紫煙少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

1 / 8
新年明けましたおめでとうございます
新年1発目で新作になります

本作品は駒草山如が主人公です
本作品では未成年の喫煙描写が出てきますが未成年喫煙を推奨するものではございません
東方Projectの駒草山如の設定を鑑みてになります


入学試験

「此処が雄英かい……にしても、アンタはもう少しシャキッとしな‼︎」

 

 そう語るのは170cm程の身長。

 紫色の髪をポニーテールにして左手に煙管、右手には折り畳んだ扇子を持って赤い着物と羽織、下はスカートと素足に下駄という出立ちの男勝りな性格な女の子、名前を駒草山如という。

 隣を歩くのは同じ中学校出身で山如の気心知れる、互いの家に遊びに行く程度には気心が知れている、片手で数えられる程に数少ない山如の友人の1人である心操人使。

 

「緊張してるんだよ‼︎ なんで駒草はそんな平気なんだ⁉︎ 普通はするだろ⁉︎ 緊張‼︎ ていうか何で和服⁉︎ あったろ⁉︎ 制服が‼︎」

 

 駒草と心操が今から受けるのは国内最難関、偏差値79、倍率300を記録した最難関の更に最難関である雄英高校ヒーロー科。

 その試験当日である。

 緊張しない方が無理というもの、だが……ガチガチに固くなってる心操とは違い駒草には緊張は見られない。

 肩を竦めながら駒草は手に持った煙管を弄びつつ語る。

 

「洋服苦手なんだよ……ずっと和服だったし、そりゃあほら? 私にはコレがあるし? 緊張ってもこう言うのは家業で慣れっこだからね……賭場じゃコレよりも重いプレッシャーが掛かるからなぁ、丁か半か、伸るか反るか……勉強はしたしそこに至るまでの努力も知ってる、だから……後は運否天賦の神様任せさ……なる様になれば良い」

 

「忘れてたよ……稼業も相まって駒草は根っからの博打ウチだったな……っと、悪いな駒草……」

 

 心操は陰鬱になりかけていた気持ちが自身の周囲に漂う紫煙で晴れるのを感じ取り駒草へと御礼を語る。

 山如の個性は『煙草の煙による精神操作』である。

 自身が吸っている煙草のみに限定されるが、その煙の流れを自由自在に操作しその煙を吸引した自身を含めた生物の精神を極めて強力に操作出来る。

 未成年喫煙にガッツリ引っかかりそうなものだが……山如は個性使用の名目という事で条件付きで許可が降りている。

 その条件付きの許可というものが……成人するまでは指定された銘柄1種のみ喫煙可というもの。

 山如が吸うのは特別製の煙草であり、今山如が手に持つ煙管の中にあるその煙草の葉は毒性を完全に喪失させてその代わりにペパーミントやカモミールを混入させてアレンジしている至って健全な物である。

 山如の為だけに煙草会社が製作したソレはフルーティーな匂いやミント系のスッキリ爽やかな香りであり煙草独特の香りは一切しない。

 従来の煙草の様な健康被害など一切無い様に作られている。

 そして……今紫煙を燻らせて陰鬱になりかけていた心操の精神を立ち直らせた。

 そうして、他愛無い会話を繰り広げつつも歩いていく2人。

 試験会場へと到着し駒草は心操へと笑みを向けつつ語る。

 

「あぁそうだ……心操……頑張れよ? じゃあまた後で、試験終わりに」

 

 駒草はそう語ると心操の頭へと手を伸ばしてわしゃわしゃと撫で回しつつ駒草は先に入って行った。

 


 

 筆記試験を終えて残す所は実技試験。

 変わらず和服のまま、カランカランと下駄の音を響かせて……片手に煙管を持った山如はスタートの宣告を受けたと同時に駆け出す。

 自分の個性とは極めて相性が悪い。

 駒草の個性は生きている生物にのみ有効……。

 機械相手では実質無個性に等しい。

 だが……ソレがどうしたというのか、(ヴィラン)向きだと、犯罪者向きだと散々言われてきたが……心操人使がヒーローになると決めたから……山如もヒーローを志した、この程度で折れる訳にはいかない。

 煙管を咥えて深く吸い込み……自身にのみその個性を適用させ精神を昂揚させる。

 何もロボットを壊す必要はない、行動不能に陥れればソレでポイントが稼げる。

 既に破損したロボットの破片を手に取り近くに居たロボットに投擲する。

 外装で保護されてはいるものの試験用に作られている為なのか作りが甘い……寸分違わず投擲された破片が突き刺さり行動不能に陥っていくロボット達。

 31ポイントほど稼いでいると突如として揺れる試験会場。

 揺れの原因はすぐに判明した。

 50〜60m程の巨大ロボットがビルを壊しながら此方へと向かってきている。

 ソレに対して……パニックになり我先にとロボットから逃げる受験者達。

 怪我人が居るのも構わずパニックが巻き起こる。

 だが……倒せはしないまでもパニックになるのは不味い。

 故に山如は煙管を更に深く吸い込んで吐息と共に煙をばら撒く。

 そしてパニックに陥った集団の精神を操作しつつ叫んでいく。

 

「落ち着けぇ‼︎ パニックに陥ってどうする‼︎ 主らは怪我人を押し除けて我先にと一体何処へいく‼︎ まさかその体たらくでヒーローを志していたのか⁉︎ 瓦礫で負傷した者もおる‼︎ 動ける者は怪我人の救護と救助‼︎ 索敵可能な個性持ちは可能な限り周囲の安全確認‼︎ あのデカいロボットだけではない、この轟音を探知してポイントを有した小型も此処に集まる‼︎ ならば‼︎ 遅滞戦闘を仕掛けるしかない‼︎ 集まってくるロボットを行動不能にしつつ退却を図る‼︎ ヒーローを志しこの場にいるのならば‼︎ 少しくらいは誰かを助ける為にその力を奮って見せろ‼︎」

 

 そう叫ぶ。

 精神操作により集団パニックは極めて最小限に抑えられており駒草の叫びもあり急造の部隊編成がなされる。

 巨大ロボの出現時に破壊された建造物の瓦礫で救護者多数、怪我人多数のこの状況で戦闘を行うのは不可能。

 索敵班からの報告で安全なルートが作られ寄ってくるロボットを可能な限り回避しつつ制限時間切れを待つ。

 倒せないならルールの範囲内でどうにかする。

 今は退避しつつ体制を立て直すのが先決。

 そう思案して逃げの一手を打つ。

 そうして、逃げつつ時間を稼ぎ……試験は終了した。

 


 

 試験が終わり……雄英の校門前にて心操を待つ駒草。

 実技試験は何処も同じ20分間。

 遅れはない筈だが……壁に寄りかかりつつ扇子を開いたり閉じたりして暇を潰している駒草。

 そんなこんなで3分が経過して……流石に遅いと思い始めたその矢先に心操が戻ってきた。

 ようやく戻ってきた親友に声を掛けようとして……駒草は口を噤んだ。

 その表情から察せられるのだ、ダメであった事を。

 

「……ウチに寄ってけよ心操……話くらいは聞いてやっから……」

 

 親友の肩に手を置いてそう優しく語る駒草であった。




面白いと思いましたら感想や高評価点をくれると嬉しいです

赤色評価を目指しています
評価をもらえたらとても嬉しいです。

評価付与 お気に入り登録 感想
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。