 

柄にもなく『やっちまった』と思い、少しの後悔と共に切ろうと礼と別れを告げようとしたところ、耳元に重厚さを感じさせる老年の男性の声が響く。

 

『勝って兜の緒を締めることを怠らぬごとを、忘るることなきよう』

 

返された言葉は歴戦の老将特有の覆せぬ重みを以て響き、消えた。

 

「……必ず」

 

重い一言を受け止め、少しの言葉の詰まりを乗り越えて返事を返す。

 

電話が切れ、夜の闇に沈黙が戻った。

 

「……終わったのか?」

 

「あぁ」

 

首に吊った双眼鏡を少し撫で、隣に佇む長門に視線をやる。

 

「金剛もとんでもない物持ってきてくれたもんだよ」

 

「……重いか?」

 

「嬉しくはあるけど、重いってのはあるよ」

 

珍しく弱り切ったような大佐を興味深げに赤い目が見つめ、その後に優しく微笑んだ。

 

「何だ、人の困り顔見て楽しいか?」と。いつもなら確実にそうからかう筈な情景だが、彼に今それだけの余裕はない。

 

傲岸なまでの不遜さを以て自分の才に自信を置き、上官の無能と思考の硬化を偏執的なまでに憎み、海軍の神を後ろ盾に権勢を誇った男の姿はそこにはなく、また人を人とも思わぬ大リストラの剣を振るった悪魔の姿ですらなかった。

 

「帰って、寝たい」

 

いつも冷静で居たいという願望で被った常に飄々としている仮面と、リストラによってどれだけの迷惑がかかるかを知り尽くし、自分に向けられる憎悪の念を受けきる為に被った悪魔の仮面は疾うに外れ、生の自分が出ていたのである。

 

この一瞬の彼は大日本帝国の兵器を一手に担っていた天才ではなく、神から渡された重みに耐えようとする凡人に成り下がっていた。

 

「長門」

 

「何だ?」

 

どこかおかしいことを察していた長門は、出来るだけ優しく声をかける。

 

「ちゃちゃっと撃ってパパっと勝とうか」

 

「ああ」

 

いつもの仮面を被り終えた彼の言葉に『任せろ』とも、励ましの言葉一つも言わず一言のみに収めて返す。

 

無用な修飾や劇的な詩的表現を、彼は嫌う。私も嫌う。ただ決意と勝算と事実を述べれば事足りるのだ。

 

自分は自分の範疇で可能限りやれることをやればいい。その疾うに決めていた決意を表すには一言でも十分すぎ、過分ですらあった。

 

「まあ、重いは重いけど仕方ないさ。何せ俺は天才だしね」

 

暫く歩き、少し調子を取り戻したかのような軽口を叩く彼を見て、嬉しくもある癖に素直ではない奴だとも思うが、同時に『重い』と言うのも本音なのだろう、と。

そう思い直し、突っ込むのは控える。

 

「貴様一人で三十年は進んでいるのだから、身体をよくよく自愛しろ。技術しか残さず死んだ先には停滞しかないぞ」

 

劇的な発展を支える技術者は一代きり。残された秀才たちはその逝った天才の技術を越えられず、越えようとすら思わなくなる。

となると、その先に待つのは停滞だ。折角三十年進めておいた技術が他国にとっての一昔前の技術になるまで、『越えられない』と言う固定観念に捕らわれた者達はその遺産を貪り続けるだろう。

開発のノウハウと思考法。停滞を許さぬ仕組みこそが必要なのだ。

 

天才とは、一から百まで飛び、また百から千まで飛ぶと言う感じに、当たり前に飛躍を繰り返す性質がある。

現にこの男の技術力とか構想力とか言うものは飛躍しかないし、一芸が万芸に通ずる様な……全く畑違いの分野でも認識を飛ばして実行に移す。

世の人々の大方が何もわからぬまま突き進んだこの数年。飛躍した地点から徒歩で一まで帰らねばならない。

 

一年後には達していたであろう更なる飛躍を捨て、他の者でも行えるように―――ただし技術は国で独占し続けるが―――しなければならないのだ。

 

「……明日は陸のが来るんだっけか」

 

「あぁ、そうなる」

 

懐から手帳を出して確かめた後に、頷く。

新学期にあわせてと言う話だったのが少し延期され、謂わば中途半端な時期に陸軍からの留学生は来ることになった。

 

「馬鹿か、秀才か、或いは技術屋か。長門はどのタイプだと思う?」

 

「国費からも出している以上馬鹿ではないだろう。だが、陸軍から『面倒を見てやってくれ』と言われた以上は秀才とかそう言った官僚系ではないな」

 

「技術屋か、或いは現場で優れた能力を発揮するタイプか。まあ、組むことになるだろうから何とか有能であって欲しいもんだね」

 

こちらが火力で押すタイプである以上、トリッキーな自動人形が望ましい。最終的には戦うことになるとは言っても、味方にするならば強い方がいいからね。

 

「ノーマークに近かったから情報は殆ど無いけども、陸軍からの電報のお陰で名前はわかる」

 

「ほう?」

 

「赤羽雷真。あの赤羽一門の御曹司だった男であり―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「順位一位、登録コード・『元帥(マーシャル)』マグナス―――彼の、弟だ」




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