スーのイベント
マスターは暫く二次障害で意欲を失っていたが活力が若干戻り同人誌を描き始めるようになった。
その時マスターは意欲がいつもとは倍増していて極めて同人誌描くのに夢中になっていた。
ちょうどそんな時のこと。
「ふふふ同人誌を描いて販売するんだ「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん!!」
マスターに一人の少女が満面の笑顔で飛びついてくる。
「あわびっくりした!どうしたんだいスフレ?」
とマスター。
スフレはいつもの格好とは違う、煌びやかなドレスを着ていた。
「おおそのドレスどうしたんだい?」
「へへん似合うでしょ?スー今度イベントで主役になるの!お兄ちゃんも是非見に来てね♪」
スフレは微笑みかけてそう言う。
因みにスフレの一人称は「スー」まだ11歳と幼く無邪気であどけなさがある女の子だ。
「そ、そうか楽しみだな!是非行かせていただくよ!」
マスターは「同人誌を描きたくて描きたくて仕方ないのに…」と思いながらもスフレの泣きだす姿は見たくないばかりにそう空返事をした。
そしてマスターは喫茶店を経営しているが5人の乙女に接客や料理などの業務をさせている。
スフレもその一人だ。
「スー主催でイベントやるのよね?ドレスもよく似合ってたわ」
とポニーテールの少女が言う。
名前はラナン。料理に意欲的だが彼女の作る料理はゲロマズ、だからだから接客に甘んじている。
しかし朗らかな表情と声が好印象の少女だ。
「素敵でしたわ素敵でしたわスー様…」
長身の少女が鼻血を垂らしながら、はしゃいでいるスーを見つめる。
カトレア、凍っていたのをマスターとラナンが救い助かった。彼女はスフレ煩悩な為頭はスフレの事でいっぱいである。
一見すると知的でクール。落ち着いた印象がある。
「あらまあ素敵ですわ。出来れば私達も行きたかったですわ…」
おっとり系の女性が言う。
プルメリア、その顔は光を讃えていて極めて美人である。おっとりしてて抜けてるのが欠点か。
「アンタらちゃんと仕事しなさい!」
そう少女達に叱るのはロザリー。
ツンデレ女子である。
引きこもりだったがマスターに救われた。
「ブーうるさいなロザリーお姉ちゃんは!」
スフレは話を切ってしまうロザリーに頬を膨らます。
「まあまあ仕事しましょうしましょう♪」
プルメリアはニコニコした表情を崩さずロザリーに従う。
仕事が終わってからもスフレはイベントの稽古をしていた。
「もういい加減休もうよ…」
「ぴ…ぴこーん…スー先輩元気過ぎ…」
ナツメとチコは稽古に振り回されて困憊《こんぱい》している。
「駄目駄目!最高のイベントにするんだから!!」
スフレは燃え上がっている。
いっぽうスフレを先輩と呼んでいるチコだが彼女より3歳は歳上である。
と言うか学園ではスフレは飛び級でラナンやカトレアと同級生になっているのだ。(4人は高校生くらい)
11歳で元気盛り、ちょっと我儘な少女スフレは最高のイベントにしてマスターに感動させようと言う意欲が人一倍盛んだった。
「風の魔力よー!」
スフレはチコやナツメを付き合わせ寝る間も惜しんでイベントの稽古に励んでいた。
いっぽうでいっぽうでマスターは同人誌の続きを描いていた。
「うふふかっちゃんも登場させてみようかな?かっちゃん可愛かったな♪」
マスターはふとかっちゃんの事を思い浮かべる。
かっちゃんは友達の小説の登場人物である。
「とすると六助は闇堕ちさせなきゃいけないな…その予定は無かったんだが盛り込んでみるか…」
マスターはむげひかの制作に励んでいた。
それからスフレの大イベントの日はやって来たそのお昼頃。
マスターはむげひかを描き続ける事に夢中になりスフレのイベントの事は忘れてしまっていた。
一方でスフレはジルハラード劇場の表舞台に立ち、劇の本番に立っている。
「あれれ?」
チラッと観客席を見るスフレだがマスターがいなかった。
ーーー
「うわあああぁん馬鹿ああぁ!!!」
スフレ泣き喚く。
「スー泣き止んで」
「困りましたわねぇ…」
ラナンとプルメリアが慰めまくるもスフレは地団駄を踏んで泣き止まない。
「どうしたのどうしたの?」
マスターが駆け寄る。
「マスターアンタスーに何したのよ!!」
ロザリーがマスターを見るや怒り口調で問いた。
「マスター…。あれからスーはずっとこんな調子なのよ」
「おいたわしやスー様…」
とラナンとカトレア。
「劇見に行かなかったんでしょ?」
と言いながらジト目で睨むロザリー。
「あ…ごめんね…」
マスターはふと思い出し平謝りした。
「もうお兄ちゃんなんか知らないっ!!!」
スフレは飛び出した。
「あぁスー!」
途方に暮れるマスターに対してロザリーは言った。
「アンタの責任よマスター。スーあんな風になったら大変なんだからね!」
「うん………」
マスターは骨が折れそうな気持ちになった