委員長決めが行われ、多数決の結果……最初こそ委員長が緑谷、副委員長が八百万に決まったがマスコミが入り込んで大パニックになった際に飯田天哉と八百万百が場を収めたのを見て緑谷が自身ではなく飯田が相応しいとして、委員長が飯田天哉、副委員長が八百万百となった。
そうして……その日の午後のヒーロー基礎学、今回行われるのは
そのバス内では当然と言うべきか自分達の将来や個性の話へと繋がる。
圧倒的に派手で強いと言えば爆豪、轟だろうという話になる。
爆豪勝己は爆破。
轟は半冷半燃による凍氷と炎熱、
2人とも広範囲、更に見た目的にも分かりやすく視覚的情報にも受け入れやすい。
やはり増強型のシンプルな個性や見た目で分かりやすい個性は良い。
切島さんが語る。
「俺の硬化は対人じゃ強えけどいかんせん地味なんだよなぁ……そういや対人で強えつったら駒草と心操だな、昨日の戦闘訓練‼︎ 一歩も動く事なく2人を制圧してたし‼︎」
突如として話を振られた山如はとりあえず当たり障りの無い言葉を、心操も軽く笑みを浮かべて相槌を打って対応する。
そんな話を広げていると峰田が山如の巨乳を性欲全開100%の眼差しで見ながら全ての会話の流れをぶった斬って叫ぶ。
「そんな事よりよぉ‼︎ 駒草さん‼︎ そのデッカいおっぱいは幾ら払えば揉ませてくれるのグェハ⁉︎」
和服であり、更に胸が強調される様な着こなし方をしている為……峰田からは欲望丸出しの言葉を掛けられるが即座に蛙吹さんが制裁として舌でビンタし、張っ倒す。
そのコントみたいな流れを見ながらケラケラと笑みを浮かべて山如は峰田の肩へと手を置いて優しげに語る。
「君は実に面白い事を言うね、そうだなぁ……私の提示するゲームに勝てたらいつでもお気軽に……と答えておこうかな? 尤も簡単に負けてやる道理はないがね」
そう告げると俄然やる気が出てキタァァ‼︎ と叫び更に制裁される峰田。
そんな会話を繰り広げながら……バスがそろそろ目的地へと到着するという事で
ワイワイガヤガヤと盛り上がっているバスの車内……しばらくして相澤先生よりそろそろ着くから静かにしなさいと告げられ静まり返る車内。
バスから降りるとそこにはスペースヒーロー『13号』先生が迎えてくれていた。
そして……USJ内入り口にて、授業が始まる前に13号先生からお小言と称した語りが行われる。
1つ2つ3つ4つ5つ……増えていく。
端的に言えば13号先生の個性であるブラックホールは簡単に人を殺せる個性であり、私達の個性も同じである。
人を簡単に傷つけて簡単に殺せて簡単に人を害する個性であるという事。
一例を挙げるならば山如の個性や爆豪君の爆破や芦戸三奈の酸や轟焦凍の半燃半凍であろうか……。
お小言が終わり13号先生と相澤先生による施設の説明が行われようとしたまさにその刹那……。
黒い霧が顕現し数多の
侵入者用センサーも当然設置してあるが何故だか機能していない、そういった妨害を行える個性持ちが
その瞬間、相澤先生が叫ぶ。
「一塊になって動くな‼︎ 13号‼︎ 生徒を守れ‼︎」
命を救う筈の学びを得る為の時間に何の皮肉か……
切島がゾロゾロと湧いて来る集団を見ながら語る。
「何だありゃ……また入試の時みたいに既に始まってますよパターンか?」
そう呟いて不用意に踏み出そうとした刹那、相澤先生から一喝される。
「動くな‼︎ アレは……
動くな、それを聞いてA組の生徒達はソレを律儀に守る。
ソレと同時に納得もする。
相澤先生は授業を非常に合理的に進める、そもそも救命救助訓練に
相澤先生が指示を出したと同時に……手の装飾品を装着した青年が辺りを見回して怨嗟の混ざった声音で生徒たちにも呟く。
「たく……何処だよ? オールマイトは……せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさ、オールマイト、平和の象徴が居ないなんてさぁ……子供を殺せば来るのかなぁ?」
そう語られる。
しかしながら相澤も数多の戦線を潜り抜けて来たプロヒーロー。
1対多人数、しかも非戦闘員の護衛もするというこの手の戦いも経験したのは1度や2度じゃない。
「13号……生徒を連れて避難開始‼︎ 学校に連絡試せ……センサーの対策も頭に入っている連中だ、電波系統の個性持ちの妨害も考えられる……上鳴、お前も個性使って連絡‼︎」
その指示に従って上鳴さんがヘッドセットで連絡を試すがノイズが走るばかりで連絡が取れないのは表情で理解できた。
相澤先生が集団の中へと飛び込みチンピラを捕縛布や体術を組み合わせて対処している。
13号に促されて避難をしようとした刹那……真っ黒いモヤが出現して丁寧な口調で語り出す。
「初めまして……我々は
そう叫び飯田や麗日や障子、瀬呂と言った僅かなクラスメイトを残してそれ以外の者達がUSJ内に散り散りに飛ばされる。
無論、心操と山如も例外では無い。
ワープゲートらしい黒いモヤを潜り抜けると隣には心操が。
そして見回す限り視界内に入るは
状況は考える限り最悪に近かった。
心操と背中合わせになりつつ煙管に火を入れて紫煙を燻らせる山如。
個性のタネが割れていない事が唯一救いと言えるか。
煙管を深く吸い込み煙を吐き出すと背中合わせとなっている相手へと言葉をかける。
「なぁ心操……お前は私を信じてくれるかい?」
その問いかけに対して心操は何の躊躇いもなく語る。
「何を言うかと思えばそんな事か……山如の言う事を信じない時があったか?」
即答され……笑みが溢れる。
ならば……かまそうじゃないか大博打を。
駒草山如の賭場を開こうじゃあないか。